3 / 39
ウィル編 01章:陽だまりの街と白詰草
02-[少女との出会い]
しおりを挟む
暖かな太陽の光に照らされ活気に満ち溢れる往来の片隅で、一人の青年は捨てられていた木箱に頬杖を付きながら道行く人々の持つ食べ物を眺めていた。
「お腹すいた・・・」
思わず本音が漏れてしまったその青年は年齢にして20歳前後、平均よりもやや高い背丈で一見細身に見えるがしっかりと鍛え抜かれており、吸い込まれるような漆黒の髪を目にかからないように横に流しているためなかなかの好青年という印象である。機能よりも見た目に重きをおいた羅紗を主原料する簡素な服装は貴族のものとはどこか違うが上品さという意味では通じるものがある。そのような出で立ちから街を行き交う人々は「こんなところには珍しいどこぞの貴族のご子息か?」と一瞬興味を持つが、腹を空かせてだらしなく木箱にもたれかかっているその姿を見ると「なんだ、ただの変わり者か」とすぐに通り過ぎて行った。
今青年がいるこの街はヴィオラと呼ばれる緑豊かなグラス大陸の中央付近に位置する街で、この地を治めるブルメリア王国の首都の隣に位置する。首都への玄関口として機能するこの街は人々の行き交いが多く貿易が盛んであり、そこに集まる品物や情報を目当てとした人達により数多くのコミュニティが形成されている。このコミュニティはギルドとも呼ばれ、交易、傭兵活動、研究など目的を同じとする人々が集まって形成される。特に法律などで体系だっているわけではなく、目的や規模も様々で無数のギルドがこのヴィオラの街には存在するが、主に人気があり取り分け目立つ分野がいくつかある。
1つは貿易ギルド。この街の活気の根幹を成すものであり、その目的は他の王国や街などから入手した珍しい品物などをブルメリア王国で販売することと、その逆でブルメリア王国の特産品を他の王国や街に売り込むことであり、これらの活動によって収益を上げている。品物以外にも情報なども売買の対象である。
そしてもう1つは傭兵ギルド。傭兵ギルドはその名の通り依頼主に雇われて戦う集団のことで、主に貿易ギルドや王国が依頼主になることが多い。貿易ギルドは希少価値の高い品物を扱うため、それを目当てとした盗賊ギルドの標的になることが多い。そうした輩から自分たちの身と品物を護るために傭兵ギルドを雇うことはよくある。また、王国には王国騎士団という独自の軍隊があるが、戦争で人手が足りなくなる時や小規模な治安維持活動のために傭兵ギルドの力を借りることも少なくはない。
最後に紹介するのは冒険ギルド。このギルドは主に未開の地や普通の人々が近寄らないような場所に赴き、そういった場所にある希少価値の高いものを収集することを目的としている。収集する目的はギルドの方針や更に所属する人によってまばらであり、自分が使用するため、貿易ギルドに売り込むためなど様々である。冒険ギルドに属する人々は博学であり、目的の品物や未開の地、ダンジョンと呼ばれる特殊な建造物に対して深い知識を持っている。一方、戦闘を得意とするものはそれほどいないため危険を伴う旅には傭兵ギルドの力を借りることが多い。
この他にも古代魔法と呼ばれる術式の研究をするギルドや武器や防具を鍛える鍛冶ギルド、薬草を調合して販売するギルドなど多様なギルドが存在する。中には盗みや殺人を目的としたギルドもあるが王国はそのようなギルドを認めておらず見つけた際には厳しく罰している。
冒険ギルドが希少価値の高いものを収集することを目的としていることは先ほども述べたが、中でも人気のあるものはオーパーツと呼ばれるものである。オーパーツというのは現代の技術では到底作れない不思議な力を宿し、この力に魅了された人々が血眼になって探している神秘のツールである。オーパーツは特異かつ絶大な力を持つゆえに、それを手にした者には巨万の富や名声が約束される。使い方さえ間違えなければ人々のために活用できる素晴らしいものなのだが、中にはその力に憑りつかれ、あるいはその力を狙った争いに巻き込まれ周囲を不幸にしてしまう者もいる。そのため扱うにはそれなりの知識や資格が必要であり、また王国によって規制されている。しかし、それでもオーパーツに魅了され、それを探し求める人は多い。
