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【輩】
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「タッカミー、ただいまー」
夕方、シルフが何やら持って帰ってきた。
「はい、これ。アパルドの屋敷の隠し部屋に隠してあった。それと、役場の奴もこんなの持っていた。」
アパルドの屋敷からは、裏金のリストと金額が役場の長官からは、横領している裏帳簿と奴隷商への奴隷のリストと売買価格の帳簿が見つかった。結構、彼らは派手に動いていたらしい。奴隷の中には、近隣の街から攫われた子もいる。
「それと、多分、今晩、アパルドの息のかかった自警団とチンピラがここの孤児院を襲撃して、子供は奴隷として連れ去って、建物は焼き払うって言っていたよ。」
「ほお。そうなんだね。よく調べてくれた。シルフ、ありがとう!」
「ううん。私もアパルドって奴は許せないからね。じゃあ、頑張ってねー」
シルフは、精霊界に帰っていった。
”さて、どうやって懲らしめてやるかな。”
とりあえず、俺はウィリスとベレットに襲撃がある事を話す。
「えっと、偵察に行ってもらっていた協力者から報告と証拠を貰いました。どうやら、アパルド達は、今夜、この孤児院を襲撃するそうです。」
「!!早く子供達を連れて逃げないと!」
「うん、それは、大丈夫です。我々がいますから。とりあえず、子供達を一か所に集めてください。その方が守りやすいです。」
「アルファードさん、大丈夫なんですか?」
ベレットは、心配そうにしている。そりゃ、そうだろう。自警団と言ったらある意味この街の兵士なのだから。それが、襲いに来るなんてなんと不届きな。
「任せてください。俺が何とかしますから。」
「はい。あなたなら何とかしてくれそうです。よろしくお願いします。」
ベレットと院長は、俺に深々と頭を下げる。俺達は、襲撃に備え子供達を一部屋に集めた。後は、マップで索敵し、警戒しておけばいいだろう。そして、深夜に事は起こった。
「さて、この孤児院に良からぬ輩が取り囲んでいます。数は、15人ですね。この孤児院ごと防御魔法を展開します。」
《プロテクション》
《マジックプロテクション》
本来なら、相手を麻痺させて捕らえるんだけど、今回はちょっと痛い目を見てもらおうかな。相手が逃げられない様に相手の後ろ側に5m程の壁を作り出す。
《ストーンウォール》
これで、敵は逃げられないし、入って来れない。さて、
「ナディア、ティナ、殺さない程度に相手をして、最後に捕えてきてください。あ、一応、二人で行動してね。」
「わかった!」
「了解なのじゃ!」
ティナとナディアは敵を捕らえに走って行った。俺もマップに表示された、輩が何人か固まっている所に移動する。すると、そこには、一人の男を守るように兵士が3人いた。
「これはこれは、自警団の方。こんな夜遅くに何の用ですか?」
俺は、茶化すように挑発する。俺に気付いた兵士は、剣を構える。
「貴様か!変な魔法を使って我々を閉じ込めおって!」
たぶん、この男がこの襲撃を指揮している奴なんだろう。
「嫌だなー、あなた方が孤児院を取り囲んで何かしようとしていたから阻止しただけなんですが・・・」
「ええい!うるさい。こいつから始末してやる!兵士達、こいつを始末しろ。」
兵士が俺に向かってくる。俺はレールガンを抜き兵士の腿を狙い撃ちする。
”バン!バン!バン!バン!”
「ぐはぁ!!」
兵士は転び、のたうち回る。俺は、指揮官らしい男の所に歩いていく。
「な、何しやがった!」
「ん?こいつらの腿をこいつで打ち抜いただけさ。」
”バン!”
