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【旅路】
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俺は、中央帝都に向かう事となった。一緒に行くのは、ティナとナディア。本来は、飛行して行くのが最も早いんだけど、旅もいい。幸いにも侯爵より馬車を借りることが出来た。まず目指すは、南東に3日ほど行ったところにあるウィステリアの街だ。本来はそこから更に南東に行くのが帝都に行く近道なのだが、山脈が北から南にはっている。そのため、南下し、ドアマンドの街に行き、そこから東に中央帝都のイーストシティーに行く。何もなければ10日前後で行ける計算だ。食料や水は空間収納に十分ある。その他、野宿用のテントや調理用品、ちょっとした快適セットも作ってある。
「そろそろ、出かけようと思うけど準備はいい?」
「うん。準備出来ている。」
「妾もいつでもいいぞ」
ティナは、可愛らしいアウトドア用のリュックに自分が使う物を入れて背負っているスタイル。ナディアはいつもの様に手ぶらな感じでいる。まぁ、大抵のものは俺が空間収納に入れているので問題無いと思うが。
「じゃあ、出発しようか。」
俺は、両親の下に行き、出発の報告をする。
「それでは、父さん、母さん、行ってまいります。」
「タカミちゃん、気を付けてね。タカミちゃんの事だから心配ないと思うけど、無理はしないようにね。」
「はい。分かりました。母さんも無理しないでくださいね。」
「タカミ、後悔しない様に頑張って来いよ。」
「はい、頑張って参ります。」
両親に挨拶をすると俺達は、外に止めてある馬車に乗り込み、馬車を走らせる。少し走らせると街の出入り口に到着した。門の所には門番がおり、師匠より貰った身分証を門番に見せる。
「お。タカミ、とうとう出発か。頑張って来いよ!」
「ありがとうございます。頑張ってきます。」
ゴブリンの一件以来、街の兵士達に顔を覚えられたため顔見知りが多くいる。そんな彼らからも俺達の出発を見送ってくれる。俺達は、そんな彼らに挨拶をして街道に出た。街の周辺は畑が広がり、向かいの人達とたまにすれ違う。長閑な風景だ。俺の隣にティナが座り楽しそうに鼻歌を歌っている。馬車を交代で走らせるため、ナディアは先に休んでいる。街から離れるにつれ、冒険者ギルドへの討伐依頼が少なくなる。それにつれ魔物も多く出没するので注意が必要だ。俺は、マップを開き、周辺に魔物がいないか索敵しながら街道を進む。時折、魔物の反応はあるが、街道から離れているので、気にせずそのまま進む。特に問題が無いまま2時間程度馬車を走らせた。道中にはいくつもの集落があり、そこで農業や狩猟、採取をして生活を営んでいる。最後の集落から離れた地点で俺達はいったん休憩をとる事にした。
「そろそろ休憩しようか?」
「んー。もう休憩するの?」
「うん、馬が疲れちゃうからね。30分ほど休ませようと思っているんだど。」
俺達は、街道から少し外れ、馬車を停める。馬に牧草と水を用意し、自分達も休憩セット(簡易なテーブルと椅子)を広げる。ポットに生活魔法で沸かしたお湯を入れ、お茶を作る。ティナは、草むらでなんかはしゃいでいる。ピクニックみたいで楽しいのだろう。俺とナディアは、お茶を飲みながらのんびしている。
「ご主人、なんでこんな時間がかかる移動にしたんじゃ?」
「そうだな。折角だから皆で旅を楽しみたいからかな。こうやって遠出するのは初めてだろ。それに、色々な景色や街を見てみたいしね。」
「なるほどの。まぁ、たまにはこういうのも悪くないかもしれぬの。」
「それに、ティナも楽しそうだし、こうやってのんびりナディアとも話が出来るしね。」
「確かにご主人は夜になると帰ってしまうからの。でも、今日からは一緒に居られるので嬉しいぞ!」
「ははは。ありがとう」
