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本編

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「姫神子さんは今頃手紙を読んでいる頃かなー。さてとハインツさん!準備は出来ましたか?」

「ええ、大体の物は揃ったと思います。それにしてもカンナさんは荷物が少ない様に見えますが…?」

ハインツさんいつになく念入りな気がします。

「そうですか?ケオとエレはいますし、服も来てますよ?」

服着てるし双剣もちゃんとある。あとはリュックの中に少し非常食と着替え(元の世界の制服)が入っている。

「正装は持っていないんですか?」

「正装?制服みたいなのですか?」

「制服とやらは分からないのですが…。必要になったら現地で買えばいいですかね…。」

「?」

正装?制服とは違うのかな?んー良くわからないからいっか!

「よし!ハインツさんそれじゃぁ魔法使います。」

「カンナさん、一つ質問なのですが、その魔法使った事あるんですか?」

「いえ?無いですよ?」

だってケオとエレに言われて試してみたかったって言う出来心だもの。

「…じゃ、じゃあ危険性とかは?」

「なんにも分からないです!だって初めて使うんですし!」

「やっ、やっぱり歩いていきましょ…」

ハインツさんの顔がみるみる青くなって行きますね!どんだけ信用ないんだろーな!
まあ、神様が何とかしてくれるよっ!(投げやり)
怖くなんかないさっ、おばけなんて嘘さっ!って言うじゃん?だから瞬間移動も怖くないよ!きっと。

「何を怯えてるんですか?ほら行きますよ!『ルヴィエーラ国へ!』」







「…………」

「ハインツさん、大丈夫ですか?」

「ぜん、ぜん、大丈夫、じゃ、ないで、す。」

目の前には今にも倒れそうなハインツさんの青ざめた顔があります。瞬間移動をしてルヴィエーラ国へと入ろうとしたのですがどういう訳か途中で強力な結界に阻まれちゃって、そのせいでハインツさんが過剰に魔力に当たり過ぎたらしく魔力酔いを起こした、みたい?です。

「少し落ち着いたらルヴィエーラに入国しましょうか。これじゃあ手紙届いてるのか不安ですけど、女神が気付くでしょうし大丈夫だと思います。」

「え、ええ、すみません。無理に付いてきてこんなザマになるとは。」

「いえいえ、そんな事ないです。それにしてもこの結界誰が張ってるんだろ。」

不思議です。仮にも神様の加護付きの魔法だし、そう簡単に弾かれないと思ったんだけど……でも、同じ加護付きだったら…もしかしたら…。

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