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【大精霊】
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今日はティナやナディアと過ごしている。昨日から伯爵低でシルビアの専属魔術師として魔法を教えているが、先生としては精霊魔術が使えないのはどうかと思った。そこで、本日は、精霊との契約を試してみたいと思っている。召喚の魔術所には、その精霊の由来がありそうな場所で召喚魔法陣を使う事で考えている精霊を召喚できるそうだ。今回、最初に試そうと思っている精霊は炎の精霊だ。ティナやナディアにその事を話したら、是非見てみたいとの事だったので俺達は、いつも鉱物を採取する火山に行こうと思っている。 火の精霊と言ったら火山でしょ!。
「多分、大丈夫だと思うけど、何かやばいなと思ったら逃げるように!」
俺は、ティナとナディアに忠告しておく。
「うん。分かった。」
「でも、ご主人に何かあった時って、それだけ凄い精霊って事じゃろ。逃げれるのかえ?」
「た、確かに…、じゃあ、ゲートを用意しておくからすぐ飛び込んで!それぐらいはもたせるから!」
「我としては、ご主人とは一心一体と思っておる。本当は応戦したいのじゃがの。」
「ティナも、本当はタカミのお手伝いをしたい。だから、戦いたい。」
二人とも、一緒に居る気満々だ。どうしようかな。
「んー。逃げてくれないなら連れて行かない。俺は、二人には怪我してほしくないし。」
ちょっと、意地悪だったかな。
「わ、分かったのじゃ。何かあったら逃げるから一緒に連れて行くのじゃ!」
「ティナも逃げるから、連れてって。」
「約束だからね。じゃあ、行こうか。」
俺は、ゲートを開き3人でいつもの山に向かう。山肌が出てるごつごつした場所を選んだ。ここなら火事にならない。と思う・・・
早速、魔法陣を描き、火の精霊を召喚してみる。と同時に彼女たちを逃がすためのゲートも開く。
「さて、準備は整ったよ。今から、魔法陣に魔力を流して精霊を召喚する。家でも言ったけど、俺に手に負えなかったら即効逃げるように。いいね。」
「分かった。」
「承知した。」
俺は、魔法陣に魔力を注いでいく。兎に角注ぐ。結構、頑張っている。って言っても通常使用する魔力の2倍程度位(目安としてはMP400位?)で魔法陣はまばゆい光を放ち、精霊を召喚する。
「ふはははは!この儂を呼び出せるほどの魔法使いがいるとは!儂に何の用だ!」
巨大な火柱と共に、身体が炎に包まれた4m近くある巨大な“赤鬼?“の様な精霊が現れた。ん?喋れるのか。知識レベルは高そうだ。高いのか?イーフリートを鑑定する
イーフリート(大精霊 炎) LV45
HP1895/1895
MP2520/2520
筋力595
魔力775
防御力720
魔防825
俊敏470
器用470
知力570
幸運535
【ユニークスキル】
精霊魔術 炎操作 炎耐性 物理耐性 異常状態耐性(高)
【スキル】
炎属性(高) 炎の眷属 炎耐性(高) 魔法耐性(低) 物理耐性(低)
【魔法】
《炎魔法》(6階層)
《炎精霊魔法》
うん。まぁ、案の定、炎に特化したステータスだね。まぁ、戦っても勝てそうだね。
「儂は、大精霊イーフリート。儂を呼び出したのは誰だ。」
やっぱり、高位の精霊が来たか。そんな予感はしてたんだよな。チートだから。
「今後、大精霊様のお力をお借りできればと思い、俺が呼び出しました。」
「ん?どこにいる。呼び出しといて隠れるとはいい度胸だ!」
こいつボケてるのか?