ナディアと話をしているとティナが何かを持って戻ってきた。
「はい、タカミ、ナディア」
ティナは、俺とナディアの頭に花冠を乗せてくれる。
「ティナが作った。」
「へー、これ可愛いね。ありがとう。」
「妾にもくれるのか?ありがとな。ティナ。」
ティナは、可愛らしく微笑む。そう言えば、こうやってティナと遊ぶのは初めてかもしれない。いつもは魔力の鍛錬や魔法の練習ばかりだったもんな。やっぱ、旅に出て正解だったかもしれない。
「さて、今日は、もう3時間ほど進みたいからそろそろ出発しようか。」
俺達は、再度、馬車を走らせる。特に問題なく本日の野営場所まで到着する。
「今日は、この辺で野営をしよう。」
俺達は、少し街道から外れ、馬車を空間収納にしまう。そして、空間収納よりこの日のために作って置いた簡易宿泊所を空間収納より取り出す。近くの木に馬を繋ぎ、干し草と水を与える。
「じゃーん、今日はここで過ごします!」
簡易と言っても、4畳半程度の部屋が2部屋に6畳程度のリビング、お風呂とオープンキッチン、トイレが完備されている。ちょっとした家だな。
「うわー、このお家、素敵!」
「おお!なかなか良いの!てっきりテントで過ごすのかと思っておったぞ。」
「うん、キャラバンみたいな色々な旅の人達と合流した場合は、目立たない様にテントにするけど、俺達だけならいいと思ってね。さて、食事の支度をしようか!この家には炊事場もついているけど、野営と言ったらバーベキューでしょ!」
俺は、土魔法で椅子とバーベキューの用の窯と食材を置くテーブルを作り、炭を並べて魔法で火を付ける。そして、空間収納から肉、野菜を取り出す。ナディアの為にお酒も少し持ってきた。肉には、塩、コショウで簡単に味付けをする。ワイルドウルフの肉は、臭みを消すために香草に包み保管していた。食材をテーブルの上に並べて、準備が整う。
「さあ、好きなのを焼いて食べよう!。ナディア、ほらお酒も少しあるよ。ここに置いておくからね。」
「おお!すまんの!なんか、普段の食事より豪勢だの!」
「まぁ、初日だからね。でも、その内飽きるんだろうけどな。」
「ティナは、タカミとご飯を一緒に食べれるのが嬉しい!」
ティナは、ご機嫌だ。
「うん。そうだね。たまに自宅で一緒に食事をしていたけど、普段はティナとナディア二人だもんな。」
折角なので、スープも作りおきしよう。俺は、大きめの鍋にビックボアの肉と骨、ビックホローの肉とガラ、玉ネギ、ニンジン、ネギ、香草を入れ、煮込む。タイムアクセルで3hほど進め、灰汁をとる。それを3回繰り返し、最後にスープだけを取り出す。自家製、コンソメスープだ。後は、必要な分だけ味を調整すればいい。20lほど作ってストックする。本日分、1L程度鍋に移して、玉ネギと細かく切ってボアの肉を入れ、味を調整する。
「はい、スープもあるからね。」
「タカミは料理も出来るの?」
「まぁ、出来るってほどじゃないけどね。はい、どうぞ!」
ティナとナディアはスープを飲む。
「あ!これ、すごく美味しい。タカミすごい!」
「ほんとじゃの。凄く美味じゃ!流石、我が主じゃ。」
ふっふっふ。俺は褒められて伸びるタイプだからね。今度は何を作ろうかな。そんな感じで夕食が終わる。さて、旅の疲れを癒しますか。俺は、浴室に行き、お湯を魔法で溜める。
「ふぅ、やっぱ疲れを取るにはこれでしょ。」
俺は、ゆったりと浴槽につかる。すると、何となく分かっていたけど、ティナが入ってくる。
「ティナも入る!」
ティナが身体をお湯で流してから入ってくる。
「はい、どうぞ!俺は、ティナの分のスペースをあけ一緒に入る。」
すると、今度は、
「妾も一緒にはいるぞ!」
浴室のドアが開き、全裸のナディアが仁王立ちで立っている。奇麗なボディーラインは、俺の目を釘付けにする。お尻には、9つの分かれた尻尾がわしゃわしゃと振られている。
「おい。ナディア!お前は大人なんだから、男の人と簡単に風呂に入ったらだめだろ!大変な目にあうぞ。」
