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ウィル編 02章 外伝:クラウとフェルナ
05-[帰り道]
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「おー、クラウじゃん!久しぶりだな!」
「おー、レニ!トウマ!ヤスウェ!久しぶり!元気してたか!?」
久しぶりにあった友人達に興奮したのか素のクラウが出ていた。クラウのいつもと違う感じにフェルナは驚いていた。
「なあなあ、クラウ!俺達今からお前に教えてもらったとっておきの場所に行こうと思うんだけど一緒にどうだ!?」
「んん!?あっあぁ・・・とっておきの場所ね!今日はちょっと遠慮しておこうかなー、今連れがいるんで!」
「んー?おー!可愛い女の子じゃん!相変わらずクラウ様はモテモテなことで!」
「それじゃあ確かにとっておきの場所には行けねぇな!俺達だけで楽しんでくるとするか!」
「あぁ、そうだ!俺はまた今度にするよ!じゃあ俺達はこれで!」
何かを隠すかのように急いでその場を去ろうとするクラウに対してフェルナが口を開いた。
「クラウ様、そんなに急がなくても私は大丈夫ですよ?クラウ様のお友達ですか?」
「ま、まあそんなところだよ」
「俺はレニ!よろしくな!」
「トウマです」
「・・・ヤスウェ」
「皆さんご丁寧にありがとうございます。私はフェルナって言います。毎朝向こうの門のところでパンを売っているのでよろしければ買いに来てくださいね!」
フェルナはちゃっかりと自分のお店の紹介を交ぜつつクラウの友達であるレニ達に自己紹介をした。
「ところで先程言っていたとっておきの場所ってなんですか?私ももしよければご一緒させていただけませんか?」
「え、いや!さすがにとっておきの場所は今日知り合ったばかりの人を連れて行くわけにはいかねぇよ!な?トウマ?」
「そうですね、あそこにフェルナさんを連れて行くのは良くないでしょう」
「まあまあ、フェルナ、こいつらもこう言ってることだし今回は諦めて早く門のところへ帰ろう!」
レニやトウマ、クラウは何かを隠すように焦っているようだった。そのときヤスウェが不意に口を開いた。
「・・・ねぇねぇ、レニ、早く行こうよー。・・・今日はこの前クラウが教えてくれた公共浴場の女湯が覗ける場所に行くんでしょー?・・・オイラずっと楽しみにしてたんだから」
「わっ、ばかヤスウェ!よせっ!」
「な、何を言っているのかねヤスウェ君。この私が女湯なんて覗くわけがないではないか!」
ヤスウェのその発言にレニとクラウが急いで止めに入った。クラウに至ってはとても焦って混乱しているのか口調が滅茶苦茶になっている。そんな必死の二人にフェルナのとても冷めた目線が突き刺さる。
「へー、女湯・・・。それは確かにとっておきの場所ですね・・・」
「いや、フェルナ!これは違うんだ!そう!困っている人を助けるのが貴族の仕事だからね!女性の裸を見たくてみたくて仕方がない庶民のレニ君達のために僕がわざわざ探して教えてあげたんだよ!」
「何言ってんだよクラウ!お前がいつもにやけて楽しそうに公衆浴場の方へ向かっているから気になって聞いたら白状したんじゃねーか!」
「そうですよ、いつも女湯を覗いでは、あのたわわに実っている果実を揉みしだきたいとか言ってるのはクラウじゃないですか」
「たわわに実っている果実・・・へー・・・」
仲間達からの裏切りにあったクラウは自分が覗きの主犯格だということを暴露され、より厳しいフェルナからの視線を受けることとなった。
「じゃあ俺達はもう行くよ!じゃあなクラウ!」
「急ぎましょうレニ!」
「・・・じゃあねー」
「あっおい!お前ら!」
レニ達は気まずさを察してかそそくさと去っていき残されたのは脂汗を浮かべるクラウと冷めきった目でクラウを見つめるフェルナであった。この後クラウはへーとかそうですねーとかよかったですねーという言葉を繰り返す冷たいフェルナの反応に耐えながら問まで二人で歩くことになったのは言うまでもない。
「フェルナ、今日はありがとう。またこうして一緒に散歩したりお話したりしてくれるかな?」
「私こそ楽しかったです!クラウ様がスケベで下品だってことは衝撃でしたけど、それもいつもと違う一面を見れて楽しかったです。また誘ってください」
一応機嫌は取り戻したのかフェルナからは先程の冷めた感じは無くなっていた。
「それじゃあ今日はこの辺で!」
「はい!ありがとうございました!噴水とっても綺麗でした!また明日―」
そういって手を振って去っていくフェルナを姿が見えなくなるまで見つめていた。フェルナの姿が見えなくなると不意にどこからともなく以前クラウの乗っていた馬車の馭者をしていた老紳士が現れた。
「クラウ様、何かわかったことはありましたか?」
「爺やか、今日は特に何もなかったよ。ただ彼女との散歩を楽しんでいただけさ」
「左様でございますか」
