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3日目 西条市
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新居浜特急線は、定刻よりやや遅れてやってきた。
路線バスはリクライニングシートを備えた大型のもの。
西条市まで1時間ほどの山越えになるので、これは腰が助かる。
乗客は10人ほどで、若い女性が多いように感じた。
田園地帯を横目に高度を徐々に上げて、バスは桜三里の峠道へ。
名前のとおり、国道沿いに桜が植えられている。
愛媛県でも有名な桜スポットの一つで、春はさぞ煌びやかなことだろう。
峠を越えて下り勾配になると、西条市の市境を示す看板が見えてきた。
人口は10万人、愛媛県の東予地方にあり商工業が盛んだ。
隣接する新居浜市を含めた工業地帯は四国でもトップクラスで、今治造船やルネサスエレクトロニクスなどが工場を置いている。
旧丹原町を抜けて旧小松町にさしかかると、車窓にJR予讃線が見えて来る。
10時18分、小松総合支所前のバス停で下車。
ここはファミリーマートの駐車場に併設されていて、待合所はイートインスペースと併用だ。
国道を東へ歩き、伊予小松駅を目指す。
途中、四国八十八箇所六十二番礼所、宝寿寺の看板を見かけたので寄り道。
広い境内や目を引く建物があるわけではないが、小さくまとまった趣のある寺だ。
ネットで調べると、四国八十八か所巡りの寺院でつくる「四国八十八ヶ所霊場会」とトラブルがあり、一時期は退会していたとのこと。
祈りの世界でも運営するのが人間である以上、世俗的な対立は避けられないようだ。
小松総合支所前のバス停から10分ほどで伊予小松駅へ到着した。
駅前は少し寂しいが、無人駅のわりに駅舎は綺麗で掃除が行き届いている。
ここは特急が止まらないため、10時38分の電車に乗って今治方面へ向かう。
10時44分、壬生川駅に到着。
新選組ファンなのでつい「みぶ」と読みたくなるが、「にゅうがわ」が正しい呼び方だ。
次の特急が来るまで40分あるので、駅の周辺を散策。
特急停車駅だけあり駅前は広く、立派なバスターミナルとタクシー乗り場もある。
駅の隣にはパン屋が営業していて、イートインスペースも見えた。
線路を挟んだ向かいにある公園までは『ぽんぽこ橋』というエレベーター付きの陸橋がかかっている。
橋には可愛らしいタヌキのイラストが多数飾られていた。
この壬生川駅の周辺は宝永2年(1705年)の風水害や虫害によって、大変な飢饉にみまわれていた。
それを救ったのが、駅から10分離れた『大気味神社』に住んでいた喜左衛門という名の大タヌキ。
喜左衛門の伝承は多く、人間に変身して日露戦争に出征し、妖術を駆使して日本軍の勝利に貢献したという話もある。
そんな大狸は今も地域に愛され『たぬきまんじゅう』として地元のお土産にもなっている。
11時22分、特急いしづちがホームへとやってくる。
自由席に乗り込み松山駅へと戻る。
これで愛媛の行きたいところはほぼ回った、後は松山市をたっぷりと堪能したい。
路線バスはリクライニングシートを備えた大型のもの。
西条市まで1時間ほどの山越えになるので、これは腰が助かる。
乗客は10人ほどで、若い女性が多いように感じた。
田園地帯を横目に高度を徐々に上げて、バスは桜三里の峠道へ。
名前のとおり、国道沿いに桜が植えられている。
愛媛県でも有名な桜スポットの一つで、春はさぞ煌びやかなことだろう。
峠を越えて下り勾配になると、西条市の市境を示す看板が見えてきた。
人口は10万人、愛媛県の東予地方にあり商工業が盛んだ。
隣接する新居浜市を含めた工業地帯は四国でもトップクラスで、今治造船やルネサスエレクトロニクスなどが工場を置いている。
旧丹原町を抜けて旧小松町にさしかかると、車窓にJR予讃線が見えて来る。
10時18分、小松総合支所前のバス停で下車。
ここはファミリーマートの駐車場に併設されていて、待合所はイートインスペースと併用だ。
国道を東へ歩き、伊予小松駅を目指す。
途中、四国八十八箇所六十二番礼所、宝寿寺の看板を見かけたので寄り道。
広い境内や目を引く建物があるわけではないが、小さくまとまった趣のある寺だ。
ネットで調べると、四国八十八か所巡りの寺院でつくる「四国八十八ヶ所霊場会」とトラブルがあり、一時期は退会していたとのこと。
祈りの世界でも運営するのが人間である以上、世俗的な対立は避けられないようだ。
小松総合支所前のバス停から10分ほどで伊予小松駅へ到着した。
駅前は少し寂しいが、無人駅のわりに駅舎は綺麗で掃除が行き届いている。
ここは特急が止まらないため、10時38分の電車に乗って今治方面へ向かう。
10時44分、壬生川駅に到着。
新選組ファンなのでつい「みぶ」と読みたくなるが、「にゅうがわ」が正しい呼び方だ。
次の特急が来るまで40分あるので、駅の周辺を散策。
特急停車駅だけあり駅前は広く、立派なバスターミナルとタクシー乗り場もある。
駅の隣にはパン屋が営業していて、イートインスペースも見えた。
線路を挟んだ向かいにある公園までは『ぽんぽこ橋』というエレベーター付きの陸橋がかかっている。
橋には可愛らしいタヌキのイラストが多数飾られていた。
この壬生川駅の周辺は宝永2年(1705年)の風水害や虫害によって、大変な飢饉にみまわれていた。
それを救ったのが、駅から10分離れた『大気味神社』に住んでいた喜左衛門という名の大タヌキ。
喜左衛門の伝承は多く、人間に変身して日露戦争に出征し、妖術を駆使して日本軍の勝利に貢献したという話もある。
そんな大狸は今も地域に愛され『たぬきまんじゅう』として地元のお土産にもなっている。
11時22分、特急いしづちがホームへとやってくる。
自由席に乗り込み松山駅へと戻る。
これで愛媛の行きたいところはほぼ回った、後は松山市をたっぷりと堪能したい。
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