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【クーガ】
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翌日、図書館での勉強?も終わり、俺は、道場へ向かった。
「こんにちわー。」
俺は、着替えて道場に向かう。そこには、ドミノともう一人いる。ドミノの祖父だ。
「あれ?退院したのですか?」
「タカミ殿、この度は大変お世話になりました。儂が第14代当主ホープ=ニューゲートと申す。」
ホープは、麻痺の残った体で道場に出ていた。ドミノはホープに連れ添っている。
「もう、おじい様ったら、まだ病み上がりだっているのに無理して。タカミ、ごめんね。おじい様がどうしてもタカミにお礼が言いたいって言い出して。」
「いいえ、お元気そうで何よりです。俺も、ホープさんが良ければ今後の治療方針の話をしたかったもんで。」
「儂の身体は動くようになるのか?」
「正直分かりません。なんせ初めての試みなので。だから、期待しないでください。でも、全力を尽くします。この魔法が完成出来たら治らない病気が少なくなりますね。」
俺はそそくさと稽古の準備を始める。
「ドミノ師範代、稽古お願いします。」
「今日も、びしびし行くわよ!!」
「お、お手柔らかに・・・」
ドミノとの稽古が始まる。ホープも気になるらしくちょいちょい指導をしてくれる。ある意味、稽古ハーレムだ。(生徒一人に先生二人)。俺は、模倣のスキルを使いながら基本的な動きをどんどんマスターしていく。そうこうしているうちに何時間も経過したようだ。おっさんになると時間の進みが早いもんでね。
「さて、今日はこれ位にしときましょう。余り詰め込み過ぎるのも良くないわ。」
「ありがとうございました!!」
師範二人にお辞儀をし、道場にお辞儀をする。なんか、身が引き締まる気がする。さて、今度は俺の番かな。
「さて、ホープ師匠。今度は俺の番ですね。今後の治療方針について話をしたいと思います。いいですか?」
「うむ。よろしく頼む。」
「まず、前に言った通り脳の細胞は再生する事は出来ません。そこで、体の細胞を使って再生できる全能性を持った細胞を作り出します。これを脳に移植し、魔法で再生を促進させ治療します。そのため、きちんと再生するかは分かりません。もし、何か不具合が起きた場合は、移植した細胞は取り除きます。その時は結局、回復は望めません。それでも治療しますか?」
「こんな奇跡を体験したんじゃ。タカミの言う通りの治療を受けようではないか。よろしく頼むぞ!」
「分かりました。全力を尽くします。それでは、少し、体の細胞を貰います。」
俺は、ホープの体細胞を採取し、空間収納にしまう。これと《スキル 医学の知識》を用いてIPS細胞の制作を行う。この《医学の知識》はどういう事は、俺が生きていた世界とリンクされているらしく、最新の研究データや導入事例、研究結果等が分かる。再生医療は、俺が生きていた時期には盛んに研究されていた。折角なので活用させてもらう。
「それでは、今日の所は帰ります。また、明日、よろしくお願いします。」
俺は、二人の師匠に挨拶をし、帰路に就く。
こんな生活が約2週間ほど続いたある日、俺が道場で稽古をしている時に招かれざる来客があった。
「お。じじい、生きていたのか。しぶとい野郎だな。」
「貴様、何の用じゃ!ここには何も用は無いはずじゃ!とっとと出て行け!!」
「じじい、愛弟子にそんなこと言うなんて連れないじゃないか!俺は、爺が無事な姿が見られて安心しているんだぞ。(・∀・)ニヤニヤ。」
「そうよ。とっとと出で行きなさいよ!ここはあなたの来る場所じゃないわ!」
「そうはいかないのだよ。俺は、ここに新しい門下生が入ったって聞いたから、是非、他流試合にって思って弟子を連れて来たんだけど・・・こんなど素人じゃ話にもならないな!あんたも、悪い事は言わないからこんな所とっとと辞めてうちに来ればいい。もっと強くなれるぞ!わっはっは!」
なんか、変な奴が高笑いをしている。俺は、ドミノに相手に聞こえる様に尋ねる。
「あのバカ、誰ですか?」
「奴の名前はクーガ。前に話した、おじい様を裏切った張本人よ。本当に下品。」
