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おっぱい刑事(デカ)は推理する
その10
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キター侍に襲われた少女、三田良子との面会を終えた二人の刑事たちは、再び覆面パトカーに乗り込んで病院から出ると、現在、拠点としている学校へと戻る為に、急ピッチで車を走らせた。
そして、市内を横断した後で、ようやく拠点である学校へと戻った刑事たちは、職員用の駐車場にパトカーを止めると、車から出て、今度は詰所として学校側から使用を許可されている、校舎内の一教室へと向かった。
だが、彼らがその教室に行くと、そこには二人の教師たちが、刑事たちを部屋の中で待ち構えており、しかも二人共、かなり怒っている様子であった。
二人の刑事たちが、件の教室の横開きのドアをガラガラと開けて、室内に入ろうとしたその瞬間であった。
部屋の中にいた二人の教師たちが、座っていた椅子からそれぞれ立ち上がると、すごい勢いで、出入り口付近にいる刑事たちに詰め寄ってきたのだ。
「本田さん、乙白さん、これは一体、どういう事ですか!?」
室内にいた二人の教師の内、教室に入ろうとした刑事たちに真っ先に詰め寄ったのは、変態教師として知られる金田教諭であった。
その背後には、彼の竹馬の友である女性教諭、赤銅先生の姿もあった。
教室に入ろうとした途端に、室内にいた激おこ状態の二人の教師と向かい合う羽目になった、本田刑事と乙白刑事は、それぞれの顔に戸惑いの表情を浮かべる。
「あえて、虎穴に飛び込んだ、市川先生はともかく、僕のクラスから、また犠牲者が出るだなんてー。警察は、一体、何をやってるんですか!!」
「そうです!わたし達はもう、これ以上、我慢出来ませんっ!!」
ヒステリックな口調で、警察に対する不満を、それぞれ訴える二人の教師。
それに対して、彼らと教室の出入り口付近で対峙する二人の刑事たちは、弱々しい言葉で弁明を繰り返す。
「いや、申し訳ない。完全に、こちら側のミスだ」
「本当に、すいません。我々の、注意が足りませんでした」
教室の出入り口付近で、井戸端会議をするみたいに向かい合いながら、ギスギスとした言葉の応酬を続ける、刑事たちと教師たち。
その姿は、遠目から見ると、まるでクレーム客に対応するショップ店員の様であった。
やがて、刑事たちの煮え切らない態度に剛を煮やしたのか、金田先生がいきなり怒声を発する。
「もう、あなた方には、これ以上、任せてはおけないっ!!こうなったら、我々、教師の手で、キター侍を捕まえて見せる!!」
金田先生の宣言に驚く、二人の刑事。
その一人である本田刑事が、訝しげな口調で、目の前にいる金田教師に尋ねる。
「捕まえるって、お前ーっ。警察だって、手を焼いてるんだぞ。それを、ヘタレ教師のお前がどうやってー」
しかし、そんな本田刑事の疑問に対して、金田先生はキッパリとした口調で答える。
「そんなの決まってる!!キター侍が、出没しそうな時間帯に、僕たち教師が、学校の周辺をパトロールするんですっ!そして、キター侍がノコノコと姿を現した所を、我々自身の手で捕まえるー。それしか、方法はありません!!美鈴も、それでいいなっ!」
金田先生の隣で、刑事たちの前に立つ赤銅先生が、コクリとうなずく。
「わかったわ、正ちゃん」
なんと、二人の教師たちは、自分たちだけで学校の周りをパトロールし、キター侍を見つけた上で、彼を私人逮捕すると言うのだ。
その、彼我の戦力差を、まるで考えない、無謀な計画を聞いて、彼らの向かい側に立つ二人の刑事たちの顔に、当惑した表情が浮かぶ。
「おい、やめろよ、金田。あの市川先生でさえ、キター侍にはかなわなかったんだ。お前なんか、相手にもならないぞ」
「そうですよ、金田先生。どうか、冷静になって下さい」