「誰でもなんかこんな事はせん。ご主人だからいいのじゃ。妾のすべてはご主人の物だからな。」
「おいおい、でも、ちょっと、目のやり場に困るぞ!」
「そんなの気にせんでいい。」
「気にするって!まぁ、もういいや。勝手にしてくれ(-_-;)」
二人はキャッキャしながら入浴を楽しむ。仕舞には、俺を二人で洗うとかいう始末だ。まぁ、ハーレムっぽくて良いけど。俺がお年頃になったらどうするんだろう・・・
入浴後は、いつもの魔力を操作する鍛錬をする。最近では、かなりの魔力操作が可能となった。そこに空間認識処理と演算処理する事できめ細かい操作が可能となる。魔力を枯渇させる際には、異空間に行き12階層の魔法を連発して枯渇させる。今では、魔力枯渇耐性が付いているのでさほど苦ではない。そんな鍛錬のお蔭か、魔力の回復スピードも速くなっている。そんな俺のステータスは、とんでもない事になっている。この世界はチート過ぎるだろう。
俺の久しぶりのステータス。
賢者 LV82
HP5248/5248
MP29520/29520
筋力1230
魔力6970
防御力6150
魔防6560
俊敏1148
器用1066
知力1476
幸運1148
【ユニークスキル】
Q&A 空間収納 鑑定 医療の心得 模倣 偽装 真偽 魔術 剣術 精霊魔術 召喚 全記憶 模倣 空間操作・認識 重力操作 多重詠唱Ⅴ 照準
【スキル】
毒耐性(低) 光属性(極) 闇属性(高) 炎属性(極) 水属性(極) 地属性(極) クリティカル(低)
風属性(高) 無属性(極) 剣(中) 魔力欠乏耐性(極) 無詠唱 魔力調整
魔力向上(極) MP向上(極) 物理耐性(極) 魔法耐性(極) 翻訳 速読
マップ 索敵 演算加速 分離・結合 解体(極) 異常状態耐性(極) 錬金術(極)
創作(極)
【魔法】
《生活魔法》
《医療関連魔法》
《炎魔法》(12階層)
《地魔法》(12階層)
《氷魔法》(12階層)
《水魔法》(12階層)
《風魔法》(12階層)
《光魔法》(12階層)
《闇魔法》(12階層)
《無属性》(12階層)
《錬金魔法》
《創作魔法》
ついでにティナとナディアのステータスはこうなっている。
魔族ハーフ LV20
HP208/208
MP906/906
筋力178
魔力346
防御力182
魔防326
俊敏182
器用182
知力196
幸運178
【ユニークスキル】
魔術 炎操作(中)
【スキル】
炎属性(中) 闇属性(低) 無属性(低) 魔力向上(低)
【魔法】
《生活魔法》(1階層)
《炎魔法》(3階層)
《闇魔法》(2階層)
《無属性魔法》(2階層)
九尾狐(聖獣) LV47
HP783/783
MP3874/3874
筋力558
魔力837
防御力691
魔防887
俊敏541
器用541
知力670
幸運558
【ユニークスキル】
魔術 剣術 異常状態耐性(高)
【スキル】
毒耐性(低) 闇属性(中) 炎属性(中) 風属性(中)
魔力向上(低) MP向上(低) 魔法耐性(低) 物理耐性(低)
【魔法】
《炎魔法》(6階層)
《風魔法》(5階層)
《闇魔法》(5階層)
さて、化物になったところで寝るかな。・・・、やっぱりね。ティナが俺の寝室に枕を持ってやってくる。
「ティナも一緒に寝る。」
「こらこら、そんなこと言っていると寝ている時にいたずらしちゃうぞ!自分のとこで寝ないと」
「タカミなら悪戯されてもいい。だから一緒に寝る。」
この子は意味が分かっているか?じゃあ、悪戯しちゃおう。
「悪戯されても文句言うなよー。」
「分かった。」
ティナは”テケテケ”と小走りに来ると布団の中に入り込む。暫くして、ティナは寝たようだ。ティナは俺にくっ付いて寝ている。俺は、ペンを出し、ティナの可愛い寝顔をキャンパスに新たな芸術を生んだ。さて、寝るか。
うーん・・・、なんか寝苦しい・・・。なんだこれ?
