45 / 109
第45話 顎
しおりを挟む
そこにいたのは、山羊だった。
だがそいつは全長3メートルはあろうかというでかさの、二足歩行。
顔は山羊なのだが、かわいらしさのかけらもない。
眼光はまさに虚無をあらわすかのような深い漆黒。
曲がった山羊の角はどこかくすんだ色をしていて、得も言われぬ禍々しさを感じさせる。
カラスのように真っ黒で大きな羽が背中から生えていた。
そして、そいつらは、三匹並んでこちらへとやってくる。
その山羊の頭をしたモンスターが、ビームで攻撃をしかけてきたのだった。
アニエスさんに突き飛ばされなかったら、直撃していたところだった、危なかった。
〈SS級!〉
〈ブラックデーモンだ!〉
〈またSS級か、もうやだこのダンジョン〉
〈とんでもないレベルのモンスターばっかりやってくるな〉
【¥50000】〈もうスパチャ投げるくらいしかできない。がんばれ〉
【¥34340】〈みっしー! 頑張れ!〉
【$500】〈save Laura,plz!〉
〈魔法攻撃が強力な高レベルモンスターだからな。気をつけろ!〉
【$100】〈别让怪兽打败你。 我们在这里助你获胜。 我们支持你〉
〈三匹もいるのかよ〉
〈SS級三匹って、SSS級一匹相手するのと同じくらいやばくね?〉
まずいまずい、山羊の頭をした悪魔とか、もはや伝説級のモンスターがばんばんでてくるようになったな。
それも三匹かよ。
俺は手早くみっしーと紗哩にインジェクションする。
とりあえず50万円分ずつ。
「二人は後方で支援頼むぞ」
自分にも、インジェクションする。
SS級三匹かよ、ほんといくら金があっても足りねえ!
「インジェクター、オン! セット、200万円!」
200万円もあったら俺たち兄妹ふたりで一年間は食っていけるのよな。
くそ、命には代えられねえぜ。
そうだ、アニエスさんは?
アニエスさん、病み上がりだし、今は裸に風呂敷を巻いているだけの姿で武器も防具ももっていない。
さすがにSSS級の探索者とはいえ……。
「アニエスさんも、下がっていてください! 俺がやっつけます!」
「だいじょぶ。 わたし、つよい、かなりつよい、たたかう、かのう」
なんかアニエスさんの日本語の発音、どんどん良くなるなあ。
語学の天才って本当っぽい。
いや、そんなことより。
「アニエスさん、じゃあ俺のスキルでパワーアップを……」
「いらない。わたし、このまま、つよい」
そして。
なんと、アニエスさんは俺の目の前で、すーっと地面に溶け込むようにしていなくなった。
なんだこれ?
きょろきょろまわりを見渡すが、まじでどっかに消えたぞ?
たぶん固有スキルなんだろうが、すげえな。
「わたし、せかいさいきょーのニンジャ。おまえこそ、きをつけろ」
声だけ聞こえてくる。
そういや、あの伝説のヴァンパイアロード、アンジェラ・ナルディも、一度はアニエスさんに首をはねられたとかいってたな……。体術でアンジェラを上回っていたということか。
人類最良にして最強のニンジャ、アニエス・ジョシュア・バーナード。
うん、じゃあその力を信用することにしよう。
俺の後ろから、みっしーと紗哩の攻撃魔法がブラックデーモンたちに向かって飛んでいく。
不思議なステップを踏んでそれらをかわしていくブラックデーモンたち。
右側のブラックデーモンが、ふらりと右腕をあげたかと思うと――。
来た!
ライムグリーンのビーム光線が、俺に向かって発射される。
マネーインジェクションの力で超反応した俺は、そのビーム光線の軌道を見極め、刀で叩き落した。
ギィィィンッ!
耳障りな音ともに光線は壁に跳ね返り、壁を溶かしていく。
よけるだけだと、何かの拍子で後ろにいる女の子たちにあたる可能性もあるからな。
なるべく叩き落せるやつは叩き落してやる。
三匹のブラックデーモンは前衛の俺を一番の脅威とみなしたらしく、三匹がかりで俺にビームを打ってくる。
俺はそれを刀で次々に跳ね返していった。
〈お兄ちゃんsugeeeeeee〉
〈ブラックデーモン三匹相手に全然余裕だな〉
〈なんかここまでだともはや安心してみていられるレベル〉
〈ところでアニエスはどこにいったんだ?〉
【¥20000】〈みっしー頑張れ! 稲妻の杖かっこいいよ!〉
〈お兄ちゃん、だんだん素の動きもよくなってきているな、もはや達人レベル〉
俺はやつらの攻撃を見極め、
「ここだっ!」
一気に踏み込んで距離を詰める。
一番右端のブラックデーモンに向かって、刀を振るった。
ブラックデーモンはいったんはそれをするどい爪で受ける、キンッと金属音が響き刀が跳ね返される、俺はその反動を利用してくるりと一回転、その勢いで一気にブラックデーモンの胴体を横に薙ぎ払った。
「グオオオオオォォ……!」
断末魔とともに床に崩れ落ちるブラックデーモン。
よし、あと二匹だ!