「ここにいますよー。おーい。こっちこっち。」
俺は、イーフリートに手を振る。
「んーー?なんだ。そこにいるのは子供じゃないか!お主か儂を呼び出したのは!」
イーフリートはナディアを見る。こいつ、マジでやってるのか?ボケてるのか?いや、マジかもしれない。
「呼び出したのは俺です。そっちは、付添いです。」
「本当にお前が儂を呼び出したのか?子供が呼び出せるわけなかろう!」
ちょっと、うざいのでシカトして話を進める。
「えっと、今後、大精霊様のお力をお借りできればと思っているのですが、どうすればよろしいですか?」
「ふむ。儂は、大精霊の中でも力を誇示している。まず、儂に力添えを申し出るというならその力を示せ。」
あ、こいつも今までの流れをスルーした。まぁ、いっか。
「どうすればよろしいでしょうか?」
「そうだな。では、我と力比べをしよう。非力な人間では到底儂に勝つことは出来ぬと思うがな。」
そう言うと、イーフリートは人間の大人サイズになった。
「そうだな。男同士の力比べと言ったら“腕相撲!だ!。もし、この儂と互角に戦えたら力を貸してやってもよいぞ!」
そう言うと、イーフリートは寝そべった。おいおい、テーブル出そうぜ。俺は、土魔法で椅子とテーブルを作り、片方の椅子に俺は座る。
「あの。こちらでやりませんか?」
イーフリートは立ち上がり、身体を掃うと腕を組み仁王立ちで言い放つ。
「よかろう!!」
こいつ。マジか…本当に大丈夫なのか?とりあえず、席に座ってもらい、腕を組む。
「もし、儂と互角なら力を貸してやっても良いぞ!」
もう、分かったって。
「じゃあ、ナディア。合図を頼む」
「承知した。それでは、よーい、始め!!」
俺は腕に力をいれる?ん?少し、力を込める。
「ぐはぁー、小僧!なかなかやるじゃないか!」
俺は、もう少し力を入れる。
「のわぁー!我と互角なら力をかそうぞぉー!」
変な声を出しながらイーフリートは叫ぶ。あー、そう言えば、師匠に精霊のご機嫌を損ねたらいけないって言われてたな・・・、俺は少し、力を抜き互角を装う。しばらくのせめぎ合いを続け、俺はイーフリートに言う。
俺→「さ、流石、ち、力の精霊!この俺が勝てないなんて!!!」
イーフリート→「ど、ど、どうじゃ!儂の力を思い知ったか!!」
俺→「こ、これ以上、動かない!!どうすれば!!」
イーフリート→「ふ、ふ、ふぅー、も、もう、やめにしても良いのだぞ!」
俺→「い、いや、イーフリート様にお力添えを頂きたいのでここで諦める訳には…」
俺は、力をちょっと込める。
イーフリート→「ふはぁー。よ、よろしい。貴様の力は認めよう!」
俺達の力比べは幕を下ろした。。
「貴様、この儂と力比べで互角に競えるとは。しかし、儂を顕現させるには相当の魔力が必要じゃ。その魔量が貴様にはあるかな?」
俺は、手に魔力を込め、イーフリートに少しずつ送る。送る。送る。
「おわぁ!待て待て!!分かった。分かった!」
俺は、魔力を送るのを止める。
「ふむ。貴様は儂を顕現させるだけの魔力も持ち合わせているとみた!」
イーフリートは立ち上がり、腕を組み仁王立ちになる。おいおい、今、送った魔力はちょっとだぞ!(MP換算で200位)
「よかろう。マイフレンド!もし何かあった時は力を貸そう!その代わり、対価としてそれ相応の魔力を頂くぞ。いいか。」
「それ相応ってどれくらいですか?」
「ふむ、今、マイフレンドが儂に全力で、限界まで送ってきた魔力量は頂く。よろしいか?」
今の魔力量?(MP200位)かな。
「わ、分かりました。私も、イーフリート様の要望にお応えして限界までの魔力を差し出します。今後ともよろしくお願いします。」
「ふむ。よろしく頼むぞ。マイフレンド!」
こうして、イーフリートとの友情が芽生え?、俺達の3文芝居は幕を閉じた。そしてイーフリートとの召喚契約を済ませた。サラマンダーが精霊界に戻る。
「今のは何じゃったのじゃ?」
「うん。これを“猿芝居“と言うんだよ。」
なんか、この調子で次もいけそうな気がする。じゃあ、次は水の精霊でも試してみよう。
「このまま、次の精霊を試したいんだけどいい?」
「妾は構わないぞ!」
「ティナもいいよ。」
「じゃあ、次行きますか。何か、余り気張らなくても大丈夫そうなので肩の力を抜いて行こう」
ティナは終始黙っていた。多分、言われた通り何かあった時にすぐ逃げられるように準備をしていたのだろう。可愛い子だ。
俺達は、ゲートを森の湖のある所に繋ぎ直し、移動する。
森にある湖の畔にやってきた。前回同様、魔法陣を描き、魔力を注ぐ。同じように魔法陣が光始める。光の中から、人の女性を模った水の塊が俺達の前に姿を現す。