俺は、指揮官の股の間を撃つ。指揮官はビックリして腰を抜かした。
「ひぇー、な、なんなんだ!くそー!来るな!!」
男は翻って逃げようとした。
”バン”
俺は、容赦なく腿を打ち抜く。
「ぐはぁー!ぐぅーー、、、痛えよー!」
男はのたうち回る。そりゃ、痛いよね。俺は、男の胸辺りを足で抑え、レールガンを構える。
「さて、これは、誰の差し金だ?」
「誰でもねえ。ここの孤児院がムカついたから俺が勝手に襲ったんだよ。」
「じゃあ、お前、死ぬか?」
”バン”
俺は、男の耳横に打った。
「次は脳天に打ち込むぞ!もう一度聞く。誰の差し金だ?」
「うぁーー!た、助けてくれ!!わ、わかった!言う!言うから助けてくれ!」
背後から兵士が襲い掛かってくる。
”バン”
俺は、兵士の肩を打ち抜く。マップに写っているってーの。
「ぎゃあ!!」
「やはり、死ぬしかないのか?」
「す、すまん!言う!言うから助けてくれ!!」
「誰の差し金だ?」
「この街を任されているアパルド様だ。俺達は、アパルド様に言われてここの孤児院を襲っただけなんだよ。悪いのは俺達じゃねえ。アパルド様だ!」
あーあ、仲間を売っちゃったよ。まぁ、こいつらの繋がりなんて所詮こんなもんだろう。
「なんで、アパルドがここの孤児院を襲う?」
「そ、そんなの知らねーよ。俺は、言われたままやっただけだ。」
「俺は、魔法使いだぞ。嘘か本当か判定できるが、もしそれが嘘だったら死ぬより苦しい目に合わせるぞ!」
俺は、”ただのライト”の魔法を掌にかけ、頭に触れようとする。
「わ、分かった!言う!本当の事を言うから・・・、まず、アパルド様よりここの孤児院を焼き払うように言われたのは本当だ。何故かは本当に知らね。そして、ここを焼き払うときにここにいる子供達を奴隷にし、奴隷商に売るつもりだった。それが俺達の目的だ。」
「よく、そんな酷いことが出来るな。」
「へっ!どうせ、いつかは野垂れ死ぬ奴らなんだから、それならお金に替えた方がいいって事だよ。」
「お前ら、本当に腐っているな。まぁ、その方が容赦しなくていいから丁度いいかもな。」
俺は、彼らを縛りあげ、孤児院の庭先に連れて行く。ティナとナディアも終わったみたいだ。襲ってきた奴らを全員捕え、庭先に集める。
「お前ら、こんな事をしてただで済むと思うなよ。」
「おいおい、縛られている奴のいうセリフじゃないぞ(笑)さて、これから君達が改心するように教育を施そうと思う。まずは、自衛団の奴からかな。君達はこの街の平和と安全を守るために結成されているんじゃないのか?」
「そうだ!だから、この街のコミを一掃してやろうと思ったんだよ!」
ティナとナディアにボコられた自衛団の奴らがほざいている。
「おいおい、なんか勘違いしているんじゃないのか?ゴミは、この腐った役人の言いなりになっている自分達だろ。まぁ、でも、その方が改心させ甲斐がある。これから、俺がお前らにとっておきの呪いをかけてやる。その呪いの発動条件は、”人を傷つけること”、”人をだます事”、”盗みや不正を働く事”で発動する。勿論、かなりの魔力を注いだ呪いだから呪術師でもまず解除は不可能だろう。この魔法は、罪が深くなればなるほど強烈に効くぞ!」
俺は、《カース》の魔法を全員に一人一人にかけて回る。
「や、やめろ・・・、やめてくれ!!」
「いーや、辞める訳ないじゃん!ちゃんと、罪を償ってね。」
”発動条件:”人を傷つけること”、”人をだます事”、”盗みや不正を働く事”、”効果:手足に激痛がはしり、歩いたり、物を掴んだり出来なくなる。””強度:対象者の負の感情と同等、期間:対象者の許しを得るまで。注釈:対象者が死んだ場合は自身の命が尽きるまで””禁忌事項:自害”
