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夢見る蛇の都
その36
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次の瞬間メデューサはその身をまた別の世界へと飛ばされていました。
今度は彼女はだだっ広い原野のような場所を歩いていました。
彼女の前には茫漠とした景色が広がっており更にその真ん中を貫くように長い長い道が通っていてどこまでも向こうへと続いています。
メデューサはその先が見えないどこまでも続く道をトボトボと歩いていました。
ふと空を見上げると上空にはぶ厚い雲が重苦しく垂れ込め全天を覆っており遠くから雷鳴のような音が時折り鳴り響くのが耳に届きます。
正面からは冷たい向かい風が吹いておりその風に逆らうように長い道をトボトボ歩くメデューサは寒さに思わず我が身を震わせます。
その時、隣の方から心配そうな声が響き蛇の髪の隙間に隠れた彼女の耳に届きます。
「メデューサ、寒いの?」
メデューサが驚いて声のした隣の方を振り向くとそこにはシュナン少年がおり彼女の真横で歩調を合わせるように一緒に歩いていました。
シュナン少年はメデューサの隣で寄り添うように一緒に歩いておりその端正な顔に心配そうな表情を浮かべています。
「何で泣いてるんだい?メデューサ?」
隣で歩くシュナン少年の指摘を受けてメデューサが蛇の前髪に隠された自分の顔を触ると確かに涙の後が目元や頬にくっきりと残っているのが肌触りから解りました。
どうやら確かに自分は少し前に激しく泣いていたようです。
でも、何故ー。
今の彼女にはまったく思い当たるふしがありませんでした。
その時また彼女の隣から再び声が響いてきました。
メデューサから見て隣で歩くシュナン少年とは反対方向の肩口から響くその鈴を転がすみたいな明るい少女の声はメデューサが良く知っている声でした。
「どうせまた、大あくびでもしたんでしょ?ほんとにだらしないんだから。この蛇娘は」
メデューサが声をした方に顔を振り向かせるとシュナン少年がいる右隣りとは反対側の左隣にペガサスの少女レダがおりビキニ姿のその身体を軽やかに弾ませながら歩き隣にいるメデューサをあきれたように見下ろしています。
更に別の方向から今度は野太い男性の声が聞こえて来ます。
「レダ、お前、ちょっと意地悪。口、つつしめ」
それは心優しい緑色の体色の巨人ボボンゴが放った声でした。
ボボンゴはメデューサの右隣りにいるシュナン少年のそのまた右隣りつまりシュナン少年の左右をメデューサと挟み込むみたいな形で他の仲間たちと歩調を合わせながらゆっくりと歩きその巨体でメデューサたちを真横から吹き付ける強い風からしっかりと守っていたのでした。
つまりは今の彼らはシュナンとメデューサが並んでいる左右をボボンゴとレダが固め四人が横一列となって歩調を合わせて歩きどこまでも続く長い道を和気あいあいと語り合いながら前へと進んでいたのです。
そしてメデューサが周りを見回すと彼女ら四人の他にもこの茫漠とした原野を貫く道を自分たちと同じ方向へ向かって歩いている人々が多勢いました。
メデューサたちよりはるかに前を歩いている人もいましたし後ろを振り返るとずっと後方からまるで自分たちを追いかけるかのようにこちらに向かって歩いて来る人たちも大勢いました。
彼らは人種や人数もバラバラで数人あるいはもっと大勢の集団となって歩いている人たちもいれはただ一人孤独に歩いている人もいました。
色の白い人もいれば黒い人もおり黄色い人もいてその中間の肌の色をしている人も大勢いました。
背の高い人もいれば低い人もおり男もいれば女もいてそのどちらか分からないような人もいました。
服装も多種多様でほとんど裸みたいな人もいればメデューサがよく知っている服装をしている人もおりまた見たこともない奇妙で不思議な格好をしている人もいました。
メデューサが一番驚いたのは足に重りのついた鉄の鎖をつけている人がいた事でその人は足首にはめられた鉄鎖をジャラジャラと引きずりながらも必死に前へと進んでいます。
そんなハンデを背負った人も含めてメデューサたちの周りにいる人々は時に励まし合いまた時に互いに助け合いながら一歩一歩その長い道を前へ前へと進んでいたのでした。
また歩き続けている人たちの様子や表情も様々でありメデューサたちみたいに談笑しながら楽しげに歩いている人もいれば歯を食いしばり苦しげな表情で歩き続けている人もいました。
また疲れ切って道なりにうずくまっている人もおりしかしそんな人もやがて再び立ち上がり気力を振り絞ってまた前へと歩き出すのでした。
メデューサはシュナンたちと一緒に歩きながらそんな周りで歩いている人たちの様子を興味深げに眺めていたのですが彼女の頭にふと一つの言葉が浮かびました。
(人間の旅は美しくなければー)
それはいったい誰から聞いた言葉だったでしょうか?
そんな首をかしげるメデューサに隣で歩くシュナン少年が手を差し出して来ました。
「メデューサ、一緒に行こう」
メデューサは彼の言葉にうなずくと差し出されたその手をしっかりと握ります。
手と手をつないだシュナンとメデューサは前を向くと長い長い道を互いの顔に笑顔を浮かべながらしっかりとした足取りで歩いて行きます。
彼らの左右にいるレダとボボンゴもそんな二人の姿を一緒に歩きながら優しい表情で見守っています。
彼らのー。
そしてその長い長い道を共に歩む周りにいる大勢の人間たちの前には先も見えない道程がこれから先にもずっとずっと続いているのが見てとれます。
でもメデューサはそんな果てない道をシュナン少年と共に歩みながらもちっともつらいとは思いませんでした。
向かい風は冷たかったけれどー。
道は果てなく遠いけれどー。
メデューサはシュナン少年と手を繋いで歩きながらその温かな手を離さずこのままずっと歩き続けて行きたいと思っていました。
彼とずっと一緒にいたかったからー。
しっかりと手をつないだメデューサとシュナンを含む無数の人々の連なりは天の川の如き扇状の広がりとなって地上を流れどこまでも続く長い長い道のりを真っ直ぐに進んで行きます。
やがて長い長い道を歩く彼らの遥か前途の上空に広がる雲の切れ間から青空が覗きそこからうっすらと朝の光が差し込んでいるのが垣間見えました。
[続く]
今度は彼女はだだっ広い原野のような場所を歩いていました。
彼女の前には茫漠とした景色が広がっており更にその真ん中を貫くように長い長い道が通っていてどこまでも向こうへと続いています。
メデューサはその先が見えないどこまでも続く道をトボトボと歩いていました。
ふと空を見上げると上空にはぶ厚い雲が重苦しく垂れ込め全天を覆っており遠くから雷鳴のような音が時折り鳴り響くのが耳に届きます。
正面からは冷たい向かい風が吹いておりその風に逆らうように長い道をトボトボ歩くメデューサは寒さに思わず我が身を震わせます。
その時、隣の方から心配そうな声が響き蛇の髪の隙間に隠れた彼女の耳に届きます。
「メデューサ、寒いの?」
メデューサが驚いて声のした隣の方を振り向くとそこにはシュナン少年がおり彼女の真横で歩調を合わせるように一緒に歩いていました。
シュナン少年はメデューサの隣で寄り添うように一緒に歩いておりその端正な顔に心配そうな表情を浮かべています。
「何で泣いてるんだい?メデューサ?」
隣で歩くシュナン少年の指摘を受けてメデューサが蛇の前髪に隠された自分の顔を触ると確かに涙の後が目元や頬にくっきりと残っているのが肌触りから解りました。
どうやら確かに自分は少し前に激しく泣いていたようです。
でも、何故ー。
今の彼女にはまったく思い当たるふしがありませんでした。
その時また彼女の隣から再び声が響いてきました。
メデューサから見て隣で歩くシュナン少年とは反対方向の肩口から響くその鈴を転がすみたいな明るい少女の声はメデューサが良く知っている声でした。
「どうせまた、大あくびでもしたんでしょ?ほんとにだらしないんだから。この蛇娘は」
メデューサが声をした方に顔を振り向かせるとシュナン少年がいる右隣りとは反対側の左隣にペガサスの少女レダがおりビキニ姿のその身体を軽やかに弾ませながら歩き隣にいるメデューサをあきれたように見下ろしています。
更に別の方向から今度は野太い男性の声が聞こえて来ます。
「レダ、お前、ちょっと意地悪。口、つつしめ」
それは心優しい緑色の体色の巨人ボボンゴが放った声でした。
ボボンゴはメデューサの右隣りにいるシュナン少年のそのまた右隣りつまりシュナン少年の左右をメデューサと挟み込むみたいな形で他の仲間たちと歩調を合わせながらゆっくりと歩きその巨体でメデューサたちを真横から吹き付ける強い風からしっかりと守っていたのでした。