”モミモミ”
んー?ティナではない。
”モミモミ”
んー。遥か昔に覚えのある感触だけど、ここまで大きくなかったような。
”コリコリ”
んー。なんか突起がある。寝苦しさに目を覚ますとそこには柔らかい2つの何かがあった。
「あふーん、ご主人、中々いい所をついでくるのじゃ・・・」
俺は、”ガバ”っと起きる。そこには裸で俺の顔に胸を当てるナディアが寝ている。
「おい!何をやっているんだ!」
「妾も一緒に寝るのじゃ!」
「”寝るのじゃ”じゃない!なんでそんな恰好しているんだ!」
「妾は寝る時は、いつもこの格好じゃ。なんか問題あるのかの?」
「大ありだろう。しかも、なぜ、胸を俺の顔に当てる。」
「その方が、ご主人が喜ぶと思っての。」
ナディアは”ケタケタ”笑う。
「た、確かに嬉しいけど・・・!?って違う、違う。」
俺は、一人でボケて一人で突っ込む。俺、何やっているんだろう。
「妾だけのけ者かえ?妾も一人じゃ寂しいのじゃ」
「はぁー・・・分かった、分かった。じゃあ、せめて元の姿になってくれ。その姿のままじゃ刺激が強すぎて眠れないよ。」
「分かったのじゃ!!」
ナディアは嬉しそうに九尾に戻る。そして、尻尾が”ブンブン”と振られている。なにげにこいつも可愛いんだよな。兎に角、明日のために寝ることにした。お休みなさい・・・
「そろそろ、出かけようと思うけど準備はいい?」
「うん。準備出来ている。」
「妾もいつでもいいぞ」
ティナは、可愛らしいアウトドア用のリュックに自分が使う物を入れて背負っているスタイル。ナディアはいつもの様に手ぶらな感じでいる。まぁ、大抵のものは俺が空間収納に入れているので問題無いと思うが。
「じゃあ、出発しようか。」
俺は、両親の下に行き、出発の報告をする。
「それでは、父さん、母さん、行ってまいります。」
「タカミちゃん、気を付けてね。タカミちゃんの事だから心配ないと思うけど、無理はしないようにね。」
「はい。分かりました。母さんも無理しないでくださいね。」
「タカミ、後悔しない様に頑張って来いよ。」
「はい、頑張って参ります。」
両親に挨拶をすると俺達は、外に止めてある馬車に乗り込み、馬車を走らせる。少し走らせると街の出入り口に到着した。門の所には門番がおり、師匠より貰った身分証を門番に見せる。
「お。タカミ、とうとう出発か。頑張って来いよ!」
「ありがとうございます。頑張ってきます。」
ゴブリンの一件以来、街の兵士達に顔を覚えられたため顔見知りが多くいる。そんな彼らからも俺達の出発を見送ってくれる。俺達は、そんな彼らに挨拶をして街道に出た。街の周辺は畑が広がり、向かいの人達とたまにすれ違う。長閑な風景だ。俺の隣にティナが座り楽しそうに鼻歌を歌っている。馬車を交代で走らせるため、ナディアは先に休んでいる。街から離れるにつれ、冒険者ギルドへの討伐依頼が少なくなる。それにつれ魔物も多く出没するので注意が必要だ。俺は、マップを開き、周辺に魔物がいないか索敵しながら街道を進む。時折、魔物の反応はあるが、街道から離れているので、気にせずそのまま進む。特に問題が無いまま2時間程度馬車を走らせた。道中にはいくつもの集落があり、そこで農業や狩猟、採取をして生活を営んでいる。最後の集落から離れた地点で俺達はいったん休憩をとる事にした。
「そろそろ休憩しようか?」
「んー。もう休憩するの?」
「うん、馬が疲れちゃうからね。30分ほど休ませようと思っているんだど。」