けれど、隣にいる赤銅先生と共に、教室の出入り口付近で刑事たちと対峙する金田先生は、声を荒げて目の前にいる彼らを一喝すると、自己の不退転の決意を、改めて周囲に向かって宣言する。
「黙れっ!!もし、あなた達が、僕の立場だったら、何もせずにじっとしているのか!?いつ何時、次の被害者がー。自分の生徒たちの誰かが、キター侍の毒牙にかかるかもしれない。そんな状況下で、昼行灯(ひるあんどん)を決め込むなんて、僕には出来ない!!」
そう言うと、いきり立つ金田先生は、隣にいる赤銅先生に声を掛けつつ、前方で、教室の出入り口付近にたむろする二人の刑事たちを、乱暴な口調で怒鳴りつける。
「もう、いいっ!いくぞ、美鈴!こんな人たちと幾ら話をしても、時間の無駄だ。邪魔だ!!そこを、どけっ!!」
金田教諭の気迫に、押されたのだろうか。
無言で道を開ける、教室の出入り口付近に立つ二人の刑事たち。
金田先生と赤銅先生は、扉口を塞ぐように立っている、二人の刑事の間をすり抜けると、振り返りもせずに教室を出て、その場を去ってゆく。
残された二人の刑事たちは、教室内の出入り口付近に立ち尽くしながら、思わず顔を見合わせる。
彼らがそこから、ドア越しに首だけを教室の外に出すと、廊下の向こうへと歩き去る、二人の教師たちの背中が見えた。
その教師たちの後ろ姿を、教室の中で、ドアの内側に立ちながら、複雑な表情で見送る二人の刑事たち。
ドアの向こうに垣間見える、去り行く教師たちの背中を、教室の中から見つめる乙白刑事が、隣に立つ本田刑事に向かって、思わずつぶやく。
「もっと、強く引き止めなくて、良かったんでしょうか、本田さん」
本田刑事も、教室の中から、廊下の奥の方へと去って行く、二人の教師の背中を見つめながら、苦々しげな口調でつぶやく。
「金田や赤銅先生も、生徒たちを守りたくて、必死なんだろう。それなのに、これ以上、引き止めるなんて、俺には、とても出来ないよ」
乙白刑事は、その言葉にうなずくと、やはり心配げな口調でつぶやいた。
「そうですね・・・。でも、やっぱり心配なんです」
そして残念な事に、乙白刑事のその嫌な予感は、すぐに的中してしまうのであった。
[続く]
そして、市内を横断した後で、ようやく拠点である学校へと戻った刑事たちは、職員用の駐車場にパトカーを止めると、車から出て、今度は詰所として学校側から使用を許可されている、校舎内の一教室へと向かった。
だが、彼らがその教室に行くと、そこには二人の教師たちが、刑事たちを部屋の中で待ち構えており、しかも二人共、かなり怒っている様子であった。
二人の刑事たちが、件の教室の横開きのドアをガラガラと開けて、室内に入ろうとしたその瞬間であった。
部屋の中にいた二人の教師たちが、座っていた椅子からそれぞれ立ち上がると、すごい勢いで、出入り口付近にいる刑事たちに詰め寄ってきたのだ。
「本田さん、乙白さん、これは一体、どういう事ですか!?」
室内にいた二人の教師の内、教室に入ろうとした刑事たちに真っ先に詰め寄ったのは、変態教師として知られる金田教諭であった。
その背後には、彼の竹馬の友である女性教諭、赤銅先生の姿もあった。
教室に入ろうとした途端に、室内にいた激おこ状態の二人の教師と向かい合う羽目になった、本田刑事と乙白刑事は、それぞれの顔に戸惑いの表情を浮かべる。
「あえて、虎穴に飛び込んだ、市川先生はともかく、僕のクラスから、また犠牲者が出るだなんてー。警察は、一体、何をやってるんですか!!」
「そうです!わたし達はもう、これ以上、我慢出来ませんっ!!」
ヒステリックな口調で、警察に対する不満を、それぞれ訴える二人の教師。
それに対して、彼らと教室の出入り口付近で対峙する二人の刑事たちは、弱々しい言葉で弁明を繰り返す。
「いや、申し訳ない。完全に、こちら側のミスだ」
「本当に、すいません。我々の、注意が足りませんでした」
教室の出入り口付近で、井戸端会議をするみたいに向かい合いながら、ギスギスとした言葉の応酬を続ける、刑事たちと教師たち。
