不死者転生 -救いのない物語- 転生した不死者は生きる為に侵略し美しい眷属を従える

ボロン

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不死の軍団と破滅の王

不死者転生21 第三の勢力

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 オレたちは順調に勢力を拡大しながら、領土とも言える勢力圏を構築したと言えるだろう。

 眷属たちの習熟度もあがり、魔都へ向けた進軍を本格的に検討する。

段階としては、、

1. 魔都までの経路及び周辺地理の掌握

2.魔都への潜入調査

3.魔都の軍事的掌握

のシンプルな3ステップだ。

正直、今の戦力なら大抵の相手はねじ伏せられるだろう。

アリアの哨戒部隊を使って経路、周辺地理の把握を進めている。多量の使い魔が定期的に情報を共有する為、アリアはもう5日は働き詰めだ。

集めた情報をエリーが作った羊皮紙に書き込んでいく。この世界では類をみない程の精密な地図が、日に日に成長を続けるさまは、まるで世界の創造をみているようだ。

おそらく、、、魔都まで到達しただろう頃、アリアから想定していなかった情報がもたらされた。

「ご主人様、人類が、、生存しています。」

「この瘴気の中で?!本当か?」

「はい。黒毛熊などと同様に瘴気に順応した可能性もありますが、、、街の中心部から防壁に至るまで瘴気を遮断しているように見えました。詳細は地図をご覧いただきながらご説明させていただきます。」


アリアの説明によると、3万人規模の都市を拠点から北へ40kmほどの距離で発見。南北2ヶ所に出入り口のある石造り、円型に作られた防壁を備えている。

 住人については、外見的特徴で人との差異はなさそうだ。言語も同じとの事だが、アリアたちからすると時代劇のように古臭い言葉を話しているそうだ。

 身分には階級がありそうで、街の中心に行く程、豊かであり、奴隷を従えているものもいる。奴隷かどうかは手の甲に焼印があるかないかでアリア達は判断したようだ。逆に、それで判断できる程度に文化的継続性がある訳だ。

 街のいたる所に衛兵がおり、治安は保たれている。が、街の半分はスラムと言える程荒んでおり、スラムは子供の数が異常に多い。スラムと一般?のエリアは内部で明確に分かれており、外周ほどではないが簡易的な防壁により隔離されている。

 街には水路が整備されており、近くの川から水を引いて循環させている。下水道もひかれているようで衛生面や、文化的水準は思った以上に高そうだ。

 食料は東西に開拓された農業エリアでまかなわれていると思われる。街の外周程ではないが、それなりの作りの壁で広大な範囲が囲まれており、更に外周には堀が設けられている。一体、、どれ程の労力で作ったのだろうか?

 逆にこれだけの規模の農地を確保している点、街の外への往来がほとんどない事から他との交流はなさそうに見える。この200年もの間、閉鎖された中で生存していたのか?人類が絶滅しない為の最低個体数が確か二万人だった気がするから、、まぁ、あり得なくはないのか?

「街の中心に領主の館と思われる立派な建物があり、それとは別にかなりの規模の教会があります。外観からの判断ですが、、、瘴気を浄化する為の塔が五芒星を描くように街には設置されています。このような配置ですね、、、。」

「200年もの間、浄化し続ける事ができるような技術があるのか?」

「その点なのですが、、スラムは成人がほとんどおりませんでした。観察していると食糧などは配給されているようなのです。教育などを含めた文化的な支援はなく、、、予想になりますがよろしいですか?」

「ああ、続けてくれ。」

「はい。浄化には巫女により殉教者の生気を利用して行う結界法があります。五芒星の塔の近くに必ず同じ形の建物がありまして、一定以上の年齢になったスラムの人間を住まわせておりました。」

「また、その建物には聖印が刻まれておりましたので、、、中の人間の生気を少しずつ奪い効率的に浄化に使う設備と予想しています。」

「また、成人していると思われるスラムの人間は、農地との往来があり、働かされておりましたので労働力兼、浄化用の生きた燃料として飼われている、というのが正しそうです。」

「この短時間によく調べたな。さすが魔人になれただけのことはある。」

「えへへ。ありがとうございます。」

褒めた途端に仕事用の顔から一気にくだけて笑う。面白いキャラに育ったよなぁ、、実は元々こうなのかな?

「引き続き、街の様子を探ってくれ。社会の仕組みもそうだが、、せっかくアリアには特殊な能力があるんだ。街の要人を特定して人間の支配を行う為の実験をしようじゃないか。」

「はい、ご期待に添えるように頑張ります」

ハートマークでもつきそうな無邪気な声と笑顔で応える。

「ただ、、、問題があるのですが、、、、」

「なんだ?」

「はい、浄化結界の範囲外から黒鳥による偵察はできるのですが、、、街に侵入させた鼠などは活動限界がすぐに来てしまいます。使い魔による潜入調査でこれ以上は、、、」

「確かにそうだな。。」

「メアやエリーにも意見を聞くか。2人に相談して、今後の方針を決めて報告してくれ。」

「承知しました。」

普段ならすぐに行動を開始するアリアは、少しもじもじし、何か聞きたそうな様子をみせる。

「どうした?」

「いえ、、その、、、、」

「ん??」

「………あの」

「なんだ?」

「なぜご主人様は、最近私に、、、」

「私に、、その、、、飲ませてくださらないのですか?」

少し拗ねたような表情で、上目遣いに聞くアリア。

あー、、、、

「なんだ、そんな事か。」

「そんな事、、ではありません!もっと求められたい!、、のです。。」

「正直に言うとな、、、」

アリアは尋ねたくせに、飽きたと言われたらどうしょう、、というように少し身構えた表情で答えを待つ。

「魔人になって、、牙が生えたろ?さすがにそれだけ鋭い牙がはえていると裂けそうで、、、、な?」

答えを聞いたアリアの表情がパッと明るくなり

「そうだったんですね?!安心してください!」

そういうと、アリアは可愛らしい口をオレに向けて開くと、、牙が変形し普通の歯に戻る。えっ、、、そんなこと出来るの??

驚くオレにアリアはいたずらっ子の顔で得意げに説明を始める。

「ご主人様と同じ牙が嬉しくて、、、そのままにしていましたが、意識すると普通の歯に戻せるんです!」

「同じ牙、、、それが嬉しくて。でも、ご主人様?ワタシはご主人様の為に尽くしたいのですよ?」

そういうと膝まづき、美しい手でオレを取り出すと、柔らかな唇を愛しげに這わし始める。

「そうだな。お前は魔人である前にオレの性奴隷だものな。」

「アリアの口が何のためにあるのか、、教えてくれたのはご主人様ですよ?」

オレはかわいい奴隷の要望を叶えるべく応えてやる事にした。
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