28 / 47
第28話 ワンチャンはありえない
しおりを挟む
「…………!」
「………………!」
サンカクちゃん、とコメントで呼びかけられて二人で絶句する。
舞亜瑠のニックネームが“マルちゃん”であることはリアルの知り合いしか知りえないことだった。
このサンカクちゃんって呼び方は、明らかにリアルを知っている人間のコメントに違いなかった。
そのときはこのコメントを無視したのだが。
配信後。
「やばいやばいどうしよおに……山本先輩。ぜったい私たちのこと知っている人のコメントだったよね?」
つい最近あんな危険な目にあったばかりだ、舞亜瑠が敏感になるのも当然だと武士郎は思った。
なにしろチャンネル登録者数52万人のVtuberである、中には熱狂的なファンだって何人もいる。
ありがたい存在ではあるんだけど、リアルではただの女子高校生にすぎない舞亜瑠にとって身バレしてリアル凸……つまり実際に会いにこられてしまったりしたら恐怖でしかない。
特に舞亜瑠はこないだの事件以来、武士郎以外の男に対してはかなり恐怖心を持つようになってしまっているし……。
あと、Vtuberやってるってことを学校関係者に知られるのも嫌だしな。
「もしかしたら学校関係者ってこともあるかもな……。もしクラスメートとかだったりしたら、におわせ発言とかしてくるかもしれない。ちょっと注意していこう」
「うん」
「あとこいつの正体わかるまでは、舞亜瑠は」
「笠原!」
「……はいはい、笠原が外を歩くときはなるべく小南江とか俺とかと一緒に動くこと。ひとりっきりは危ないかもしれない」
ただでさえこないだの事件について逆恨みしているやつらがいるかもしれないしな。
サッカー部の連中は全国から集められていたから退学処分うけたやつらはみな実家にかえったはずだけど、慎重になってなりすぎるってことはないだろう。
★
「先輩、相談があるす」
放課後、学校の自動販売機の前。
休日に舞亜瑠と食事行く分には父親からお金をもらえるけど、普段はおこづかいでやりくりしないといけないので自販機のジュースで我慢だ。
「私の相談なんでおごるすよ?」
小南江はそういうけど、後輩の女の子におごらせるのはちょっとな。
「いいよ、自分の分くらいは自分で買うぞ」
そういって一番安い紙パックジュースを買う。
舞亜瑠と小南江も紙パックを買って、三人並んで中庭の見える廊下でジュースのストローをくわえる。
舞亜瑠はいつものふわふわのルーズポニーテール、小南江はさらさらの黒髪ショートカット、二人並ぶと本当に美少女コンビだ。
「で、いったい相談ってなんだよ?」
聞かれた小南江は、
「あ、そうでした……。あのすね、私、なんか最近ストーカーされてるみたいなんすよね」
「ストーカー!?」
まあ小南江くらいかわいければ惚れる男はいくらでもいるだろうが、ストーカーとなるとちょっと話は別だ。
「ストーカーって、具体的にどういうことされてるんだ?」
「うーん、あのすね、えっと、靴箱に手紙入れられたり。っていうか自宅のポストにも手紙はいってたりするんすよね……」
「それは怖いな」
自宅まで知られていてそこに直接手紙入れられるのは怖いな。
「手紙って、どんな手紙なんだ?」
「今までは好きですとかいつも見てますとかそれだけだったんすけど……実は、今日も入ってたんすけど。今日のはいつものとちがくて。えっと、これなんすけど」
小南江はカバンからそれを取り出す。
見ると、かわいらしい封筒に一枚の便せんが入っている。
それを見せてもらった。
手書きの手紙だ。
❀❀❀❀❀
九文字小南江さま。
あなたのことが好きです。
ずっと好きです。
いつも見ています。
あなたと二人きりでお話がしたいです。
ほかの誰にも言わずに、今日の放課後、旧体育館の裏に来てください。
ふたりきりでお話がしたいです。
いろいろ伝えたいです。
ずっと待ってます。
必ずひとりで来てください。
❀❀❀❀❀
「……今日?」
コクンとうなずく小南江。
「うーん、うーん、一人できてくれっていうのは、怖いなー。差出人もないし」
