元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ

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【英雄と八頭オロチ】

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 俺達が団欒?宴会?を始めて暫くすると、一人の男が俺の下にやって来た。

「しゅ、首領!」

「おい、お主、名前は?」

「おいおい、人に名前を聞くときは自分から名乗れよ。」

「ふん。生意気なガキでござるな。まぁ、いい。某は、ボルボ=アイーン。この集落の首領をやっているでござる。」

《鑑定》

忍者 LV46

HP1270/1270

MP423/423

筋力623

魔力423

防御力688

魔防423

俊敏688

器用688

知力423

幸運476



【ユニークスキル】

体術 剣術 照準 忍術 奪う 瞬歩 剛健 心眼

【スキル】

物理耐性(中) 魔法耐性(中) 異常状態耐性(中) クリティカル(中) 剣技(高) 体術(高) 忍術(高) 索敵(中) 見切り(中)



 ふむ。人としては強い方なのだろう。しかし、俺のチートには遠く及ばない。

「俺は、アルファード。見ての通り冒険者崩れさ。その首領様が俺に何の用だ。」

「おいおい、いけしゃあしゃあと厚かましい奴ででござる。俺が貴様の事を調べないと思っていたでござるか??この冒険者ギルドの犬が。」

 おっと、やっぱバレてたのね。まぁ、あれだけ派手にやってれば首領の耳に入るとは思っていたけど、案外早かったな。

「で、ギルドの犬がこの集落に何の用でござるか。」

「そうだな。簡単に言うと情報収集だな。そっちから出向いてくれたので早く仕事が終わりそうだ。」

 周りがざわつき始める。コブラ達もこちらにやって来た。

「ほう、そっちのも仲間でござるか。まとめて始末してやるでござる。」

 キャップが首領を見たとたんガタガタと震え出した。

「ん?お前、なんだ?身体がガクガクじゃないか。」

 キャップが俺やコブラに向かって何か言っている。

「こ、この人は・・・、5大英雄の一人、夜帳の忍者のボルボ=アイーン様じゃないか。ま、まずいぞ。こりゃ。俺達の手に負える人じゃねえ。」

「あー、聞いたことある。でも、突然いなくなっちゃったんだよね。その人。」

「馬鹿野郎!5大英雄と言ったら子供でもどんな人物か知っているぞ!そんな人に喧嘩売るなんて・・・」

「大丈夫。全然、俺の方が強いから。しかも、喧嘩売られたの俺だし」

「!!おい!」

「まぁ、俺はここの集落の人達を傷つけたくないから、お前とさしでやるのはどうだ?」

「ふん。ここにも粋がった馬鹿がおるでござる。まぁいい。相手してしんぜよう。」

 ボルボは、オーラを纏った剣を抜く。多分、妖刀だろう。いいもん持ってるな。俺も、剣を抜き、折れない様に強化の魔法を抜きながら無詠唱でかける。

「ハンデやるよ。俺は、魔導剣士だけど今回、攻撃魔法は使わないでいてやる。」

俺は、《模倣》のスキルを使う。

「たわけ!!!」

 一瞬で間合いを詰められた。相手の剣を受け止める。

《ユニークスキル 瞬歩を獲得》

《ユニークスキル 剛健を獲得》

 おお。久しぶりにユニークスキルを獲得した。俺は、早速、瞬歩で間合いをとる。

「ほお。お前、瞬歩を使えるでござるか。中々でござるな。眞陰流一の太刀 斬」

 ボルボが瞬歩で間合いを詰め、刀を振り下ろす。俺はそれを受け止める。

「二の太刀 燕返し」

 上下左右から斬撃が襲い掛かってくる。俺は、その太刀をすべて受け流す。

「三の太刀 牙突」

 剣の流れが変わると同時に突きの連打が急所目掛けて繰り出される。多分、クリティカルのスキルが発動しているだろう。当たると痛そうだ。俺は、剣ですべてをはじき返す。

「某の剣をここまで受け流すとは、中々やるでござるな。だが、これだけとは思わぬ方が良いでござるよ。」

 ボルボは、剣を鞘にしまい意識を集中させている。居合かな?

「魔人剣 煉獄破」

 ”いっ!!”

