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【神明流】
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「凄まじい切れ味を誇っている剣でも、ただ振り下ろせば簡単に斬れるわけではない。”間合い“、“刃筋”、“角度”、“円形線”が高いバランスで一致したときのみ、その本来の切れ味が発揮されるのじゃ。それは、基本動作が重要になる。たかみは、その基本動作が驚くほど正確に出来ている。そこで、抜刀術を伝授する。抜刀術は全部で10本ある。どれだけ習得できるかはお主次第じゃ!抜刀術の基本動作はドミノには教えてある。ドミノを手本にしてみるがよい。」
ホープはドミノを呼び、ホープが説明し、ドミノがその動きをする。
「まずは、上段先取りじゃ。これは、不動の姿勢(自然体)から、静かに日本刀に手を掛けて“鯉口”を切り、抜刀して中段に構える。その後、左上段に構えて相手との間合いを詰め、相手の突きを察知し、右足を右斜め前に大きく踏み込んで体をかわし、素早く相手の左面を斬る。斬った後、右足を引きながら左上段の構えとなって残心を示し、左足を引きながら左手を柄から離して左帯に送るのと同時に、袈裟に振り下ろして血振りを行ない、納刀する。やってみぃ!」
ドミノを手本に同じように動く。模倣のスキルを使っているのでドミノと同程度の動きならできる。
「うむ。初めての割には動きが良いがまだまだじゃ!もっと、間合いを詰めい!そして、踏み込みにもっと体重を乗せんかい!……正確に!!……もっと素早く!……そうだ!もう一度!!」
おれは、教えられる通り何度も反復し、その動きを記憶していく。
「す、凄い、上達の速度・・・」
一緒にやっているドミノが呆気に取られている。ドミノも負けまいと必死に練習をする。切磋琢磨でいい光景だ。
「今日は、基本動作と上段先取りを集中的に練習じゃ。」
俺は、ドミノと二人で何時間も鍛錬に勤しんだ。夕方になり、本日の稽古は終了する。
「タカミ、お主かなり呑み込みが早いが、何か剣術やっていたのか?」
「はい、剣術とまではいきませんが、父に習っていました。それを欠かさずずっと朝の鍛錬にしています。」
「なるほどのう。そう言う勤勉さの表れか。兎に角、時間が無い。欠かさず鍛錬するようにするのじゃ!」
「分かりました。毎日続けます。」
「うむ。精進せいよ。期待しておるぞ!」
俺は、着替えをし、帰路に就く。帰ってから、夕食の時間まで今日習った事を反復する。それを、ナディアとティナが見ている。
「みるみる上達しておるの。魔法だけじゃなく剣も使えるようになるなんて本当に凄いのじゃ!」
「タカミ、凄い。ティナにも剣術教えて欲しい。」
「うん。いいよ。じゃあ、剣術大会が終わったら一緒に稽古しような。」
俺は、汗を拭きながらティナに答えた。
「うん。ありがと!」
夕食の時間になったらしく、ノアが呼びに来る。俺達は、皆で食堂に行き皆で食事をとる。そして、食事の後、シャワーを浴び、魔法の鍛錬をして就寝する。こうして俺は、午前中は図書館で本を読み漁り、午後から剣術をし、夜はいつもの鍛錬に剣術の鍛錬を組み込んだ。何気に結構、忙しいかもな。そして、そんな生活が10日間続いた。
翌日、いつもと同じように図書館に行き、その後道場へ向かう。道場に行くと何やら”ティッシュ”みたいな紙を糸で吊るした物がある。
「これ、何ですか?」
「お主の稽古に使う物じゃ。お主は、まさかの10日間で抜刀術をマスターしおった。そのため、今日からは、奥義の訓練をしようと思う。」
おお!奥義!!キタ――(゜∀゜)――!!