「そうなんすよ、差出人もないんすよ。怖くないすか? 怖いすよね? 私もいままでRINEとかで呼び出されて告白されたこととかありますけど、紙の手紙は初めてっす。ほんと怖い」
「無視しちゃえばいいんじゃない?」
舞亜瑠がそういうが、小南江は、
「怖い怖い怖い! 無視とかしてすっぽかしたらそれはそれで逆恨みされるのも怖いすから、あの、私、今からここに行きます。で、まあ会ってみて好みの男じゃなかったら断りますんで、先輩、マルちゃんと一緒にちょっとこっそり旧体育館のとこにいてくれませんか? ばれないように」
「ああ、まあいいけど。……ん? 会ってみて好みの男だったらどうすんだ?」
「そりゃ、まあ、ほら、その場合はまあ、ね?」
ちょっと瞳をキラキラさせて言う小南江。
「こないだネトフルでスタンドバイミーって古い映画を見たんすけど、リヴァーフェニックスみたいな顔の男だったらちょっとRINE交換してもいいかなって。その場合に備えて一人でこいっていうから一人のフリして行くす」
「………………まあ、いいけど、うちの学校にはそんなイケメンいないと思うぞ……ってかあの映画の時点だとリヴァーフェニックスって子役だろ、ショタかお前……」
「正直、オネショタのオネになりたい願望はあるす」
「ショタをもてあそべるほどの恋愛経験とかあるの?」
そこに舞亜瑠が口を出す。
「この子、なにもないよ……友達として寂しくなるよ……」
「マルちゃんうるさいなあ! マルちゃんは山本先輩といい感じだからってそういうふうに余裕ぶってさ!」
「えへへー、そんなでもないよ、ね、山本先輩?」
いやそんなふうに言うなよ、お前は俺の妹だろ、と思ったけど一応学校ではそれは言わないでおく約束があったので黙っておく。舞亜瑠の彼氏だと思われていれば、舞亜瑠に変な男がよってくるのを防げるだろうしな。
武士郎は俺以外の男が舞亜瑠に近づくのは許さん、と思ってから、いや待て、俺は兄なんだから俺以外の男ってどういうことだ? 兄なら妹に彼氏ができるくらい、温かい目でみてやれば……。いやでもそれはそれですごく腹立つ、なぜだろう。
「山本先輩! そんなわけで今日これから、いいすか? 私、一人のフリをして旧体育館にいきますんで、マルちゃんとこっそりついてきてくださいよ!」
「最初から俺たち三人で行けばいいんじゃないか?」
「一人で来いって書いてるじゃないすか! 断るならいいけど、ワンチャン、イケショタだったら相手の印象悪くなるようなことしたくないす」
「……わりとお前、いい性格してるな……。まあいい、こっそりついていってやるよ」
そんなワンチャンはありえないと思うけどなあ。
「………………!」
サンカクちゃん、とコメントで呼びかけられて二人で絶句する。
舞亜瑠のニックネームが“マルちゃん”であることはリアルの知り合いしか知りえないことだった。
このサンカクちゃんって呼び方は、明らかにリアルを知っている人間のコメントに違いなかった。
そのときはこのコメントを無視したのだが。
配信後。
「やばいやばいどうしよおに……山本先輩。ぜったい私たちのこと知っている人のコメントだったよね?」
つい最近あんな危険な目にあったばかりだ、舞亜瑠が敏感になるのも当然だと武士郎は思った。
なにしろチャンネル登録者数52万人のVtuberである、中には熱狂的なファンだって何人もいる。
ありがたい存在ではあるんだけど、リアルではただの女子高校生にすぎない舞亜瑠にとって身バレしてリアル凸……つまり実際に会いにこられてしまったりしたら恐怖でしかない。
特に舞亜瑠はこないだの事件以来、武士郎以外の男に対してはかなり恐怖心を持つようになってしまっているし……。
あと、Vtuberやってるってことを学校関係者に知られるのも嫌だしな。
「もしかしたら学校関係者ってこともあるかもな……。もしクラスメートとかだったりしたら、におわせ発言とかしてくるかもしれない。ちょっと注意していこう」
「うん」
「あとこいつの正体わかるまでは、舞亜瑠は」
「笠原!」
「……はいはい、笠原が外を歩くときはなるべく小南江とか俺とかと一緒に動くこと。ひとりっきりは危ないかもしれない」