「おいおい、人聞きの悪い事言わないでくれ。もっとも、最初に俺の両親を殺したのはそこのじじなんだからな。俺は、復讐の瞬間を虎視眈々と狙っていただけだよ。まぁ、そんなことより、他流試合の申し込みに来たぜ。勿論、受けるんだよな?受けないなら受けなくてもいいが、その事実を街に流すぜ。神明流は話通りの腰抜けになっちまったってな!!わっはっは!!」
「くっ!!」
ドミノは悔しそうに唇を嚙む。自分の信じる剣術の流派を貶され、彼女のプライドは傷つけられた。このまま引き下がるわけにはいかないな・・・
「いいですよ。俺は受けますが、総師範代、よろしいですか?」
「しかし、お主はまだ剣術を始めたばかりなんじゃろ。確かに筋は良いが奴の弟子に勝つのは無謀じゃ。」
「まぁまぁ、俺に任せて下さい。こういう悪党は性根を叩きなおしてやる必要があると思うので。」
「しかし…」
「俺も、この道場の一員です。ここまで言われたらやってやりますよ。それとも彼の言う通り神明流はその程度なんですか?」
「お主には神明流のイロハ位しか教え取らんが・・・まぁ良い。やってみぃ。!」
クーガは”ニヤリ”と笑い、弟子に何か言っている。兎に角、基本は一通り習った。それを実践で試せる丁度いい機会だ。俺は、道場の中央に立ち、木刀を構える。相手も同じように構え、先に打ってかかってきた。俺は、その攻撃を受け流す。相手の出方を見るために最初は、受けにまわった。数回の攻防後、相手は俺の目を狙ってきた。俺はそれを躱す。すると、次に俺の金〇を狙ってくる。俺は、それを木刀ではじく。と同時に相手は身体を押し付け足を絡めてきた。
「おっと!!」
「ちょ、ちょっと!!相手の急所を狙ったり足をかけたりするのは反則でしょ!!」
ドミノが食い掛る。しかし、クーガは、
「おいおい、実践に反則なんてものは無いだろ。俺達は、お遊びで剣術をやっているわけじゃないんだよ。」
「なるほど・・・、そう言うつもりね。でも、俺は、あんたらみたいなマネはしたくないから正当にやらしてもらうよ。」
俺は、ギアを上げ、攻撃に転ずる。基本通りに相手の攻撃を受け流し、隙をつき攻撃をする。そして、俺は、相手の手の甲を叩き、木刀を叩き落とした。多分、ひびは入ったな。
「な、こいつは素人じゃなかったのか?」
「素人ですよ。2週間ちょっと前から始めたね。」
「この野郎、ふざけやがって、こい、俺が相手だ!!」
クーガが道場に上がってくる。
「おいおい、もし、師範代のお前が負けたらどうなるんだ。恰好が使いないんじゃないのか?」
「やかましい!とっとと構えろ!」
「やめい!!お主は仮にも神明流の免許皆伝。大人げないと思わんのか!!」
「やかましい。顔に泥を塗られて引き下がる俺様じゃねぇ。こんな道場、とっととぶっ潰してやんよ。」
「ふぅ、全く・・・。あ!そうだ。クーガ、お前、2週間後の剣術大会には出場するのか?」
「ふん、当たり前だ。剣術大会で優勝して我が北辰流を世に知らしめてやるんだよ。」
「じゃあ、神明流と北辰流の看板を掛けて剣術大会で勝負しようぜ。観客は多い方が良いだろう。俺も冒険者ギルドの推薦で剣術大会に出る事になっているから丁度いいじゃないか。大勢の前でその腐った性根を叩きなおしてやるよ。」
「ほう。それは確かに面白い見世物になるな。よし!2週間後だ。2週間後に目にもの見せてくれる。吐いた唾飲むんじゃねぇぞ!」
クーガは木刀をほっぽりだし、道場を降り、弟子を連れて帰っていった。
「お主・・・見かけによらず短期じゃのう。少し、落ち着け。儂の意向を無視しおって、暫くそこで瞑想じゃ!」
確かに、俺は煽られるのに弱いのかもな。ちょっと、反省しよう。俺は、ホープに言われるがまま瞑想をする。瞑想をしながらホープが話しかけてくる。
「ドミノやお主に惨めな思いをさせて申し訳なかった。儂は、良い弟子をもったと思っておる。だが、決っして無理をしてくれるな。剣術は一朝一夕では習得できん。修練の積み重ねじゃ。だが、こんな不甲斐ない儂じゃが、ここから2週間、全力でサポートさせてもらう。」
俺は、黙ったまま瞑想を続ける。一時間後、鍛錬を再開した。
「ここからは、儂が直接指導する。時間が無い。兎に角、出来るだけの事はしよう。」
ホープは不自由な体で俺を指導してくれる。俺は、ホープの指導の下、稽古始める。2時間後、