「はい、お仕舞。さて、君達は今後、”人を傷つけること”、”人をだます事”、”盗みや不正を働く事”をした場合、相手が許してくれるまで地獄の苦しみを味わう。勿論、第三者を使って人を陥れても同じだからね。最所は手足がしびれ始め、人を悲しませれば悲しませるほど痛みが強くなる。そして最後には、その苦しみは手足に剣山を突き刺された位に苦しいぞ!もし、対象者が許してくれなかったり、死んでしまったりした場合は、その苦しみが一生続く。」
呪いをかけた連中が苦しみだす。
「ぎゃーーー!!痛い、痛い!!痛い痛い!!」
のた打ち回ると更に痛みが増すため、のた打ち回れない。
「ほら、君達は、ここにいる子供達に随分と酷いことをしてきたんだ。許しを請うて、許してもらわないと大変なことになるぞ!」
腹ばいのまま手足をピーンと伸ばして謝り続ける。
「すみませんでした!すみませんでした!すみませんでした!もう二度といたしません。許してください。ぎゃーー!」
呪いを受けた男達は、院長達に必死に懇願する。
「あなた達は、この街の為に一生懸命、真摯にこの街の為に尽くしてくれますか?」
「分かった!分かった!何でもする。頼む・・・もう、許してくれ・・・」
男達は、白目をむきながら懇願する。人の良い院長は、その姿を見て、許してあげた。
「はぁはぁ、し、死ぬかと思った・・・」
「この呪いは一生続く。まぁ、改心してこの街のために尽くしてくれ!」
俺は、呪いをかけた自衛団を逃がしてやる。
「アルファード、惨い・・・」
「ご主人、どSじゃのぅ・・・」
「まぁ、これくらいやらないと彼らは改心しないからね。良い事していれば、いずれは感謝される側の人になる。そうなれば、感謝される事の喜びが分かるよ。それに、悪ささえしなければ、何て事無いしね。」
これから、これを”痛風の刑”って命名しよう。さて、残るはこの役人だけか。
「さて、役人A。残るはお前だけだが。本当は解放してやってもいいんだが解放すると殺される可能性があるから暫くここに居てもらおうと思う。勿論、ただいるだけじゃ何なんでここの手伝いもしてもらおうかな。あ、逃げてもいいからね。消されると思うけど。多分、ここが一番安全だと思うよ。」
「な、なんで、俺がこんな目に合わないといけないんだ・・・、俺は、出世するために一生懸命、何でもやって来たのに・・・」
「うん、可哀そうにね。でも、長いものに巻かれて良い思いもしたでしょ?」
「良い思い何てするもんか!いつも小間使いの様にこき使われ、挙句の果てが呪いだなんて・・・、俺は、もうダメだ・・・」
「まぁ、いけない事をしたんだからしょうがないよね。気持ちは分かるけど。」
「わかるもんか!この街で生きて行くにはこうするしかなかったんだよ!お前に分かるはずがない!」
「大丈夫だ。俺がこの街を変える。だから、新しくなったこの街でやり直せばいいじゃないか。」
「やり直せるわけないだろ。長官やアパルド様に何をされるか・・・そして、言いなりになれば呪いが発動する。もう、俺はお仕舞だ・・・」
ある意味、彼も被害者だったのかもしれないな。
「大丈夫だ。ヤマト侯爵が後はちゃんとしてくれる。もし、君が改心して、不正なくこの街の事を考えられる人間なら、きっと君の事を必要とされる時が来る。それまで、今までの罪をよく考えるんだな。」
翌日、俺は、冒険者ギルドに行った。
========タカミのワンポイント========
痛風は、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。尿酸はプリン体が体内で分解されてできる物質で、血液中の尿酸の濃度が高くなり、7.0mg/dlを超えると高尿酸血症の状態となる。この状態が長く続くと関節の中で尿酸が結晶化し、これを白血球が処理する際に炎症を引き起こす。医療の進歩により、薬も開発されており、正しい治療を行えば、これまで通りの健康な生活を送ることができる。しかしながら、放置してしまうと、関節の激痛を繰り返し引き起こしたり、体の至る所に結節ができたり、腎臓に影響を及ぼしたりしてしまう病気である。