ただでさえこないだの事件について逆恨みしているやつらがいるかもしれないしな。
サッカー部の連中は全国から集められていたから退学処分うけたやつらはみな実家にかえったはずだけど、慎重になってなりすぎるってことはないだろう。
★
「先輩、相談があるす」
放課後、学校の自動販売機の前。
休日に舞亜瑠と食事行く分には父親からお金をもらえるけど、普段はおこづかいでやりくりしないといけないので自販機のジュースで我慢だ。
「私の相談なんでおごるすよ?」
小南江はそういうけど、後輩の女の子におごらせるのはちょっとな。
「いいよ、自分の分くらいは自分で買うぞ」
そういって一番安い紙パックジュースを買う。
舞亜瑠と小南江も紙パックを買って、三人並んで中庭の見える廊下でジュースのストローをくわえる。
舞亜瑠はいつものふわふわのルーズポニーテール、小南江はさらさらの黒髪ショートカット、二人並ぶと本当に美少女コンビだ。
「で、いったい相談ってなんだよ?」
聞かれた小南江は、
「あ、そうでした……。あのすね、私、なんか最近ストーカーされてるみたいなんすよね」
「ストーカー!?」
まあ小南江くらいかわいければ惚れる男はいくらでもいるだろうが、ストーカーとなるとちょっと話は別だ。
「ストーカーって、具体的にどういうことされてるんだ?」
「うーん、あのすね、えっと、靴箱に手紙入れられたり。っていうか自宅のポストにも手紙はいってたりするんすよね……」
「それは怖いな」
自宅まで知られていてそこに直接手紙入れられるのは怖いな。
「手紙って、どんな手紙なんだ?」
「今までは好きですとかいつも見てますとかそれだけだったんすけど……実は、今日も入ってたんすけど。今日のはいつものとちがくて。えっと、これなんすけど」
小南江はカバンからそれを取り出す。
見ると、かわいらしい封筒に一枚の便せんが入っている。
それを見せてもらった。
手書きの手紙だ。
❀❀❀❀❀
九文字小南江さま。
あなたのことが好きです。
ずっと好きです。
いつも見ています。
あなたと二人きりでお話がしたいです。
ほかの誰にも言わずに、今日の放課後、旧体育館の裏に来てください。
ふたりきりでお話がしたいです。
いろいろ伝えたいです。
ずっと待ってます。
必ずひとりで来てください。
❀❀❀❀❀
「……今日?」
コクンとうなずく小南江。
「うーん、うーん、一人できてくれっていうのは、怖いなー。差出人もないし」
「そうなんすよ、差出人もないんすよ。怖くないすか? 怖いすよね? 私もいままでRINEとかで呼び出されて告白されたこととかありますけど、紙の手紙は初めてっす。ほんと怖い」
「無視しちゃえばいいんじゃない?」
舞亜瑠がそういうが、小南江は、
「怖い怖い怖い! 無視とかしてすっぽかしたらそれはそれで逆恨みされるのも怖いすから、あの、私、今からここに行きます。で、まあ会ってみて好みの男じゃなかったら断りますんで、先輩、マルちゃんと一緒にちょっとこっそり旧体育館のとこにいてくれませんか? ばれないように」
「ああ、まあいいけど。……ん? 会ってみて好みの男だったらどうすんだ?」
「そりゃ、まあ、ほら、その場合はまあ、ね?」
ちょっと瞳をキラキラさせて言う小南江。
「こないだネトフルでスタンドバイミーって古い映画を見たんすけど、リヴァーフェニックスみたいな顔の男だったらちょっとRINE交換してもいいかなって。その場合に備えて一人でこいっていうから一人のフリして行くす」
「………………まあ、いいけど、うちの学校にはそんなイケメンいないと思うぞ……ってかあの映画の時点だとリヴァーフェニックスって子役だろ、ショタかお前……」
「正直、オネショタのオネになりたい願望はあるす」
「ショタをもてあそべるほどの恋愛経験とかあるの?」
そこに舞亜瑠が口を出す。
「この子、なにもないよ……友達として寂しくなるよ……」
「マルちゃんうるさいなあ! マルちゃんは山本先輩といい感じだからってそういうふうに余裕ぶってさ!」
「えへへー、そんなでもないよ、ね、山本先輩?」
