空のない世界(裏)

石田氏

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8.5章 銃

01

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『次のニュースです。昨日、警察署に残っていた警察官を射殺した署長は抵抗によりケイティ巡査によって射殺されましたが、どうして署長があのようなことをしたのかは現在も不明のまま、分かっておりません。
 監視カメラの映像と共に、署長の過去を洗いざらい捜査されていますが、判明の余地は今のところみえてきません』

ーーーー

《警察署》

「ケイティ、休まなくて大丈夫?」
「うん、大丈夫。こんな時に休むわけいかないし」
「だけど・・・・」
そう言いながらも婦警は奥を見る。そこには宇宙エレベーターから無事に帰還した人達である。
 宇宙エレベーターはハッカーによって機能を失い稼働できなかった。その際にアメリカ大統領や、意味の分からない敵に襲われたり、爆弾が仕掛けられたりと、まるで計画された状況であった。
 大統領や敵は、日本人の少女によって犯行の手を止めることができた。爆弾も何故か起動せず爆破されなかった。後で爆弾処理班が解析した結果、爆破は元々されない仕組みになっていたらしい。
 ただ、アメリカ大統領が洗脳されていた件や、ハッカーの件、新たな敵の侵入にそれこそテロによるものではないかと報道は疑っている。確かに上に閉じ込められた首脳達はそれこそテロだと思い込んでいたようだが、そこまでやれるテログループより、何者かによる暗躍であると考えるのがすじかもしれない。現に、ハッカーに関してはテログループとの接点が見られなかった。また、大統領を洗脳したテロ行為なんて前代未聞である。
 それよりも、警察署の署長が同じく洗脳され仲間を撃ち殺させることができる犯人は、相当の心理学者か人を操るのに適した人物だろう。敵は頭脳を持ち、策略に適した戦略をたて、大々的なことを成功できる人物。そんな人物がテログループにいれば、既に危険人物として登録されているはず。しかし、該当者はいなかった。つまり、黒幕は別にいる!

ーーーー

「私なら本当に大丈夫。それに、人手はたくさんあった方が助かるでしょ」
「えぇ、じゃあ頼むわ。でも、無理はしないでね。あと、署長の件の担当はブライアンになったから」
「あら、そう」
ケイティは、そのまま宇宙エレベーターにいたリストの事情聴取にあたった。



                              +  +  +



その頃、真紀達は警察から事情聴取を受けるよう言われ、警察署にいた。
「大丈夫だよ、真紀ちゃん」
「でも、私アメリカの警察とか初めてだし、何より英語喋れないよ」
「そこは、さくらさんが心配いらないって。日本語が喋れる警官に聴取をお願いしたって言ってたし」
「う、うん・・・・」
すると、婦警の人があらわれた。
「山吹さん、どうぞ」
「はい。じゃあ、真紀ちゃん行ってくるね」
そう言って、婦警に連れられ別の部屋に入っていった。
(なに、一人一人個別なの?てっきり、ふきちゃんと一緒かと思ってたのに……)
余計心配になった真紀は、更に落ち着きをなくしていた。
「真紀さん」
「はいっ!」
突然自分の名前を呼ばれ、跳び跳ねるようにその場で起立した。
「あ…順番がきましたのでどうぞこちらへ」
「はいっ!」
未だに緊張のとけない真紀に、婦警もぎこちない感じになる。
「あの、もう少しリラックスしていいのですよ」
「はいっ!」
「・・・・どうぞ、あちらへ」
そう言われ、真紀はロボットが行進するかのように部屋に入った。
「失礼します」
「あっ!」
「えっ?……あっ!」
その部屋にはケイティがいた。
「ケイティ?それじゃあ、事情聴取する警察って……」
「あはっ、まさかこんな偶然があるなんて!あれ、でも何で宇宙エレベーターに真紀ちゃんが乗ってたの?」
「私はさくらさんから首相のキャプラさんの付き添いとして招待されて、参加したんです」
「じゃあ、真紀ちゃんが言ってた山吹さん?もいるのかな」
「うん。多分、他の所で事情聴取されてると思う」
「そっかー。で、真紀ちゃん宇宙に行ってみての感想は?」
「うーん、テレビで見たのとおんなじかな」
「えー、それないよ真紀ちゃん。宇宙だよ、宇宙!そうそう行ける所じゃないんだよ。他に何かあるでしょ」
「えーと……星が綺麗だった」
「それから?」
「うーん……そう言えば月が赤かった」
「月が赤い?」
「うん」
「へぇー、そんなこともあるんだ。光の反射によって、たまたまおきた現象なのかな?」
「うーん、どうだろ」
ケイティは机の上にあるマグカップを持ち上げ、口元にそれを当て、すすった。
「じゃあ、そろそろ本題に移るね。えーと、確か資料と他の証言者によると、真紀ちゃん達がアメリカ大統領を最後に目撃したんだよね。あ、生きていた時のことね。
 それで、大統領は日本の首相を射殺し、今回の事件に関与していた発言をした……で、あってるかしら?」
「いえ、正確には操られていた感じです」
「操られていた……ね。じゃあ、大統領を操っていた人物は見た?」
「いや、見てない」
それを聞いて、ケイティは少し合間を開けてから言った。
「洗脳は簡単じゃないの。長時間の持続的洗脳なら尚更洗脳にかかる時間も増える。洗脳は、相手の記憶を塗り替える作業なの。だけど、大統領相手にそんなことは出来ない」
そう言いながらケイティは以下のことも述べた。
 大統領を洗脳させ犯罪をおこなわせたという今回の事件を立証する方法は