俺達は、街道から少し外れ、馬車を停める。馬に牧草と水を用意し、自分達も休憩セット(簡易なテーブルと椅子)を広げる。ポットに生活魔法で沸かしたお湯を入れ、お茶を作る。ティナは、草むらでなんかはしゃいでいる。ピクニックみたいで楽しいのだろう。俺とナディアは、お茶を飲みながらのんびしている。
「ご主人、なんでこんな時間がかかる移動にしたんじゃ?」
「そうだな。折角だから皆で旅を楽しみたいからかな。こうやって遠出するのは初めてだろ。それに、色々な景色や街を見てみたいしね。」
「なるほどの。まぁ、たまにはこういうのも悪くないかもしれぬの。」
「それに、ティナも楽しそうだし、こうやってのんびりナディアとも話が出来るしね。」
「確かにご主人は夜になると帰ってしまうからの。でも、今日からは一緒に居られるので嬉しいぞ!」
「ははは。ありがとう」
ナディアと話をしているとティナが何かを持って戻ってきた。
「はい、タカミ、ナディア」
ティナは、俺とナディアの頭に花冠を乗せてくれる。
「ティナが作った。」
「へー、これ可愛いね。ありがとう。」
「妾にもくれるのか?ありがとな。ティナ。」
ティナは、可愛らしく微笑む。そう言えば、こうやってティナと遊ぶのは初めてかもしれない。いつもは魔力の鍛錬や魔法の練習ばかりだったもんな。やっぱ、旅に出て正解だったかもしれない。
「さて、今日は、もう3時間ほど進みたいからそろそろ出発しようか。」
俺達は、再度、馬車を走らせる。特に問題なく本日の野営場所まで到着する。
「今日は、この辺で野営をしよう。」
俺達は、少し街道から外れ、馬車を空間収納にしまう。そして、空間収納よりこの日のために作って置いた簡易宿泊所を空間収納より取り出す。近くの木に馬を繋ぎ、干し草と水を与える。
「じゃーん、今日はここで過ごします!」
簡易と言っても、4畳半程度の部屋が2部屋に6畳程度のリビング、お風呂とオープンキッチン、トイレが完備されている。ちょっとした家だな。
「うわー、このお家、素敵!」
「おお!なかなか良いの!てっきりテントで過ごすのかと思っておったぞ。」
「うん、キャラバンみたいな色々な旅の人達と合流した場合は、目立たない様にテントにするけど、俺達だけならいいと思ってね。さて、食事の支度をしようか!この家には炊事場もついているけど、野営と言ったらバーベキューでしょ!」
俺は、土魔法で椅子とバーベキューの用の窯と食材を置くテーブルを作り、炭を並べて魔法で火を付ける。そして、空間収納から肉、野菜を取り出す。ナディアの為にお酒も少し持ってきた。肉には、塩、コショウで簡単に味付けをする。ワイルドウルフの肉は、臭みを消すために香草に包み保管していた。食材をテーブルの上に並べて、準備が整う。
「さあ、好きなのを焼いて食べよう!。ナディア、ほらお酒も少しあるよ。ここに置いておくからね。」
「おお!すまんの!なんか、普段の食事より豪勢だの!」
「まぁ、初日だからね。でも、その内飽きるんだろうけどな。」
「ティナは、タカミとご飯を一緒に食べれるのが嬉しい!」
ティナは、ご機嫌だ。
「うん。そうだね。たまに自宅で一緒に食事をしていたけど、普段はティナとナディア二人だもんな。」
折角なので、スープも作りおきしよう。俺は、大きめの鍋にビックボアの肉と骨、ビックホローの肉とガラ、玉ネギ、ニンジン、ネギ、香草を入れ、煮込む。タイムアクセルで3hほど進め、灰汁をとる。それを3回繰り返し、最後にスープだけを取り出す。自家製、コンソメスープだ。後は、必要な分だけ味を調整すればいい。20lほど作ってストックする。本日分、1L程度鍋に移して、玉ネギと細かく切ってボアの肉を入れ、味を調整する。