「で、何をすればいいのですか?」
「うむ。剣術で対象を斬る際に2つの”斬”がある。それは、”剛剣”と”極剣”じゃ。”剛剣”とは自分の中にある”気”を凝縮させその凝縮させた”気”を剣に宿らせることで力にし、対象を斬る。つまり、一瞬、爆発的な力で、対象を斬るのが”剛剣”じゃ。”極”は対象に対し”斬筋”を完全に見極め、その対象を素早く正確に斬る。”極”であれば、空気や水どんなものでも一刀両断できるのじゃ。タカミには、この”極”を身に付けてもらう。」
そう言うとホープは、俺に木刀を手渡す。
「闇雲に切りつけても、破けるだけで斬れはせん。対象を身体と心の眼で見て、”斬筋”を見極めるのじゃ。そして、その”斬筋”をなぞるように素早く正確に斬る!やってみぃ!」
”心眼”とは違うのか?俺は、目を瞑り、対象を見る。六感を通してその対象物がどこにどのような状態であるのかは把握できる。しかし、”斬筋”が見えるわけでは無い。兎に角、心眼で対象物を素早く斬ってみる。しかし、紙は、”ふわ”木刀を避ける様に動く。
「ほう、お主、心眼を使えるのか。まだまだ伸びしろが在りそうじゃな。」
「え!タカミ、心眼が使えるの!!」
ドミノは、意外そうに尋ねてくる。
「ええ、一応、でも、今一うまく使えていませんが・・・」
「へー、中々やるわね。私も負けてられない!」
なんか、ドミノもやる気を出し始めた。俺は、剣速を上げてみたり、剣の軌道を変えてみたり、剣が紙にヒットとするポイントで引いたり、押したり、色々な事を試した。しかし、上手く切れない。何度も何度も繰り返す。時間も経ち、本日の稽古が終わりに近づく。
「もうよい。今日はここまでにしよう。」
とうとう、タイムアップになってしまう。一体なぜ、上手くいかないのだろう・・・。
「今日のお主は集中力が足らん。座禅でも組み、精神統一をしてから帰るといい」
俺は、座禅と組み、今日の稽古について考えてみる。今日の俺は対象を目の前にし、今まで習った抜刀術を駆使し、どの技が効率よく斬れるかばかりを考えていたのではないか?そんな考え事をしながら稽古して集中していたと言えるのか?如何に斬るかという事に専念せずに上手く斬る事が出来るのか?では、何に集中して稽古をすればいいんだ?
考えれば考えるほど、ドツボに嵌まっていく。色々考えている今も注意散漫なのかもしれない。じゃあ、俺は、いつも集中できてないのか?すると、後ろからホープの声が聞こえる。
「お主は、儂の治療をしている時もこんな感じでやっておったのか?」
俺は、”ハッ”とした。オペとしている時は、目の前の患者、病巣、術式、を一つの対象として常に治す事だけに集中してきた。そうか。俺の持つ武器、技術、斬るという行為、そしてその対象を一つの現象として考え、その事だけに集中すればいいのか!
「ホープ師匠!!俺、分かったかもしれません!」
再度、俺は対象と向き合う。全身の力を抜き、全てを一連の動作として捉える。集中力が極限まで高まったその時、俺の目の前に一筋の軌跡が見えた。俺は、それに滑らせるように剣を走らせ、斬る。
《ユニークスキル 全集中 を獲得》
《スキル 斬撃”極”を取得》
宙づりにされていた紙は、まったく動くことが無く2枚に切断され、”ヒラヒラ”と舞い落ちた。良し!!!
「ふむ、見事じゃ!!しかも、教えたその日に出来るとは。何と言う才能よ。」
「いえ、ホープ師匠が俺にヒントをくれたからです。ありがとうございます。」
「儂は、何もヒントなど与えておらんぞ。自分で考え、たどり着いたからこその結果じゃ。その感覚を忘れるで無いぞ!」
「な!なんでそんなに簡単に出来るのよ!!私は、未だに出来ないのに…」
ドミノは悔しさを通り越して、少し寂しそうだ。そりゃそうだろう。”ぱっ”とでの門下生に数日で剣技を抜かれたんだから。
翌日の稽古は街の外れの岩山で行う事になった。しかし、ホープは身体が不自由なためあまり長距離の移動は難しい。そこで、俺は、ノアが捕らわれていた火口付近に行くことを提案する。あそこならゲートを繋げて行く事が出来る。勿論、火口には入らない。
「本日は、”剛剣”を習得じゃ。昨日説明したとおり、自分の”気”を剣に宿らせ、対象物を”破壊”しながら斬るのじゃ。これは、”自分の気の大きさ”によって左右される。”気”とは生命力じゃ。先ずは、己の”気の質と量”知る事じゃ。火口内のマグマの滝にでも打たれて精神統一をしてくるのじゃ!」
「う、嘘でしょ・・・!!」
そ、それって普通に死ぬんじゃない?
「嘘じゃ!座禅を組み、体に”気”を巡らせてみぃ。」
おい!