 衝撃波と共に闘気を纏った炎が襲い掛かってきた。俺は、とっさに素手で衝撃波を打ち落とし、炎をレジストした。

「あー、ビックリした!!」

 やっぱ、ちゃんとした達人は強いかも。ステータスに開きが無ければすぐやられてるな。

「何!!煉獄破を素手で!くっ!仕方あるまい。」

 ボルボは少し距離をとり、何かを投げつけてきた。

「忍法 影縛り」

《ユニークスキル 忍術を取得した》

 身体の動きが悪くなったような。まぁ、戦いに支障ないと思うが。

 っと、目の前に楔が飛んでくる。俺は、それを上半身だけで避けた。

「貰った!!」

 瞬歩で間合いを詰めてきていたボルボが切りかかってくる。

「奥義 乱れ桜」

 ボルボの剣が上下左右、しかも突きまで混ざって俺を襲う。俺は、剣ですべてを受け流す。

「な、なん、だと・・・なぜ動ける!?」

「ふぅ、さて、終わりかな?」

「何を!忍法 分身の術」

 ボルボが間合いとり、8人に分かれる。俺は、真偽のスキルを使い、本物を見分ける。

”ガン”

レールガンで本物のボルボの頬を掠るように撃った。

「な、なに。な、なぜだ!?」

「さて、次はこちらから攻めるとしようかな。眞陰流一の太刀 斬」

 俺は、峰打ちでボルボを叩く。

「二の太刀 燕返し。三の太刀 牙突 奥義 乱れ桜」

 すべて峰打ちでボルボを責める。もう、ぼこぼこだ!

「ぐあぁーー!」

「魔人剣 煉獄破」

 俺はあさっての方向に衝撃波と闘気の炎を飛ばす。

「まぁ、こんなもんか。そろそろ、降参する?」

「な、なぜ貴様が眞陰流を使えるでござる!そ、某は負けるわけには・・・捕まる訳にはいかぬ。」

”ガン”

 俺は、再度、レールガンをボルボの足元目掛けて撃つ。ボルボは自分の置かれている立場を理解したようだ。

「くっ!殺せ!だが、頼む。某の命でこいつらだけは見逃してやってくれぬでござるか。」

 ( ゜Д゜)でたーーーー。クッコロさん!!



~クッコロさんとは・・・~

 クッコロさん。真剣勝負において負けた時に「くっ。殺せ」と言う人の総称。略して「クッコロさん」と言われている。



「なぜ、そこまでこの集落に拘るんだ。元英雄なんだろ?クッコロさん」

「クッコロ?ふん、英雄何て言われているが所詮王族の犬でござるよ。奴らは高みから私利私欲のために民衆を苦しめる。苦言を呈して意見すれば、”お前は何様だ”と罵られ罵声を浴びされる。いわれのない罪をかぶせられた仲間の為に立ち上がれば、クーデターだと称し、鎮圧だと称し攻撃を仕掛けてくるでござる。そして、行きついたのがこの場所でござるよ。こいつらも某と同じように様々な理由から人生を奪われた連中でござる。そんな彼らの居場所を作り、守ると某は決めた。だから、負ける訳にはいかないでござる!」

 ボルボは最後の力を振り絞り、俺にかかってくる。そんな状態じゃ俺には勝てないのを分かっていても心が身体を動かすのだろう。

「でも、そうやって作った居場所だって所詮は盗賊じゃないか。同じ様な思い、状況を今度はお前らが作っているじゃないか?」

「ふん。ああ、確かに某らは盗賊でござる。だがな!某達だってプライドってもんはある!普通の商人や冒険者には手を出さねぇ。それに義賊だとも言わないでござるよ。」

「まぁ。勝手にやってくれ。俺は、冒険者ギルドからこの集落の情報の収集を依頼されただけだから。この集落をどうこうしようなんて考えてねぇよ。因みに喧嘩を売って来たのはクッコロさんの方だぜ。」

「お、お前。」

「俺だってここの奴らが一生懸命生きているのは知っている。この世の中、奇麗事だけじゃなく、必要悪が必要な事も分かっている。俺も、もちろん自分がやっている事がすべて正義だとは思っていないし、正義を振り翳すつもりもさらさら無い。俺はここの奴らが好きだしな。」