「本日の稽古は、ここまでとする。」
本日の稽古が終了した。俺は、ホープ師範代とドミノ、道場にお辞儀をし、道場を後にした。
道場から戻り、俺は自室に籠る。なぜならば、これからIPS細胞の制作に取り掛かるからだ。部屋の一部を改造し、研究室にする。”医学の知識”を用いて必要な道具を作成していく。空間を結界で仕切り、別空間を作り、その中を滅菌、クリーンルームを作り出す。培養するスペースにタイムアクセルの魔法を用いた空間を作り出す。この空間内での時間の流れは通常の時間の10倍の速度で流れる。そして、IPS細胞の制作に取りかかる。
先ずは、通常の細胞から転写因子を指定する4つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, c-Myc, Klf4)を取り出す。培養液を作り出し、ホープの細胞を単利培養する。そして、レトロウイルスベクターの遺伝子に4つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, c-Myc, Klf4)を組み込み、細胞内へ取り込ませた。細胞を収穫培養し、有糸分裂不活化フィーダー細胞を用いる。トランスフェクション細胞の小さなサブセットがiPS細胞となり、コロニーを生成する。そのコロニーを採取し、更に培養を続けた。これを脳細胞と神経細胞に融合させ再生力を持たせた細胞に作り変える。
”なんか、マッドサイエンティストみたいだ…”
とりあえず、ホープに試す前に可哀そうだがマウスの魔物で試してみる。最初にスキャンを用いて脳細胞、脳神経の接続場所を特定、アシスタントを立ち上げ、空間認識とターゲットでホープと同じ部位に相当するところをマーキングし、ディメンションカッターで脳の一部を切り出す。状態は、アシスタントが監視していてくれる。そして、転移にて制作したIPS細胞をマウスの脳に送り込みフュージョンの魔法で融合させた。そしてリジェネレイトの魔法と、創作のスキルを用いて再生させてみる。すると、マウスの脳は”みるみる”再生されていく。脳神経も同じ様に再生させ接続させる。そして元通りとなった。コントロールとして10体、実験用として10体を準備し、しばらく様子を見る事にした。
「こんにちわー。」
俺は、着替えて道場に向かう。そこには、ドミノともう一人いる。ドミノの祖父だ。
「あれ?退院したのですか?」
「タカミ殿、この度は大変お世話になりました。儂が第14代当主ホープ=ニューゲートと申す。」
ホープは、麻痺の残った体で道場に出ていた。ドミノはホープに連れ添っている。
「もう、おじい様ったら、まだ病み上がりだっているのに無理して。タカミ、ごめんね。おじい様がどうしてもタカミにお礼が言いたいって言い出して。」
「いいえ、お元気そうで何よりです。俺も、ホープさんが良ければ今後の治療方針の話をしたかったもんで。」
「儂の身体は動くようになるのか?」
「正直分かりません。なんせ初めての試みなので。だから、期待しないでください。でも、全力を尽くします。この魔法が完成出来たら治らない病気が少なくなりますね。」
俺はそそくさと稽古の準備を始める。
「ドミノ師範代、稽古お願いします。」
「今日も、びしびし行くわよ!!」
「お、お手柔らかに・・・」
ドミノとの稽古が始まる。ホープも気になるらしくちょいちょい指導をしてくれる。ある意味、稽古ハーレムだ。(生徒一人に先生二人)。俺は、模倣のスキルを使いながら基本的な動きをどんどんマスターしていく。そうこうしているうちに何時間も経過したようだ。おっさんになると時間の進みが早いもんでね。
「さて、今日はこれ位にしときましょう。余り詰め込み過ぎるのも良くないわ。」
「ありがとうございました!!」
師範二人にお辞儀をし、道場にお辞儀をする。なんか、身が引き締まる気がする。さて、今度は俺の番かな。
「さて、ホープ師匠。今度は俺の番ですね。今後の治療方針について話をしたいと思います。いいですか?」
「うむ。よろしく頼む。」
「まず、前に言った通り脳の細胞は再生する事は出来ません。そこで、体の細胞を使って再生できる全能性を持った細胞を作り出します。これを脳に移植し、魔法で再生を促進させ治療します。そのため、きちんと再生するかは分かりません。もし、何か不具合が起きた場合は、移植した細胞は取り除きます。その時は結局、回復は望めません。それでも治療しますか?」
「こんな奇跡を体験したんじゃ。タカミの言う通りの治療を受けようではないか。よろしく頼むぞ!」
「分かりました。全力を尽くします。それでは、少し、体の細胞を貰います。」
俺は、ホープの体細胞を採取し、空間収納にしまう。これと《スキル 医学の知識》を用いてIPS細胞の制作を行う。この《医学の知識》はどういう事は、俺が生きていた世界とリンクされているらしく、最新の研究データや導入事例、研究結果等が分かる。再生医療は、俺が生きていた時期には盛んに研究されていた。折角なので活用させてもらう。
「それでは、今日の所は帰ります。また、明日、よろしくお願いします。」
俺は、二人の師匠に挨拶をし、帰路に就く。
こんな生活が約2週間ほど続いたある日、俺が道場で稽古をしている時に招かれざる来客があった。
「お。じじい、生きていたのか。しぶとい野郎だな。」
「貴様、何の用じゃ!ここには何も用は無いはずじゃ!とっとと出て行け!!」
「じじい、愛弟子にそんなこと言うなんて連れないじゃないか!俺は、爺が無事な姿が見られて安心しているんだぞ。(・∀・)ニヤニヤ。」
「そうよ。とっとと出で行きなさいよ!ここはあなたの来る場所じゃないわ!」
「そうはいかないのだよ。俺は、ここに新しい門下生が入ったって聞いたから、是非、他流試合にって思って弟子を連れて来たんだけど・・・こんなど素人じゃ話にもならないな!あんたも、悪い事は言わないからこんな所とっとと辞めてうちに来ればいい。もっと強くなれるぞ!わっはっは!」
なんか、変な奴が高笑いをしている。俺は、ドミノに相手に聞こえる様に尋ねる。
「あのバカ、誰ですか?」
「奴の名前はクーガ。前に話した、おじい様を裏切った張本人よ。本当に下品。」
「おいおい、人聞きの悪い事言わないでくれ。もっとも、最初に俺の両親を殺したのはそこのじじなんだからな。俺は、復讐の瞬間を虎視眈々と狙っていただけだよ。まぁ、そんなことより、他流試合の申し込みに来たぜ。勿論、受けるんだよな?受けないなら受けなくてもいいが、その事実を街に流すぜ。神明流は話通りの腰抜けになっちまったってな!!わっはっは!!」
「くっ!!」
ドミノは悔しそうに唇を嚙む。自分の信じる剣術の流派を貶され、彼女のプライドは傷つけられた。このまま引き下がるわけにはいかないな・・・
「いいですよ。俺は受けますが、総師範代、よろしいですか?」
「しかし、お主はまだ剣術を始めたばかりなんじゃろ。確かに筋は良いが奴の弟子に勝つのは無謀じゃ。」
「まぁまぁ、俺に任せて下さい。こういう悪党は性根を叩きなおしてやる必要があると思うので。」
「しかし…」
「俺も、この道場の一員です。ここまで言われたらやってやりますよ。それとも彼の言う通り神明流はその程度なんですか?」
「お主には神明流のイロハ位しか教え取らんが・・・まぁ良い。やってみぃ。!」
クーガは”ニヤリ”と笑い、弟子に何か言っている。兎に角、基本は一通り習った。それを実践で試せる丁度いい機会だ。俺は、道場の中央に立ち、木刀を構える。相手も同じように構え、先に打ってかかってきた。俺は、その攻撃を受け流す。相手の出方を見るために最初は、受けにまわった。数回の攻防後、相手は俺の目を狙ってきた。俺はそれを躱す。すると、次に俺の金〇を狙ってくる。俺は、それを木刀ではじく。と同時に相手は身体を押し付け足を絡めてきた。
「おっと!!」
「ちょ、ちょっと!!相手の急所を狙ったり足をかけたりするのは反則でしょ!!」
ドミノが食い掛る。しかし、クーガは、
「おいおい、実践に反則なんてものは無いだろ。俺達は、お遊びで剣術をやっているわけじゃないんだよ。」
「なるほど・・・、そう言うつもりね。でも、俺は、あんたらみたいなマネはしたくないから正当にやらしてもらうよ。」
俺は、ギアを上げ、攻撃に転ずる。基本通りに相手の攻撃を受け流し、隙をつき攻撃をする。そして、俺は、相手の手の甲を叩き、木刀を叩き落とした。多分、ひびは入ったな。
「な、こいつは素人じゃなかったのか?」
「素人ですよ。2週間ちょっと前から始めたね。」
「この野郎、ふざけやがって、こい、俺が相手だ!!」
クーガが道場に上がってくる。