パターン1、大統領になる前の彼と接触をしていて、その時点で洗脳をかけていた。場所や時間や何かのキーワードで洗脳の効果が発動する仕組みのパターンだが、それは不可能である。何故なら、キーワードが単純だと不発に発動したりと思惑が外れるし、キーワードが難易であればあるほど未来予知に近くなってしまう。犯人が予知に賭け、この作戦をたてたとしたら無謀すぎるだろう。故に、キーワードによる洗脳発動はあり得ない。だからと言って、あの民衆にさらしていた大統領の時点で洗脳されていた可能性もないだろう。
 だが、キーワードの首脳が集まった時とすればあの犯行が可能かと言われても否だ。それこそ、宇宙エレベーター以外でも首脳の集まりはある。ならば、キーワードは場所の指定かと言えども否である。宇宙エレベーターの開発進展は大統領が就任後に初めて公表された情報であるからだ。だから、この線は消えた。

パターン2、大統領を洗脳するには直接が効果的である。が、簡単に大統領接触は不可能である。だから、宇宙エレベーターの開幕式の際に洗脳を仕掛けたパターンである。この場合はただ指示に従うようにするだけの洗脳であるが、その場合直接指示を出していた者が宇宙エレベーター開幕式の参加者の中にいることになる。勿論、外交なんて外見だけで中身の分からないようなもの。アメリカを嫌う各国の官僚はいるだろう。アメリカ大統領が各国の官僚や首脳を殺させれば、アメリカは世界から孤立させることが可能であろう。それは、アメリカをのけ者にして逆に自分達の指示に従わせるという、まさに立場を逆転させることが可能かもしれない。
 しかし、それは真紀自身が指示を出した相手を見ていないと言った。つまり、洗脳であった可能性がなくなったのだ。
 このパターン2は、直接指示を出さなければならなかった。それは、宇宙エレベーターが稼働しなくなったのと同時に全ての通信機器が連絡途絶になったからだ。簡単に言うと圏外。この状況で指示を出すにはその場に居合わせる必要があったからだ。
 つまり、洗脳された大統領を見たが、洗脳した相手を見なかったというのは、2のパターンでないことになる。しかし、パターン1は既に不可能。故に、自身の見た事実を自身の発言で事実を否定してしまっている。立証不可能な矛盾した、そう矛盾していた。洗脳された人がいるのに、洗脳仕掛けた相手がいないのは矛盾だ。

そこで新たなパターンが生まれる。


パターン3、大統領は洗脳されていない


「真紀ちゃんは大統領が洗脳されたように見えただけじゃないかな。大統領接触とその時間に限りがある。大統領中に洗脳させるのは無理だし、他の2パターンも不可能になった。今、一番可能性のあるパターンが大統領は洗脳されたフリをしていたことになる。だけど……それじゃ、アメリカは全ての国を敵にしたことになる。だから、大統領が洗脳されていた件に賭けたいの。お願い、真紀ちゃん。誰が大統領に洗脳仕掛けたのか教えて」
「ごめん……分からない」
「・・・・そっか」
ケイティは再びマグカップを口につけすする。彼女なりの気持ちの整理なのだろう。
「分かった。こっちは大統領と最近接触した人間のリストを調べてみるよ。でも、多分絶望的かも……。もし、何か思い出したら連絡ちょうだいね」
「うん、分かった」
「見送るよ」
「あ、大丈夫。それより頑張ってね、お仕事」
「うん。私にとって、能力を失った今、遣り甲斐と言ったらこの仕事なの。これも、人を守る仕事よね」
「うん、立派な仕事だよ」
真紀は思う。ケイティは正義感が強かった。でなければ橙色の少女に挑もうとは考えないだろう。だからこそ、救ってやりたいと思うのだった。



