不死者転生 -救いのない物語- 転生した不死者は生きる為に侵略し美しい眷属を従える

不死の軍団と破滅の王

不死者転生28 仕掛け

「アリア、奴らの動向はどうだ？」

「はい。慌ただしく動いておりますが、黒鳥のみでの監視ですので、、。」

「素直に従属すれば良し、家畜として飼われたいならそれも良し。」

「そういえば、壁に吊るしていたがあれはなんだ？」

「おそらくですが、中和剤の効力を確認する為に実験したのではないかと。4時間で回収しておりましたので。」

「そうか、つまり彼らは塔を維持するような技術力があるのに、中和剤は持っていないということか。思ったより技術的に発展していないのだな。」

「どのような経緯で、あの街が存続していたのかわかりかねますが、200年前の遺産なのかもしれませんね。運用はできても仕組みや技術的な体系は失ってしまっているとか？」

「そうだな。200年前の遺産、、か。我々に対する攻撃手段は持っていると考えた方が無難か？メアはどうみる？」

メアは研究者本体を使って眷属化した為、知識は共通でも応用力の点で他より優っている。

「過去の文献から、脅威があるとすると、、瘴気を祓う武具を持っているかもしれませんね。後は、城塞都市なので爆ぜる石、、最悪は神の瞳でしょうか？」

「それぞれ説明してくれ」

「はい。まず、瘴気を祓う武具ですが、高位の巫女の血液に浄化法を用いた儀式を行い鋼材に混ぜる事で作製される武器です。効果は瘴気による自然治癒の阻害、致命的な傷を負わられると下位の魔獣や魔人は討伐される可能性があります。」

「次に爆ぜる石ですが、北方の鉱山で取れる可燃性の石と燃える水を使ったもので、衝撃により爆発すると言われています。こちらは南方大陸では鉱山がなくどの程度の威力かはわかりません。」

「最後に、、、これは我々にとって致命的な兵器です。神の瞳と言われる小さな光玉で、魔獣や魔人に触れると浄化作用が周囲に拡散されて完全に消滅させると言われています。巫女と幾人かを生贄に特殊な儀式により作られると言われています。」

「どれも脅威だな、、武具自体は当たらなければ問題ない訳だ。数で押し切れる分、そこまで脅威ではなかろうよ。爆ぜる石と神の瞳、、会談場所で使われると厳しいな。」

「おっしゃる通りです。会談の場には、私と使い魔数体で望みますのでご主人様はここからご指示ください。」

「アリア、魔人は貴重だと言っただろ？」

「しかし！ご主人様に危険が及ぶような事はできません！それなら私が行くべきなのです！」

「まぁ、落ち着け。不死者たるオレがその場にいなければ奴らに脅威を正しく伝えられないだろ？それに、手は打ってある。」

「ご主人様がそう仰るのであれば、、、」

そうは言いながらもアリアの表情は納得していない。

「メア、アレは問題ないのだろ？」

「はい。ご主人様。」

「だそうだ。後で説明するとして、、奴らが服従を拒んだ際の侵攻について話し合おう。」