「わ、分かりました。」
俺は、座禅と組み、体に”気”を巡らせてみる。”気”は生命力。魔力と同じような感じかな?これなら出来そうだ。俺は、自分の中にある”気”を巡らせる。これはスムーズにできた。意識して行うと自分の中にある”気”がどこから湧き出て、どのように巡っているのかも分かる。俺は、湧き出る”気”をどんどん出し、体中に巡らせる。俺の身体が白く光っていく感じだ。
「止めい!!!止めい!!!!」
突然、ホープが大声を出し、俺を制止する。ホープは汗を”ビッショリ”と搔いている。その横で、ドミノが這いつくばり悶えていた。
「はぁ、はぁ・・・」
「ど、どうしましたか?」
「お主の“気”に当てられたのじゃ。お主の“気”の量は尋常ではない。しかも、質も良い。お主が身体に“気”を身体に巡らせる時に一部の“気”が放出されてしまっておる。それを含め、制御するのじゃ。」
俺は、”気”が体から放出しない様に気の巡りを早め身体に巡らす。それでも放出される気を更に”気”で覆うようにしてみた。すると俺の身体の気で覆われている。まるで、スーパーサ〇ヤ人のようだ。
「ほう、気を練るのは上手いのう。今度は、その”気”を剣に集中させ、剣が対象物に触れた時に開放する。」
俺は、座禅を止め、木刀を持ち言われた様に剣に”気”を集中させる。そして、目の前にある大きな岩に向け剣を振り下ろし、気を開放する。すると、轟音を上げて岩が崩れ落ちた。
「う、うむ・・・、そ、それが”剛剣”じゃ。しかし、すごい威力じゃのう。」
「す、凄い・・・」
なるほど、これが剛剣か。たしか、ユニークスキルに既に習得していたはず。なので、獲得とならないのか。つまり、俺は訳も分からず、スキルだよりで剛剣を使っていたと言う事か。
「奥義を身に付けるための最後の技じゃ。物は必ず”点結”という所がある。それを見極め、素早く正確に突く事で対象を破壊する。今のお主なら見えるじゃろ。」
俺は対象となる大きな岩に意識を集中する。すると、いくつもの点が見え、その中でも1つ大きな光が見える。そこを木刀の先で突く。
「はっ!!」
すると大きな岩は”ピシピシ”と音を立て崩れ落ちた。
「ふむ。それが牙突と言う技じゃ。奥義は、技の先にある。」
ホープは身体の半分くらいの岩の前に立ち、説明を始める。
ホープはドミノを呼び、ホープが説明し、ドミノがその動きをする。
「まずは、上段先取りじゃ。これは、不動の姿勢(自然体)から、静かに日本刀に手を掛けて“鯉口”を切り、抜刀して中段に構える。その後、左上段に構えて相手との間合いを詰め、相手の突きを察知し、右足を右斜め前に大きく踏み込んで体をかわし、素早く相手の左面を斬る。斬った後、右足を引きながら左上段の構えとなって残心を示し、左足を引きながら左手を柄から離して左帯に送るのと同時に、袈裟に振り下ろして血振りを行ない、納刀する。やってみぃ!」
ドミノを手本に同じように動く。模倣のスキルを使っているのでドミノと同程度の動きならできる。
「うむ。初めての割には動きが良いがまだまだじゃ!もっと、間合いを詰めい!そして、踏み込みにもっと体重を乗せんかい!……正確に!!……もっと素早く!……そうだ!もう一度!!」
おれは、教えられる通り何度も反復し、その動きを記憶していく。
「す、凄い、上達の速度・・・」
一緒にやっているドミノが呆気に取られている。ドミノも負けまいと必死に練習をする。切磋琢磨でいい光景だ。
「今日は、基本動作と上段先取りを集中的に練習じゃ。」
俺は、ドミノと二人で何時間も鍛錬に勤しんだ。夕方になり、本日の稽古は終了する。
「タカミ、お主かなり呑み込みが早いが、何か剣術やっていたのか?」
「はい、剣術とまではいきませんが、父に習っていました。それを欠かさずずっと朝の鍛錬にしています。」
「なるほどのう。そう言う勤勉さの表れか。兎に角、時間が無い。欠かさず鍛錬するようにするのじゃ!」
「分かりました。毎日続けます。」
「うむ。精進せいよ。期待しておるぞ!」
俺は、着替えをし、帰路に就く。帰ってから、夕食の時間まで今日習った事を反復する。それを、ナディアとティナが見ている。
「みるみる上達しておるの。魔法だけじゃなく剣も使えるようになるなんて本当に凄いのじゃ!」
「タカミ、凄い。ティナにも剣術教えて欲しい。」
「うん。いいよ。じゃあ、剣術大会が終わったら一緒に稽古しような。」
俺は、汗を拭きながらティナに答えた。
「うん。ありがと!」
夕食の時間になったらしく、ノアが呼びに来る。俺達は、皆で食堂に行き皆で食事をとる。そして、食事の後、シャワーを浴び、魔法の鍛錬をして就寝する。こうして俺は、午前中は図書館で本を読み漁り、午後から剣術をし、夜はいつもの鍛錬に剣術の鍛錬を組み込んだ。何気に結構、忙しいかもな。そして、そんな生活が10日間続いた。
翌日、いつもと同じように図書館に行き、その後道場へ向かう。道場に行くと何やら”ティッシュ”みたいな紙を糸で吊るした物がある。
「これ、何ですか?」
「お主の稽古に使う物じゃ。お主は、まさかの10日間で抜刀術をマスターしおった。そのため、今日からは、奥義の訓練をしようと思う。」
おお!奥義!!キタ――(゜∀゜)――!!