さて、コブラ達をどう説得するかな。まぁ、何ならミスリルランク貰わなくてもいっか。所詮称号だし。

「コブラ・・・、あのう・・・」

「うん。大丈夫だ!みなまで言うな。皆分かっているよ。」

 俺達が帰ろうとしたその時、盗賊の一人が叫びながら走ってくる。

「やばい!馬鹿があの八頭オロチの祠に封印を宝物だとか言って、封印を解いちまった!」

「なに!!!!!」

 ボルボの顔色が変わった。

「なんてことを・・・、野郎ども兎に角逃げるでござる!オロチに出くわしたら命がいくつあっても足りないでござるぞ。」

 轟音が集落の外から聞こえてくる。もう、魔物が間近に迫ってきている。

「や、やべぇな。何とかせんといかんでござる。」

 ボルボはふらふらと立ち上がる。

《ヒール》

 ボルボの身体がみるみる癒されていき、体力も元通りに戻る。

「おお!!身体が回復したでござる。どうなってんだ。はっ!」

 ボルボがこっちを見る。

「そんな身体じゃ何もできないだろ。俺が手を貸してやる。オロチを討伐しよう。」

「ば、ばっかじゃねーの!無理に決まっているでござる!!逃げるでござるよ!!あんなのに勝てる訳ねーんだよ。封印できる賢者もいないでござるし。」

 うぅ…、折角、カッコつけたのに・・・もういいもんね。俺一人で倒しちゃうもんね。久しぶりの大きな獲物だし。とりあえず、鑑定してみるか。

《鑑定》

八頭オロチ LV62

HP2182/2182

MP2251/2251

筋力1091

魔力818

防御力1023

魔防887

俊敏682

器用546

知力546

幸運614



【ユニークスキル】

ブレス 加護 噛砕き 咆哮

【スキル】

火炎ブレス 火炎球ブレス 魔法耐性(中) 物理耐性(中) 威嚇(中) 



 うーん、やはりそれなりに強いな。でも、全然問題ない。これが伝説級なの?俺、チート過ぎ(;’∀’)

集落の奴らは逃げ始めている。まぁ、奴らは守るものが無いから当然か。オロチの姿が見えた。八頭首の大蛇だ。”前の世界では「ヤマタノオロチ」”だったけかな?

「さて、ちょっと、本気だすかな。」

《ライトニングストーム》

 天が渦を巻き始め、落雷の嵐がオロチを襲う。

「いくぞ!ナディア。首2つ任せた。ティナは、後ろで待機」

「分かった。」

「久しぶりに血が滾るのお!」

「いいぞ、それなりに本気出さないと苦労するぞ!」

 ナディアは九尾狐に戻り、俺の横に着く。

《ダイヤモンドダスト》

 急に辺りが冷え込み冷気がオロチを襲う。体温を奪われたオロチは、動きが鈍くなった。

「どりゃ!」

《ヴェンジェンド(空雷砲撃破)》

 圧縮された電劇を帯びた衝撃波がオロチを襲う。魔力を開放した6階層の魔法だ。魔力を解放した一撃は八頭オロチの首に大きな風穴をあける。風穴があいた首は息絶え崩れ落ちる。

