不死者転生 -救いのない物語- 転生した不死者は生きる為に侵略し美しい眷属を従える

ボロン

文字の大きさ
上 下
28 / 67
不死の軍団と破滅の王

不死者転生21 第三の勢力

しおりを挟む
 オレたちは順調に勢力を拡大しながら、領土とも言える勢力圏を構築したと言えるだろう。

 眷属たちの習熟度もあがり、魔都へ向けた進軍を本格的に検討する。

段階としては、、

1. 魔都までの経路及び周辺地理の掌握

2.魔都への潜入調査

3.魔都の軍事的掌握

のシンプルな3ステップだ。

正直、今の戦力なら大抵の相手はねじ伏せられるだろう。

アリアの哨戒部隊を使って経路、周辺地理の把握を進めている。多量の使い魔が定期的に情報を共有する為、アリアはもう5日は働き詰めだ。

集めた情報をエリーが作った羊皮紙に書き込んでいく。この世界では類をみない程の精密な地図が、日に日に成長を続けるさまは、まるで世界の創造をみているようだ。

おそらく、、、魔都まで到達しただろう頃、アリアから想定していなかった情報がもたらされた。

「ご主人様、人類が、、生存しています。」

「この瘴気の中で?!本当か?」

「はい。黒毛熊などと同様に瘴気に順応した可能性もありますが、、、街の中心部から防壁に至るまで瘴気を遮断しているように見えました。詳細は地図をご覧いただきながらご説明させていただきます。」


アリアの説明によると、3万人規模の都市を拠点から北へ40kmほどの距離で発見。南北2ヶ所に出入り口のある石造り、円型に作られた防壁を備えている。

 住人については、外見的特徴で人との差異はなさそうだ。言語も同じとの事だが、アリアたちからすると時代劇のように古臭い言葉を話しているそうだ。

 身分には階級がありそうで、街の中心に行く程、豊かであり、奴隷を従えているものもいる。奴隷かどうかは手の甲に焼印があるかないかでアリア達は判断したようだ。逆に、それで判断できる程度に文化的継続性がある訳だ。

 街のいたる所に衛兵がおり、治安は保たれている。が、街の半分はスラムと言える程荒んでおり、スラムは子供の数が異常に多い。スラムと一般?のエリアは内部で明確に分かれており、外周ほどではないが簡易的な防壁により隔離されている。

 街には水路が整備されており、近くの川から水を引いて循環させている。下水道もひかれているようで衛生面や、文化的水準は思った以上に高そうだ。

 食料は東西に開拓された農業エリアでまかなわれていると思われる。街の外周程ではないが、それなりの作りの壁で広大な範囲が囲まれており、更に外周には堀が設けられている。一体、、どれ程の労力で作ったのだろうか?

 逆にこれだけの規模の農地を確保している点、街の外への往来がほとんどない事から他との交流はなさそうに見える。この200年もの間、閉鎖された中で生存していたのか?人類が絶滅しない為の最低個体数が確か二万人だった気がするから、、まぁ、あり得なくはないのか?

「街の中心に領主の館と思われる立派な建物があり、それとは別にかなりの規模の教会があります。外観からの判断ですが、、、瘴気を浄化する為の塔が五芒星を描くように街には設置されています。このような配置ですね、、、。」

「200年もの間、浄化し続ける事ができるような技術があるのか?」

「その点なのですが、、スラムは成人がほとんどおりませんでした。観察していると食糧などは配給されているようなのです。教育などを含めた文化的な支援はなく、、、予想になりますがよろしいですか?」

「ああ、続けてくれ。」

「はい。浄化には巫女により殉教者の生気を利用して行う結界法があります。五芒星の塔の近くに必ず同じ形の建物がありまして、一定以上の年齢になったスラムの人間を住まわせておりました。」

「また、その建物には聖印が刻まれておりましたので、、、中の人間の生気を少しずつ奪い効率的に浄化に使う設備と予想しています。」

「また、成人していると思われるスラムの人間は、農地との往来があり、働かされておりましたので労働力兼、浄化用の生きた燃料として飼われている、というのが正しそうです。」

「この短時間によく調べたな。さすが魔人になれただけのことはある。」

「えへへ。ありがとうございます。」

褒めた途端に仕事用の顔から一気にくだけて笑う。面白いキャラに育ったよなぁ、、実は元々こうなのかな?

「引き続き、街の様子を探ってくれ。社会の仕組みもそうだが、、せっかくアリアには特殊な能力があるんだ。街の要人を特定して人間の支配を行う為の実験をしようじゃないか。」

「はい、ご期待に添えるように頑張ります」

ハートマークでもつきそうな無邪気な声と笑顔で応える。

「ただ、、、問題があるのですが、、、、」

「なんだ?」

「はい、浄化結界の範囲外から黒鳥による偵察はできるのですが、、、街に侵入させた鼠などは活動限界がすぐに来てしまいます。使い魔による潜入調査でこれ以上は、、、」

「確かにそうだな。。」

「メアやエリーにも意見を聞くか。2人に相談して、今後の方針を決めて報告してくれ。」

「承知しました。」

普段ならすぐに行動を開始するアリアは、少しもじもじし、何か聞きたそうな様子をみせる。

「どうした?」

「いえ、、その、、、、」

「ん??」

「………あの」

「なんだ?」

「なぜご主人様は、最近私に、、、」

「私に、、その、、、飲ませてくださらないのですか?」

少し拗ねたような表情で、上目遣いに聞くアリア。

あー、、、、

「なんだ、そんな事か。」

「そんな事、、ではありません!もっと求められたい!、、のです。。」

「正直に言うとな、、、」

アリアは尋ねたくせに、飽きたと言われたらどうしょう、、というように少し身構えた表情で答えを待つ。

「魔人になって、、牙が生えたろ?さすがにそれだけ鋭い牙がはえていると裂けそうで、、、、な?」

答えを聞いたアリアの表情がパッと明るくなり

「そうだったんですね?!安心してください!」

そういうと、アリアは可愛らしい口をオレに向けて開くと、、牙が変形し普通の歯に戻る。えっ、、、そんなこと出来るの??

驚くオレにアリアはいたずらっ子の顔で得意げに説明を始める。

「ご主人様と同じ牙が嬉しくて、、、そのままにしていましたが、意識すると普通の歯に戻せるんです!」

「同じ牙、、、それが嬉しくて。でも、ご主人様?ワタシはご主人様の為に尽くしたいのですよ?」

そういうと膝まづき、美しい手でオレを取り出すと、柔らかな唇を愛しげに這わし始める。

「そうだな。お前は魔人である前にオレの性奴隷だものな。」

「アリアの口が何のためにあるのか、、教えてくれたのはご主人様ですよ?」

オレはかわいい奴隷の要望を叶えるべく応えてやる事にした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...