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アルテミスの森の魔女
そね22
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さて、無事?に命の花をそれぞれ手にしたメデューサとレダはシュナン少年の元にそれを届けるために急いで山を降りようとします、
再びメデューサを背中に乗せたレダのペガサスは空中高く舞い上がり花咲き山の緑に包まれた頂を後にします。
周りを連山に囲まれた花咲き山の姿はあっという間に遠ざかり霧の中に見えなくなります。
レダのペガサスは霧に包まれた高い連山の峰々を越えてシュナン少年の待つ魔女の家があるアルテミスの森の外れを目指し真っしぐらに飛んで行きます。
上空を矢の様に飛ぶレダのペガサスの白い影を連山の中央部に屹立する高い岩山に身を潜ませる竜王クラムエンダーはその真紅の眼を光らせながら見上げていました。
メデューサを背中に乗せたレダのペガサスは一陣の風のようにアルテミスの森の上を横断するとあっという間に森の外れにある魔女マンスリーの家が上空から見える地点にまで到達しました。
そして上空から滑空するように降下し魔女の家の玄関先の地面にフワリと舞い降りました。
ペガサスの口とメデューサの手の中にはそれぞれ七色の花びらを持つ花の姿が見えます。
メデューサたちが戻ってきたのに気づいた吟遊詩人デイスが家の中から飛び出して来ました。
「おかえりなさいっ!ご無事でなによりですぜっ!」
ちょっと間をおいて魔女マンスリーも手を後ろに組みながらゆっくりと扉をくぐって家の外に出て来ました。
「ご苦労だったね。花は手に入ったかい?」
メデューサはレダのペガサスの背中からポンと飛び降りると手に持っている花をマンスリーの方に突き出して彼女に見せました。
レダのペガサスも口に咥えている七色の花びらを持つ花をマンスリーに見せるためにその長い首をマンスリーの方に向けます。
マンスリーは二人の少女が首尾よく命の花を手に入れたのを確認すると大きくうなずいて言いました。
「上々だね。さぁ、早く家にお入りその花を材料にあの少年を救う薬を作るとしよう」
再会を喜ぶ間も無く家の中へとメデューサたちを招き入れる魔女マンスリー。
レダも人間の姿に戻ると慌てて上下のビキニを身につけて身なりを整え命の花を片手に急いで玄関口の扉をくぐります。
家の中に入るとマンスリーはメデューサたちに次々と指示を出します。
まず、吟遊詩人デイスには未だに病床に伏せるシュナン少年の側に付き添い何か異変があったらすぐに知らせるよう言いつけます。
そしてメデューサとレダには自分と一緒に台所に来るように言いました。
三人は家の奥にある台所に入ると早速シュナン少年を救う為の薬作りを開始します。
マンスリーはメデューサとレダが手に入れて来た命の花を受け取るとそれを台所の机に置いた水晶製の小皿に乗せその上に手をかざして呪文を唱えます。
メデューサとレダはマンスリーの指示で鍋に湯を沸かしたりすり鉢で薬草を混ぜ合わせたりして薬作りに協力しました。
やがて複雑な過程を経て薬は完成に近づきメデューサとレダが持ち帰った七色の花はエキスを抽出され細かく細断された上で様々な加工を施され今ではキラキラと光を放ついくつかの一口サイズのお団子のような姿に変貌していました。
他の二人とは少し離れた台所の隅に近い場所で指示を受けた作業をしていたレダは魔女マンスリーの手際の良さに感心しながらも作業が一段落したのを見計らって気になっていた事を彼女に聞きました。
「ねぇ、おばあさん。ちょっと気になってたんだけどその花の花弁ってどうして個体によって二種類の色に分かれてるの?赤と白に」
マンスリーの側で作業を手伝っていたメデューサもその事は気になっていたので思わず隣に立つマンスリーの横顔を見つめます。
皿に乗っている命の花を元にしたお団子みたいな薬に粉状のなにかをかけていたマンスリーはレダのその質問に対して薬を注視するその視線を動かす事なく淡々とした口調で答えます。
「ああ、気づいたんだね。まぁ、大した事じゃないよ。薬の材料としての効き目には関係ないしね」
納得できずに質問を繰り返すレダ。
「でも、やっぱり気になるわ。何か意味があるんでしょ?」
メデューサの隣で薬の仕上げをしているマンスリーは肩をすくめながら質問に答えます。
「命の花は誰かを慕う強い気持ちが花を開かさせるんだけど花弁の色はその想い人が自分の事をどう思っているかを反映するんだよ。つまり赤色の花弁なら両思い、白色なら片思いという事さ」
マンスリーの言葉を聞いてその隣で薬を作る手伝いをしていたメデューサは真っ赤になりました。
そしてレダはそんなメデューサの姿をチラリと横目で見ると頬を膨らませながらプイとそっぽを向きました。
さて、いよいよ薬が完成するとマンスリーはそれをシュナンに与えるために彼がベッドに伏せる部屋に移動します。
もちろんメデューサとレダも後に続きます。
彼女たち三人がシュナンが病に伏せる寝室に入ると彼は下着姿でベッドにグッタリと横たわっていました。
その傍ではデイスが木の椅子に座っておりベッドの上のシュナン少年を心配そうに見ています。
「シュナン!!」
シュナン少年が寝ているベッドの側に駆け寄り病に伏せる彼の目隠しをした顔をジッと見下ろすメデューサとレダ。
ベッドの側で木の椅子に座るデイスが深刻な表情で首を振ります。
「ずっと、うなされて意識が戻りませんぜ。このままじゃ危ないですぜ」
ベッドの左右にそれぞれ陣取り両側から挟み込むようにシュナンの枕元に手をついていたメデューサとレダが思わず息を呑みます。
そんな深刻な雰囲気を振り払うように魔女マンスリーはゆっくりとシュナンの横たわるベッドに近づきます。
彼女の手の中にはつい先ほど完成した命の花を材料とした丸薬が包み紙にくるまれた状態で載っていました。
マンスリーはその薬を持ってシュナン少年の枕元に近づくとベッドの側で深刻そうに座っている吟遊詩人デイスに指示を出します。
「この子の身体を起こすんだ。薬を飲ませるからね」
それを聞いた吟遊詩人デイスはあわてて椅子から立ち上がるとベッドに横たわるシュナン少年に近づきます。
そして彼の背中に手を回して抱き起こし少年の上半身をベッドから浮かせた状態にしました。
魔女マンスリーはデイスに支えられながらベッドに半身を起こしたシュナン少年の側に寄ると手にした丸薬を彼の口にそっと含ませました。
そのとたん、朦朧としていたシュナン少年は目隠しをしたその顔を思いっきりしかめました。
「ううーっ!!」
シュナン少年は奇声を上げると自分を支えているデイスの手を振り払い再びベッドに大の字となって倒れ込みました。
そしてベッドの周りに立つ仲間たちが心配そうに見守る中、スースーと寝息を立てて深い眠りにつきました。
「シュナン・・・」
シュナンが眠るベッドの左右に陣取り彼の様子を気が気でない様子で見つめるメデューサとレダ。
そんな彼女たちに対してシュナンの枕元の近くに立ち少年の寝顔を後ろ手を組みながら見下ろしている魔女マンスリーが静かな声で告げました。
「もう大丈夫だよ。二、三日安静にすれば、元気になるだろう」
その言葉を聞いたメデューサとレダの顔に安堵の表情が広がります。
そして二人はシュナン少年が眠るベッドを挟んで互いに顔を見合わせるとそれぞれが嬉しそうな笑顔を浮かべました。
魔女マンスリーもそんな二人の姿を見て目を細めます。
先ほどまでシュナンの横たわるベッドに手をついて前のめりの姿勢で少年の様子を見つめていた吟遊詩人デイスも今はベッドの側で椅子に座りホッと息をついています。
一方、シュナン少年はそんな仲間たちの気持ちを知ってか知らずかベッドでスヤスヤと眠りこけていました。
彼のベッドを取り囲んでいる仲間たちは先ほどまでとは違い安らかな表情を浮かべて眠りにつくその姿を見て一様に安堵の表情を浮かべています。
こうして、絶体絶命だったシュナン少年はなんとか命をとりとめ生き長らえる事が出来たのでした。
シュナン少年がベッドに伏せる魔女の家の寝室に集まった彼の仲間たちはそれぞれホッとした表情を浮かべつつベッドに伏せる少年の安らかな寝顔を見下ろしています。
やがて、その様子を部屋の隅から見ていた寝室の窓近くに立て掛けられた師匠の杖がボソリと呟きます。
「やれやれ、ようやく一息つけるか。まったく世話のかかる連中だわい」
[続く]
再びメデューサを背中に乗せたレダのペガサスは空中高く舞い上がり花咲き山の緑に包まれた頂を後にします。
周りを連山に囲まれた花咲き山の姿はあっという間に遠ざかり霧の中に見えなくなります。
レダのペガサスは霧に包まれた高い連山の峰々を越えてシュナン少年の待つ魔女の家があるアルテミスの森の外れを目指し真っしぐらに飛んで行きます。
上空を矢の様に飛ぶレダのペガサスの白い影を連山の中央部に屹立する高い岩山に身を潜ませる竜王クラムエンダーはその真紅の眼を光らせながら見上げていました。
メデューサを背中に乗せたレダのペガサスは一陣の風のようにアルテミスの森の上を横断するとあっという間に森の外れにある魔女マンスリーの家が上空から見える地点にまで到達しました。
そして上空から滑空するように降下し魔女の家の玄関先の地面にフワリと舞い降りました。
ペガサスの口とメデューサの手の中にはそれぞれ七色の花びらを持つ花の姿が見えます。
メデューサたちが戻ってきたのに気づいた吟遊詩人デイスが家の中から飛び出して来ました。
「おかえりなさいっ!ご無事でなによりですぜっ!」
ちょっと間をおいて魔女マンスリーも手を後ろに組みながらゆっくりと扉をくぐって家の外に出て来ました。
「ご苦労だったね。花は手に入ったかい?」
メデューサはレダのペガサスの背中からポンと飛び降りると手に持っている花をマンスリーの方に突き出して彼女に見せました。
レダのペガサスも口に咥えている七色の花びらを持つ花をマンスリーに見せるためにその長い首をマンスリーの方に向けます。
マンスリーは二人の少女が首尾よく命の花を手に入れたのを確認すると大きくうなずいて言いました。
「上々だね。さぁ、早く家にお入りその花を材料にあの少年を救う薬を作るとしよう」
再会を喜ぶ間も無く家の中へとメデューサたちを招き入れる魔女マンスリー。
レダも人間の姿に戻ると慌てて上下のビキニを身につけて身なりを整え命の花を片手に急いで玄関口の扉をくぐります。
家の中に入るとマンスリーはメデューサたちに次々と指示を出します。
まず、吟遊詩人デイスには未だに病床に伏せるシュナン少年の側に付き添い何か異変があったらすぐに知らせるよう言いつけます。
そしてメデューサとレダには自分と一緒に台所に来るように言いました。
三人は家の奥にある台所に入ると早速シュナン少年を救う為の薬作りを開始します。
マンスリーはメデューサとレダが手に入れて来た命の花を受け取るとそれを台所の机に置いた水晶製の小皿に乗せその上に手をかざして呪文を唱えます。
メデューサとレダはマンスリーの指示で鍋に湯を沸かしたりすり鉢で薬草を混ぜ合わせたりして薬作りに協力しました。
やがて複雑な過程を経て薬は完成に近づきメデューサとレダが持ち帰った七色の花はエキスを抽出され細かく細断された上で様々な加工を施され今ではキラキラと光を放ついくつかの一口サイズのお団子のような姿に変貌していました。
他の二人とは少し離れた台所の隅に近い場所で指示を受けた作業をしていたレダは魔女マンスリーの手際の良さに感心しながらも作業が一段落したのを見計らって気になっていた事を彼女に聞きました。
「ねぇ、おばあさん。ちょっと気になってたんだけどその花の花弁ってどうして個体によって二種類の色に分かれてるの?赤と白に」
マンスリーの側で作業を手伝っていたメデューサもその事は気になっていたので思わず隣に立つマンスリーの横顔を見つめます。
皿に乗っている命の花を元にしたお団子みたいな薬に粉状のなにかをかけていたマンスリーはレダのその質問に対して薬を注視するその視線を動かす事なく淡々とした口調で答えます。
「ああ、気づいたんだね。まぁ、大した事じゃないよ。薬の材料としての効き目には関係ないしね」
納得できずに質問を繰り返すレダ。
「でも、やっぱり気になるわ。何か意味があるんでしょ?」
メデューサの隣で薬の仕上げをしているマンスリーは肩をすくめながら質問に答えます。
