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併用療法
効果判定
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主治医のS先生は「2クール目が終わったら効果判定をしましょう」とおっしゃって、造影剤を使ったCTスキャン検査の予約を入れました。
検査は2024年8月14日。結果を聞いたのは、2クール目の点滴から3週間後の8月22日のことでした。
先生はCTスキャンの画像を見せながら、解説してくれました。
「原発性の肺がんが、ここです。長さは変わってませんが、太さが半分くらいに減ってますね」
少しずつ痛みも咳も減っている実感があったので、効果についてはあまり心配していませんでしたが、こうして聞くとやっぱり安心します。
左の肺に転移したものも小さくなり、リンパ節への転移も小さくなっているそうです。
CEAマーカーの値も、133まで下がっていました。耳鼻科から紹介されて初めて検査したときには、700近かったのに。すばらしい。ビバ、抗がん剤!
「治療効果ありと判定します。このまま治療を継続しましょう」
「はい」
「ただし────」
む?
「点滴は1週間延期して、来週にしましょう」
白血球数が2.9と、基準値を下回っているからとのことでした。副作用の骨髄抑制の影響ですね。基準値は3なんですって。ちょっぴり足りない。
「4週間周期にすれば、ちょうどよく戻ると思います」
「はい」
もともと白血球数はちょいと少なめなほうなのですが、よけいなことは言わずにおきました。きっと先生は治療開始前の値を見て、そこは承知しておいででしょうし。
このやり取りで、ひとつ謎が解けました。
解けた謎は、点滴のサイクルについてです。3週間または4週間ごとに点滴をすると聞いていましたが、何を基準にサイクルの長さを決めるのか不思議だったんですよね。「3週間でも4週間でもいいなら、間隔が空くほうが楽じゃない?」と思ってました。
でも逆だった。
最大の治療効果を得るには、3週間のほうがいい。でも副作用から3週間では十分に回復しない場合には4週間に伸ばす、ということのようです。
検査は2024年8月14日。結果を聞いたのは、2クール目の点滴から3週間後の8月22日のことでした。
先生はCTスキャンの画像を見せながら、解説してくれました。
「原発性の肺がんが、ここです。長さは変わってませんが、太さが半分くらいに減ってますね」
少しずつ痛みも咳も減っている実感があったので、効果についてはあまり心配していませんでしたが、こうして聞くとやっぱり安心します。
左の肺に転移したものも小さくなり、リンパ節への転移も小さくなっているそうです。
CEAマーカーの値も、133まで下がっていました。耳鼻科から紹介されて初めて検査したときには、700近かったのに。すばらしい。ビバ、抗がん剤!
「治療効果ありと判定します。このまま治療を継続しましょう」
「はい」
「ただし────」
む?
「点滴は1週間延期して、来週にしましょう」
白血球数が2.9と、基準値を下回っているからとのことでした。副作用の骨髄抑制の影響ですね。基準値は3なんですって。ちょっぴり足りない。
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