「はい、スープもあるからね。」
「タカミは料理も出来るの?」
「まぁ、出来るってほどじゃないけどね。はい、どうぞ!」
ティナとナディアはスープを飲む。
「あ!これ、すごく美味しい。タカミすごい!」
「ほんとじゃの。凄く美味じゃ!流石、我が主じゃ。」
ふっふっふ。俺は褒められて伸びるタイプだからね。今度は何を作ろうかな。そんな感じで夕食が終わる。さて、旅の疲れを癒しますか。俺は、浴室に行き、お湯を魔法で溜める。
「ふぅ、やっぱ疲れを取るにはこれでしょ。」
俺は、ゆったりと浴槽につかる。すると、何となく分かっていたけど、ティナが入ってくる。
「ティナも入る!」
ティナが身体をお湯で流してから入ってくる。
「はい、どうぞ!俺は、ティナの分のスペースをあけ一緒に入る。」
すると、今度は、
「妾も一緒にはいるぞ!」
浴室のドアが開き、全裸のナディアが仁王立ちで立っている。奇麗なボディーラインは、俺の目を釘付けにする。お尻には、9つの分かれた尻尾がわしゃわしゃと振られている。
「おい。ナディア!お前は大人なんだから、男の人と簡単に風呂に入ったらだめだろ!大変な目にあうぞ。」
「誰でもなんかこんな事はせん。ご主人だからいいのじゃ。妾のすべてはご主人の物だからな。」
「おいおい、でも、ちょっと、目のやり場に困るぞ!」
「そんなの気にせんでいい。」
「気にするって!まぁ、もういいや。勝手にしてくれ(-_-;)」
二人はキャッキャしながら入浴を楽しむ。仕舞には、俺を二人で洗うとかいう始末だ。まぁ、ハーレムっぽくて良いけど。俺がお年頃になったらどうするんだろう・・・
入浴後は、いつもの魔力を操作する鍛錬をする。最近では、かなりの魔力操作が可能となった。そこに空間認識処理と演算処理する事できめ細かい操作が可能となる。魔力を枯渇させる際には、異空間に行き12階層の魔法を連発して枯渇させる。今では、魔力枯渇耐性が付いているのでさほど苦ではない。そんな鍛錬のお蔭か、魔力の回復スピードも速くなっている。そんな俺のステータスは、とんでもない事になっている。この世界はチート過ぎるだろう。
俺の久しぶりのステータス。
賢者 LV82
HP5248/5248
MP29520/29520
筋力1230
魔力6970
防御力6150
魔防6560
俊敏1148
器用1066
知力1476
幸運1148
【ユニークスキル】
Q&A 空間収納 鑑定 医療の心得 模倣 偽装 真偽 魔術 剣術 精霊魔術 召喚 全記憶 模倣 空間操作・認識 重力操作 多重詠唱Ⅴ 照準
【スキル】
毒耐性(低) 光属性(極) 闇属性(高) 炎属性(極) 水属性(極) 地属性(極) クリティカル(低)
風属性(高) 無属性(極) 剣(中) 魔力欠乏耐性(極) 無詠唱 魔力調整
魔力向上(極) MP向上(極) 物理耐性(極) 魔法耐性(極) 翻訳 速読
マップ 索敵 演算加速 分離・結合 解体(極) 異常状態耐性(極) 錬金術(極)
創作(極)
【魔法】
《生活魔法》
《医療関連魔法》
《炎魔法》(12階層)
《地魔法》(12階層)
《氷魔法》(12階層)
《水魔法》(12階層)
《風魔法》(12階層)
《光魔法》(12階層)
《闇魔法》(12階層)
《無属性》(12階層)
《錬金魔法》
《創作魔法》
ついでにティナとナディアのステータスはこうなっている。
魔族ハーフ LV20
HP208/208