「で、何をすればいいのですか?」
「うむ。剣術で対象を斬る際に2つの”斬”がある。それは、”剛剣”と”極剣”じゃ。”剛剣”とは自分の中にある”気”を凝縮させその凝縮させた”気”を剣に宿らせることで力にし、対象を斬る。つまり、一瞬、爆発的な力で、対象を斬るのが”剛剣”じゃ。”極”は対象に対し”斬筋”を完全に見極め、その対象を素早く正確に斬る。”極”であれば、空気や水どんなものでも一刀両断できるのじゃ。タカミには、この”極”を身に付けてもらう。」
そう言うとホープは、俺に木刀を手渡す。
「闇雲に切りつけても、破けるだけで斬れはせん。対象を身体と心の眼で見て、”斬筋”を見極めるのじゃ。そして、その”斬筋”をなぞるように素早く正確に斬る!やってみぃ!」
”心眼”とは違うのか?俺は、目を瞑り、対象を見る。六感を通してその対象物がどこにどのような状態であるのかは把握できる。しかし、”斬筋”が見えるわけでは無い。兎に角、心眼で対象物を素早く斬ってみる。しかし、紙は、”ふわ”木刀を避ける様に動く。
「ほう、お主、心眼を使えるのか。まだまだ伸びしろが在りそうじゃな。」
「え!タカミ、心眼が使えるの!!」
ドミノは、意外そうに尋ねてくる。
「ええ、一応、でも、今一うまく使えていませんが・・・」
「へー、中々やるわね。私も負けてられない!」
なんか、ドミノもやる気を出し始めた。俺は、剣速を上げてみたり、剣の軌道を変えてみたり、剣が紙にヒットとするポイントで引いたり、押したり、色々な事を試した。しかし、上手く切れない。何度も何度も繰り返す。時間も経ち、本日の稽古が終わりに近づく。
「もうよい。今日はここまでにしよう。」
とうとう、タイムアップになってしまう。一体なぜ、上手くいかないのだろう・・・。
「今日のお主は集中力が足らん。座禅でも組み、精神統一をしてから帰るといい」
俺は、座禅と組み、今日の稽古について考えてみる。今日の俺は対象を目の前にし、今まで習った抜刀術を駆使し、どの技が効率よく斬れるかばかりを考えていたのではないか?そんな考え事をしながら稽古して集中していたと言えるのか?如何に斬るかという事に専念せずに上手く斬る事が出来るのか?では、何に集中して稽古をすればいいんだ?
考えれば考えるほど、ドツボに嵌まっていく。色々考えている今も注意散漫なのかもしれない。じゃあ、俺は、いつも集中できてないのか?すると、後ろからホープの声が聞こえる。
「お主は、儂の治療をしている時もこんな感じでやっておったのか?」
俺は、”ハッ”とした。オペとしている時は、目の前の患者、病巣、術式、を一つの対象として常に治す事だけに集中してきた。そうか。俺の持つ武器、技術、斬るという行為、そしてその対象を一つの現象として考え、その事だけに集中すればいいのか!