これ以上近づけたくないな。

《アースバインド》

 俺はオロチをその場に縛り付け、2つ目の首に攻撃を仕掛ける。

「おりゃ!」

《ヴェンジェンド(空雷砲撃破)》

 もう一つの首にも大きな風穴があく。雷撃に氷にオロチも体力を削られているようだ。しかし、オロチも黙って攻撃を受けているだけではない。残りの首が光り出した。

「やば!」

《フルシェルター》

 俺は、防御するための座標を測定し、集落全体を防御魔法で覆う。

”ブワァーー!”と同時にブレスの攻撃がくる。6体から繰り出されるブレスは、集落ごとを焼き払う。しかし、ブレス攻撃が終わったそこには、結界に守られた集落がある。

「この野郎――!」

《クラスターボム》

オロチの身体にいくつもの爆撃が襲う。オロチが少し後ずさった。その隙にナディアが攻撃を始める。

《インファルノファイヤー》

 煉獄から呼び出された爆炎がオロチの頭部を襲う。ナディアの攻撃は更に続く。

《アビスゲート》

 漆黒の闇を纏う球体が八頭オロチの頭を飲み込む。頭部を破壊された八頭オロチの頭は息絶える。

「ご主人、一個目じゃ!」

「おお!いいぞ!ナディアはそっちに回り込んで、俺はこっちから攻撃する。」

 俺とナディアは左右に回り込む。当然、オロチはそうはさせまいと尻尾を振り攻撃してくる。

《レビテーション》

 俺は、八頭オロチ攻撃を躱し、奴の頭上に飛ぶ。

《ライトニングプラズマ》

 俺の掌から集約した雷撃が渦を巻きながらオロチの頭部を襲う。額の部分が黒焦げになり風穴があく。

「まだまだ!!」

《フロストノヴァ》

《シューティングギガストーン》

フロストノヴァで凍った頭部に巨大な岩を落とす。”バギャン”と轟音を立てオロチの首が砕け散る。

《煉獄魔弾インフェルノダーツ》

ナディアもターゲットした首に向け爆炎の魔弾を撃つ。魔弾目命中するが、ダメージを与え切れていない。オロチがナディアに喰らい付く。

「ナディアーー!」

《ボルケーノブラスト》

口の中に入ったナディアがオロチの頭部を木っ端みじんにする。ちょっと、ビビった。

「ふぅ、ふぅ、そんなキスじゃ妾は落とせぬぞ!」

 あんまり余裕をかましていると俺はともかく、ナディアが怪我しそうだ。俺は、いつもより魔力を開放する。爆発の範囲を頭2つが含まれるように空間を指定し、結界で仕切る。

「もう、一気にカタを付けてやる。」

《テルトウェイト(核爆発)》

10階層の魔法をぶっ放す。結界の中では核爆発が起こり、鈍い爆音と共に数億度の熱波と衝撃波でオロチの2つの首から上が吹き飛んだ?蒸発した?。衝撃波と熱波は結界の中で収束する。本来はオロチ全体をターゲットにして打ち込めば早いんだけど、何も残らなくなっちゃうからね。

轟音と共に、頭部をすべて破壊されたオロチはその場に崩れ去った。

《LVが上がりました。》×25

《称号 ドラゴンスレイヤーを獲得》

久しぶりに連続でLvが上がるのを聞いたな。やっぱ、かなりの魔物だったんだな。ん?それに“称号“なんだそれは?今の俺のステータスは下記の通り。

賢者(称号:ドラゴンスレイヤー) LV107  
HP54784/54784
MP61632/61632
筋力12840
魔力14552
防御力12840
魔防13696
俊敏11984
器用11128
知力15408
幸運11984

【称号】
ドラゴンスレイヤー

【ユニークスキル】
Q&A 空間収納 鑑定 医療の心得 模倣 偽装 真偽 魔術 剣術 精霊魔術 召喚 全記憶 模倣 空間操作・認識 重力操作 多重詠唱Ⅴ 照準 忍術 奪う 瞬歩 剛健 心眼

【スキル】
毒耐性(高) 光属性(至) 闇属性(至) 炎属性(至) 水属性(至) 地属性(至)  クリティカル(中)
風属性(至) 無属性(至) 剣(中) 魔力欠乏耐性(至) 無詠唱 魔力調整
魔力向上(極) MP向上(極) 物理耐性(極) 魔法耐性(極) 翻訳 速読
マップ 索敵 演算加速 分離・結合 解体(至) 異常状態耐性(極) 錬金術(極)
創作(極) 忍術(低) 見切り(中)

【剣技】
眞陰流 魔人剣
【魔法】
《生活魔法》
《医療関連魔法》
《炎魔法》(13階層)
《地魔法》(13階層)
《氷魔法》(13階層)
《水魔法》(13階層)
《風魔法》(13階層)
《光魔法》(13階層)
《闇魔法》(13階層)
《無属性》(13階層)
《錬金魔法》
《創作魔法》