                             +  +  +



 真紀は事情聴取を終え、警察署を出てそのまま向かいにとまっていた黒い車に、黙って後部座席に乗り込んだ。
 前の席に座る彼は後ろを振り向いた。その顔はブライアンだった。
「どうだった?話したのか?」
「ううん」
「よし。じゃあ約束通りケイティについて話す。
 ケイティは、何故かは知らんが出動命令が出されていたにもかかわらず警察署に引き返した。その時一緒にいたのがケイティの相棒サムだった。因みに、出動命令はハッカー周辺の警備だ。宇宙エレベーターがハッキングされたのは知っていると思うが軍はハッカーの身元を見つけた。警察は、軍の行動に一般市民が巻き込まれないよう警備するものだった。
 だが、ハッカーはただの貧しい家庭で育った以外に特徴のない少年だった。そこは、俺も怪しいと思った。が、その前に行動したのがケイティだった。
 ケイティはサムと共に警察署に戻り、中に入るとそこはものけのからだった。ますます怪しむ二人の前にあらわれたのが署長だ。署長についてはニュースで見た通りだ。はっきり言って、大統領と全く似ていると俺の直感はそう言ってる。
 そんなことより、署長にあったケイティとサムだが、署長は二人を見るなり自分の仕出かしたことに気づき、涙を流し二人に悔いたんだ。そして、署長は銃を床に落とした。サムは相手が銃を床に落としたことに警戒心を緩めたんだろ。相手が大人しく自首に応じたと勘違いしたサムは、そのまま近き署長に手錠をかけようとした。その時、懐に隠していたもう一丁の銃でサムを射殺したんだ。その後はケイティが署長を狙撃し、事態は終了した。それが警察署内のカメラから分かることで、世間に公表されている事実だ。だが、その後のケイティの様子がおかしかったんだ。最初、俺と出会った時、奴は一瞬初めて見るような目をしていた。俺はケイティが大統領や署長のように誰かに操られているんじゃないかってそんな気がしてならないんだ」
「だから、ケイティには全てを話すなって言ったの?」
「俺はケイティが操つられ殺人を犯すのだけは見たくないんだ。勿論、確たる証拠はないんだが・・・・」
とっさに山吹が操られていた時のことを思い出した。その時、山吹は頭痛を訴えていた。そして、大統領もキャプラ首相を狙撃する前も頭痛がおきていた!
「あの、私の友人も大統領も頭痛を訴えていました。ケイティさんにはそのようなことなかったですか?」
「あぁ、そう言えば確かにケイティは相棒を失ってから頭痛薬を飲むようになった。市販のやつだが、相棒を失った苦しみから頭痛がおきたのかとばかり……」
「いえ、その可能性もありますし」
「分かった、参考にするよ。それより、操った犯人なんだが」
「はい、こちらも全てお話します」
そう言って、ケイティには話さなかったパターン2の可能性、指示を出していた人間について語った。
「太った少女か。リストにはなかったが、ならどうやって忍びこんだんだ?」
「私にもそれは・・・・」
「そうだよな、分かってる。これは警察の仕事だ。他に何か知っていることはないか?」
「大統領が正気を取り戻した時、巫女姿の少女を見たと言ってた」
「巫女?大統領が日本のお寺に訪問したことはないはずだが」
「ふきちゃんも操られていた時、巫女の少女を見ています。この私も。多分、署長さんやケイティを操っていたのも巫女の仕業かもしれないです」
「だが、警察署の監視カメラはケイティの証言通りだった。巫女の姿はそこには映っていない。まぁ、監視カメラの映像が偽造なら別だがな。
 すまなかったな。こんなこと頼んで」
「いえ、私もケイティの親友ですから」
「そっか。何か分かったら、そっちにも連絡入れよう。正直、誰を信用できるか分からなくなっちまったよ」
そう言って、車のエンジンをかける。
「どうする?これからホテルへとそのまま連れていくが」
「いえ、ふきちゃんが待ってると思うので」
「そっか」
「あの、ひとついいですか?」
「あぁ、何でも聞いてくれ」
「どうしてケイティが私の取り調べをすると思ったんですか?」
「俺は警察だ。それくらいは知れる。君のことだってな。ただ、ケイティに全てのことを話さなかったのは、ケイティが操られていた場合、敵は相手がどこまで今回のことで自分達のことが知れたかを確認しようとするだろう。だから、知らないとそこは答えといたほうがいいいと思ったまでさ」
「そうでしたか」
「他には?」
「いえ」
「じゃあ、これを渡しておこう」
ブライアンはポケットからメモ用紙とペンを取りだし、何かを記した後、真紀に手渡した。
「これは俺の連絡先だ。何かあったら、そこに連絡してくれ」
「分かりました」
真紀はそれを受け取った。
「悪いな、時間とらして。さぁ、俺の要は終わった。友達の所に行ってやれ」
「はい」
そう言って、真紀は後部座席のドアを開ける。
「ブライアンさん」
「ん?何だ」
「ブライアンさんってなんかカッコいいですね」
「あはは、なんかは余計だろ」
「すいません」
「なぁ、こんな話しするのもどうかと思うが」
「?」
「俺はケイティのことが好きなんだ」
「そうなんですか!」
「あぁ、実はそうだ」
「うふふふ」
「なんだよ」
「いえいえ」
「ほら行け!友達んとことっとといっちまえ」
「はーい、そうさせて頂きまーす。でも、ケイティとの関係、後で教え下さいよ」
そう言って、真紀はさっそうと山吹の所へ向かった。
「言えねぇな。フラれただなんて」
そう言って、ブライアンは車を発進させた。
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