元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ

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【富豪商人】

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 そんな騒動がありながらもキャラバンは順調に旅を続けた。日が暮れ始めた所で、本日の野営の準備を始める。すると、豪華な衣服に装飾をした商人の一団が俺の所にやってくる。見るからに“富豪”って感じの奴らだ。男性の方は、中年で結構、メタボリックな体系の紳士的な格好をしている。女性の方は10代後半だろう巻紙のブロンドをした気が強そうな女性だ。胸を強調した高価な服装や装飾を身に付けている如何にも“お嬢様”って感じだ。男性の方が俺の事をジロジロ品定めをするように俺を見る。

「お前がこのキャラバンの中で一番腕が経つ冒険者か?」

なんだこいつ。偉そうに・・・

「一番かどうかは分かりませんが、一応、ゴールド冒険者ではありますが」

「まぁ、なんか頼りなさそうだが冒険者ギルドが認定したゴールド冒険者だ。少しは使えるだろう。おい、ちょっとこいつの相手をしてみろ。」

一緒に連れて来た”ごっつい”感じの護衛に男は命令する。

「旦那。こんな貧弱なのを相手してケガさせたら流石にまずいですぜ?」

「いいから相手しろ。」

男は、問答無用に護衛に命令する。久しぶりに《鑑定》

人間族 LV23

HP552/552

MP184/184

筋力253

魔力184

防御力253

魔防184

俊敏207

器用207

知力184

幸運184



【スキル】

剣(中)

攻撃力向上(中)

防御力向上(中)



 まぁ、ティナといい勝負できそうだな。ちなみに今のティナのステータスは、



魔族ハーフ LV22

HP224/224

MP970/970

筋力194

魔力370

防御力198

魔防348

俊敏198

器用198

知力214

幸運194



【ユニークスキル】

魔術  炎操作(中)  



【スキル】

炎属性(中) 闇属性(低)  無属性(低)  魔力向上(低)



【魔法】

《生活魔法》(1階層)

《炎魔法》(3階層)

《闇魔法》(2階層)

《無属性魔法》(2階層)



「おーい、ティナ。ちょっと来て!」

 俺は、ティナを呼ぶ。

「アルファード、何?」

「んー。ちょっと、こいつの相手をしてみてくれ。まぁ、実力試しだと思って本気でやっていいから」

「分かった。」

 俺は、ティナに護衛との腕試しを振る。

「って事で、君の相手はこの子ね。あ、手加減しなくていいから。」

「こ、このぉー、なめ腐りやがって!こんな小娘が俺の相手を務まる訳がないだろ!!」

「むう。アルファード、こいつムカつく!」

「うん、どっちかと言うとこいつら全員むかつくんだけどね。だから、本気出していいよ。」

 俺達がすったもんだやっていると、ナディアとニーヴァがやってくる。

「ご主人。なんか面白そうな事をやっているの?」

「まぁ、急にこの人達に絡まれたんだけどね。で、喧嘩売られたのでティナに相手をしてもらおうと思ってね。」

 俺は、苦笑いをする。

「あ、これは、これは、プリムスさん、どうされたのですか?」

「まぁ、この冒険者が使えるか試してみようと思ってな。もし、冒険者ギルドの称号通り役に立ちそうなら護衛に使ってやろうと思っている。」

「そう言う事ですか。でも、彼らは、キャラバンと契約しているんですよ。」

「ふん、その時は、キャラバンと交渉するわい。」

 こいつら、本当に自分勝手だな。ニーヴァは”やれやれ”と言う感じで呆れている。

「アルファードさん、彼はドアマンドで多くの商店を手掛けているドアマンドでも1.2位を争う商人なんですよ。ここは、穏便に済ませた方がいいかと思いますが。」

「我々は、冒険者だから別にドアマンで商売をする訳じゃないので余り気にしませんよ。まぁ、適当に相手します。」

「なるほど。私もちょっと興味があるので見学させていただいてもいいですか?」

「どうぞ。怪我には気を付けてくださいね。」

 気が付くと、周りは野次馬達に囲まれている。

「おいおい、なんか、プリムスさんのとこの護衛と冒険者が勝負するらしいぜ!」

「おお!面白そうだな。ちょっと、観てみようぜ。」

「俺は、プリムスさんの護衛に銅貨2枚だ!」

「じゃあ、俺は冒険者のお嬢ちゃんに銅貨2枚。」

 おいおい、賭けまで始まってるじゃないか。まぁ、何も余興が無いんじゃ仕方がないか。

「それでは、君らの実力を見せてもらうとするかな。」

 相手の護衛がティナとの距離を詰めてきた。

「魔法使いとの戦いは、距離を詰めた方が有利だからな。残念だが、お前らの負けだ。」

 しかし、ティナは怯まずその攻撃を避ける。と同時に無詠唱でアイヤーアローを放つ。

「ぐあ。な、何?なぜ、魔法が」

 護衛が距離を取ると、ティナはマジックミサイルの詠唱を始める。マジックミサイルが護衛に放たれるが、それを剣で防いだ。ティナは、間髪入れずに視界を遮る《

ブラインド》の魔法の詠唱を始める。護衛は、詠唱させない様に距離を詰めティナに襲い掛かる。ティナもスタッフで護衛の剣戟を凌ぐ。凌ぎながら炎の魔法を無詠唱にて使う。

《ファイヤーボール》←無詠唱

 護衛は無詠唱にて放たれる魔法に対応がついて行けず、ファイヤボールを両手でクロスして受ける。しかし、近距離からの魔法は威力がある。どうやら、それなりのダメージを受けたみたいだ。

「ぐはぁ、ど、どういう事なんだ!」

 ティナは、再度ブラインドの魔法の詠唱を始めた。護衛は、近距離から放たれたファイヤーボールのダメージで動きが鈍くなっている。ブラインドの魔法が完成し、護衛の目の周りには薄暗い霧がかかる。闇雲に、剣を振り回す護衛に対し、ティナは距離を取り、的確にマジックミサイルを急所チンチンじゃないよに向けて放つ。マジックミサイルは、護衛の鳩尾に当たる。ティナは、とどめに爆裂の魔法を唱え、わざと離れた人がいない所に放つ。”ドカーーン”と砂埃を上げ、爆裂魔法の周りの何もかもが吹っ飛んだ。基本的に、マジックミサイルは的に当たるが、ピンポイントに狙いを定めて当てるのは技術がいる。ティナは、きっと繰り返し練習したのだろう。そして、実践で使えるレベルまで持って行った。もう、冒険者としての魔導士と言ってもいいかもしれない。

「はぁはぁ、勝負ありでいい?」

 ティナが護衛に言い放つと、”わぁー!”と周りが歓声を上げる。

「おお!お嬢ちゃん!凄いな!こんな魔法初めて見たよ。流石、冒険者ギルドのゴールドランクだ!」

「お嬢ちゃん、すごい!人は見かけによらないんだな!」

「お嬢ちゃん、最高だったよ!すごくかっこいい!!」

「お嬢ちゃん、可愛いね。お尻触らせて」

 ティナは、野次馬に囲まれてもみくちゃにされている。中には、訳分からないことを言っている奴もいたけど、ティナも満足げだ。

「アルファード!」

 ティナが野次馬の群れを抜け、俺の所に走ってくる。

「ティナ、どうだった?強くなった?」

「うん、良い戦いだったよ。ちゃんと詠唱魔法を使うときは距離を取っていたし、距離を詰められたら、無詠唱で相手を怯ませる事も出来てたし。魔術師の弱点をちゃんと埋めたいい戦いだった。」