MP906/906
筋力178
魔力346
防御力182
魔防326
俊敏182
器用182
知力196
幸運178
【ユニークスキル】
魔術 炎操作(中)
【スキル】
炎属性(中) 闇属性(低) 無属性(低) 魔力向上(低)
【魔法】
《生活魔法》(1階層)
《炎魔法》(3階層)
《闇魔法》(2階層)
《無属性魔法》(2階層)
九尾狐(聖獣) LV47
HP783/783
MP3874/3874
筋力558
魔力837
防御力691
魔防887
俊敏541
器用541
知力670
幸運558
【ユニークスキル】
魔術 剣術 異常状態耐性(高)
【スキル】
毒耐性(低) 闇属性(中) 炎属性(中) 風属性(中)
魔力向上(低) MP向上(低) 魔法耐性(低) 物理耐性(低)
【魔法】
《炎魔法》(6階層)
《風魔法》(5階層)
《闇魔法》(5階層)
さて、化物になったところで寝るかな。・・・、やっぱりね。ティナが俺の寝室に枕を持ってやってくる。
「ティナも一緒に寝る。」
「こらこら、そんなこと言っていると寝ている時にいたずらしちゃうぞ!自分のとこで寝ないと」
「タカミなら悪戯されてもいい。だから一緒に寝る。」
この子は意味が分かっているか?じゃあ、悪戯しちゃおう。
「悪戯されても文句言うなよー。」
「分かった。」
ティナは”テケテケ”と小走りに来ると布団の中に入り込む。暫くして、ティナは寝たようだ。ティナは俺にくっ付いて寝ている。俺は、ペンを出し、ティナの可愛い寝顔をキャンパスに新たな芸術を生んだ。さて、寝るか。
うーん・・・、なんか寝苦しい・・・。なんだこれ?
”モミモミ”
んー?ティナではない。
”モミモミ”
んー。遥か昔に覚えのある感触だけど、ここまで大きくなかったような。
”コリコリ”
んー。なんか突起がある。寝苦しさに目を覚ますとそこには柔らかい2つの何かがあった。
「あふーん、ご主人、中々いい所をついでくるのじゃ・・・」
俺は、”ガバ”っと起きる。そこには裸で俺の顔に胸を当てるナディアが寝ている。
「おい!何をやっているんだ!」
「妾も一緒に寝るのじゃ!」
「”寝るのじゃ”じゃない!なんでそんな恰好しているんだ!」
「妾は寝る時は、いつもこの格好じゃ。なんか問題あるのかの?」
「大ありだろう。しかも、なぜ、胸を俺の顔に当てる。」
「その方が、ご主人が喜ぶと思っての。」
ナディアは”ケタケタ”笑う。
「た、確かに嬉しいけど・・・!?って違う、違う。」
俺は、一人でボケて一人で突っ込む。俺、何やっているんだろう。
「妾だけのけ者かえ?妾も一人じゃ寂しいのじゃ」
「はぁー・・・分かった、分かった。じゃあ、せめて元の姿になってくれ。その姿のままじゃ刺激が強すぎて眠れないよ。」
「分かったのじゃ!!」
ナディアは嬉しそうに九尾に戻る。そして、尻尾が”ブンブン”と振られている。なにげにこいつも可愛いんだよな。兎に角、明日のために寝ることにした。お休みなさい・・・
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何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
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少し冷めた村人少年の冒険記
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