いやそんなふうに言うなよ、お前は俺の妹だろ、と思ったけど一応学校ではそれは言わないでおく約束があったので黙っておく。舞亜瑠の彼氏だと思われていれば、舞亜瑠に変な男がよってくるのを防げるだろうしな。
武士郎は俺以外の男が舞亜瑠に近づくのは許さん、と思ってから、いや待て、俺は兄なんだから俺以外の男ってどういうことだ? 兄なら妹に彼氏ができるくらい、温かい目でみてやれば……。いやでもそれはそれですごく腹立つ、なぜだろう。
「山本先輩! そんなわけで今日これから、いいすか? 私、一人のフリをして旧体育館にいきますんで、マルちゃんとこっそりついてきてくださいよ!」
「最初から俺たち三人で行けばいいんじゃないか?」
「一人で来いって書いてるじゃないすか! 断るならいいけど、ワンチャン、イケショタだったら相手の印象悪くなるようなことしたくないす」
「……わりとお前、いい性格してるな……。まあいい、こっそりついていってやるよ」
そんなワンチャンはありえないと思うけどなあ。
0
お気に入りに追加
153
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
「南風の頃に」~ノダケンとその仲間達~
kitamitio
青春
合格するはずのなかった札幌の超難関高に入学してしまった野球少年の野田賢治は、野球部員たちの執拗な勧誘を逃れ陸上部に入部する。北海道の海沿いの田舎町で育った彼は仲間たちの優秀さに引け目を感じる生活を送っていたが、長年続けて来た野球との違いに戸惑いながらも陸上競技にのめりこんでいく。「自主自律」を校訓とする私服の学校に敢えて詰襟の学生服を着ていくことで自分自身の存在を主張しようとしていた野田賢治。それでも新しい仲間が広がっていく中で少しずつ変わっていくものがあった。そして、隠していた野田賢治自身の過去について少しずつ知らされていく……。
四条雪乃は結ばれたい。〜深窓令嬢な学園で一番の美少女生徒会長様は、不良な彼に恋してる。〜
八木崎(やぎさき)
青春
「どうしようもないくらいに、私は貴方に惹かれているんですよ?」
「こんなにも私は貴方の事を愛しているのですから。貴方もきっと、私の事を愛してくれるのでしょう?」
「だからこそ、私は貴方と結ばれるべきなんです」
「貴方にとっても、そして私にとっても、お互いが傍にいてこそ、意味のある人生になりますもの」
「……なら、私がこうして行動するのは、当然の事なんですよね」
「だって、貴方を愛しているのですから」
四条雪乃は大企業のご令嬢であり、学園の生徒会長を務める才色兼備の美少女である。
華麗なる美貌と、卓越した才能を持ち、学園中の生徒達から尊敬され、また憧れの人物でもある。
一方、彼女と同じクラスの山田次郎は、彼女とは正反対の存在であり、不良生徒として周囲から浮いた存在である。
彼は学園の象徴とも言える四条雪乃の事を苦手としており、自分が不良だという自己認識と彼女の高嶺の花な存在感によって、彼女とは距離を置くようにしていた。
しかし、ある事件を切っ掛けに彼と彼女は関わりを深める様になっていく。
だが、彼女が見せる積極性、価値観の違いに次郎は呆れ、困り、怒り、そして苦悩する事になる。
「ねぇ、次郎さん。私は貴方の事、大好きですわ」
「そうか。四条、俺はお前の事が嫌いだよ」
一方的な感情を向けてくる雪乃に対して、次郎は拒絶をしたくても彼女は絶対に諦め様とはしない。
彼女の深過ぎる愛情に困惑しながら、彼は今日も身の振り方に苦悩するのであった。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり

高校生なのに娘ができちゃった!?
まったりさん
キャラ文芸
不思議な桜が咲く島に住む主人公のもとに、主人公の娘と名乗る妙な女が現われた。その女のせいで主人公の生活はめちゃくちゃ、最初は最悪だったが、段々と主人公の気持ちが変わっていって…!?
そうして、紅葉が桜に変わる頃、物語の幕は閉じる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる