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不死の軍団と破滅の王

不死者転生38 エリー奪還作戦1

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「、、、エリー?」

一瞬、強いシグナルを感じ取りエリーに繋げようとするが反応がない。魔都の偵察任務中に何らかの問題が発生したと見るべきだ。

エリーが従えていた配下の部隊にアクセスすると、大半の使い魔が指示待ち状態で待機しているが、肝心のエリーの姿は見当たらない。
 黒鳥を介して魔都方面を探索すると予想外の光景が広がっていた。見渡す限り、、と言える程広範囲にわたり魔獣が溢れかえっているのだ。特に密集しているあたりを確認すると真新しい戦闘の跡、スケルトンナイトの残骸。更に注視して観察する、、、まて、あれは?

黒鳥を慎重に操作し近づく、、、。あれは、、エリーの残骸??肉片が撒き散らされたかのような無残な姿だが、、損傷した頭部がエリーである事を物語っている。アラートを出す暇もない程、切迫した状態だったのか??魔獣達は、我々の部隊にはまだ気付いていない事から、少数による偵察中に襲われた可能性が高そうだ。

「アリア、メアを至急呼んでくれ。」

「はい、ご主人様、承知しました。」

————————————————————

「以上が現時点で確認できている情報になる。」

おおまかな配置を加えた地図を机上のに広げ説明を終える。彼我の戦力差は加速度的に増えており、あの出所がんからない魔獣達は今も増え続けている。

「あぁ、、、エリー」

アリアは顔面蒼白になり、悲観するばかりだ。

「ご主人様、エリーの頭部だけでも回収出来ればご主人様の瘴気で復活できるのでは?」

「確かにその通りだ。無事に回収できれば、、、な。」

「、、ご主人様。エリーの為に、、、御身を危険にさらすことはできません。」

力なく、、アリアは反対を表明するが、、、

「しかし、このままではエリーが、、、」

メアはしかしその先を続けられずに沈黙が場を支配する。

「我々の戦力を維持する上でも、今エリーを失うのは損失が大き過ぎる。なんとか奪還する方法を検討しよう。後は、、あの群れがどう出るか、、。メア、人間に魔都の情報を出させろ。」

「はい、すぐに手配いたします。」

「ご主人様、、エリーを本当に救ってもよろしいのですか?」

「今後の為にもエリーは必要だ。だが、無理はしない。もし、奴らが進軍した場合は街を防波堤にして館まで撤退するから、そのつもりで2人とも準備してくれ。」

「それでは、人工繭は館に移動させていいでしょうか?」

「ああ、そうしてく。」

———————————————

メアの活躍により、兵士生産が可能になった為、エリーが配置したままの配下を全て投入し敵本体に穴を開けエリーを回収する作戦を立てる。

エリーがいれば一人で的確に指示を出せるだろうが、メアとアリア、それにオレの3人で分担し対応する事にした。

まず、メアとアリアがそれぞれ東西から進軍、左右の対応につられて中央が薄くなった隙に足の速い獣型で中央を押し上げエリーを回収する。頭部程度なら黒鳥か大鷲を使えば回収できるだろう。細かい指示が出せない為、殆どの使い魔はここで消費することになるだろう。

気になるのは小鬼などの魔獣以外に、巨人と言えるほど巨大な魔人だが、メア曰く魔人アスラと言われる下位の魔神で見た目に違わぬ怪力と分厚い皮膚と肉の鎧が高い防御力を発揮する、戦闘特化の魔人だ。だが、図体がでかいだけあり動きは遅い為、今回は脅威にならないと思われる。

それぞれが隊の配置を終え、、、エリー奪還作戦を決行する。
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