この調子でやってやる!
俺はさらに刀を構えて、残り二匹に斬りかかろうとして――。
異変に気付いた。
ん?
なんか、こいつら、急に動きが止まってないか?
なにしろ、SS級モンスターだ、油断はできない。
俺は慎重に距離を詰めようとした、そのとき。
ゴトン、ゴトン。
二つの低くて重い音とともに、二匹のブラックデーモンの首が床に落ちた。
ブシュッ!
黒い地が首を失った切り口から噴き出て、ふたつの大きな体はそのまま倒れた。
「は?」
驚いていると、俺の隣にすちゃ! とどこからか降りてきて着地するアニエスさん。
控えめなお胸に巻かれているアニメ柄の風呂敷がゆれた。
ちょっとほどけかけたのか、アニエスさんはきゅっとそれを結びなおす。
いや待て、今気づいたんだけどこの風呂敷、乙女ゲームのイケメンキャラがプリントされてる風呂敷じゃねーか、紗哩のやつそんなもんどこで入手したんだ、そしてそんなもんをアニエスさんの胸に巻かせるな。あとこのイケメンキャラ顎がとがりすぎじゃね?
っていうか、このブラックデーモンの首をはねたのは、もちろん、アニエスさん……だよな?
「すげえ、さすが世界一のニンジャ……」
「おまえ、うごき、よかった。なかなかよき。おまえとなら、いっしょにやれる」
〈朗報 お兄ちゃん、SSS級探索者に認められる〉
〈やっぱアニエスから見てもお兄ちゃんの動きよかったのか〉
〈っていうか顎とがりすぎ〉
〈シャリちゃんのゲームの趣味やばすぎ〉
〈まって顎www 顎がとがりすぎてwww 草wwwww〉
〈悲報 シャリちゃん、とがった顎が好き〉
〈俺ちょっと顎削ってくるわ〉
〈俺もタコスクリニックいってくる〉
だがそいつは全長3メートルはあろうかというでかさの、二足歩行。
顔は山羊なのだが、かわいらしさのかけらもない。
眼光はまさに虚無をあらわすかのような深い漆黒。
曲がった山羊の角はどこかくすんだ色をしていて、得も言われぬ禍々しさを感じさせる。
カラスのように真っ黒で大きな羽が背中から生えていた。
そして、そいつらは、三匹並んでこちらへとやってくる。
その山羊の頭をしたモンスターが、ビームで攻撃をしかけてきたのだった。
アニエスさんに突き飛ばされなかったら、直撃していたところだった、危なかった。
〈SS級!〉
〈ブラックデーモンだ!〉
〈またSS級か、もうやだこのダンジョン〉
〈とんでもないレベルのモンスターばっかりやってくるな〉
【¥50000】〈もうスパチャ投げるくらいしかできない。がんばれ〉
【¥34340】〈みっしー! 頑張れ!〉
【$500】〈save Laura,plz!〉
〈魔法攻撃が強力な高レベルモンスターだからな。気をつけろ!〉
【$100】〈别让怪兽打败你。 我们在这里助你获胜。 我们支持你〉
〈三匹もいるのかよ〉
〈SS級三匹って、SSS級一匹相手するのと同じくらいやばくね?〉
まずいまずい、山羊の頭をした悪魔とか、もはや伝説級のモンスターがばんばんでてくるようになったな。
それも三匹かよ。
俺は手早くみっしーと紗哩にインジェクションする。
とりあえず50万円分ずつ。
「二人は後方で支援頼むぞ」
自分にも、インジェクションする。
SS級三匹かよ、ほんといくら金があっても足りねえ!
「インジェクター、オン! セット、200万円!」
200万円もあったら俺たち兄妹ふたりで一年間は食っていけるのよな。
くそ、命には代えられねえぜ。
そうだ、アニエスさんは?