 賢者にドラゴンスレイヤーが付加されているし。ドラゴンスレイヤーは”職業”じゃなくて称号になるのか・・・

「ふぅ。討伐完了」

俺は、オロチの側に行きオロチの死骸や素材を拾い集め空間収納にしまう。

集落に戻り、防御魔法を解く。

「討伐終わりました。オロチの素材って何に使えるのかな?」

「アルファード!おかえりー!」

ティナが飛びついてくる。

「ふぅ、終わったのじゃ。妾も結構疲れたぞ。ご主人、ご褒美が欲しいのじゃ!」

そう言ってナディアも抱き付いてくる。

「おお!・・・おおおお!!」

「おおおおおおおおお!!!!!!オロチを倒した!!!」

集落のあちらこちらで歓声があがる。

コブラとキャップが俺の所に来る。

「アルフォード!お前凄すぎるぞ!なんなんだよ!あれ!」

「俺、マジで死んだと思った」

 コブラなんかと話をしていると、ヴァイロンが飛びついてきてスリスリしてくる。

「アルファード、凄いニャー、凄いニャー、ゴロゴロ」

「ヴァイロン、ずるい。私も飛びつきたいのに・・・」

 口を尖らせたティファがヴァイロンの後からやって来た。

「ってゆうか、アルファード、あなた何をしたか分かってるの?」

「え、あ、うん。八頭オロチを討伐した。まずかった?」

「”討伐した”じゃないわよ!伝説級の魔物だよ。勇者パーティーでも封印しかできなかった魔物なんだよ!」

「そうなんだね。でも、ナディアもいたし。」

 ナディアの名前を出した途端、ヴァイロンがガクガクブルブルになった。

「も、もしかして九尾様なのかニャ?」

「ん?妾の事か?そうじゃが?」

 ヴァイロンは、俺からぴょんと離れ”気をつけ”をしている。

「な、なぜ、九尾様がこんな所においでなのですかニャ?」

「なぜって、妾はご主人の従属じゃ。側にいて当然じゃろう。なんじゃ、問題でもあるのかぇ?」

「ぜ、全然問題ないですニャ!!」

 ヴァイロンは、腕を前に伸ばし、掌を”ブンブン”動かしている。何故か、目は合わせていない。

「九尾様が従属!はぁ・・・、信じられない・・・、それに、八頭オロチとの戦いで最後に使った魔法。私、見た事も聞いたことも無い魔法だったけど、あれって何の魔法?何階位なの?」

「うーん、爆裂の魔法で、何階位なんだろうねー、あははは」

「あんたねぇ!!大魔導士様が使うような魔法を使う魔導士が一介の冒険者ギルドのゴールドランク冒険者だなんて・・・」

「俺、魔導士じゃなくて魔導剣士なんだけど・・・」

「そんなのどっちでもいいわよ!」

 とてもティファが興奮していらっしゃる。

「なぁ、冒険者ギルドへの報告はこっちの方が良くないか?」

 コブラが冒険者ギルドへの報告について提案してくれた。

「盗賊の情報収集をしていたら。盗賊達が伝説の八頭オロチの封印を解いちゃって。その八頭オロチを。アルファードが討伐した。って報告するの?誰が信じるのよ!!」

「でも、本当なんだが・・・」

 なぜかコブラが”シュン”としている。

「でも、証拠ならオロチの素材あるけど?なるべく奇麗に討伐したから結構残っているよ。ナディアが2つと俺が2つ、頭部吹っ飛ばしちゃったけど。テヘペロ」

「テヘペロじゃい!!ってゆうか、そんな事考えながら戦ってたの!!全くどれだけ規格外なんだか・・・」

「オロチの素材・・・売却したらどうなるんだ?」

「国、買えちゃうかもね・・・」

「オロチの肉食うか?」

「食うにゃ!!話によるとそれはそれは美味らしいんだニャ!」

「まぁ、でも、結局のところ”ヘビ”だろ?そんなに変わるのか?」

「伝説を信じるニャ!きっとそれはそれは美味なんだニャ!」

 ヴァイロンは、目を棒にして手を頬に当てよだれを垂らしている。

「魔法もそうだが、剣技も凄かったな。」

「そうだな。あのボルボ様をボコってたもんな・・・」

 キャップが”ボソ”っと呟いた。

「なるほど、あんな化物相手じゃいくら儂でも勝てる気がせんでござるよ」

「ぼ、ボルボ様」

キャップは、ぴょんと飛び”気をつけ”をしている。

「アルファード殿、この度は誠にこの集落を救って頂き、言葉には出来ない思いでござる。ただ、感謝の念を伝えたく、お礼に伺い仕りました。この度は本当にありがとう仕りました。」