つまりは今の彼らはシュナンとメデューサが並んでいる左右をボボンゴとレダが固め四人が横一列となって歩調を合わせて歩きどこまでも続く長い道を和気あいあいと語り合いながら前へと進んでいたのです。
そしてメデューサが周りを見回すと彼女ら四人の他にもこの茫漠とした原野を貫く道を自分たちと同じ方向へ向かって歩いている人々が多勢いました。
メデューサたちよりはるかに前を歩いている人もいましたし後ろを振り返るとずっと後方からまるで自分たちを追いかけるかのようにこちらに向かって歩いて来る人たちも大勢いました。
彼らは人種や人数もバラバラで数人あるいはもっと大勢の集団となって歩いている人たちもいれはただ一人孤独に歩いている人もいました。
色の白い人もいれば黒い人もおり黄色い人もいてその中間の肌の色をしている人も大勢いました。
背の高い人もいれば低い人もおり男もいれば女もいてそのどちらか分からないような人もいました。
服装も多種多様でほとんど裸みたいな人もいればメデューサがよく知っている服装をしている人もおりまた見たこともない奇妙で不思議な格好をしている人もいました。
メデューサが一番驚いたのは足に重りのついた鉄の鎖をつけている人がいた事でその人は足首にはめられた鉄鎖をジャラジャラと引きずりながらも必死に前へと進んでいます。
そんなハンデを背負った人も含めてメデューサたちの周りにいる人々は時に励まし合いまた時に互いに助け合いながら一歩一歩その長い道を前へ前へと進んでいたのでした。
また歩き続けている人たちの様子や表情も様々でありメデューサたちみたいに談笑しながら楽しげに歩いている人もいれば歯を食いしばり苦しげな表情で歩き続けている人もいました。
また疲れ切って道なりにうずくまっている人もおりしかしそんな人もやがて再び立ち上がり気力を振り絞ってまた前へと歩き出すのでした。
メデューサはシュナンたちと一緒に歩きながらそんな周りで歩いている人たちの様子を興味深げに眺めていたのですが彼女の頭にふと一つの言葉が浮かびました。
(人間の旅は美しくなければー)
それはいったい誰から聞いた言葉だったでしょうか?
そんな首をかしげるメデューサに隣で歩くシュナン少年が手を差し出して来ました。
「メデューサ、一緒に行こう」
メデューサは彼の言葉にうなずくと差し出されたその手をしっかりと握ります。
手と手をつないだシュナンとメデューサは前を向くと長い長い道を互いの顔に笑顔を浮かべながらしっかりとした足取りで歩いて行きます。
彼らの左右にいるレダとボボンゴもそんな二人の姿を一緒に歩きながら優しい表情で見守っています。
彼らのー。
そしてその長い長い道を共に歩む周りにいる大勢の人間たちの前には先も見えない道程がこれから先にもずっとずっと続いているのが見てとれます。
でもメデューサはそんな果てない道をシュナン少年と共に歩みながらもちっともつらいとは思いませんでした。
向かい風は冷たかったけれどー。
道は果てなく遠いけれどー。
メデューサはシュナン少年と手を繋いで歩きながらその温かな手を離さずこのままずっと歩き続けて行きたいと思っていました。
彼とずっと一緒にいたかったからー。
しっかりと手をつないだメデューサとシュナンを含む無数の人々の連なりは天の川の如き扇状の広がりとなって地上を流れどこまでも続く長い長い道のりを真っ直ぐに進んで行きます。
やがて長い長い道を歩く彼らの遥か前途の上空に広がる雲の切れ間から青空が覗きそこからうっすらと朝の光が差し込んでいるのが垣間見えました。
[続く]
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