痛風にかかるのは20歳以上の男性に多い。原因はプリン体の過剰摂取、過剰生成や排泄不全。不要なプリン体は通常、分解されて尿酸となり、尿とともに排泄される。だが、プリン体が過剰に作られたり尿酸が十分に排泄できなかったりすると、体内の尿酸の量は増えていく。それが結晶化して関節にたまると痛風を引き起こす。プリン体が多く含まれる肉などの食品やビールなどアルコール飲料の摂り過ぎが、よく知られた発症要因の一つである。暴飲暴食・肥満・激しい運動が主な原因である。
足の親指の付け根に激しい痛みが起こるのが特徴である。痛風の痛みは、風が吹いても痛いというほど、耐え難いものである。足の甲や足関節や膝関節、手関節、肩関節などに痛みが出ることも多い。ただし、痛みは発作的に生じるため、しばらくすると治まる。この痛みの発作(痛風発作)と鎮静を繰り返すうちに症状が悪化して、関節の腫れがひどくなったり、痛風腎や腎臓結石・尿管結石などを併発したりすることもある。
痛風の予防は、治療法でも述べたように生活習慣の改善が基本である。バランスの取れた食生活や適度な運動を心がけることで予防できる。また、痛風の原因ともいえる血清尿酸値が高い人は、通常の人と比べると、心血管障害や脳血管障害の可能性が高いといわれているため、日々の生活習慣には気をつけたい。
かなり痛いので、ならない様に皆さんも気を付けてください。(;’∀’)
夕方、シルフが何やら持って帰ってきた。
「はい、これ。アパルドの屋敷の隠し部屋に隠してあった。それと、役場の奴もこんなの持っていた。」
アパルドの屋敷からは、裏金のリストと金額が役場の長官からは、横領している裏帳簿と奴隷商への奴隷のリストと売買価格の帳簿が見つかった。結構、彼らは派手に動いていたらしい。奴隷の中には、近隣の街から攫われた子もいる。
「それと、多分、今晩、アパルドの息のかかった自警団とチンピラがここの孤児院を襲撃して、子供は奴隷として連れ去って、建物は焼き払うって言っていたよ。」
「ほお。そうなんだね。よく調べてくれた。シルフ、ありがとう!」
「ううん。私もアパルドって奴は許せないからね。じゃあ、頑張ってねー」
シルフは、精霊界に帰っていった。
”さて、どうやって懲らしめてやるかな。”
とりあえず、俺はウィリスとベレットに襲撃がある事を話す。
「えっと、偵察に行ってもらっていた協力者から報告と証拠を貰いました。どうやら、アパルド達は、今夜、この孤児院を襲撃するそうです。」
「!!早く子供達を連れて逃げないと!」
「うん、それは、大丈夫です。我々がいますから。とりあえず、子供達を一か所に集めてください。その方が守りやすいです。」
「アルファードさん、大丈夫なんですか?」
ベレットは、心配そうにしている。そりゃ、そうだろう。自警団と言ったらある意味この街の兵士なのだから。それが、襲いに来るなんてなんと不届きな。
「任せてください。俺が何とかしますから。」
「はい。あなたなら何とかしてくれそうです。よろしくお願いします。」
ベレットと院長は、俺に深々と頭を下げる。俺達は、襲撃に備え子供達を一部屋に集めた。後は、マップで索敵し、警戒しておけばいいだろう。そして、深夜に事は起こった。
「さて、この孤児院に良からぬ輩が取り囲んでいます。数は、15人ですね。この孤児院ごと防御魔法を展開します。」
《プロテクション》
《マジックプロテクション》
本来なら、相手を麻痺させて捕らえるんだけど、今回はちょっと痛い目を見てもらおうかな。相手が逃げられない様に相手の後ろ側に5m程の壁を作り出す。
《ストーンウォール》
これで、敵は逃げられないし、入って来れない。さて、
「ナディア、ティナ、殺さない程度に相手をして、最後に捕えてきてください。あ、一応、二人で行動してね。」