「命の花は誰かを慕う強い気持ちが花を開かさせるんだけど花弁の色はその想い人が自分の事をどう思っているかを反映するんだよ。つまり赤色の花弁なら両思い、白色なら片思いという事さ」
マンスリーの言葉を聞いてその隣で薬を作る手伝いをしていたメデューサは真っ赤になりました。
そしてレダはそんなメデューサの姿をチラリと横目で見ると頬を膨らませながらプイとそっぽを向きました。
さて、いよいよ薬が完成するとマンスリーはそれをシュナンに与えるために彼がベッドに伏せる部屋に移動します。
もちろんメデューサとレダも後に続きます。
彼女たち三人がシュナンが病に伏せる寝室に入ると彼は下着姿でベッドにグッタリと横たわっていました。
その傍ではデイスが木の椅子に座っておりベッドの上のシュナン少年を心配そうに見ています。
「シュナン!!」
シュナン少年が寝ているベッドの側に駆け寄り病に伏せる彼の目隠しをした顔をジッと見下ろすメデューサとレダ。
ベッドの側で木の椅子に座るデイスが深刻な表情で首を振ります。
「ずっと、うなされて意識が戻りませんぜ。このままじゃ危ないですぜ」
ベッドの左右にそれぞれ陣取り両側から挟み込むようにシュナンの枕元に手をついていたメデューサとレダが思わず息を呑みます。
そんな深刻な雰囲気を振り払うように魔女マンスリーはゆっくりとシュナンの横たわるベッドに近づきます。
彼女の手の中にはつい先ほど完成した命の花を材料とした丸薬が包み紙にくるまれた状態で載っていました。
マンスリーはその薬を持ってシュナン少年の枕元に近づくとベッドの側で深刻そうに座っている吟遊詩人デイスに指示を出します。
「この子の身体を起こすんだ。薬を飲ませるからね」
それを聞いた吟遊詩人デイスはあわてて椅子から立ち上がるとベッドに横たわるシュナン少年に近づきます。
そして彼の背中に手を回して抱き起こし少年の上半身をベッドから浮かせた状態にしました。
魔女マンスリーはデイスに支えられながらベッドに半身を起こしたシュナン少年の側に寄ると手にした丸薬を彼の口にそっと含ませました。
そのとたん、朦朧としていたシュナン少年は目隠しをしたその顔を思いっきりしかめました。
「ううーっ!!」
シュナン少年は奇声を上げると自分を支えているデイスの手を振り払い再びベッドに大の字となって倒れ込みました。
そしてベッドの周りに立つ仲間たちが心配そうに見守る中、スースーと寝息を立てて深い眠りにつきました。
「シュナン・・・」
シュナンが眠るベッドの左右に陣取り彼の様子を気が気でない様子で見つめるメデューサとレダ。
そんな彼女たちに対してシュナンの枕元の近くに立ち少年の寝顔を後ろ手を組みながら見下ろしている魔女マンスリーが静かな声で告げました。
「もう大丈夫だよ。二、三日安静にすれば、元気になるだろう」
その言葉を聞いたメデューサとレダの顔に安堵の表情が広がります。
そして二人はシュナン少年が眠るベッドを挟んで互いに顔を見合わせるとそれぞれが嬉しそうな笑顔を浮かべました。
魔女マンスリーもそんな二人の姿を見て目を細めます。
先ほどまでシュナンの横たわるベッドに手をついて前のめりの姿勢で少年の様子を見つめていた吟遊詩人デイスも今はベッドの側で椅子に座りホッと息をついています。
一方、シュナン少年はそんな仲間たちの気持ちを知ってか知らずかベッドでスヤスヤと眠りこけていました。
彼のベッドを取り囲んでいる仲間たちは先ほどまでとは違い安らかな表情を浮かべて眠りにつくその姿を見て一様に安堵の表情を浮かべています。
こうして、絶体絶命だったシュナン少年はなんとか命をとりとめ生き長らえる事が出来たのでした。
シュナン少年がベッドに伏せる魔女の家の寝室に集まった彼の仲間たちはそれぞれホッとした表情を浮かべつつベッドに伏せる少年の安らかな寝顔を見下ろしています。
やがて、その様子を部屋の隅から見ていた寝室の窓近くに立て掛けられた師匠の杖がボソリと呟きます。
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[続く]
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