「ホープ師匠!!俺、分かったかもしれません!」
再度、俺は対象と向き合う。全身の力を抜き、全てを一連の動作として捉える。集中力が極限まで高まったその時、俺の目の前に一筋の軌跡が見えた。俺は、それに滑らせるように剣を走らせ、斬る。
《ユニークスキル 全集中 を獲得》
《スキル 斬撃”極”を取得》
宙づりにされていた紙は、まったく動くことが無く2枚に切断され、”ヒラヒラ”と舞い落ちた。良し!!!
「ふむ、見事じゃ!!しかも、教えたその日に出来るとは。何と言う才能よ。」
「いえ、ホープ師匠が俺にヒントをくれたからです。ありがとうございます。」
「儂は、何もヒントなど与えておらんぞ。自分で考え、たどり着いたからこその結果じゃ。その感覚を忘れるで無いぞ!」
「な!なんでそんなに簡単に出来るのよ!!私は、未だに出来ないのに…」
ドミノは悔しさを通り越して、少し寂しそうだ。そりゃそうだろう。”ぱっ”とでの門下生に数日で剣技を抜かれたんだから。
翌日の稽古は街の外れの岩山で行う事になった。しかし、ホープは身体が不自由なためあまり長距離の移動は難しい。そこで、俺は、ノアが捕らわれていた火口付近に行くことを提案する。あそこならゲートを繋げて行く事が出来る。勿論、火口には入らない。
「本日は、”剛剣”を習得じゃ。昨日説明したとおり、自分の”気”を剣に宿らせ、対象物を”破壊”しながら斬るのじゃ。これは、”自分の気の大きさ”によって左右される。”気”とは生命力じゃ。先ずは、己の”気の質と量”知る事じゃ。火口内のマグマの滝にでも打たれて精神統一をしてくるのじゃ!」
「う、嘘でしょ・・・!!」
そ、それって普通に死ぬんじゃない?
「嘘じゃ!座禅を組み、体に”気”を巡らせてみぃ。」
おい!
「わ、分かりました。」
俺は、座禅と組み、体に”気”を巡らせてみる。”気”は生命力。魔力と同じような感じかな?これなら出来そうだ。俺は、自分の中にある”気”を巡らせる。これはスムーズにできた。意識して行うと自分の中にある”気”がどこから湧き出て、どのように巡っているのかも分かる。俺は、湧き出る”気”をどんどん出し、体中に巡らせる。俺の身体が白く光っていく感じだ。
「止めい!!!止めい!!!!」
突然、ホープが大声を出し、俺を制止する。ホープは汗を”ビッショリ”と搔いている。その横で、ドミノが這いつくばり悶えていた。
「はぁ、はぁ・・・」
「ど、どうしましたか?」
「お主の“気”に当てられたのじゃ。お主の“気”の量は尋常ではない。しかも、質も良い。お主が身体に“気”を身体に巡らせる時に一部の“気”が放出されてしまっておる。それを含め、制御するのじゃ。」
俺は、”気”が体から放出しない様に気の巡りを早め身体に巡らす。それでも放出される気を更に”気”で覆うようにしてみた。すると俺の身体の気で覆われている。まるで、スーパーサ〇ヤ人のようだ。
「ほう、気を練るのは上手いのう。今度は、その”気”を剣に集中させ、剣が対象物に触れた時に開放する。」
俺は、座禅を止め、木刀を持ち言われた様に剣に”気”を集中させる。そして、目の前にある大きな岩に向け剣を振り下ろし、気を開放する。すると、轟音を上げて岩が崩れ落ちた。
「う、うむ・・・、そ、それが”剛剣”じゃ。しかし、すごい威力じゃのう。」
「す、凄い・・・」
なるほど、これが剛剣か。たしか、ユニークスキルに既に習得していたはず。なので、獲得とならないのか。つまり、俺は訳も分からず、スキルだよりで剛剣を使っていたと言う事か。
「奥義を身に付けるための最後の技じゃ。物は必ず”点結”という所がある。それを見極め、素早く正確に突く事で対象を破壊する。今のお主なら見えるじゃろ。」
俺は対象となる大きな岩に意識を集中する。すると、いくつもの点が見え、その中でも1つ大きな光が見える。そこを木刀の先で突く。
「はっ!!」
すると大きな岩は”ピシピシ”と音を立て崩れ落ちた。
「ふむ。それが牙突と言う技じゃ。奥義は、技の先にある。」
ホープは身体の半分くらいの岩の前に立ち、説明を始める。
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どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
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