元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ

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【探索】

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 翌日、午前中にティナと午後にナディアとデートした。その様子は、後日機会があったら話したいと思う。そんな訳で、夜になるとティファがやって来た。

「こんばんわー。」

「はーい。いらっしゃい。どうぞ中に入って。」

 俺達は、机を囲むようにして立っている。そこにティファが持ってきた地図を広げる。

「ドアマンドを少し北に行くとイモール山脈の入口付近となっている。山道がある訳でもなく木々が生い茂る森を北北東に登て行くらしい。中腹位から木々の高さが低くなっていき、山頂付近では草木もまばららだろう。そして、山頂より反対側の中腹位まで下山し、再度、北に登った所でフェニックスが発見されたとの報告があったみたいだ。しかし、それは、フェニックスではなくガーゴイルかも知れないという曖昧な情報だと言う。

「とりあえず。最初の山頂までは、俺が飛んで行き、そこからゲートを開いて皆を呼ぶよ。そこからは、フェニックスの探索に入る訳だから徒歩になると思うけど。それでどお?」

「確かに、空からだけじゃどこにいるかもわからないわね。じゃあ、山頂までアルファードに任せるって事でいい?」

「馬車や馬は、一旦ここに置いて行こう。フェニックスを見た後で、ゲートで取りにくればいいし。」

「ティナもフェニックス見てみたい!」

「見るだけなの?」

「話が出来るなら話をしてみたいけど、無理にとらえるのはどうかと思ってね。」

「私、フェニックスの血が欲しいのだけれど。」

「まぁ、それはフェニックスに会ってからの相談だね。まぁ、普通にくれるとは思えないから、それ相応の交渉は必要だと思うけど。」

「アルファードがフェニックスと少しだけ戦って血を採取するのはダメ?」

「いきなり、襲い掛かったらその辺の野党と同じじゃないか(;’∀’)」

「そうよね。相手は聖獣だからあまり変な事はしない方がいいかもしれない。」

「聖獣じゃなくても、いきなり襲うのはだめだと思う。そう言えば、ナディアはフェニックスとあった事あるの?」

「いや、妾も一度も会ったことは無いぞ。如何せん、人前に姿を現さぬ奴だからのお。」

「まぁ、兎に角、いきなり襲うのはやめよう。」

「分かったわ。」

「了解じゃ。」

「その後は、東に向かって下山すると中央帝都の西側に出るはずだよ。」

「なるほど。じゃあ、ここでゲートを結んで馬車と馬を引き取りに来るか。こんな感じでいこうと思っているんだけど、どうかな?」

「ティナは、アルファードがいいならそれでいい。」

「妾も問題無いと思う。」

「いいんじゃないかな。」

「じゃあ、解散。明日、出発します。今日は、ゆっくり休もう。」

 今後の方針を決め、一旦解散する。さて、鍛錬をとっとと済ませて俺も休もう。俺は、日課である鍛錬を始めた。最近では、レベルアップした事もあり、魔力操作もかなりの物になってきた。画像イメージもより鮮明になって来たし、演算の処理速度も上がってきたような気がする。庭に出て剣の鍛錬をし、最後に異空間に行って魔力を全消費する。頭痛はほぼないが、倦怠感が半端ない。まぁ、寝るだけだし、なんかあったらポーションで回復させるから問題無いと思うけどね。今の俺のステータスは下記の通り。



ドラゴンスレイヤー(称号:ドラゴンスレイヤー) LV107

HP54784/54784

MP61632/61632

筋力12840

魔力14552

防御力12840

魔防13696

俊敏11984

器用11128

知力15408

幸運11984



【ユニークスキル】

Q&A 空間収納 鑑定 医療の心得 模倣 偽装 真偽 魔術 剣術 精霊魔術 召喚 全記憶 模倣 空間操作・認識 重力操作 多重詠唱Ⅴ 照準 忍術 奪う 瞬歩 剛剣 心眼

【スキル】

毒耐性(高) 光属性(至) 闇属性(至) 炎属性(至) 水属性(至) 地属性(至)  クリティカル(中)

風属性(至) 無属性(至) 剣(中) 魔力欠乏耐性(至) 無詠唱 魔力調整

魔力向上(極) MP向上(極) 物理耐性(極) 魔法耐性(極) 翻訳 速読

マップ 索敵 演算加速 分離・結合 解体(至) 異常状態耐性(極) 錬金術(極)

創作(極) 忍術(低) 見切り(中)

