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陰謀
隠し部屋
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自分の家族を処刑された場面を見ていないので、ヴェンデルガルトには実感がない。今が二百年後の世だという事も、不思議に思うくらいだ。旅に来て、知らない土地にいるような感じなのだ。
しかし、アインホルン辺境伯と共にバッハシュタイン王国を滅ぼした貴族が、一緒に作り上げた国を滅ぼそうとしているのは皮肉に感じた。
時間が空いた時、ヴェンデルガルトは図書室でこの国の歴史を学んだ。やはり裏切りで出来た国なので、同じような事件が何度かあった。裏切りは裏切りを産む。それが歴史だと言われれば仕方ないが、そんな悲しい事件はなくした方がいい。皺寄せに貧しくなるのは、いつも庶民だからだ。
ヴェンデルガルトは、民を護る為に今回の謀反を最小限で止めたいと感じていた。だから、ジークハルト達と一緒に頑張っている。それで、ラムブレヒト公爵たちが処刑される事になっても――仕方がない、と自分に言い聞かせていた。
「初めまして、ヴェンデルガルト様。レナータ・エラ・ラムブレヒトでございます」
教会に着きレナータの部屋に通されると、暫くして化粧が薄い上品な女性が姿を現せた。穏やかでにこやかだ。服も黒のシックなワンピース姿で、所作は上品だが侯爵の人間と思えない質素な姿だった。
「お噂でしか知りませんが、二百年の時を経てバッハシュタイン王国の王女であるあなたにお会いできたことを、光栄に思います」
祈る用な仕草をしてヴェンデルガルトに頭を下げると、レナータは三人に椅子を勧めた。
「突然の訪問、本当に申し訳ありませんでした」
ヴェンデルガルトも優雅にお辞儀をすると、勧められた椅子に座った。ギルゲルトとロルフもそれに倣う。
「いいえ、お気になさらず――夫と娘の事で、来られたのでしょう」
レナータはハーブティーを入れると、三人に渡して自分の分も机に置く。娘が毒を扱うので、失礼を承知でロルフが先にそのハーブティーを口にした。
「夫は強欲で――娘もそれに似ました。私は、あの二人には付いていけません。離婚をして正式に教会に仕えたかったのですが、夫のブルーノは世間体を気にして許してくれませんでした。今離れて暮らして、心穏やかに過ごしています」
「そうですか。お二人に最近会いましたか?」
ヴェンデルガルトの言葉に、レナータは首を横に振ってから何かを思い出したように動きを止めた。
「何カ月も前に、私に贈り物だと――家具と本を送ってきました。私は会いたくなかったので、町に出ていました」
「それだわ!」
ヴェンデルガルトは立ち上がり、ティーカップをレナータの机に置いて彼女に問いかけた。それには、レナータを始めギルゲルトとロルフも驚いたようだ。
「それは、何処に?」
「こちらです」
戸惑いながらもレナータは立ち上がって、奥の部屋に続くドアを開けた。ヴェンデルガルトが付いて行くと、ギルゲルトとロルフも慌てて付いて行った。
「経済学や植物の本、小説――私があまり興味ない本ばかりだったので、手を付けていません」
奥の部屋は、ベッドルームも兼ねているようだった。あまり物を置かない質素にも取れる部屋の壁際に、本棚のような真新しい家具が置かれていた。三人はその家具を見るが、特に不自然な所はなかった。ただ、ひどく重い家具だった。男二人では持ち上げられそうにない。
「特別、おかしな所はないですね」
ロルフも、不思議そうな顔になる。しかしヴェンデルガルトが、続けてレナータに訊ねる。
「この後ろは、ただの壁ですか? なんか、変な空間がありますね?」
本棚になっている家具は、左右は奥が深い作りになっていて、中央はその半分の奥行だ。
「いえ、使っていない物置部屋があります。必要な時邪魔になるから、扉の前に置かないで欲しかったのですが」
その言葉で、ヴェンデルガルトの表情が確信したものになった。
「ギルゲルト様。バルシュミーデ皇国の紋章は、二頭の獅子に薔薇が描かれた紋章でしたよね?」
「そうです。その薔薇から、薔薇騎士団が作られました」
ヴェンデルガルトは、本の背表紙を探す――獅子が描かれているものだ。それは、確かに左右の本棚の端にあった。しかも、それは紙の本ではなく木で出来たものだった。それに触ると、その木の本もどきは横の木の枠に吸い込まれる様にゆっくり沈んで、カチャリと音が鳴る。
「これは!?」
「あとは薔薇! 薔薇を探して!」
ヴェンデルガルトの言葉に、ギルゲルトとロルフも必死に探した。レナータは、まさか自分の部屋に怪しいものがあるとは知らず、驚いたように口を手で押さえていた。
「ありました!」
ロルフが、一番下にあった薔薇の模様が描かれた木の本もどきを見つけて押した。それも本棚に吸い込まれる様に消えた。
ガタン
三つの本もどきが消えると、大きな音がして薄い中央の部分が半分ほど後ろに下がって、左右に分けて開いた。代わりにそこには、物置とされている部屋のドアが見えた。
「消えた家具職人の……まさか、こんな所にあるなんて!」
ギルベルトが驚いた声を上げた。そうして、そのドアを開けた――真っ先に見えたのは、苦しそうなフロレンツィアの姿だった。
「フロレンツィア!?」
「彼女に触れるな!」