「おいおい、もし、師範代のお前が負けたらどうなるんだ。恰好が使いないんじゃないのか?」
「やかましい!とっとと構えろ!」
「やめい!!お主は仮にも神明流の免許皆伝。大人げないと思わんのか!!」
「やかましい。顔に泥を塗られて引き下がる俺様じゃねぇ。こんな道場、とっととぶっ潰してやんよ。」
「ふぅ、全く・・・。あ!そうだ。クーガ、お前、2週間後の剣術大会には出場するのか?」
「ふん、当たり前だ。剣術大会で優勝して我が北辰流を世に知らしめてやるんだよ。」
「じゃあ、神明流と北辰流の看板を掛けて剣術大会で勝負しようぜ。観客は多い方が良いだろう。俺も冒険者ギルドの推薦で剣術大会に出る事になっているから丁度いいじゃないか。大勢の前でその腐った性根を叩きなおしてやるよ。」
「ほう。それは確かに面白い見世物になるな。よし!2週間後だ。2週間後に目にもの見せてくれる。吐いた唾飲むんじゃねぇぞ!」
クーガは木刀をほっぽりだし、道場を降り、弟子を連れて帰っていった。
「お主・・・見かけによらず短期じゃのう。少し、落ち着け。儂の意向を無視しおって、暫くそこで瞑想じゃ!」
確かに、俺は煽られるのに弱いのかもな。ちょっと、反省しよう。俺は、ホープに言われるがまま瞑想をする。瞑想をしながらホープが話しかけてくる。
「ドミノやお主に惨めな思いをさせて申し訳なかった。儂は、良い弟子をもったと思っておる。だが、決っして無理をしてくれるな。剣術は一朝一夕では習得できん。修練の積み重ねじゃ。だが、こんな不甲斐ない儂じゃが、ここから2週間、全力でサポートさせてもらう。」
俺は、黙ったまま瞑想を続ける。一時間後、鍛錬を再開した。
「ここからは、儂が直接指導する。時間が無い。兎に角、出来るだけの事はしよう。」
ホープは不自由な体で俺を指導してくれる。俺は、ホープの指導の下、稽古始める。2時間後、
「本日の稽古は、ここまでとする。」
本日の稽古が終了した。俺は、ホープ師範代とドミノ、道場にお辞儀をし、道場を後にした。
道場から戻り、俺は自室に籠る。なぜならば、これからIPS細胞の制作に取り掛かるからだ。部屋の一部を改造し、研究室にする。”医学の知識”を用いて必要な道具を作成していく。空間を結界で仕切り、別空間を作り、その中を滅菌、クリーンルームを作り出す。培養するスペースにタイムアクセルの魔法を用いた空間を作り出す。この空間内での時間の流れは通常の時間の10倍の速度で流れる。そして、IPS細胞の制作に取りかかる。
先ずは、通常の細胞から転写因子を指定する4つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, c-Myc, Klf4)を取り出す。培養液を作り出し、ホープの細胞を単利培養する。そして、レトロウイルスベクターの遺伝子に4つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, c-Myc, Klf4)を組み込み、細胞内へ取り込ませた。細胞を収穫培養し、有糸分裂不活化フィーダー細胞を用いる。トランスフェクション細胞の小さなサブセットがiPS細胞となり、コロニーを生成する。そのコロニーを採取し、更に培養を続けた。これを脳細胞と神経細胞に融合させ再生力を持たせた細胞に作り変える。
”なんか、マッドサイエンティストみたいだ…”
とりあえず、ホープに試す前に可哀そうだがマウスの魔物で試してみる。最初にスキャンを用いて脳細胞、脳神経の接続場所を特定、アシスタントを立ち上げ、空間認識とターゲットでホープと同じ部位に相当するところをマーキングし、ディメンションカッターで脳の一部を切り出す。状態は、アシスタントが監視していてくれる。そして、転移にて制作したIPS細胞をマウスの脳に送り込みフュージョンの魔法で融合させた。そしてリジェネレイトの魔法と、創作のスキルを用いて再生させてみる。すると、マウスの脳は”みるみる”再生されていく。脳神経も同じ様に再生させ接続させる。そして元通りとなった。コントロールとして10体、実験用として10体を準備し、しばらく様子を見る事にした。
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