【剣技】

眞陰流 魔人剣

【魔法】

《生活魔法》

《医療関連魔法》

《炎魔法》(13階層)

《地魔法》(13階層)

《氷魔法》(13階層)

《水魔法》(13階層)

《風魔法》(13階層)

《光魔法》(13階層)

《闇魔法》(13階層)

《無属性》(13階層)

《錬金魔法》

《創作魔法》



 ん?やっぱりステータスの上がり方が増えてる。もしかしたら、従属の能力も俺の能力に多少反映されるらしい。それなら、折角だからフェニックスを是非従属に迎え入れたい!出来るかな・・・。そんな事を考えながら俺は眠りについた。



 翌朝、俺達が泊っている宿の前に皆が集まった。

 ・・・

「なぜ、君らがいる?」

「フェニックスの討伐に行くんだろ!水くせーなー。俺達にも声かけてくれよ。」

「そうだな。やはりここは、パーティーで向かうべきだと思う。」

「回復は任せるニャ!」

 なぜか、コブラ、キャップ、ヴァイロンがいる。ヴァイロンの後ろから、ティファがチラッと姿を現した。

「バレちゃった。テヘペロ。」

 ティファは、頭を”コツン”と軽くたたき、ベロを出す。

「なんか、大所帯だなぁ。まぁ、いいけどさ。で、討伐じゃなくて”探索”だからね。むやみに攻撃を仕掛けないでください。」

「了解!!」

 なぜか、全員でいい返事をする。まぁ、俺的には、また、皆と冒険に出られるのは嬉しいけどね。全員揃ったところで出発だけど、まず先発は俺だけか。

「じゃあ、俺は先発で言って来るけど、皆は冒険者ギルドで待機していてください。山頂につき次第、ゲートを繋ぎます。」

 俺は、レビテーション(浮遊魔法)とプロテクションの複合魔法を使い、空に舞い上がる。この飛行魔法にも結構慣れてきた。重力魔法で簡易ジャイロを作り、気圧と風速を測定し、それらを組み合わせて目の前のモニターに飛行機の計器の様な表示をさせてみた。とりあえず、9500フィートの程度の高度、150ノット程度の速度(速い小型機程度)で飛行する。こんなに自由自在に空が飛べるなんて考えた事も無かったが、この世界ではこれが現実だ。そんな事を考えながら目的地を目指す。プロテクションのお蔭で風の抵抗もほとんど受けないので苦痛は感じない。一時間程度で目的地が確認できる。“ナビ付の飛行機はこんな感じなのかな?”なんて考えているうちに目的地に到着する。山自体はそんなに高い山ではなく約6000フィート程度だ。頂上は肌寒く、草木もまばらで見渡しがいい。索敵で当たりの様子を探知する。辺りには、魔物が多少いるが人影は無い。ここにゲートを設置する事にした。俺は、ゲートを開きドアマンドの冒険者ギルドに繋げる。

「はい。お待たせしました。行きますよー。」

「相変わらず、やる事が早いな・・・」

 コブラが”┐(´∀`)┌ヤレヤレ”のポーズでつぶやく。

「はーい。皆行くよ。そうそう、トイレは済ました?」

 ティファが皆に声をかけて回る。

「遠足かい!」

 俺は、思わず突っ込んでしまった。

「と、兎に角、ゲートは山頂に繋がっているから準備が出来た人は来てください。」

 俺は、ゲートをくぐり山頂に戻る。少しして、全員が集まった。集まったのを確認し、ゲートを閉じる。

「さて、ここからの道案内はティファに任せようと思うけどいい?」

「道案内って言うか、私も初めての場所だから皆も協力してね。」

「はいよー。じゃあ、さくさくっと行こうか。トラップは無いと思うけど、俺が先頭を行くよ。」

「じゃあ、先頭は、キャップとコブラに任せる。その後ろにティナちゃんと私、その後方にヴァイロン、最後尾にアルファードとナディアさんお願いね。」

「了解。先頭は任せてくれ!」

「ティナも頑張る」

「後方から支援魔法をかけるニャ」

「俺とナディアは、後方からの魔物を警戒するよ。」

「任せておくのじゃ」

 隊列も決まり、俺達は目的地に向かい動き出した。俺のもマップも来たことのない所は、空白が多い。貰った地図と照らし合わせて迷わない様にする。下山していくうちにだんだん樹木が増えてくる。と同時に魔物の数も増える。この辺りは、人の手が入っていないため、魔物の数も多い。しかし、流石はプラチナクラスの冒険者。中型クラスの魔物をやすやすと片付けていく。そんな中、コブラが声を上げた。

