ダンジョンの最深部でパーティ追放されてボコられて放置された結果、ダンジョンのラスボスの女の子が俺のご先祖様だったから後継者に指名された件

羽黒 楓

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第一章 ロリータなご先祖様と一緒♪

第11話 配信? できるで。

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「ひーんひーん、怖かったよー慎太郎~~~生きてたんだね、よかった~~」

 俺の幼馴染にして唯一の友達、桜子がダンジョンの床に座り込んで泣いている。
 無理もない、ダンジョンの中でパーティメンバーに殴られて襲われそうになったのだ。
 十万匹ちかくのコウモリに襲われた和彦たちが逃げ去った後、気絶していた桜子をゾンビがここまで運んできたのだ。ちなみにそのゾンビを動かすマナ消費は10だった。

「慎太郎、死んだんだと思ってたんだよ~ひーん」

 そして俺が生きていたことへのうれし泣きもあるみたい。
 こいつが泣いてくれるなら、俺も生きていてよかったと思う。

「桜子さん、鼻血が……。それに、ケガもしているみたい。今、回復魔法を使ってあげるよ」

 ほのかさんがいう。

「あ! クラスメートのほのかさん……? あなたも生きてたの……?」
「ううん、私は死んじゃった。ほら」

 白骨化した手を見せるほのかさん。
 ほんと、痛々しい。
 全部、和彦が悪い。
 その魂をもって償わせてやる。

「いいけど、あたしのマナほとんど使っちゃって、どうすんのこれ」

 ふわふわのロリータファッションに身を包んだご先祖様が、あきれたようにいった。

「せっかく99999ポイントまでためたマナを草食コウモリのために全部つかっちゃうとかさー、もったいない」

 桜子を助けたい一心でやっちゃったんだよな―。

「ところでマナってどのくらいでたまるんですか?」
「せやな、6分で50ポイント、つまり一時間で500ポイント、二十四時間で12000ポイントくらいかな。最大が99999ポイントや。とはいっても、このダンジョンは地下一階から地下十階まであるんやけど、地下一階なら、100ポイントのモンスターまで、地下二階なら500ポイントのモンスターまで、って階層ごとに呼び出せるモンスターの強さがきまっているんや」

 なるほど、そういう仕組みなのか。
 ご先祖様は続けて言う。

「いやー、草食のコウモリでも99999匹呼び出すとあんなんなるんやな。数の暴力はすべてを凌駕するなー。勉強になったで」
「正直、臭いがひどかったです。フンもすごかったし」

 桜子がいう。
 見てみると、なるほど、桜子のやつ、体中コウモリのフンだらけだった。

「うわ、たしかにくさいな自分……。お風呂あるから、ちょっとはいってきぃやー」

 お風呂なんてあるんだ……。

「エコキュートや」

 まじか。

「電源は魔物のケツからとってるけどなー」

 そうだった。
 なんか微妙な気分になるなー。

「あとマナを3消費する」

 風呂一回3マナなら安いな。
 桜子がお風呂へ行ってる間、ちょっと気になったのでご先祖様に聞いてみた。

「タブレットあるってことは、これで配信ってできます?」
「できるで。マナを10消費するけどな」

 できるのか。
 それはちょっと面白そうだ。
 和彦たちの顛末《てんまつ》を、全世界配信してやる。



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