「私は、水の大精霊 ウンディーネ。私を呼び出したのは誰?」
「今後、大精霊様のお力をお借りできればと思い、俺が呼び出しました。僕があなたを召喚いたしました。」
俺は、サラマンダーの時と同じように精霊に挨拶をした。
「まぁ、なんて可愛らしい男の子!あなたが私を呼んだの?」
「はい。ウンディーネ様のお力をお貸し頂きたいと思っております。」
「そう。力を貸すのはいいけど、それ相応の魔力が必要よ。大丈夫かしら?それと、もう一つ、私のお願いを聞いてくれれば力をお貸ししましょう。」
ウンディーネは俺に二つの条件を提示した。うん、イーフリートよりはまともっぽいな。
「では、まず魔力を確認してください。」
俺は、ウンディーネにさっきと同じくらいよりちょっと多いくらいの魔力を流す。」
「うん。いいわね。あなたは私を使役できる魔力を持っているみたいね。では、次の私のお願いなんだけれども。私が食べた事の無いとても美味しい食べ物を食べさせて。」
あら可愛い。でも、大精霊が食べた事のない美味しい食べ物?何があるんだ?
「あのー。それでは、作ってきますので、少々お時間をいただけますか?」
「ええ、いいわ。美味しいものを食べさせてくれるなら待ちますよ。」
俺達は、一旦、ゲートで家に戻る。そして、ティナとナディアにある物を食べたことがあるか聞く。
「なぁ、ティナ、ナディア、“プリン”って食べたことある?」
「何じゃそれは?聞いたことも無いぞ。」
「ティナも聞いたことが無い。」
ふむ、参考にならないな・・・あ!シルビアに聞いてみよう。シルビアなら、色んなスイーツを食べていると思うし。俺は、伯爵の屋敷にゲートを開きシルビアの下に行く。途中、パーキンさんと出会い、シルビアの所に案内してもらった。
「シルビア、ちょっと、聞きたいことがあるのですが、“プリン”っていうデザート?お菓子?食べた事がありますか?」
「あら、それは何ですの?私は食べた事ございませんが。」
「そっか。卵で作ったお菓子なんだけど、そう言うの知っていますか?」
「クッキーみたいなものかしら?」
「ううん、全然違うんですが。じゃあ、今度、作るから持ってきますね。それだけ聞きたかったんです。すみません。お時間を取らせて。」
俺は、お礼を言い、ゲートで戻る。じゃあ、プリンでも作るか。俺も結構好きだし(笑)
では、本日は、プリンの作り方をご紹介します。マジウマです。市場に行き、下記の材料か買ってくる。無いものは、創作にて作った。バニラエッセンスの作り方も書いときます。
バニラビーンズを3本、ウォッカに入れ、3カ月で完成です。
以上。簡単だー!ちなみにゼラチンは、牛の骨と豚の骨と豚の皮から出来てます。大体下の分量で5個できます。
材料は卵3個、牛乳300cc、生クリーム100cc、バニラエッセンス少々、粉ゼラチン5g、カラメルソース適量です。
1、 カラメルを作る。鍋にグラニュー糖と水を入れて、弱火で熱し、かき混ぜずに鍋をゆすりながら砂糖を溶かし全体に色をつける。大きな泡が小さくなり、色が、濃い目のあめ色になったら火を止める。火から下ろし、お湯を加えて、全体を混ぜ合わせる。
2、牛乳に砂糖と粉ゼラチンを入れて、30分ほどふやかす
3、2. ボウルに、卵と生クリームを入れて混ぜる
4、1を加熱したら、2にすぐに流し込みバニラエッセンスを加えて軽く混ぜ合わせる。
※1の材料が沈殿している場合は、かき混ぜてから流し込むようにする。
5、カラメルを入れた容器に流し込み、粗熱をとり冷蔵庫で冷やして完成
「これがプリン?」
ティナとナディアが不思議そうに見てる。まぁ、俺が作るものは不思議なんだろうな。
「うん、ティナとナディアの分も作ったから一緒に食べようね。」
「やったー!タカミは、何でもできる。すごい!」
「ほぉ。面白い食べ物じゃな。食べるのが楽しみじゃ!」
俺達は、ゲートでウンデーネの森の湖に戻る。凄い、ちゃんと待ってる。
「お待たせしました。“プリン”と言う食べ物を作ってきました。多分、食べた事は無いと思いますがどうですか?」
「うん。確かに見た事の無い食べ物ですね。美味しいのですか?」
「はい!僕は好きですよ。皆の分もありますから、一緒に食べてもいいですか?」
「勿論。美味しいものは皆で食べた方がもっと美味しくなる。皆で食べましょう。」
なんか、ピクニックみたいになってるなぁ。まぁ、でも、ティナやナディアも喜んでるからいっか。俺は、ティナとナディアにもプリンを渡す。
「食べてみてください。どうでしょうか?」
ウンデーネがプリンを食べる。あ、動きが止まった。やっぱ、がっつりしたのが良かったのかな?