「おっと、大物が来るぜ。援護よろしく!」

 コブラとキャップの間を割り込むようにマッドスコーピオンが飛び出してくる体長は3m前後で強靭な鋏と毒を持つ尻尾で攻撃してくる。表面を覆う殻は鎧の様に固く中々ダメージが通らない。

「支援魔法をかけるニャ!」

《プロテクション》

「おら、こっちだぜ!!」

《アサシンスプラッシュ》

「よし、キャップいいぞ!おりゃ!!」

「キャップ、避けて。」

《アイスニードル》

 キャップがマッドスコーピオンの注意を引き付け、コブラが攻撃をする。そこにティファが氷系の魔法で攻撃する。中々連携のとれた攻撃だ。俺はソロが多いからこのような戦い方はとても新鮮だ。

《ファイヤーボム》

 ティナも負けじと攻撃の間隔が空いた瞬間に炎系の魔法を叩きこんでいる。

「コブラ、危ない!!」

 俺は、レールガンをマッドスコーピオンの尾に向けて放つ。尾の先端に着弾し、毒針が吹っ飛ぶ。

「アルファード、サンキュー!おりゃ!」

《パワーゲイズ》

 力を込めた一撃をコブラは打ち出す。マッドスコーピオンの固い殻も様々な攻撃を受け、ダメージを受けている。

《ヒール》

 ヴァイロンが傷ついたコブラとキャップを癒す。俺とナディアは、後方からパスクコヨーテの群れ約8体が襲い掛かってきているため、そちらを対応する。俺は、レールガンを連射して、パスクコヨーテの群れをすべて打倒した。どうやらコブラ達もマッドスコーピオンを倒し終えたようだ。

「ふう、終わったか。」

 コブラが一息ついている。俺は、討伐された魔物を空間収納に収めていく。ヴァイロンは、戦いが終わったコブラ達に癒しの魔法をかけて回っている。そんな感じで半日が過ぎた。

「もう、魔物多すぎ!」

 ティファがぼやく。

「まぁ、ここには冒険者がめったに来ないから仕方ないんじゃないか。それだけ、難儀なクエストって事だろ。」

「そうだけどさぁ。中々先に進めないよ。そろそろ日が落ち始めているから今日はこの辺でキャンプにしない?」

「まぁ、無理に進むと余計な体力を消耗するから今日は、ここまでにするか。」

 うーん、俺は全然疲れて無いんだけど、皆がそう言うならここで休むとするか。

「じゃあ、あっちに広めの平地があるから簡易拠点を設置するよ。」

 俺は、広めの平地に簡易拠点を展開し、結界を張る。これで、魔物はここに気付かない。

「やっぱり、野宿じゃなくてここは快適よね。もう、野宿できなくなっちゃうわ」

「うん。いつ来てもすごい。遠征でゆっくり休んで体力を回復させられるって凄い重要だよな。夜間の見張りも必要ないなんて今までじゃあり得なかったよ。」

「アルファード、様様ってか(笑)」

 各々、感想を言いながら拠点に入っていく。まぁ、皆が喜んでもらえているから作った甲斐はあったかな。女性陣はそそくさとシャワーを浴びに行く。そして、キャップの姿も消えている。

”うーん、覗けなように作ったのだが・・・。”

アサシンとなれば、どこか俺が分からない抜け穴も把握しているかもしれない。そこはあえて何も言わずにおこう(笑)。さて、全員シャワーを浴び、食事をとった所で打合せを始めた。俺は地図を広げ、話を始める。

「今、この山のこの辺にいると思う。地図自体がアバウトなので確証はないけど。今日、討伐した魔物の数を考えると中々進みが遅いかな。そこで、明日は、前衛を俺とキャップでいきたいんだけど、どうだろう?」

「それは、構わないが。では、俺は後方に周ればいいかな?」

「うん、今日も、前衛で戦っている時、後方からも魔物が出現したから注意してほしい。」

「了解、では、隊列を変更しよう。他に変更はあるか?」

「変更は特に無いかな。じゃあ、次にフェニックスについてあまり情報が無いんだけど、だれか詳しく知っている人いますか?」

「俺が知っている情報によると、フェニックスは不死鳥と言われていて不老不死だと言う。炎を纏い、その炎はすべてを焼き尽くすと言われている。死んでも、また、その炎の中からよみがえると言う話もある。」