アニエスさん、病み上がりだし、今は裸に風呂敷を巻いているだけの姿で武器も防具ももっていない。
さすがにSSS級の探索者とはいえ……。
「アニエスさんも、下がっていてください! 俺がやっつけます!」
「だいじょぶ。 わたし、つよい、かなりつよい、たたかう、かのう」
なんかアニエスさんの日本語の発音、どんどん良くなるなあ。
語学の天才って本当っぽい。
いや、そんなことより。
「アニエスさん、じゃあ俺のスキルでパワーアップを……」
「いらない。わたし、このまま、つよい」
そして。
なんと、アニエスさんは俺の目の前で、すーっと地面に溶け込むようにしていなくなった。
なんだこれ?
きょろきょろまわりを見渡すが、まじでどっかに消えたぞ?
たぶん固有スキルなんだろうが、すげえな。
「わたし、せかいさいきょーのニンジャ。おまえこそ、きをつけろ」
声だけ聞こえてくる。
そういや、あの伝説のヴァンパイアロード、アンジェラ・ナルディも、一度はアニエスさんに首をはねられたとかいってたな……。体術でアンジェラを上回っていたということか。
人類最良にして最強のニンジャ、アニエス・ジョシュア・バーナード。
うん、じゃあその力を信用することにしよう。
俺の後ろから、みっしーと紗哩の攻撃魔法がブラックデーモンたちに向かって飛んでいく。
不思議なステップを踏んでそれらをかわしていくブラックデーモンたち。
右側のブラックデーモンが、ふらりと右腕をあげたかと思うと――。
来た!
ライムグリーンのビーム光線が、俺に向かって発射される。
マネーインジェクションの力で超反応した俺は、そのビーム光線の軌道を見極め、刀で叩き落した。
ギィィィンッ!
耳障りな音ともに光線は壁に跳ね返り、壁を溶かしていく。
よけるだけだと、何かの拍子で後ろにいる女の子たちにあたる可能性もあるからな。
なるべく叩き落せるやつは叩き落してやる。
三匹のブラックデーモンは前衛の俺を一番の脅威とみなしたらしく、三匹がかりで俺にビームを打ってくる。
俺はそれを刀で次々に跳ね返していった。
〈お兄ちゃんsugeeeeeee〉
〈ブラックデーモン三匹相手に全然余裕だな〉
〈なんかここまでだともはや安心してみていられるレベル〉
〈ところでアニエスはどこにいったんだ?〉
【¥20000】〈みっしー頑張れ! 稲妻の杖かっこいいよ!〉
〈お兄ちゃん、だんだん素の動きもよくなってきているな、もはや達人レベル〉
俺はやつらの攻撃を見極め、
「ここだっ!」
一気に踏み込んで距離を詰める。
一番右端のブラックデーモンに向かって、刀を振るった。
ブラックデーモンはいったんはそれをするどい爪で受ける、キンッと金属音が響き刀が跳ね返される、俺はその反動を利用してくるりと一回転、その勢いで一気にブラックデーモンの胴体を横に薙ぎ払った。
「グオオオオオォォ……!」
断末魔とともに床に崩れ落ちるブラックデーモン。
よし、あと二匹だ!
この調子でやってやる!
俺はさらに刀を構えて、残り二匹に斬りかかろうとして――。
異変に気付いた。
ん?
なんか、こいつら、急に動きが止まってないか?
なにしろ、SS級モンスターだ、油断はできない。
俺は慎重に距離を詰めようとした、そのとき。
ゴトン、ゴトン。
二つの低くて重い音とともに、二匹のブラックデーモンの首が床に落ちた。
ブシュッ!
黒い地が首を失った切り口から噴き出て、ふたつの大きな体はそのまま倒れた。
「は?」
驚いていると、俺の隣にすちゃ! とどこからか降りてきて着地するアニエスさん。
控えめなお胸に巻かれているアニメ柄の風呂敷がゆれた。
ちょっとほどけかけたのか、アニエスさんはきゅっとそれを結びなおす。
いや待て、今気づいたんだけどこの風呂敷、乙女ゲームのイケメンキャラがプリントされてる風呂敷じゃねーか、紗哩のやつそんなもんどこで入手したんだ、そしてそんなもんをアニエスさんの胸に巻かせるな。あとこのイケメンキャラ顎がとがりすぎじゃね?
っていうか、このブラックデーモンの首をはねたのは、もちろん、アニエスさん……だよな?