「す、すごく美味しい!!これは、なんという食べ物ですか?」
ウンデーネはプリンの美味しさに感動したようだ。うん。プリンは万人が好きだと思うからね。
「“プリン”ですね。卵と牛乳と砂糖から作ったんですよ。割と簡単に出来ますが、すごく美味しいです。」
「美味しい!!タカミ、プリン美味しい!」
「うむ、ご主人、すごく美味であるぞ!」
やっぱ、スイーツは女子受けがいいね。プリンは美味しいね。
「うん。俺も大好きだからね。後で、皆の分も作ろうね。」
プリンの店でもやろうかな。中央ならクレープも売れそうだ。資金集めにやってみよう。そんな事を考えながらプリンを食べた。
「うん。とても美味しい食べ物を食べさせてもらった。君はもう私の友人だ。力を貸そう。」
ウンデーネと召喚契約を結ぶことが出来た。ウンデーネもご満悦になってもらえたし、これはこれで良かったかも。甘いものは皆がハッピーになれるね。
「ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。」
ウンデーネは光となって精霊界に帰っていった。よし、これで2つの精霊と契約が出来たぞ!今日は、この辺にしとくかな。俺達はゲートを開き家に戻る。ティナとナディアがもっとプリンを食べたいと言い出したので、沢山作った。後で、皆に配ろう。美味しいものはおすそ分けしないとね。
「多分、大丈夫だと思うけど、何かやばいなと思ったら逃げるように!」
俺は、ティナとナディアに忠告しておく。
「うん。分かった。」
「でも、ご主人に何かあった時って、それだけ凄い精霊って事じゃろ。逃げれるのかえ?」
「た、確かに…、じゃあ、ゲートを用意しておくからすぐ飛び込んで!それぐらいはもたせるから!」
「我としては、ご主人とは一心一体と思っておる。本当は応戦したいのじゃがの。」
「ティナも、本当はタカミのお手伝いをしたい。だから、戦いたい。」
二人とも、一緒に居る気満々だ。どうしようかな。
「んー。逃げてくれないなら連れて行かない。俺は、二人には怪我してほしくないし。」
ちょっと、意地悪だったかな。
「わ、分かったのじゃ。何かあったら逃げるから一緒に連れて行くのじゃ!」
「ティナも逃げるから、連れてって。」
「約束だからね。じゃあ、行こうか。」
俺は、ゲートを開き3人でいつもの山に向かう。山肌が出てるごつごつした場所を選んだ。ここなら火事にならない。と思う・・・
早速、魔法陣を描き、火の精霊を召喚してみる。と同時に彼女たちを逃がすためのゲートも開く。
「さて、準備は整ったよ。今から、魔法陣に魔力を流して精霊を召喚する。家でも言ったけど、俺に手に負えなかったら即効逃げるように。いいね。」
「分かった。」
「承知した。」
俺は、魔法陣に魔力を注いでいく。兎に角注ぐ。結構、頑張っている。って言っても通常使用する魔力の2倍程度位(目安としてはMP400位?)で魔法陣はまばゆい光を放ち、精霊を召喚する。
「ふはははは!この儂を呼び出せるほどの魔法使いがいるとは!儂に何の用だ!」
巨大な火柱と共に、身体が炎に包まれた4m近くある巨大な“赤鬼?“の様な精霊が現れた。ん?喋れるのか。知識レベルは高そうだ。高いのか?イーフリートを鑑定する
イーフリート(大精霊 炎) LV45
HP1895/1895
MP2520/2520
筋力595
魔力775
防御力720
魔防825
俊敏470
器用470
知力570
幸運535
【ユニークスキル】
精霊魔術 炎操作 炎耐性 物理耐性 異常状態耐性(高)
【スキル】
炎属性(高) 炎の眷属 炎耐性(高) 魔法耐性(低) 物理耐性(低)
【魔法】
《炎魔法》(6階層)
《炎精霊魔法》
うん。まぁ、案の定、炎に特化したステータスだね。まぁ、戦っても勝てそうだね。
「儂は、大精霊イーフリート。儂を呼び出したのは誰だ。」
やっぱり、高位の精霊が来たか。そんな予感はしてたんだよな。チートだから。
「今後、大精霊様のお力をお借りできればと思い、俺が呼び出しました。」
「ん?どこにいる。呼び出しといて隠れるとはいい度胸だ!」
こいつボケてるのか?