「あー、別に気にしなくていいよ。俺も大物狩れたし。この集落の奴らに被害が出なくてよかったね。俺も、ここの奴らの事好きだからさ」

「何とも恐悦至極。そう言って頂けるだけでもありがたく存じます。」

 固いなぁ。でも、彼は武人なのだからそうなのかもしれない。ちゃんと礼儀をわきまえているんだな。

「兎に角、まぁ、無事でよかった!」

「おおお!兄弟!本当に助かったぜ!ありがとよ!」

 ユーガは大声で俺に話しかける。俺は、”グー”のポーズで彼に返した。

「あ!そうだ、クッコロさんに話があったんだ!ちょっと、二人になれるかな?」

「クッコロ?はい、何でござるか?」

 俺とボルボは人気のない所で話をする。

「クッコロさん。もしよかったら、俺の従属になってもらえませんか?クッコロさんの情報収集能力は是非ほしい!」

「大変、有難い話ではありますが、儂には、この集落を守らなければならないという使命があるでござる。アルファード殿には返しても返しきれないほどの恩があるのは重々承知しておりますが、しかし、大変申し訳ないがお断りさせて頂きたい。」

「あー、そう言う事ね。従属と言っても普段から俺達とずっと一緒に行動する訳じゃなくて、自由にしていてもらっていいんだよ。必要な時に呼び出すので、その時に協力してくれればいい。仕事が終わった後は、また、召喚された場所に戻るから、その後はまた自由に好きなことをしていればいい。そんなにきつい制約は無いと思うけど。それに、俺の従属になると主人の能力が従属の能力に反映されるから飛躍的に能力が上がると思う。その方が集落を守るのに都合がいいんじゃない?勿論、俺達も協力するよ。」

「なるほど。それであれば、アルファード殿にはお世話になりっぱなしゆえ、協力するのはやぶさかではござらん。儂の力がどれだけ役に立つかは分かりませぬが、よろしくお願い奉る。」

「おお!それは助かる!クッコロさんの情報収集能力はすごいと思っていたんだ。こちらこそよろしくお願いします。」

「クッコロ?先ほどから言われているクッコロとは何でござるか?」

「(ヤベ。素で呼んでいたよ)あははは、余り気にしなくていいよ。ボルボの愛称みたいなもんだよ。じゃあ、従属の儀式をするね。魔法陣の中央に入って。」

 俺は魔法陣を描くと、ボルボを魔法陣の中央に入ってもらう。魔法陣に魔力を流すとボルボは光に包まれ従属の証が刻まれた。

「ぬぉぉぉ!!なんだ、この身体のそこから溢れる力は!」

「あー、多分、俺の従属になったので俺の能力が反映されたのでしょう。」

「こ、これはすごい・・・、アルファード殿、いや、主君か。主君に某が力が遠く及ばないのが実感できたでござる。これからよろしくお願い奉る。」

「あー、そんなに畏まらなくていいよ。普通でいこう。それと、どれ位になるか分からないけど、お金になるなら当面の活動資金として使って。」

 俺は、八頭オロチの鱗(焦げてるやつ)を十数枚ボルボに渡す。

「こ、これは!」

「うん、さっき討伐したオロチの鱗だよ。ナディアが少し焦がしちゃったけど。売るかなんかして使って。」

「こんな事までして頂き、有難き幸せ。このボルボ=アイーン、全身全霊をもって主君にお仕えする所存でございます。」

「だからー、固い!普通でいいって!」

「かしこまった。」

 ボルボが従属になった。俺達は、皆の所に戻り、オロチの肉を提供する。そこから大宴会が始まった事は言うまでもない。





次の更新は9/25土曜日になります。第14回ファンタジー大賞も残すところあと少しです。現在130位。
この作品がここまで選ばれたもの皆さんの応援のお蔭です。ありがとうございます。そこでもう一歩頑張りたいと思っています。皆様が応援して下さり、もし、100位以内に入る事が出来ましたら、5日間連続で更新致します。喜びと感謝の気持ちを作品で示したいと思っておりますので、是非、投票をお願いします。私と皆様でこの作品を盛り上げていきたいと思っております。是非、ご協力、よろしくお願い致します。



本日も読んでいただいてありがとうございます。高評価は励みになります(・∀・)イイネ!!

これからも、よろしくお願いしますm(__)m




******大和市にある冒険者ギルド酒場が舞台の物語。******

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田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

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転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
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「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

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