不死者転生 -救いのない物語- 転生した不死者は生きる為に侵略し美しい眷属を従える

ボロン

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不死の軍団と破滅の王

不死者転生36 新たなる秩序

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 新たな領主となったメアは人間との意思疎通役として元領主フォルネウスを使う事にした。彼は領主としての経験はもちろんの事、我々に抵抗した結果として生かされている。彼の口から発せられる言葉には十分な重みがある。

 人工の繭を作る実験で最大の障害は、一つの子宮で1匹しな作れないと言う事に尽きる。使い魔の子宮は再生するので何度でも取り出せるが、安定的に兵士を作るなら個体差をなくし同じ条件で同じものを作れるのが好ましい。

 効率を重視し小動物を使った実験を繰り返しているところだ。

「んー、、、子宮を2つ使っても消費されるのは一つ、数を増やしても変わらないから繭にはどうしても一つ消費しちゃうのは確定かぁ。」

「胎盤で繋げて大きな袋状に形作った方は繭の生成ができずに形が保てなかったし、、個体で安定させる方法を探さなくちゃ。」

メアは独り言を呟きながら、部屋中を歩き回り考えをまとめる癖がある。そんなメアにフォルネウスは話しかけるタイミングを探って注視するのが日常だ。

メアは就任早々にいくつかの制約を課した以外に領主として仕事をしていない。彼女にとって人間は家畜、もしくはモルモット程度の認識だから政治や経済などまったく意に返さないのだ。

上流階級にいた者は、、自らの努力ではないその地位に長く在りすぎた。支配者が変わっても特権が脅かされなかった為に新たな支配者の下での地位を巡って無駄な努力を繰り広げている。

中流以下は、まだマシだが情報に慣れていない彼らは、実態のない噂に踊らされ恐怖が蔓延している。自殺者もこの1週間で既に20名を越えている。

変わらないのは奴隷だけだ。彼らにとって、上など知る由もない存在である事に変わりはなく、搾取される事に慣らされている。

「んー、、、胎児を入れてみようかなぁ。」

その一言にフォルネウスはゾッと背筋が凍るのを感じた。胎児??胎児をどうすると言うのだ?この魔人は何をしようとしている?

「ねぇ、そこで暇そうにしてる君。妊婦を何人か、、そうだな3人くらい連れてきてくれるかな?」

断固拒否する!我が領民をこれ以上好き勝手されてたまるか!!

心の叫びとは裏腹に身体は命令を実行する為に動き出す。何度目だろう?使い魔と成り果てた私には感じる自由のみ許された、、いや、感じる自由という苦痛を持たされた存在だ。衛兵の詰所まで行くと意思に反して言葉を紡ぐのだ。

「領主様より命令だ。妊婦を数名連れてこい。」

立ち去る後ろで衛兵たちの侮蔑と怨嗟、怒声が響く。恐らく、、奴隷たちから何名か連れてくるだろう。

激しく荒い音と共に扉が開くと1人の若い衛兵が飛び出してきた。彼の目には怒りと憎しみが満ちている。

「元領主だろ?!貴様が、、貴様が!!」

叫びながらその衛兵は槍を構え、、、私の身体を貫こうとした瞬間、意志に反して私は素早く身をひるがえすとすれ違いざまの体当たりをくらわせ強かに地面に叩きつける。なんとか立ち上がろうとした彼の首元に尾の蛇がかぶりつき強力な瘴気を含んだ毒が打ち込まれると、首元の肉が崩れるように腐り落ち、瞬く間にその命を奪う。

何度目だろう?
誰かの憎しみの刃にこの身を滅ぼして欲しいと願い、目の前でその夢が醜く果てる。

何度目だろう?
必要もようきゅうもないのに、その肉を咀嚼し泣きながら飲み込むのは。

何度目だろう?
何度目だろう?
あと、何度繰り返すのだろう?

心が壊れたならどんなに良いか。だが、使い魔となった私の精神は壊れる事を許さない。

—————————————————

「メアか、どうした?」

メアからの回路を繋いで問うと興奮した声が聞こえてくる。

「はい、大量に魔獣を作成する目処が立ちました!」

「本当か?どのような魔獣をどれくらい用意できる?」

「えっと、、魔獣は人型でスケルトンと同じく意思を持たず見た目は、、黒くて成人男性くらいの背丈です。戦闘能力は一般的な人間との変わりません!」

「なるほど、どうやって作ったんだ?」

よくぞ聞いてくれました!とばかりに嬉しそうに話し始める

「はい!胎盤と子宮を繋ぎ合わせて巨大な擬似子宮を作成しました。瘴気を溜め込んだプールのようになっております。以前ご説明した通りですね。そこに、妊婦の使い魔です。胎児の頭を潰してから母体と共に使い魔にしまして、胎児を大量生産する事に成功しました。安定しなかった体の構築ですが胎児を媒介にする事で問題が解決したのです!」

なかなかエグい発想と実行力だが、、純粋に問題解決を思考した結果だろう。

「そうか、さすがだな。実験にかなり消耗したんじゃないか?人工は維持できているのか?」

「はい、目処は立ったので、人工を見ながら苗床になる使い魔は増やしていくので大丈夫です!」

とは誰にとってだろう?倫理的な制限がなければ前世の世界でも医学なんかは特に飛躍的に進歩したことだろう。この世界はより残酷だ。そして、我々にとって人がモルモットと変わらないのだから、見え方は違うだけでこの世も前世の世界も、やはりどちらも地獄だったのだろうか?

オレはオレにとっての世界が、オレに優しければそれで構わない。

「エリーからの報告で魔都には大量の魔人がいる可能性があるそうだ。侵攻する場合、それなりの戦略が必要になるだろう。生産を急いだとして、どの程度用意できる?」

「そうですね、、日に50体が今の所厳戒令です。。」

「10日で500体か。一月で1500体、、、2ヶ月で3000体用意してくれ」

「承知しました。お任せください!」

「ああ、頼む」

通信を切ると、エリーへ繋ぐ。

「エリー、2ヶ月後に3000体の魔獣を送る。それまで敵の戦力を把握してくれ。」

「ご主人様、承知しました。」

問題がなさそうなら2ヶ月後にいよいよ魔都を攻める。
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