「すげえ、さすが世界一のニンジャ……」
「おまえ、うごき、よかった。なかなかよき。おまえとなら、いっしょにやれる」
〈朗報 お兄ちゃん、SSS級探索者に認められる〉
〈やっぱアニエスから見てもお兄ちゃんの動きよかったのか〉
〈っていうか顎とがりすぎ〉
〈シャリちゃんのゲームの趣味やばすぎ〉
〈まって顎www 顎がとがりすぎてwww 草wwwww〉
〈悲報 シャリちゃん、とがった顎が好き〉
〈俺ちょっと顎削ってくるわ〉
〈俺もタコスクリニックいってくる〉
34
お気に入りに追加
797
あなたにおすすめの小説
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!
ゴボウでモンスターを倒したら、トップ配信者になりました。
あけちともあき
ファンタジー
冴えない高校生女子、きら星はづき(配信ネーム)。
彼女は陰キャな自分を変えるため、今巷で話題のダンジョン配信をしようと思い立つ。
初配信の同接はわずか3人。
しかしその配信でゴボウを使ってゴブリンを撃退した切り抜き動画が作られ、はづきはSNSのトレンドに。
はづきのチャンネルの登録者数は増え、有名冒険配信会社の所属配信者と偶然コラボしたことで、さらにはづきの名前は知れ渡る。
ついには超有名配信者に言及されるほどにまで名前が広がるが、そこから逆恨みした超有名配信者のガチ恋勢により、あわやダンジョン内でアカウントBANに。
だが、そこから華麗に復活した姿が、今までで最高のバズりを引き起こす。
増え続ける登録者数と、留まる事を知らない同接の増加。
ついには、親しくなった有名会社の配信者の本格デビュー配信に呼ばれ、正式にコラボ。
トップ配信者への道をひた走ることになってしまったはづき。
そこへ、おバカな迷惑系アワチューバーが引き起こしたモンスタースタンピード、『ダンジョンハザード』がおそいかかり……。
これまで培ったコネと、大量の同接の力ではづきはこれを鎮圧することになる。
最強のコミュ障探索者、Sランクモンスターから美少女配信者を助けてバズりたおす~でも人前で喋るとか無理なのでコラボ配信は断固お断りします!~
尾藤みそぎ
ファンタジー
陰キャのコミュ障女子高生、灰戸亜紀は人見知りが過ぎるあまりソロでのダンジョン探索をライフワークにしている変わり者。そんな彼女は、ダンジョンの出現に呼応して「プライムアビリティ」に覚醒した希少な特級探索者の1人でもあった。
ある日、亜紀はダンジョンの中層に突如現れたSランクモンスターのサラマンドラに襲われている探索者と遭遇する。
亜紀は人助けと思って、サラマンドラを一撃で撃破し探索者を救出。
ところが、襲われていたのは探索者兼インフルエンサーとして知られる水無瀬しずくで。しかも、救出の様子はすべて生配信されてしまっていた!?
そして配信された動画がバズりまくる中、偶然にも同じ学校の生徒だった水無瀬しずくがお礼に現れたことで、亜紀は瞬く間に身バレしてしまう。
さらには、ダンジョン管理局に目をつけられて依頼が舞い込んだり、水無瀬しずくからコラボ配信を持ちかけられたり。
コミュ障を極めてひっそりと生活していた亜紀の日常はガラリと様相を変えて行く!
はたして表舞台に立たされてしまった亜紀は安らぎのぼっちライフを守り抜くことができるのか!?
俺が異世界帰りだと会社の後輩にバレた後の話
猫野 ジム
ファンタジー
会社員(25歳・男)は異世界帰り。現代に帰って来ても魔法が使えるままだった。
バレないようにこっそり使っていたけど、後輩の女性社員にバレてしまった。なぜなら彼女も異世界から帰って来ていて、魔法が使われたことを察知できるから。
『異世界帰り』という共通点があることが分かった二人は後輩からの誘いで仕事終わりに食事をすることに。職場以外で会うのは初めてだった。果たしてどうなるのか?
※ダンジョンやバトルは無く、現代ラブコメに少しだけファンタジー要素が入った作品です
※カクヨム・小説家になろうでも公開しています
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
超激レア種族『サキュバス』を引いた俺、その瞬間を配信してしまった結果大バズして泣いた〜世界で唯一のTS種族〜
ネリムZ
ファンタジー
小さい頃から憧れだった探索者、そしてその探索を動画にする配信者。
憧れは目標であり夢である。
高校の入学式、矢嶋霧矢は探索者として配信者として華々しいスタートを切った。
ダンジョンへと入ると種族ガチャが始まる。
自分の戦闘スタイルにあった種族、それを期待しながら足を踏み入れた。
その姿は生配信で全世界に配信されている。
憧れの領域へと一歩踏み出したのだ。
全ては計画通り、目標通りだと思っていた。
しかし、誰もが想定してなかった形で配信者として成功するのである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる