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赤薔薇 ジークハルト
優しい光景
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「明日から、通常任務に戻る事になりました」
夕食の席で、カールがしょんぼりとした様子でヴェンデルガルトにそう話した。ヴェンデルガルトは基本城から外に出る事はないし、先日の魔獣侵入のような事件がなければそう危険がある訳でもない。
カールは最前線で戦う騎士なので、万が一に備えなければならないのだから仕方がなかった。
「会えなくなる訳ではないのですから、そう気を落とされませんように」
ヴェンデルガルトが慰めても、カールの気は晴れない。
「ジークハルト以外は皆ライバルだなんて、俺辛いよ」
ジークハルトには、婚約者がいる。そのお陰で、カールはヴェンデルガルトがジークハルトと会っていても、安心しているようだ。
「時間が会えば、またこうしてお食事をしたりお茶して貰えるかな?」
ヴェンデルガルトの様子を窺うように、カールは小さくそう尋ねた。ヴェンデルガルトは、にっこりと微笑んだ。
「勿論ですわ、カール様」
ヴェンデルガルトに微笑まれると、カールは笑顔になった。機嫌を良くして、楽しく食事を終えてカールは部屋を出て行った。
次の日、夕方三時の少し前。約束通りジークハルトが部屋を訪れた。「これを」と、ヴェンデルガルトに手土産をいつもの不愛想な顔で渡す。不思議な、籠のようなものに包みがふんわりと巻かれている。時折動く気配がするのが、少し不気味だ。それに、少し重い。
「あ、あの……開けてもよろしいでしょうか?」
「ああ、早く開けてくれた方がいいかもしれない」
ジークハルトの返事は、不思議なものだった。首を傾げながら包みを開くと中には真っ白い毛で赤い大きな瞳の、垂れた耳の小さな犬らしい小動物が入っていた。ハッハッと小さく息を繰り返し、じっとヴェンデルガルトを見つめている。
「まあ、クルトにそっくり!」
「本当に……」
ヴェンデルガルトが驚いた声を上げると、覗き込んだビルギットもそれに頷いた。ヴェンデルガルトが子供の頃に、城で姉が飼っていた魔獣のアプトという犬に似ていた。魔獣と言っても、アプトは人に害をなさない。むしろ、ちゃんと躾けをすると主を護衛してくれるのだ。
「礼は要らないと言われましたが――たまたま昨日、黄薔薇騎士団が怪我をして親とはぐれたらしいアプトを見つけた、と報告を貰い……気晴らしになれば、と連れてきた。気に召さないなら、外に放つが」
「人の匂いが付いたアプトは、仲間から嫌がられます。いいのでしょうか? 私が飼っても」
「勿論だ――許可は取ってある。君の護衛にするといい」
「まあ、嬉しい! 有難うございます、ジークハルト様!」
すぐに、嬉しそうなヴェンデルガルトの声が上がった。籠から白いアプトを出してやり、優しく抱き締める。
――やはり、変わっているな。
フロレンツィアや他の女性たちは、自分を飾り立てるものを欲しがる。アプトをあげても、眉を顰めて「いらない」と言うだろう。彼女は血が滲んだ包帯が巻かれた後ろ足に気が付くと、すぐに治癒魔法をかけてやる。アプトはそれが分かると、喜んでヴェンデルガルトの頬を舐めて飛びついている。見ていて微笑ましい、穏やかな光景だ。
「ジークハルト様、この子の名前を付けて下さらないですか?」
「俺が?」
彼女の提案に、ジークハルトは驚いたように声を上げた。
「はい、お願いします」
女性の頼みは出来る限り叶えてやりなさい、という叔父の言葉を思い出してジークハルトはアプトを見つめた。
「では――テオ、はどうだろう?」
呼びやすい名前を、提案してみた。彼女が気に入るか分からないか、不思議と浮かんだ名前だ。
「素敵ですね。では、テオにします――よろしくね、テオ」
「ワン!」
鳴き声も、犬と変わらない。テオはヴェンデルガルトの腕を降りると、ジークハルトの足元を回った。
「では、お茶にしましょう。今日は、ジークハルト様が好きなジャバの実を使った焼き菓子です。お茶は、私が好きなローズティーです」
ビルギットとカリーナが、すぐにお茶の用意をしだす。彼女たちの邪魔にならないように、ジークハルトはテオを抱き上げた。すると尻尾を振って、テオはジークハルトの頬を舐めた。
「まあ、テオ駄目ですよ」
「いや、いい」
不思議と、テオに舐められるのは嫌ではなかった。動物と触れ合う事で、ジークハルトは少し優しい顔になる。
彼女といると、驚く事や初めての感情に戸惑う事がある。だけどそれらは嫌なものではなく、気恥ずかしくてくすぐったい。ジークハルトは、自分を気取らずにいられるような安心感に包まれる。
――やはり、不思議な女性だ。