「わかった!」
「了解なのじゃ!」
ティナとナディアは敵を捕らえに走って行った。俺もマップに表示された、輩が何人か固まっている所に移動する。すると、そこには、一人の男を守るように兵士が3人いた。
「これはこれは、自警団の方。こんな夜遅くに何の用ですか?」
俺は、茶化すように挑発する。俺に気付いた兵士は、剣を構える。
「貴様か!変な魔法を使って我々を閉じ込めおって!」
たぶん、この男がこの襲撃を指揮している奴なんだろう。
「嫌だなー、あなた方が孤児院を取り囲んで何かしようとしていたから阻止しただけなんですが・・・」
「ええい!うるさい。こいつから始末してやる!兵士達、こいつを始末しろ。」
兵士が俺に向かってくる。俺はレールガンを抜き兵士の腿を狙い撃ちする。
”バン!バン!バン!バン!”
「ぐはぁ!!」
兵士は転び、のたうち回る。俺は、指揮官らしい男の所に歩いていく。
「な、何しやがった!」
「ん?こいつらの腿をこいつで打ち抜いただけさ。」
”バン!”
俺は、指揮官の股の間を撃つ。指揮官はビックリして腰を抜かした。
「ひぇー、な、なんなんだ!くそー!来るな!!」
男は翻って逃げようとした。
”バン”
俺は、容赦なく腿を打ち抜く。
「ぐはぁー!ぐぅーー、、、痛えよー!」
男はのたうち回る。そりゃ、痛いよね。俺は、男の胸辺りを足で抑え、レールガンを構える。
「さて、これは、誰の差し金だ?」
「誰でもねえ。ここの孤児院がムカついたから俺が勝手に襲ったんだよ。」
「じゃあ、お前、死ぬか?」
”バン”
俺は、男の耳横に打った。
「次は脳天に打ち込むぞ!もう一度聞く。誰の差し金だ?」
「うぁーー!た、助けてくれ!!わ、わかった!言う!言うから助けてくれ!」
背後から兵士が襲い掛かってくる。
”バン”
俺は、兵士の肩を打ち抜く。マップに写っているってーの。
「ぎゃあ!!」
「やはり、死ぬしかないのか?」
「す、すまん!言う!言うから助けてくれ!!」
「誰の差し金だ?」
「この街を任されているアパルド様だ。俺達は、アパルド様に言われてここの孤児院を襲っただけなんだよ。悪いのは俺達じゃねえ。アパルド様だ!」
あーあ、仲間を売っちゃったよ。まぁ、こいつらの繋がりなんて所詮こんなもんだろう。
「なんで、アパルドがここの孤児院を襲う?」
「そ、そんなの知らねーよ。俺は、言われたままやっただけだ。」
「俺は、魔法使いだぞ。嘘か本当か判定できるが、もしそれが嘘だったら死ぬより苦しい目に合わせるぞ!」
俺は、”ただのライト”の魔法を掌にかけ、頭に触れようとする。
「わ、分かった!言う!本当の事を言うから・・・、まず、アパルド様よりここの孤児院を焼き払うように言われたのは本当だ。何故かは本当に知らね。そして、ここを焼き払うときにここにいる子供達を奴隷にし、奴隷商に売るつもりだった。それが俺達の目的だ。」
「よく、そんな酷いことが出来るな。」
「へっ!どうせ、いつかは野垂れ死ぬ奴らなんだから、それならお金に替えた方がいいって事だよ。」
「お前ら、本当に腐っているな。まぁ、その方が容赦しなくていいから丁度いいかもな。」
俺は、彼らを縛りあげ、孤児院の庭先に連れて行く。ティナとナディアも終わったみたいだ。襲ってきた奴らを全員捕え、庭先に集める。
「お前ら、こんな事をしてただで済むと思うなよ。」
「おいおい、縛られている奴のいうセリフじゃないぞ(笑)さて、これから君達が改心するように教育を施そうと思う。まずは、自衛団の奴からかな。君達はこの街の平和と安全を守るために結成されているんじゃないのか?」
「そうだ!だから、この街のコミを一掃してやろうと思ったんだよ!」
ティナとナディアにボコられた自衛団の奴らがほざいている。
