肺がんだった話

結城有子

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併用療法

NSAIDs

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 2024年11月14日、6クール目の点滴────のはずでした。が、キャンセルになりました。

 原因は白血球数が基準値に満たなかったためです。2.6とかかな。うろ覚えだけど。とにかく基準値の3にちょっと足りなかったのです。

 それはそれとして、11月上旬に腰痛が出たことについて、まず相談しました。

 腰痛が始まったのは10月31日のこと。5クール目の点滴から8日目です。最初はウエストの背中側、右側の辺りに軽い痛みを感じるようになりました。

 11月1日はドライブに出かけたのですが、その間も少しずつ痛みが強くなっていました。じっとしてると何ともないけど、車の乗り降りをすると痛む。「もしかして、これがギックリ腰というやつか!」と思いました。違ったみたいだけど。

 じわじわ痛みが強まるところが、ギックリ腰っぽくないらしい。それに、どうも背骨に沿って内出血っぽく赤くなっている部分があるようなのです。自分では見えないので、夫に写真に撮って見せてもらいました。

 ウエストから上に向かって、幅が2センチくらい、長さが15センチくらいの赤い線。ギックリ腰でこんなふうに赤くなることなんて、ないよなあ。

 そして翌日の11月2日。この日が痛みのピークでした。椅子に座ったり立ち上がったりするのがつらい。座った状態でじっとしているのが、一番マシ。

 これはたまらん、ということで、湿布を貼って寝ました。翌朝になると、ちょっぴりよくなったような気がします。ギックリ腰なら迷わず整形外科にかかるのですが、どうも違うみたい。でもやっぱり痛い。

 我慢できなくて、7119に電話してしまいました。すると「外科と内科を受診してください」とのこと。すぐ受診するよう指示が出たのは意外でした。てっきり翌日の月曜日まで様子見でいいと言われるかと思っていたので。

 指示に従って救急診療センターに行ってきました。外科の先生は、赤い線を見て「内出血とはちょっと違うかなあ」とおっしゃいました。骨折だったら痛みはこんなものじゃ済まないそうなので、応急処置としては痛み止めと湿布を処方するくらい。どちらも前に外科にかかったとき処方されたものが残っているので、それを使うことにしました。

 さっそくその日から、湿布を使用開始。四日ほど続けて湿布を貼って寝ました。そのうち自然によくなっちゃったわけなんですけども。赤い線も、いつの間にかほとんど消えていました。

 ────という経過を、主治医のS先生にお話ししたところ、先生は「うーん」と首をひねります。痛む場所が、先生の目にも謎らしい。

 で、それはそれとして、「白血球が少ないのは、湿布の影響があるかもしれませんね」と言われてびっくり。外用薬が、そんなふうに影響することがあるなんて。思ってもみませんでした。

「湿布はアリムタと相性がよくないんですよ」

 いま使っている抗がん剤と、相性が悪いのだそうです。むう。

「どの湿布なら大丈夫とか、種類がありますか?」
「うーん……。湿布は全部、エヌセイズなんですよね……」

 エヌセイズが何だかわからないけど、使っちゃダメらしいことだけは伝わりました。ロキソニンとボルタレンは避けたほうがいい、というくらいにしか認識していなかったけど、気を付けよう。

 帰宅後、「エヌセイズ」について調べてみました。エヌセイズはNSAIDsと表記し、これは「非ステロイド性抗炎症薬」の英語を略したものです。解熱・鎮痛・消炎の効果を持つ薬の総称とのこと。

 具体的には、個人的に馴染みのあるものを挙げると、次のようなものがあるようです。(※これで全部というわけではありません)

・アスピリン(バファリン)
・イブプロフェン(イブ)
・ロキソプロフェン(ロキソニン)
・ジクロフェナク(ボルタレン)
・インドメタシン(湿布など消炎鎮痛剤)
・フェルビナク(湿布など消炎鎮痛剤)

 なるほど。確かにこれは痛み止めも湿布も全滅っぽい。

 痛み止めはアセトアミノフェンだけ使っておけば安心みたいだけど、外科的に痛めちゃったときにはどうしたらいいの。

 調べてみたところ、成分にサリチル酸メチル、サリチル酸グリコールを使っているものであれば、NSAIDsには含まれないそうです。

 具体的な製品名を挙げると、次のものがあるとのこと。

・サロンパス
・サロンシップ
・パテックス

 医療用のものだと、MS冷湿布やMS温湿布というものがあったそうですが、どちらも製造中止なのだとか。ということは、確かにS先生のおっしゃるとおり、医療用のものに関しては「湿布は全部────」となってしまうわけですね。

 それにしても、外用薬でもダメなものがあるとは。気を付けよう。

 もっとも、今はまだ湿布の影響かどうかは確定していません。

「一週間後の血液検査の結果を見て、白血球数がどう変化しているかで、対応を考えましょう」

 場合によっては血液科の先生に相談することになるかもしれないそうです。血液科なんて科もあるのね。

 とりあえず、自分が使っても大丈夫そうな湿布を少し買い置きしておこうかしら。
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