一度や二度のお茶で、彼女の事を理解は出来ない。ジークハルトは、もう少し長い目で彼女を見ようと……彼女の傍にいよう、と考えながらティーセットが並んだ椅子にヴェンデルガルトをエスコートして自分も椅子に座った。
夕食の席で、カールがしょんぼりとした様子でヴェンデルガルトにそう話した。ヴェンデルガルトは基本城から外に出る事はないし、先日の魔獣侵入のような事件がなければそう危険がある訳でもない。
カールは最前線で戦う騎士なので、万が一に備えなければならないのだから仕方がなかった。
「会えなくなる訳ではないのですから、そう気を落とされませんように」
ヴェンデルガルトが慰めても、カールの気は晴れない。
「ジークハルト以外は皆ライバルだなんて、俺辛いよ」
ジークハルトには、婚約者がいる。そのお陰で、カールはヴェンデルガルトがジークハルトと会っていても、安心しているようだ。
「時間が会えば、またこうしてお食事をしたりお茶して貰えるかな?」
ヴェンデルガルトの様子を窺うように、カールは小さくそう尋ねた。ヴェンデルガルトは、にっこりと微笑んだ。
「勿論ですわ、カール様」
ヴェンデルガルトに微笑まれると、カールは笑顔になった。機嫌を良くして、楽しく食事を終えてカールは部屋を出て行った。
次の日、夕方三時の少し前。約束通りジークハルトが部屋を訪れた。「これを」と、ヴェンデルガルトに手土産をいつもの不愛想な顔で渡す。不思議な、籠のようなものに包みがふんわりと巻かれている。時折動く気配がするのが、少し不気味だ。それに、少し重い。
「あ、あの……開けてもよろしいでしょうか?」
「ああ、早く開けてくれた方がいいかもしれない」
ジークハルトの返事は、不思議なものだった。首を傾げながら包みを開くと中には真っ白い毛で赤い大きな瞳の、垂れた耳の小さな犬らしい小動物が入っていた。ハッハッと小さく息を繰り返し、じっとヴェンデルガルトを見つめている。
「まあ、クルトにそっくり!」
「本当に……」
ヴェンデルガルトが驚いた声を上げると、覗き込んだビルギットもそれに頷いた。ヴェンデルガルトが子供の頃に、城で姉が飼っていた魔獣のアプトという犬に似ていた。魔獣と言っても、アプトは人に害をなさない。むしろ、ちゃんと躾けをすると主を護衛してくれるのだ。
「礼は要らないと言われましたが――たまたま昨日、黄薔薇騎士団が怪我をして親とはぐれたらしいアプトを見つけた、と報告を貰い……気晴らしになれば、と連れてきた。気に召さないなら、外に放つが」
「人の匂いが付いたアプトは、仲間から嫌がられます。いいのでしょうか? 私が飼っても」
「勿論だ――許可は取ってある。君の護衛にするといい」
「まあ、嬉しい! 有難うございます、ジークハルト様!」
すぐに、嬉しそうなヴェンデルガルトの声が上がった。籠から白いアプトを出してやり、優しく抱き締める。
――やはり、変わっているな。
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「ジークハルト様、この子の名前を付けて下さらないですか?」
「俺が?」
彼女の提案に、ジークハルトは驚いたように声を上げた。
「はい、お願いします」
女性の頼みは出来る限り叶えてやりなさい、という叔父の言葉を思い出してジークハルトはアプトを見つめた。
「では――テオ、はどうだろう?」
呼びやすい名前を、提案してみた。彼女が気に入るか分からないか、不思議と浮かんだ名前だ。
「素敵ですね。では、テオにします――よろしくね、テオ」
「ワン!」
鳴き声も、犬と変わらない。テオはヴェンデルガルトの腕を降りると、ジークハルトの足元を回った。
「では、お茶にしましょう。今日は、ジークハルト様が好きなジャバの実を使った焼き菓子です。お茶は、私が好きなローズティーです」
ビルギットとカリーナが、すぐにお茶の用意をしだす。彼女たちの邪魔にならないように、ジークハルトはテオを抱き上げた。すると尻尾を振って、テオはジークハルトの頬を舐めた。
「まあ、テオ駄目ですよ」
「いや、いい」
不思議と、テオに舐められるのは嫌ではなかった。動物と触れ合う事で、ジークハルトは少し優しい顔になる。
彼女といると、驚く事や初めての感情に戸惑う事がある。だけどそれらは嫌なものではなく、気恥ずかしくてくすぐったい。ジークハルトは、自分を気取らずにいられるような安心感に包まれる。
――やはり、不思議な女性だ。
一度や二度のお茶で、彼女の事を理解は出来ない。ジークハルトは、もう少し長い目で彼女を見ようと……彼女の傍にいよう、と考えながらティーセットが並んだ椅子にヴェンデルガルトをエスコートして自分も椅子に座った。
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