「おいおい、なんか勘違いしているんじゃないのか?ゴミは、この腐った役人の言いなりになっている自分達だろ。まぁ、でも、その方が改心させ甲斐がある。これから、俺がお前らにとっておきの呪いをかけてやる。その呪いの発動条件は、”人を傷つけること”、”人をだます事”、”盗みや不正を働く事”で発動する。勿論、かなりの魔力を注いだ呪いだから呪術師でもまず解除は不可能だろう。この魔法は、罪が深くなればなるほど強烈に効くぞ!」
俺は、《カース》の魔法を全員に一人一人にかけて回る。
「や、やめろ・・・、やめてくれ!!」
「いーや、辞める訳ないじゃん!ちゃんと、罪を償ってね。」
”発動条件:”人を傷つけること”、”人をだます事”、”盗みや不正を働く事”、”効果:手足に激痛がはしり、歩いたり、物を掴んだり出来なくなる。””強度:対象者の負の感情と同等、期間:対象者の許しを得るまで。注釈:対象者が死んだ場合は自身の命が尽きるまで””禁忌事項:自害”
「はい、お仕舞。さて、君達は今後、”人を傷つけること”、”人をだます事”、”盗みや不正を働く事”をした場合、相手が許してくれるまで地獄の苦しみを味わう。勿論、第三者を使って人を陥れても同じだからね。最所は手足がしびれ始め、人を悲しませれば悲しませるほど痛みが強くなる。そして最後には、その苦しみは手足に剣山を突き刺された位に苦しいぞ!もし、対象者が許してくれなかったり、死んでしまったりした場合は、その苦しみが一生続く。」
呪いをかけた連中が苦しみだす。
「ぎゃーーー!!痛い、痛い!!痛い痛い!!」
のた打ち回ると更に痛みが増すため、のた打ち回れない。
「ほら、君達は、ここにいる子供達に随分と酷いことをしてきたんだ。許しを請うて、許してもらわないと大変なことになるぞ!」
腹ばいのまま手足をピーンと伸ばして謝り続ける。
「すみませんでした!すみませんでした!すみませんでした!もう二度といたしません。許してください。ぎゃーー!」
呪いを受けた男達は、院長達に必死に懇願する。
「あなた達は、この街の為に一生懸命、真摯にこの街の為に尽くしてくれますか?」
「分かった!分かった!何でもする。頼む・・・もう、許してくれ・・・」
男達は、白目をむきながら懇願する。人の良い院長は、その姿を見て、許してあげた。
「はぁはぁ、し、死ぬかと思った・・・」
「この呪いは一生続く。まぁ、改心してこの街のために尽くしてくれ!」
俺は、呪いをかけた自衛団を逃がしてやる。
「アルファード、惨い・・・」
「ご主人、どSじゃのぅ・・・」
「まぁ、これくらいやらないと彼らは改心しないからね。良い事していれば、いずれは感謝される側の人になる。そうなれば、感謝される事の喜びが分かるよ。それに、悪ささえしなければ、何て事無いしね。」
これから、これを”痛風の刑”って命名しよう。さて、残るはこの役人だけか。
「さて、役人A。残るはお前だけだが。本当は解放してやってもいいんだが解放すると殺される可能性があるから暫くここに居てもらおうと思う。勿論、ただいるだけじゃ何なんでここの手伝いもしてもらおうかな。あ、逃げてもいいからね。消されると思うけど。多分、ここが一番安全だと思うよ。」
「な、なんで、俺がこんな目に合わないといけないんだ・・・、俺は、出世するために一生懸命、何でもやって来たのに・・・」
「うん、可哀そうにね。でも、長いものに巻かれて良い思いもしたでしょ?」
「良い思い何てするもんか!いつも小間使いの様にこき使われ、挙句の果てが呪いだなんて・・・、俺は、もうダメだ・・・」
「まぁ、いけない事をしたんだからしょうがないよね。気持ちは分かるけど。」
「わかるもんか!この街で生きて行くにはこうするしかなかったんだよ!お前に分かるはずがない!」
「大丈夫だ。俺がこの街を変える。だから、新しくなったこの街でやり直せばいいじゃないか。」
「やり直せるわけないだろ。長官やアパルド様に何をされるか・・・そして、言いなりになれば呪いが発動する。もう、俺はお仕舞だ・・・」
ある意味、彼も被害者だったのかもしれないな。
「大丈夫だ。ヤマト侯爵が後はちゃんとしてくれる。もし、君が改心して、不正なくこの街の事を考えられる人間なら、きっと君の事を必要とされる時が来る。それまで、今までの罪をよく考えるんだな。」
翌日、俺は、冒険者ギルドに行った。
========タカミのワンポイント========
痛風は、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。尿酸はプリン体が体内で分解されてできる物質で、血液中の尿酸の濃度が高くなり、7.0mg/dlを超えると高尿酸血症の状態となる。この状態が長く続くと関節の中で尿酸が結晶化し、これを白血球が処理する際に炎症を引き起こす。医療の進歩により、薬も開発されており、正しい治療を行えば、これまで通りの健康な生活を送ることができる。しかしながら、放置してしまうと、関節の激痛を繰り返し引き起こしたり、体の至る所に結節ができたり、腎臓に影響を及ぼしたりしてしまう病気である。
痛風にかかるのは20歳以上の男性に多い。原因はプリン体の過剰摂取、過剰生成や排泄不全。不要なプリン体は通常、分解されて尿酸となり、尿とともに排泄される。だが、プリン体が過剰に作られたり尿酸が十分に排泄できなかったりすると、体内の尿酸の量は増えていく。それが結晶化して関節にたまると痛風を引き起こす。プリン体が多く含まれる肉などの食品やビールなどアルコール飲料の摂り過ぎが、よく知られた発症要因の一つである。暴飲暴食・肥満・激しい運動が主な原因である。
足の親指の付け根に激しい痛みが起こるのが特徴である。痛風の痛みは、風が吹いても痛いというほど、耐え難いものである。足の甲や足関節や膝関節、手関節、肩関節などに痛みが出ることも多い。ただし、痛みは発作的に生じるため、しばらくすると治まる。この痛みの発作(痛風発作)と鎮静を繰り返すうちに症状が悪化して、関節の腫れがひどくなったり、痛風腎や腎臓結石・尿管結石などを併発したりすることもある。
痛風の予防は、治療法でも述べたように生活習慣の改善が基本である。バランスの取れた食生活や適度な運動を心がけることで予防できる。また、痛風の原因ともいえる血清尿酸値が高い人は、通常の人と比べると、心血管障害や脳血管障害の可能性が高いといわれているため、日々の生活習慣には気をつけたい。
かなり痛いので、ならない様に皆さんも気を付けてください。(;’∀’)
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少し冷めた村人少年の冒険記
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辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
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田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
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称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
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辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
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