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ティアゴ公爵令息とリリー伯爵令嬢の婚約が発覚してから約3ヵ月経過したある日モーリア邸の執務室で状況は大きく動こうとしていた
「お父様、それは本当ですか?」
「ああ、先方もそれで承諾して下さった」
「ああ!やっと…本来の道に戻ったのですね」
この3ヵ月荒れ狂っていたマドレーナの久しぶりの笑顔を見て罪悪感が有りながらもこれで良かったと自分に言い聞かせるモーリア伯爵
経営者であるモーリア伯爵は、先日同じく経営者であるユング公爵と商談があった時に取り引きをしたのだ
ユング公爵に有利な契約をする見返りに娘のマドレーナをティアゴの婚約者にしてはもらえないかと、どれ程マドレーナがティアゴを愛しているかと言うアピールとともに熱心にマドレーナを売り込んだ
ティアゴには既にリリーという婚約者がいる、つまりそれはリリーとの婚約を破棄してマドレーナを新たな婚約者にすると言う事
流石にモーリア伯爵のこの申し出にユング公爵は困惑していたが、少し思案した後破格の契約内容と伯爵の熱意に負けた事もありティアゴとマドレーナの婚約を承諾してくれたのだった
本来モーリア伯爵は常識人なのだが、娘可愛さに目が曇ってしまっていた
しかし『ティアゴ様と結婚出来ないのなら死ぬ!』とまで嘆いている我が子の姿を見てしまったら無理もないのであろう
それよりもユング公爵がポツリと呟いていた言葉が少し気になった
『良く考えたらそちらの方が全員にとって最善の選択なのかも知れないな…』
あれは一体どのような意味だったのだろうか?
「お父様、それは本当ですか?」
「ああ、先方もそれで承諾して下さった」
「ああ!やっと…本来の道に戻ったのですね」
この3ヵ月荒れ狂っていたマドレーナの久しぶりの笑顔を見て罪悪感が有りながらもこれで良かったと自分に言い聞かせるモーリア伯爵
経営者であるモーリア伯爵は、先日同じく経営者であるユング公爵と商談があった時に取り引きをしたのだ
ユング公爵に有利な契約をする見返りに娘のマドレーナをティアゴの婚約者にしてはもらえないかと、どれ程マドレーナがティアゴを愛しているかと言うアピールとともに熱心にマドレーナを売り込んだ
ティアゴには既にリリーという婚約者がいる、つまりそれはリリーとの婚約を破棄してマドレーナを新たな婚約者にすると言う事
流石にモーリア伯爵のこの申し出にユング公爵は困惑していたが、少し思案した後破格の契約内容と伯爵の熱意に負けた事もありティアゴとマドレーナの婚約を承諾してくれたのだった
本来モーリア伯爵は常識人なのだが、娘可愛さに目が曇ってしまっていた
しかし『ティアゴ様と結婚出来ないのなら死ぬ!』とまで嘆いている我が子の姿を見てしまったら無理もないのであろう
それよりもユング公爵がポツリと呟いていた言葉が少し気になった
『良く考えたらそちらの方が全員にとって最善の選択なのかも知れないな…』
あれは一体どのような意味だったのだろうか?
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