急に、聞き慣れない声が上がった。振り返ろうとしたギルベルトに向かって、フロレンツィアと逃げた執事が剣を振りかぶって襲おうとしていた。
しかし、アインホルン辺境伯と共にバッハシュタイン王国を滅ぼした貴族が、一緒に作り上げた国を滅ぼそうとしているのは皮肉に感じた。
時間が空いた時、ヴェンデルガルトは図書室でこの国の歴史を学んだ。やはり裏切りで出来た国なので、同じような事件が何度かあった。裏切りは裏切りを産む。それが歴史だと言われれば仕方ないが、そんな悲しい事件はなくした方がいい。皺寄せに貧しくなるのは、いつも庶民だからだ。
ヴェンデルガルトは、民を護る為に今回の謀反を最小限で止めたいと感じていた。だから、ジークハルト達と一緒に頑張っている。それで、ラムブレヒト公爵たちが処刑される事になっても――仕方がない、と自分に言い聞かせていた。
「初めまして、ヴェンデルガルト様。レナータ・エラ・ラムブレヒトでございます」
教会に着きレナータの部屋に通されると、暫くして化粧が薄い上品な女性が姿を現せた。穏やかでにこやかだ。服も黒のシックなワンピース姿で、所作は上品だが侯爵の人間と思えない質素な姿だった。
「お噂でしか知りませんが、二百年の時を経てバッハシュタイン王国の王女であるあなたにお会いできたことを、光栄に思います」
祈る用な仕草をしてヴェンデルガルトに頭を下げると、レナータは三人に椅子を勧めた。
「突然の訪問、本当に申し訳ありませんでした」
ヴェンデルガルトも優雅にお辞儀をすると、勧められた椅子に座った。ギルゲルトとロルフもそれに倣う。
「いいえ、お気になさらず――夫と娘の事で、来られたのでしょう」
レナータはハーブティーを入れると、三人に渡して自分の分も机に置く。娘が毒を扱うので、失礼を承知でロルフが先にそのハーブティーを口にした。
「夫は強欲で――娘もそれに似ました。私は、あの二人には付いていけません。離婚をして正式に教会に仕えたかったのですが、夫のブルーノは世間体を気にして許してくれませんでした。今離れて暮らして、心穏やかに過ごしています」
「そうですか。お二人に最近会いましたか?」
ヴェンデルガルトの言葉に、レナータは首を横に振ってから何かを思い出したように動きを止めた。
「何カ月も前に、私に贈り物だと――家具と本を送ってきました。私は会いたくなかったので、町に出ていました」
「それだわ!」
ヴェンデルガルトは立ち上がり、ティーカップをレナータの机に置いて彼女に問いかけた。それには、レナータを始めギルゲルトとロルフも驚いたようだ。
「それは、何処に?」
「こちらです」
戸惑いながらもレナータは立ち上がって、奥の部屋に続くドアを開けた。ヴェンデルガルトが付いて行くと、ギルゲルトとロルフも慌てて付いて行った。
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奥の部屋は、ベッドルームも兼ねているようだった。あまり物を置かない質素にも取れる部屋の壁際に、本棚のような真新しい家具が置かれていた。三人はその家具を見るが、特に不自然な所はなかった。ただ、ひどく重い家具だった。男二人では持ち上げられそうにない。
「特別、おかしな所はないですね」
ロルフも、不思議そうな顔になる。しかしヴェンデルガルトが、続けてレナータに訊ねる。
「この後ろは、ただの壁ですか? なんか、変な空間がありますね?」
本棚になっている家具は、左右は奥が深い作りになっていて、中央はその半分の奥行だ。
「いえ、使っていない物置部屋があります。必要な時邪魔になるから、扉の前に置かないで欲しかったのですが」
その言葉で、ヴェンデルガルトの表情が確信したものになった。
「ギルゲルト様。バルシュミーデ皇国の紋章は、二頭の獅子に薔薇が描かれた紋章でしたよね?」
「そうです。その薔薇から、薔薇騎士団が作られました」
ヴェンデルガルトは、本の背表紙を探す――獅子が描かれているものだ。それは、確かに左右の本棚の端にあった。しかも、それは紙の本ではなく木で出来たものだった。それに触ると、その木の本もどきは横の木の枠に吸い込まれる様にゆっくり沈んで、カチャリと音が鳴る。
「これは!?」
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ヴェンデルガルトの言葉に、ギルゲルトとロルフも必死に探した。レナータは、まさか自分の部屋に怪しいものがあるとは知らず、驚いたように口を手で押さえていた。
「ありました!」
ロルフが、一番下にあった薔薇の模様が描かれた木の本もどきを見つけて押した。それも本棚に吸い込まれる様に消えた。
ガタン
三つの本もどきが消えると、大きな音がして薄い中央の部分が半分ほど後ろに下がって、左右に分けて開いた。代わりにそこには、物置とされている部屋のドアが見えた。
「消えた家具職人の……まさか、こんな所にあるなんて!」
ギルベルトが驚いた声を上げた。そうして、そのドアを開けた――真っ先に見えたのは、苦しそうなフロレンツィアの姿だった。
「フロレンツィア!?」
「彼女に触れるな!」
急に、聞き慣れない声が上がった。振り返ろうとしたギルベルトに向かって、フロレンツィアと逃げた執事が剣を振りかぶって襲おうとしていた。
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