 コブラが自分の知っている内容を話してくれる。するとキャップも

「それに、不死鳥の血はどんな病でも完治させるらしいから高値で取引させてるんだぜ。一説には若返りの効果もあるらしいが、詳しくは分からないな。」

「今回は、フェニックス見学なので、絶対にフェニックスに遭遇してもいきなり攻撃を仕掛けない様にしてほしい。」

「フェニックス様は聖獣の一角でもあるニャ。攻撃を仕掛けても私ちじゃ太刀打ちできないニャ。だから、変な事はしない様にするニャ。」

「聖獣と言えば、ナディアも聖獣だよな。聖獣同士で上手く話しできないかな?」

「一応、そう呼ばれておったな。しかし、奴とは会ったことが無い故、奴がどう出るか分からぬ。期待はせんでくれ。」

「そっか、でも、上手くフェニックスと遭遇出来たら一旦の橋渡しはお願いできないかな?」

「それは構わぬが、話が通じるとは限らぬぞ。」

「その時は、その時だよ。まぁ、気が舞えず気軽にやってみてよ。」

「了解じゃ。まぁ、ご主人の頼みを妾が断る訳がいないのじゃ。」

「うん。ありがと。ナディア」

「まぁ、会えたらラッキーって事でね。」

「確かにニャ。居場所が確定している訳じゃにゃいから、会えるか分からないニャ。」

「ま、気長に探そうや。」

 これと言って今まで以上の情報は無いらしい。後は、フェニックスに会ってみるしかないようだ。部屋割りは男性と女性で分けた。俺達は、各々部屋にもどり、次の日に備えて休無ことにした。そんな次の日に事件は起こる。

 夜が明け、俺達は再びフェニックスの探索のためイモール山脈の中ほどにある火山に向け出発する。この森を抜けてた山が目的の火山らしい。昨日に引き続き、相変わらず魔物の数は多い物のきっちり休息をとった俺らプラチナ冒険者のパーティーは難なく森を進む。すると、先頭のキャップから皆に声がかかる。

「この辺りにいくつかトラップが仕掛けられているぜ。気をつけてくれ。」

 ん?こんな所にトラップ?誰が仕掛けるんだ?マップを見ると赤い点に囲まれている。

「うーん、何かに囲まれている。皆、注意してくれ!」

 すると森から大きなトカゲが出てきた。

「リザードマン!!」

 ティファが声をあげる。

「オマエラ コノモリ アラシニキタ。スグニ デテイキケ。サモナケレバ チカラズクデ オイダス」

 十数体のリザードマンが姿を現す。一体は、より人型だが大きな尻尾が生えている。リザードマンの進化した種なのかもしれない。それより、リザードマンは話をすることが出来るのか?

「俺達は、決して森を荒しに来た訳じゃない。この山の山頂にいるフェニックスに会いに来ただけだ。」

「ソンナコトハ ドウデモイイ。ハヤク コノモリカラ デテイケ!」

 まいったな。この森を抜けなければフェニックスのいる山頂へは行けない。

「俺達は、ここを通りたいだけだ。危害を加えるようなら俺達も容赦はしないが。」

 リザードマンの一人が襲い掛かってきた。俺は、レールガンでリザードマンの足を打ち抜く。

「グキャアァァァ!」

 叫びながらリザードマンが転げ悶える。すると、一斉にリザードマン達が襲い掛かってきた。

《プロテクション》

 俺は全員にプロテクションの魔法をかける。

「ここは、俺に任せて手出ししないで欲しい。頼む。」

「わかった。ここは、アルファードに任せる!」

「ありがとう!」

《瞬歩》

 俺は、走りながら片っ端からリザードマンの腕や足を打ち抜いていく。俺の速さにリザードマンは全くついて行けない。しかし、流石はリザードマン。普通なら戦意を喪失させるぐらいのダメージを与えているがそれでも襲い掛かってくる。特に1体のリザードマンがしぶとい。仕方が無いので更にダメージを与え続けた。

「コノ イノチニカエテモ コノサキニハ イカセナイ」

動くのもやっとなほどダメージを受けているが、それでも尚戦意を喪失させることが出来なかった。しかし、状態が状態だ。いくら戦意を喪失させられなくても戦う事は出来ない。