「ここにいますよー。おーい。こっちこっち。」
俺は、イーフリートに手を振る。
「んーー?なんだ。そこにいるのは子供じゃないか!お主か儂を呼び出したのは!」
イーフリートはナディアを見る。こいつ、マジでやってるのか?ボケてるのか?いや、マジかもしれない。
「呼び出したのは俺です。そっちは、付添いです。」
「本当にお前が儂を呼び出したのか?子供が呼び出せるわけなかろう!」
ちょっと、うざいのでシカトして話を進める。
「えっと、今後、大精霊様のお力をお借りできればと思っているのですが、どうすればよろしいですか?」
「ふむ。儂は、大精霊の中でも力を誇示している。まず、儂に力添えを申し出るというならその力を示せ。」
あ、こいつも今までの流れをスルーした。まぁ、いっか。
「どうすればよろしいでしょうか?」
「そうだな。では、我と力比べをしよう。非力な人間では到底儂に勝つことは出来ぬと思うがな。」
そう言うと、イーフリートは人間の大人サイズになった。
「そうだな。男同士の力比べと言ったら“腕相撲!だ!。もし、この儂と互角に戦えたら力を貸してやってもよいぞ!」
そう言うと、イーフリートは寝そべった。おいおい、テーブル出そうぜ。俺は、土魔法で椅子とテーブルを作り、片方の椅子に俺は座る。
「あの。こちらでやりませんか?」
イーフリートは立ち上がり、身体を掃うと腕を組み仁王立ちで言い放つ。
「よかろう!!」
こいつ。マジか…本当に大丈夫なのか?とりあえず、席に座ってもらい、腕を組む。
「もし、儂と互角なら力を貸してやっても良いぞ!」
もう、分かったって。
「じゃあ、ナディア。合図を頼む」
「承知した。それでは、よーい、始め!!」
俺は腕に力をいれる?ん?少し、力を込める。
「ぐはぁー、小僧!なかなかやるじゃないか!」
俺は、もう少し力を入れる。
「のわぁー!我と互角なら力をかそうぞぉー!」
変な声を出しながらイーフリートは叫ぶ。あー、そう言えば、師匠に精霊のご機嫌を損ねたらいけないって言われてたな・・・、俺は少し、力を抜き互角を装う。しばらくのせめぎ合いを続け、俺はイーフリートに言う。
俺→「さ、流石、ち、力の精霊!この俺が勝てないなんて!!!」
イーフリート→「ど、ど、どうじゃ!儂の力を思い知ったか!!」
俺→「こ、これ以上、動かない!!どうすれば!!」
イーフリート→「ふ、ふ、ふぅー、も、もう、やめにしても良いのだぞ!」
俺→「い、いや、イーフリート様にお力添えを頂きたいのでここで諦める訳には…」
俺は、力をちょっと込める。
イーフリート→「ふはぁー。よ、よろしい。貴様の力は認めよう!」
俺達の力比べは幕を下ろした。。
「貴様、この儂と力比べで互角に競えるとは。しかし、儂を顕現させるには相当の魔力が必要じゃ。その魔量が貴様にはあるかな?」
俺は、手に魔力を込め、イーフリートに少しずつ送る。送る。送る。