その姿は、遠目から見ると、まるでクレーム客に対応するショップ店員の様であった。
やがて、刑事たちの煮え切らない態度に剛を煮やしたのか、金田先生がいきなり怒声を発する。
「もう、あなた方には、これ以上、任せてはおけないっ!!こうなったら、我々、教師の手で、キター侍を捕まえて見せる!!」
金田先生の宣言に驚く、二人の刑事。
その一人である本田刑事が、訝しげな口調で、目の前にいる金田教師に尋ねる。
「捕まえるって、お前ーっ。警察だって、手を焼いてるんだぞ。それを、ヘタレ教師のお前がどうやってー」
しかし、そんな本田刑事の疑問に対して、金田先生はキッパリとした口調で答える。
「そんなの決まってる!!キター侍が、出没しそうな時間帯に、僕たち教師が、学校の周辺をパトロールするんですっ!そして、キター侍がノコノコと姿を現した所を、我々自身の手で捕まえるー。それしか、方法はありません!!美鈴も、それでいいなっ!」
金田先生の隣で、刑事たちの前に立つ赤銅先生が、コクリとうなずく。
「わかったわ、正ちゃん」
なんと、二人の教師たちは、自分たちだけで学校の周りをパトロールし、キター侍を見つけた上で、彼を私人逮捕すると言うのだ。
その、彼我の戦力差を、まるで考えない、無謀な計画を聞いて、彼らの向かい側に立つ二人の刑事たちの顔に、当惑した表情が浮かぶ。
「おい、やめろよ、金田。あの市川先生でさえ、キター侍にはかなわなかったんだ。お前なんか、相手にもならないぞ」
「そうですよ、金田先生。どうか、冷静になって下さい」
けれど、隣にいる赤銅先生と共に、教室の出入り口付近で刑事たちと対峙する金田先生は、声を荒げて目の前にいる彼らを一喝すると、自己の不退転の決意を、改めて周囲に向かって宣言する。
「黙れっ!!もし、あなた達が、僕の立場だったら、何もせずにじっとしているのか!?いつ何時、次の被害者がー。自分の生徒たちの誰かが、キター侍の毒牙にかかるかもしれない。そんな状況下で、昼行灯(ひるあんどん)を決め込むなんて、僕には出来ない!!」
そう言うと、いきり立つ金田先生は、隣にいる赤銅先生に声を掛けつつ、前方で、教室の出入り口付近にたむろする二人の刑事たちを、乱暴な口調で怒鳴りつける。
「もう、いいっ!いくぞ、美鈴!こんな人たちと幾ら話をしても、時間の無駄だ。邪魔だ!!そこを、どけっ!!」
金田教諭の気迫に、押されたのだろうか。
無言で道を開ける、教室の出入り口付近に立つ二人の刑事たち。
金田先生と赤銅先生は、扉口を塞ぐように立っている、二人の刑事の間をすり抜けると、振り返りもせずに教室を出て、その場を去ってゆく。
残された二人の刑事たちは、教室内の出入り口付近に立ち尽くしながら、思わず顔を見合わせる。
彼らがそこから、ドア越しに首だけを教室の外に出すと、廊下の向こうへと歩き去る、二人の教師たちの背中が見えた。
その教師たちの後ろ姿を、教室の中で、ドアの内側に立ちながら、複雑な表情で見送る二人の刑事たち。
ドアの向こうに垣間見える、去り行く教師たちの背中を、教室の中から見つめる乙白刑事が、隣に立つ本田刑事に向かって、思わずつぶやく。
「もっと、強く引き止めなくて、良かったんでしょうか、本田さん」
本田刑事も、教室の中から、廊下の奥の方へと去って行く、二人の教師の背中を見つめながら、苦々しげな口調でつぶやく。
「金田や赤銅先生も、生徒たちを守りたくて、必死なんだろう。それなのに、これ以上、引き止めるなんて、俺には、とても出来ないよ」
乙白刑事は、その言葉にうなずくと、やはり心配げな口調でつぶやいた。
「そうですね・・・。でも、やっぱり心配なんです」
そして残念な事に、乙白刑事のその嫌な予感は、すぐに的中してしまうのであった。
[続く]
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