《パラライズ》

 俺は、リザードマン全員を抵抗できない様に全身を麻痺させる。そして、リザードマン達を集め範囲を指定し、傷を癒す。

《ヒール》

 指定された範囲にいるリザードマン達の傷がみるみる塞がって行き、体力も回復する。しかし、リザードマン達は麻痺しているため身動きが出来ない。

「クッ コロセ!オレタチハ オマエラニ クップクハ シナイ!」

 あー、ここにもクッコロさんがいた。全く、命を何だと思ってるんだよ。

「俺は、お前らを殺さない。俺達の目的はここを通ってあの山の山頂に行くだけだ。それに、俺らは、むやみな殺生は好まない。1日すれば、その拘束も解ける。そうしたら自由にすればいい。」

 リザードマンのリーダーが信じられないと言う顔(表情は分からないが雰囲気)をしている。俺達は、森を進もうとするとリーダらしきリザードマンが声をかけてきた。

「チョット マッテクレ!オマエタチ ホカノニンゲント チガウ。ワレワレ コロセタ。ダガ ソレヲシナイ。ナゼダ?」

「話が通じるのであれば話し合いで解決したい。話し合いに応じられないのであれば無力化するまでだ。無暗に殺しはしたくない。」

「ワカッタ。ブカガ イキナリ オソイカカリ スマナイコトヲシタ。ホカノ ニンゲンタチハ ワレワレヲギャクサツシ イロイロナモノヲ ウバッテイク。ソンナヤツラカラ ムラヲマモノルガ ワレワレノ ヤクワリナノダ」

「え。人間がそんな事するのか?盗賊や一部の冒険者ならそう言う事をする奴らがいるかもしれないが。それは、君らが何かしたからじゃないのか?」

「ワレワレハ モリデシズカニクラシテイル。ニンゲンガ コウゲキシテコナケレバ ナニモシナイ。ソレヲイイコトニ ニンゲンタチハ ワレワレノムラヲオソイ リャクダツヤユウカイヲシ ニンゲンタチノ ドレイトサレテイル。ワレワレモ モウユルセナイ。ダカ キミタチハ ドウヤラチガウヨウダ。アットウテキナ チカラノサデアルニモカカワラズ ワレワレヲタスケタ。」

「なるほど、俺達を野党と間違えたわけだね。しかし、いきなり襲ってくるのはどうかと思うけど。」

「コノサキニ ワレワレノムラガアル。ソコニチカヅケタクナカッタノダ。ソレニ ワレワレノムラヲ ニンゲンノブタイガ オソウトイウ ジョウホウモハイッテイル。」

「え!?討伐隊が編成されているの?何かしたの?」

「サキホドモイッタトオリ ワレワレハモリデシズカニクラシテイルダケダ。ニンゲンタチニ キガイヲクワエタコトハナイ。ムロン オソワレタラ ソレニタイコウハスルガ。」

「これが、人間の実態ニャ。獣人の村も度々、人間に襲われたりするニャ。だから、基本的には人間を毛嫌いする獣人も多いニャ。私は、おとーさんやコブラやアルファード、良い人達に出会ったからこうして仲良くしているニャけど、人間を恨んでいる獣人も多くいるニャ」

「なるほどね。種族間差別って感じか。なんか、そう言うの嫌だね。みんな同じに生きているのにね。今、討伐隊が組まれているみたいだけど、何かしたの?」

「ワレワレハ ナニモシテイナイ。ニンゲンドモガ カッテニセメテクルノダ。」

「なんか、それは納得いかないな。皆、急いでいる所悪いんだけど、討伐に関してちょっと事情が知りたい。寄り道してもいいかな?」

「俺達は、勝手に付いてきただけだ。アルファードの好きにすればいいさ。」

「うん。アルファードに任せるよ。」

「まぁ、しゃーねーな。一度言い出したら聞かないんだろ。任せるよ」

「私も協力するニャ。」

「妾はご主人のが思う通りで良いと思うぞ。」

「ティナもアルファードの言う通りにする。」

 皆の賛成を得られた。兎に角、無意味な殺戮は俺の望む所ではない。出来れば、回避したい。

「なぁ、もしよかったら俺達も力になるけど、どうだ?」

「イイノカ?アイテハ オナジニンゲンゾクナンダゾ。」

「同じじゃない。人間だからって暴虐の限りを尽くして良い訳がない。逆に、そんな人間が恥ずかしい。」

「ワカッタ。アリガトウ。ドウヤラ ワレワレハ キミタチノコトヲ ゴカイシテイタヨウダ。サキホドノ ブレイモアワセテ オワビシタイ。キミタチヲ ワレワレノムラニ ショウタイシヨウ」

 俺は、“麻痺”を解除し、リザードマン達の後を追っていく。
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