「彼らが早まった行動に出なければいいんだがな」
二人はしばらくの無言の後、門の中の中央区へと去っていった。
「おー、レニ!トウマ!ヤスウェ!久しぶり!元気してたか!?」
久しぶりにあった友人達に興奮したのか素のクラウが出ていた。クラウのいつもと違う感じにフェルナは驚いていた。
「なあなあ、クラウ!俺達今からお前に教えてもらったとっておきの場所に行こうと思うんだけど一緒にどうだ!?」
「んん!?あっあぁ・・・とっておきの場所ね!今日はちょっと遠慮しておこうかなー、今連れがいるんで!」
「んー?おー!可愛い女の子じゃん!相変わらずクラウ様はモテモテなことで!」
「それじゃあ確かにとっておきの場所には行けねぇな!俺達だけで楽しんでくるとするか!」
「あぁ、そうだ!俺はまた今度にするよ!じゃあ俺達はこれで!」
何かを隠すかのように急いでその場を去ろうとするクラウに対してフェルナが口を開いた。
「クラウ様、そんなに急がなくても私は大丈夫ですよ?クラウ様のお友達ですか?」
「ま、まあそんなところだよ」
「俺はレニ!よろしくな!」
「トウマです」
「・・・ヤスウェ」
「皆さんご丁寧にありがとうございます。私はフェルナって言います。毎朝向こうの門のところでパンを売っているのでよろしければ買いに来てくださいね!」
フェルナはちゃっかりと自分のお店の紹介を交ぜつつクラウの友達であるレニ達に自己紹介をした。
「ところで先程言っていたとっておきの場所ってなんですか?私ももしよければご一緒させていただけませんか?」
「え、いや!さすがにとっておきの場所は今日知り合ったばかりの人を連れて行くわけにはいかねぇよ!な?トウマ?」
「そうですね、あそこにフェルナさんを連れて行くのは良くないでしょう」
「まあまあ、フェルナ、こいつらもこう言ってることだし今回は諦めて早く門のところへ帰ろう!」
レニやトウマ、クラウは何かを隠すように焦っているようだった。そのときヤスウェが不意に口を開いた。
「・・・ねぇねぇ、レニ、早く行こうよー。・・・今日はこの前クラウが教えてくれた公共浴場の女湯が覗ける場所に行くんでしょー?・・・オイラずっと楽しみにしてたんだから」
「わっ、ばかヤスウェ!よせっ!」
「な、何を言っているのかねヤスウェ君。この私が女湯なんて覗くわけがないではないか!」
ヤスウェのその発言にレニとクラウが急いで止めに入った。クラウに至ってはとても焦って混乱しているのか口調が滅茶苦茶になっている。そんな必死の二人にフェルナのとても冷めた目線が突き刺さる。
「へー、女湯・・・。それは確かにとっておきの場所ですね・・・」
「いや、フェルナ!これは違うんだ!そう!困っている人を助けるのが貴族の仕事だからね!女性の裸を見たくてみたくて仕方がない庶民のレニ君達のために僕がわざわざ探して教えてあげたんだよ!」
「何言ってんだよクラウ!お前がいつもにやけて楽しそうに公衆浴場の方へ向かっているから気になって聞いたら白状したんじゃねーか!」
「そうですよ、いつも女湯を覗いでは、あのたわわに実っている果実を揉みしだきたいとか言ってるのはクラウじゃないですか」
「たわわに実っている果実・・・へー・・・」
仲間達からの裏切りにあったクラウは自分が覗きの主犯格だということを暴露され、より厳しいフェルナからの視線を受けることとなった。
「じゃあ俺達はもう行くよ!じゃあなクラウ!」
「急ぎましょうレニ!」
「・・・じゃあねー」
「あっおい!お前ら!」
レニ達は気まずさを察してかそそくさと去っていき残されたのは脂汗を浮かべるクラウと冷めきった目でクラウを見つめるフェルナであった。この後クラウはへーとかそうですねーとかよかったですねーという言葉を繰り返す冷たいフェルナの反応に耐えながら問まで二人で歩くことになったのは言うまでもない。
「フェルナ、今日はありがとう。またこうして一緒に散歩したりお話したりしてくれるかな?」
「私こそ楽しかったです!クラウ様がスケベで下品だってことは衝撃でしたけど、それもいつもと違う一面を見れて楽しかったです。また誘ってください」
一応機嫌は取り戻したのかフェルナからは先程の冷めた感じは無くなっていた。
「それじゃあ今日はこの辺で!」
「はい!ありがとうございました!噴水とっても綺麗でした!また明日―」
そういって手を振って去っていくフェルナを姿が見えなくなるまで見つめていた。フェルナの姿が見えなくなると不意にどこからともなく以前クラウの乗っていた馬車の馭者をしていた老紳士が現れた。
「クラウ様、何かわかったことはありましたか?」
「爺やか、今日は特に何もなかったよ。ただ彼女との散歩を楽しんでいただけさ」
「左様でございますか」
「彼らが早まった行動に出なければいいんだがな」
二人はしばらくの無言の後、門の中の中央区へと去っていった。
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