 俺は、ティナの頭を撫でながら褒めちぎる。人は、誉められたら伸びるからね。

「ナディアと沢山、鍛錬した。ちゃんと戦えるようになったのはナディアのお蔭。ナディアもありがとう。」

「おお!やっぱり、ティナは良い子じゃのお!」

 ナディアもティナをギュっと抱きしめ、誉めている。

「ブラボーブラボー!いいぞいいぞ!やっぱお主らは強い。よし、お前らを雇ってやる。儂の護衛をせい。」

 拍手をしながらプリムスが近づいてくる。なんか、プリムスが満足げに俺達を上から目線で話しかけてくる。

「勿論、お断りします。我々は、キャラバンと契約をしているんで。平等にここにいる人達を守りますよ。」

「ふん、そんな契約など、どうでもいい。分かった。大金貨1枚でどうだ?」

「だ、大金貨1枚!」

なぜか、ニーヴァが驚いている。確かに、ただの護衛に大金貨1枚は破格だと思う。しかし、俺は、こういった大富豪があまり好きではない。

「そうですね。折角のお申し出ですがお断りさせていただきます。やはり、我々は、最初にこのキャラバンと契約をしているのでここにいる皆を裏切れません。」

「なるほど。分かった。キャラバンからの指示なら我々を守ると言うのだな。」

はぁ?こいつマジで何言ってるんだ?

「ふん、この冒険者風情がお父様が目をかけてくださっているのになんて態度なの?いいからお父様の言う事聞きなさいな。」

 こいつら親子なのか。親も親なら子も子だな。

「まぁ、もういい。お前たち行くぞ。」

 プリムス一行は、自分達の馬車へと帰っていく。俺達も自分達の馬車へと戻った。暫くするとキャラバンの責任者が俺の所にくる。

「アルファードさん、あなた方は隊の後方にて、あそこにいる隊の護衛を中心にお願いします。」

「あそこの隊と言いますと?」

「プリムスさん達の隊ですね。あそこを中心に護衛をお願いします。」

 なんだか、ばつの悪そうな感じで話している。多分、プリムスに買収されたんだろう。

「なぜ急に配置が変ったんですか?」

「えっと、他の冒険者達とのバランスを考えて配置転換をしました。」

「ふーん、こういうのはありなんですか?」

「こういうのと申しますと?」

「キャラバンからの依頼の様に見せかけて、特定の人の護衛にあたると言う事ですよ。」

「そ、そんな事は無いですよ。バランスを考えるとこの方が効率的かと思い配置転換したんですよ。」

「そんなの、明らかにプリムスに言われて配置転換したって分かるじゃないですか。そう言う事するなら俺達はキャラバンを抜けます。」

「君達がそう言うなら仕方がない。それでは、このキャラバンの護衛契約の破棄をするって事かな?」

「そんな、悪意のこもった契約なら破棄で構いません。俺達は出て行きますよ。ここまでの護衛費用は、要りませんので。」

 俺達は、キャラバンの責任者に挨拶し、サーブ、ヒルマン、ニーヴァにこのキャラバンから出て行くことを告げた。

「やはり、そう言う事をしてきたか。あの人は、自分の思い通りにならないとダメな人だからな。」

ニーヴァが”やれやれ”のポーズをする。

「そんな自分勝手なのは、俺達納得出来ません。残念ですが、ここまでです。今までありがとうございました。」

「まぁ、待て待て。もし、良ければ逆に私は、お前さん方について行きたいんだけどな。」

「あ、俺もお前たちの方がいいな。途中での魔物退治、すごく手際が良かったし、信頼できる。」

「そう言う事なら、私もお願いしたいですね。」

 サーブ、ヒルマン、ニーヴァが急に俺達について行くと言い出した。それが火種となり俺達と一緒に行きたいという隊や冒険者も出てきた。約15の商人達の隊と冒険者が5人ほど俺達と行くことになった。でも、俺、キャラバンの運営とかした事無いし・・・と思っていたら、サーブがキャラバンの責任者をかって出てくれた。翌日より、前回所属していたキャラバンとは別行動をする事になる。
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