「おわぁ!待て待て!!分かった。分かった!」
俺は、魔力を送るのを止める。
「ふむ。貴様は儂を顕現させるだけの魔力も持ち合わせているとみた!」
イーフリートは立ち上がり、腕を組み仁王立ちになる。おいおい、今、送った魔力はちょっとだぞ!(MP換算で200位)
「よかろう。マイフレンド!もし何かあった時は力を貸そう!その代わり、対価としてそれ相応の魔力を頂くぞ。いいか。」
「それ相応ってどれくらいですか?」
「ふむ、今、マイフレンドが儂に全力で、限界まで送ってきた魔力量は頂く。よろしいか?」
今の魔力量?(MP200位)かな。
「わ、分かりました。私も、イーフリート様の要望にお応えして限界までの魔力を差し出します。今後ともよろしくお願いします。」
「ふむ。よろしく頼むぞ。マイフレンド!」
こうして、イーフリートとの友情が芽生え?、俺達の3文芝居は幕を閉じた。そしてイーフリートとの召喚契約を済ませた。サラマンダーが精霊界に戻る。
「今のは何じゃったのじゃ?」
「うん。これを“猿芝居“と言うんだよ。」
なんか、この調子で次もいけそうな気がする。じゃあ、次は水の精霊でも試してみよう。
「このまま、次の精霊を試したいんだけどいい?」
「妾は構わないぞ!」
「ティナもいいよ。」
「じゃあ、次行きますか。何か、余り気張らなくても大丈夫そうなので肩の力を抜いて行こう」
ティナは終始黙っていた。多分、言われた通り何かあった時にすぐ逃げられるように準備をしていたのだろう。可愛い子だ。
俺達は、ゲートを森の湖のある所に繋ぎ直し、移動する。
森にある湖の畔にやってきた。前回同様、魔法陣を描き、魔力を注ぐ。同じように魔法陣が光始める。光の中から、人の女性を模った水の塊が俺達の前に姿を現す。
「私は、水の大精霊 ウンディーネ。私を呼び出したのは誰?」
「今後、大精霊様のお力をお借りできればと思い、俺が呼び出しました。僕があなたを召喚いたしました。」
俺は、サラマンダーの時と同じように精霊に挨拶をした。
「まぁ、なんて可愛らしい男の子!あなたが私を呼んだの?」
「はい。ウンディーネ様のお力をお貸し頂きたいと思っております。」
「そう。力を貸すのはいいけど、それ相応の魔力が必要よ。大丈夫かしら?それと、もう一つ、私のお願いを聞いてくれれば力をお貸ししましょう。」
ウンディーネは俺に二つの条件を提示した。うん、イーフリートよりはまともっぽいな。
「では、まず魔力を確認してください。」
俺は、ウンディーネにさっきと同じくらいよりちょっと多いくらいの魔力を流す。」
「うん。いいわね。あなたは私を使役できる魔力を持っているみたいね。では、次の私のお願いなんだけれども。私が食べた事の無いとても美味しい食べ物を食べさせて。」
あら可愛い。でも、大精霊が食べた事のない美味しい食べ物?何があるんだ?
