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解決編
その2
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細い山道を抜けると、そこは異界であった。
刑事が運転する覆面パトカーの後部座席に乗せられた俺となな子は目の前に広がる奇怪な風景に驚きそれぞれの目を大きく見開いていた。
俺たちを乗せている覆面パトカーは険路な山道を抜けると比較的ゆるやかな坂道をスピードを落としながら少しずつ下り始めておりそんな我々の前途には巨大な異界の街並みの全貌が徐々にその姿を現しつつあった。
俺が遠目から見て最初に驚いたのはその巨大な街並みの中に突出して大きな建物がいくつか屹立しておりしかもそれらの建物の間にはいっさい統一感が無い事であった。
例えばその異界の街並みの入り口付近にはまるでいくつかのガラクタを寄せ集めて造った様な全体的には生物を思わせる奇妙なデザインをした巨大な城がそそり立っていた。
更にその少し向こうには日本の中世に実在していたかもしれない柵で囲まれた大きな砦らしき建物が造られており更にその向こうの奥まった場所には大昔の観光地にあった様な派手な色の積み木細工を組み合わせたみたいな外観を持つ悪趣味な温泉旅館が建てられている。
俺は先ほど建物に統一感が無いと言ったがそれぞれの大きな建物の周りには似た様な建物が数多く集まっており、むしろいくつかのエリアに区分された場所ごとに街並みの雰囲気が統一されている感じであった。
「遊園地ー」
俺の隣で車の後部座席にその身をうずめる妻のなな子がボソリとつぶやく。
そうー。
俺たちを驚かせたその巨大な異界の街の正体はいくつかの特色がある建物群によってはっきりと分割された複数のエリアが寄せ集まって出来ている巨大な遊園地。
つまりは、テーマパークだったのだ。
俺たちを乗せた車は山道から枝分かれした坂道を抜けるとやがて件のテーマパークの敷地内へと入りそこに設けられている巨大駐車場にその車体を静かに滑り込ませた。
そして駐車場に車を停車させた俺たち一行は車内から次々と降り立つとしばしの間、そこで立ち尽くし遠目に見えるテーマパークの威容に改めて息を呑んだ。
「さぁ、それじゃ、行きましょうか」
俺たちに向けて発せられた山形刑事のその言葉に従って彼の同僚である本田刑事、そして俺となな子はゾロゾロと移動を開始した。
ベテラン刑事の後について駐車場からテーマパークの出入り口付近へと歩きその間も周りをキョロキョロと見回す俺たち一行であったが俺たちの他にも駐車場から移動する家族連れや恋人らしき人々が何組かおりどうやら今から件のテーマパークで遊び今日の晴れの日を心ゆくまで堪能しようとしているみたいであった。
やがて、俺たちはテーマパークの出入り口に辿り着くとそこでまたいったん立ち止まりその正面に掲げられた大きな看板を一斉に見上げた。
誰かが声を出してその看板を読み上げる。
「ズブリパーク」
すると、俺たちを先導していた山形刑事がこちらを振り返ると軽くうなずいてから言った。
「そう、ここはズブリパーク。少し前に某有名アニメスタジオと県が協賛して旧万博跡地に造ったテーマパークですよ。まぁ、話題性もあってかなりの人気でしてね。今日も大勢の人々で賑わっているのです」
俺が周りを見ると確かに俺たちが出入り口付近で立ち尽くしているわずかな間にも多くの人々が連れ立ってテーマパークの中に入場しておりどうやら平日であるにも関わらずかなりの活況を呈してるみたいであった。
そんな俺たちに山形刑事が声をかけてきた。
「それじゃ、わたしたちも中に入りましょうか。あなたにお見せしたいものはこのテーマパークの敷地内にあります」
そして、彼は部下である本田刑事に窓口で入場切符を4枚購入させるとそのうち2枚を俺となな子に手渡してきた。
「どうぞ、受け取って下さい。あっ、お金はいいですよ。必要経費で落とせますからね」
山形刑事に渡された切符を手に無言で立ち尽くす俺となな子。
隣に立つなな子を見ると手にしたチケットを突き刺す様な視線で凝視していた。
そんな訳で俺と妻のなな子そして二人の刑事を含む計四人は大勢の人々でにぎあうテーマパークの構内に連れ立って入場する事となったのだ。
俺たちが改札口で係員に切符を見せてからテーマパークの構内へと入場するとやはりその中は大勢の人たちで賑わい混雑していた。
件のテーマパークの出入り口付近はなんだかヨーロッパ風の建物が整然と居並んでおりその間を何組もの家族連れや友人連れそして恋人たちが笑いさざめきながら歩いている。
よく見るとその整然と並んだ建物のうち、多くは売店や土産物屋であり、買い物をする人たちで店頭が大いにぎわっている。
そして、それらの居並んだ建物を見下ろすみたいに先ほど俺が遠目で見て驚いた奇妙な外観の城がそそり立っており多くの人々がその周囲に集まり写真を撮ったりそれを天高く指さして互いに笑い合ったりしていた。
そんな大勢の人たちが行き交う雑踏の中を縫う様に歩いていた俺たちであったが先頭を行く山形刑事が頼まれもしないのにドヤ顔で説明を始める。
「ここは有名アニメスタジオであるスタジオズブリが作った映画「パウルの動く城」の世界観を再現したエリアなのです。このエリアの他にも我々が今いるズブリパークには全部で九つものエリアがあってそれぞれが「のけもの姫」や「魔女の宅配便」などスタジオズブリが作ったアニメ映画の世界を忠実に再現しているのです」
前行く山形刑事の言葉を聞きながら彼の後ろを歩く俺はその言葉を聞いてふとある事を思い浮かべる。
(ズブリパークか。そういえばなな子もズブリ映画が好きだったな。このテーマパークにも確かお義父さんの会社が出資していたはずー)
俺が隣にいるなな子をチラリと見ると彼女は硬い表情で押し黙っており前だけを見つめながら雑踏の中を一心不乱に歩いている。
一方、並んで歩く俺となな子の前で山形刑事の隣を歩く本田刑事といえば歩きながらなんだか物珍しげに周りをキョロキョロと見回しておりなんだか挙動不審であった。
やがてそんな俺たちは最初のエリアである「パウルの動く城」の世界観を再現したヨーロッパ風の街並みを通り抜けると隣接した次のエリアへとその足を踏み入れた。
そこは、一つ前のお洒落な建物が居並んだ異国情緒あふれるエリアとは大きく異なりまるでタイムスリップしたかの様な印象を見る人に与える場所であった。
「あっ、ここって「のけもの姫」のエリアですよね!俺、あの映画大好きなんですよっ!」
能天気な言葉で叫ぶ本田刑事の声が彼と一緒に歩く俺たちの耳に響く。
彼の言った通り俺たちが二番目に足を踏み入れた場所はズブリ映画「のけもの姫」の世界観を忠実に再現したエリアであった。
「のけもの姫」は中世の日本を舞台として森を開発しようとする人間たちとそれに怒ったその森に住まう古き神々との間で起こった争いを大迫力で描いた作品で実は俺も大好きなアニメ映画だ。
周りを見回すと本当にその映画を模した自然公園みたいな造りになっており豊かな自然を背景にして映画に出てくる様々なクリーチャーを形どったブランコやジャングルジム、はたまた滑り台や砂場などの遊戯施設が点々と建てられていた。
そしてそこでは大勢の子供たちが遊んでおり、それを彼らの家族であろう大人たちが周りから遠目で見守っている。
それはあまりにのどかな光景で俺の胸の中は羨望の気持ちでいっぱいに満たされる。
先ほどのエリアでもそうだったが本日このテーマパークに遊びに来ている人々は全員が実に楽しそうでありまるで天国の住人たちであるかの様であった。
もしかしたら今現在このテーマパークいる人間たちの中でこんなに暗くて沈んだ気持ちでいるのは俺とその隣で並んで歩く妻のなな子だけかもしれない。
俺が隣を歩くなな子を見ると彼女もなにやら考え込んだ表情でテーマパークの敷地内を歩いている。
俺はそんな彼女に対して声もかけれずただその傍らで寄り添う様に歩くだけしか出来なかった。
そんな重苦しい雰囲気を何気に察したのだろうか。
先頭を歩く山形刑事が自分の背後を歩く俺たち夫婦に向かって声をかけてきた。
「まぁ、全部のエリアを一つ一つ回りたい所ではありますが、別に遊びに来た訳ではないですからな。先を急ぎましょう。目的の場所はこのエリアを抜けた次のエリア内にあります。あの懐かしの名作映画「クレクレ坂より」を元にして造られたエリア内にねー。そのエリア内では昭和三十年代の港町の古き良き原風景が非常に正確に再現されているのです。きっと見たら驚きますよー」
そんな山形刑事の言葉に彼の先導でテーマパーク内を歩く俺たち夫婦や同僚である本田刑事は無言でうなずくしかなかった。
そうしてしばらくの間、山形刑事を先頭に大勢の人たちでにぎあうテーマパークの敷地内を歩いていた俺たち四人であったがやがて周りの景色は移り変わりどうやら自分たちが今までいたエリアから次のエリアへといつの間にか移動した事が分かった。
そして、俺たちの耳に。
波の音が聞こえて来たー。
[続く]
刑事が運転する覆面パトカーの後部座席に乗せられた俺となな子は目の前に広がる奇怪な風景に驚きそれぞれの目を大きく見開いていた。
俺たちを乗せている覆面パトカーは険路な山道を抜けると比較的ゆるやかな坂道をスピードを落としながら少しずつ下り始めておりそんな我々の前途には巨大な異界の街並みの全貌が徐々にその姿を現しつつあった。
俺が遠目から見て最初に驚いたのはその巨大な街並みの中に突出して大きな建物がいくつか屹立しておりしかもそれらの建物の間にはいっさい統一感が無い事であった。
例えばその異界の街並みの入り口付近にはまるでいくつかのガラクタを寄せ集めて造った様な全体的には生物を思わせる奇妙なデザインをした巨大な城がそそり立っていた。
更にその少し向こうには日本の中世に実在していたかもしれない柵で囲まれた大きな砦らしき建物が造られており更にその向こうの奥まった場所には大昔の観光地にあった様な派手な色の積み木細工を組み合わせたみたいな外観を持つ悪趣味な温泉旅館が建てられている。
俺は先ほど建物に統一感が無いと言ったがそれぞれの大きな建物の周りには似た様な建物が数多く集まっており、むしろいくつかのエリアに区分された場所ごとに街並みの雰囲気が統一されている感じであった。
「遊園地ー」
俺の隣で車の後部座席にその身をうずめる妻のなな子がボソリとつぶやく。
そうー。
俺たちを驚かせたその巨大な異界の街の正体はいくつかの特色がある建物群によってはっきりと分割された複数のエリアが寄せ集まって出来ている巨大な遊園地。
つまりは、テーマパークだったのだ。
俺たちを乗せた車は山道から枝分かれした坂道を抜けるとやがて件のテーマパークの敷地内へと入りそこに設けられている巨大駐車場にその車体を静かに滑り込ませた。
そして駐車場に車を停車させた俺たち一行は車内から次々と降り立つとしばしの間、そこで立ち尽くし遠目に見えるテーマパークの威容に改めて息を呑んだ。
「さぁ、それじゃ、行きましょうか」
俺たちに向けて発せられた山形刑事のその言葉に従って彼の同僚である本田刑事、そして俺となな子はゾロゾロと移動を開始した。
ベテラン刑事の後について駐車場からテーマパークの出入り口付近へと歩きその間も周りをキョロキョロと見回す俺たち一行であったが俺たちの他にも駐車場から移動する家族連れや恋人らしき人々が何組かおりどうやら今から件のテーマパークで遊び今日の晴れの日を心ゆくまで堪能しようとしているみたいであった。
やがて、俺たちはテーマパークの出入り口に辿り着くとそこでまたいったん立ち止まりその正面に掲げられた大きな看板を一斉に見上げた。
誰かが声を出してその看板を読み上げる。
「ズブリパーク」
すると、俺たちを先導していた山形刑事がこちらを振り返ると軽くうなずいてから言った。
「そう、ここはズブリパーク。少し前に某有名アニメスタジオと県が協賛して旧万博跡地に造ったテーマパークですよ。まぁ、話題性もあってかなりの人気でしてね。今日も大勢の人々で賑わっているのです」
俺が周りを見ると確かに俺たちが出入り口付近で立ち尽くしているわずかな間にも多くの人々が連れ立ってテーマパークの中に入場しておりどうやら平日であるにも関わらずかなりの活況を呈してるみたいであった。
そんな俺たちに山形刑事が声をかけてきた。
「それじゃ、わたしたちも中に入りましょうか。あなたにお見せしたいものはこのテーマパークの敷地内にあります」
そして、彼は部下である本田刑事に窓口で入場切符を4枚購入させるとそのうち2枚を俺となな子に手渡してきた。
「どうぞ、受け取って下さい。あっ、お金はいいですよ。必要経費で落とせますからね」
山形刑事に渡された切符を手に無言で立ち尽くす俺となな子。
隣に立つなな子を見ると手にしたチケットを突き刺す様な視線で凝視していた。
そんな訳で俺と妻のなな子そして二人の刑事を含む計四人は大勢の人々でにぎあうテーマパークの構内に連れ立って入場する事となったのだ。
俺たちが改札口で係員に切符を見せてからテーマパークの構内へと入場するとやはりその中は大勢の人たちで賑わい混雑していた。
件のテーマパークの出入り口付近はなんだかヨーロッパ風の建物が整然と居並んでおりその間を何組もの家族連れや友人連れそして恋人たちが笑いさざめきながら歩いている。
よく見るとその整然と並んだ建物のうち、多くは売店や土産物屋であり、買い物をする人たちで店頭が大いにぎわっている。
そして、それらの居並んだ建物を見下ろすみたいに先ほど俺が遠目で見て驚いた奇妙な外観の城がそそり立っており多くの人々がその周囲に集まり写真を撮ったりそれを天高く指さして互いに笑い合ったりしていた。
そんな大勢の人たちが行き交う雑踏の中を縫う様に歩いていた俺たちであったが先頭を行く山形刑事が頼まれもしないのにドヤ顔で説明を始める。
「ここは有名アニメスタジオであるスタジオズブリが作った映画「パウルの動く城」の世界観を再現したエリアなのです。このエリアの他にも我々が今いるズブリパークには全部で九つものエリアがあってそれぞれが「のけもの姫」や「魔女の宅配便」などスタジオズブリが作ったアニメ映画の世界を忠実に再現しているのです」
前行く山形刑事の言葉を聞きながら彼の後ろを歩く俺はその言葉を聞いてふとある事を思い浮かべる。
(ズブリパークか。そういえばなな子もズブリ映画が好きだったな。このテーマパークにも確かお義父さんの会社が出資していたはずー)
俺が隣にいるなな子をチラリと見ると彼女は硬い表情で押し黙っており前だけを見つめながら雑踏の中を一心不乱に歩いている。
一方、並んで歩く俺となな子の前で山形刑事の隣を歩く本田刑事といえば歩きながらなんだか物珍しげに周りをキョロキョロと見回しておりなんだか挙動不審であった。
やがてそんな俺たちは最初のエリアである「パウルの動く城」の世界観を再現したヨーロッパ風の街並みを通り抜けると隣接した次のエリアへとその足を踏み入れた。
そこは、一つ前のお洒落な建物が居並んだ異国情緒あふれるエリアとは大きく異なりまるでタイムスリップしたかの様な印象を見る人に与える場所であった。
「あっ、ここって「のけもの姫」のエリアですよね!俺、あの映画大好きなんですよっ!」
能天気な言葉で叫ぶ本田刑事の声が彼と一緒に歩く俺たちの耳に響く。
彼の言った通り俺たちが二番目に足を踏み入れた場所はズブリ映画「のけもの姫」の世界観を忠実に再現したエリアであった。
「のけもの姫」は中世の日本を舞台として森を開発しようとする人間たちとそれに怒ったその森に住まう古き神々との間で起こった争いを大迫力で描いた作品で実は俺も大好きなアニメ映画だ。
周りを見回すと本当にその映画を模した自然公園みたいな造りになっており豊かな自然を背景にして映画に出てくる様々なクリーチャーを形どったブランコやジャングルジム、はたまた滑り台や砂場などの遊戯施設が点々と建てられていた。
そしてそこでは大勢の子供たちが遊んでおり、それを彼らの家族であろう大人たちが周りから遠目で見守っている。
それはあまりにのどかな光景で俺の胸の中は羨望の気持ちでいっぱいに満たされる。
先ほどのエリアでもそうだったが本日このテーマパークに遊びに来ている人々は全員が実に楽しそうでありまるで天国の住人たちであるかの様であった。
もしかしたら今現在このテーマパークいる人間たちの中でこんなに暗くて沈んだ気持ちでいるのは俺とその隣で並んで歩く妻のなな子だけかもしれない。
俺が隣を歩くなな子を見ると彼女もなにやら考え込んだ表情でテーマパークの敷地内を歩いている。
俺はそんな彼女に対して声もかけれずただその傍らで寄り添う様に歩くだけしか出来なかった。
そんな重苦しい雰囲気を何気に察したのだろうか。
先頭を歩く山形刑事が自分の背後を歩く俺たち夫婦に向かって声をかけてきた。
「まぁ、全部のエリアを一つ一つ回りたい所ではありますが、別に遊びに来た訳ではないですからな。先を急ぎましょう。目的の場所はこのエリアを抜けた次のエリア内にあります。あの懐かしの名作映画「クレクレ坂より」を元にして造られたエリア内にねー。そのエリア内では昭和三十年代の港町の古き良き原風景が非常に正確に再現されているのです。きっと見たら驚きますよー」
そんな山形刑事の言葉に彼の先導でテーマパーク内を歩く俺たち夫婦や同僚である本田刑事は無言でうなずくしかなかった。
そうしてしばらくの間、山形刑事を先頭に大勢の人たちでにぎあうテーマパークの敷地内を歩いていた俺たち四人であったがやがて周りの景色は移り変わりどうやら自分たちが今までいたエリアから次のエリアへといつの間にか移動した事が分かった。
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