「あのー。それでは、作ってきますので、少々お時間をいただけますか?」
「ええ、いいわ。美味しいものを食べさせてくれるなら待ちますよ。」
俺達は、一旦、ゲートで家に戻る。そして、ティナとナディアにある物を食べたことがあるか聞く。
「なぁ、ティナ、ナディア、“プリン”って食べたことある?」
「何じゃそれは?聞いたことも無いぞ。」
「ティナも聞いたことが無い。」
ふむ、参考にならないな・・・あ!シルビアに聞いてみよう。シルビアなら、色んなスイーツを食べていると思うし。俺は、伯爵の屋敷にゲートを開きシルビアの下に行く。途中、パーキンさんと出会い、シルビアの所に案内してもらった。
「シルビア、ちょっと、聞きたいことがあるのですが、“プリン”っていうデザート?お菓子?食べた事がありますか?」
「あら、それは何ですの?私は食べた事ございませんが。」
「そっか。卵で作ったお菓子なんだけど、そう言うの知っていますか?」
「クッキーみたいなものかしら?」
「ううん、全然違うんですが。じゃあ、今度、作るから持ってきますね。それだけ聞きたかったんです。すみません。お時間を取らせて。」
俺は、お礼を言い、ゲートで戻る。じゃあ、プリンでも作るか。俺も結構好きだし(笑)
では、本日は、プリンの作り方をご紹介します。マジウマです。市場に行き、下記の材料か買ってくる。無いものは、創作にて作った。バニラエッセンスの作り方も書いときます。
バニラビーンズを3本、ウォッカに入れ、3カ月で完成です。
以上。簡単だー!ちなみにゼラチンは、牛の骨と豚の骨と豚の皮から出来てます。大体下の分量で5個できます。
材料は卵3個、牛乳300cc、生クリーム100cc、バニラエッセンス少々、粉ゼラチン5g、カラメルソース適量です。
1、 カラメルを作る。鍋にグラニュー糖と水を入れて、弱火で熱し、かき混ぜずに鍋をゆすりながら砂糖を溶かし全体に色をつける。大きな泡が小さくなり、色が、濃い目のあめ色になったら火を止める。火から下ろし、お湯を加えて、全体を混ぜ合わせる。
2、牛乳に砂糖と粉ゼラチンを入れて、30分ほどふやかす
3、2. ボウルに、卵と生クリームを入れて混ぜる
4、1を加熱したら、2にすぐに流し込みバニラエッセンスを加えて軽く混ぜ合わせる。
※1の材料が沈殿している場合は、かき混ぜてから流し込むようにする。
5、カラメルを入れた容器に流し込み、粗熱をとり冷蔵庫で冷やして完成
「これがプリン?」
ティナとナディアが不思議そうに見てる。まぁ、俺が作るものは不思議なんだろうな。
「うん、ティナとナディアの分も作ったから一緒に食べようね。」
「やったー!タカミは、何でもできる。すごい!」
「ほぉ。面白い食べ物じゃな。食べるのが楽しみじゃ!」
俺達は、ゲートでウンデーネの森の湖に戻る。凄い、ちゃんと待ってる。
「お待たせしました。“プリン”と言う食べ物を作ってきました。多分、食べた事は無いと思いますがどうですか?」
「うん。確かに見た事の無い食べ物ですね。美味しいのですか?」
「はい!僕は好きですよ。皆の分もありますから、一緒に食べてもいいですか?」
「勿論。美味しいものは皆で食べた方がもっと美味しくなる。皆で食べましょう。」
なんか、ピクニックみたいになってるなぁ。まぁ、でも、ティナやナディアも喜んでるからいっか。俺は、ティナとナディアにもプリンを渡す。
「食べてみてください。どうでしょうか?」
ウンデーネがプリンを食べる。あ、動きが止まった。やっぱ、がっつりしたのが良かったのかな?
「す、すごく美味しい!!これは、なんという食べ物ですか?」
ウンデーネはプリンの美味しさに感動したようだ。うん。プリンは万人が好きだと思うからね。
「“プリン”ですね。卵と牛乳と砂糖から作ったんですよ。割と簡単に出来ますが、すごく美味しいです。」
「美味しい!!タカミ、プリン美味しい!」
「うむ、ご主人、すごく美味であるぞ!」
やっぱ、スイーツは女子受けがいいね。プリンは美味しいね。
「うん。俺も大好きだからね。後で、皆の分も作ろうね。」
プリンの店でもやろうかな。中央ならクレープも売れそうだ。資金集めにやってみよう。そんな事を考えながらプリンを食べた。
「うん。とても美味しい食べ物を食べさせてもらった。君はもう私の友人だ。力を貸そう。」
ウンデーネと召喚契約を結ぶことが出来た。ウンデーネもご満悦になってもらえたし、これはこれで良かったかも。甘いものは皆がハッピーになれるね。
「ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。」
ウンデーネは光となって精霊界に帰っていった。よし、これで2つの精霊と契約が出来たぞ!今日は、この辺にしとくかな。俺達はゲートを開き家に戻る。ティナとナディアがもっとプリンを食べたいと言い出したので、沢山作った。後で、皆に配ろう。美味しいものはおすそ分けしないとね。
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胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
異世界転生~チート魔法でスローライフ
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【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
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