この青年もオーパーツに関する情報を収集するため、同じような目的を持った人々が集まるであろうこの街に10日ほど前にやってきた。しかし、貿易ギルドで情報が商品として扱われているようにタダで教えてくれるような奇特な人はいなかった。冒険ギルドに加入することも試みたがどのギルドでも”ギノウケンテイ”というものを要求してくるため”ギノウケンテイ”が何なのかもわからない青年は加入することが叶わなかった。
次第にお金もお腹も余裕を無くしてきた青年はどのようなギルド、仕事でもいいからひとまずお金を稼ごうと思い、手あたり次第ギルドにあたったり街の総合掲示板に貼られていた依頼書を眺めて依頼主に話を伺ったりしたが、全て”ギノウケンテイ”が無いという理由で断られてしまった。そしてどうすればいいかわからずお金が完全に尽きてから2日、今に至るというわけである。
そんなわけで青年はこうして往来の片隅で途方に暮れていた。
「俺、このままだと死ぬかもしれない・・・」
誰かに聞いてほしそうな独り言は虚しく往来の喧噪にかき消された。あまりの空腹に何もする気力も湧かなかったため思考を働かせることさえ放棄してただ虚空を眺めることにした。それから空腹で胃が痛くなるのとそれが収まるのを3回ほど繰り返したところで不意に声をかけられた。
「君、大丈夫?」
青年が見上げると透き通った蒼い空のような色をした綺麗な髪の少女がこちらを見ていた。心配そうに首を傾げる少女のその仕草に、肩の少し上くらいまである短めの髪がその髪と同じ色の瞳を見え隠れさせていた。
「ちょっと仕事が全然見つからなくてね。もう3日間何も食べてないんだ・・・」
青年は少女に気を遣わせてしまうのは申し訳ないと思いつつも空腹に耐えかねて正直に話すことにした。
正直にそう告げるとそんなことだろうと思ったと言いたげな表情とともに、少女は持っていたリンゴをぽいっとこちらに投げてきた。
「じゃあそれあげるよ!さっき買い物してたらお店のおじちゃんから貰ったんだー!」
そう言って明るい笑顔を向けてくる少女の優しさを青年はありがたく受け取り、あっという間にリンゴを平らげた。久しぶりに胃の中に食べ物を入れたせいか、少しばかり胃が痛んだが、そんな痛みもあっという間に空腹を和らげる満足感に変わった。
笑顔のままじっと青年を見つめていた少女は、青年が食べ終わるのを確認して話しかけてきた。
「でもどうしてこんなところでぼーっとしてたの?」
そう聞いてくる少女に青年は街に来てから今日までの出来事を話した。すると少女はお腹を抑えながら思いっきり笑った。
「あはは!それは仕事が見つかるはずもないよー!」
少女はそういうと、先程散々聞いた技能検定について新設に青年に説明した。少女の話によるとどうやらこのブルメリア王国には個人の技能を認定する制度があり、認定された際に発行される技能証明書を元に依頼元やギルドが雇用するか判断するらしい。技能には、主に傭兵として戦闘をこなすためのマーシナリーや、遺跡などを発掘したり強大な力を持つとされるオーパーツを扱ったりするためのディガー、薬を調合するためのファーマシスト、鍛冶のためのブラックスミスといったメジャーな技能の他にも細かな技能が数多く存在するとのことだった。
技能の検定も受けてない上に、何の証明書も持たない青年には誰も仕事を任せてはくれないと少女は言う。確かに逆の立場だったら技能を持っているか疑わしい浮浪者になんて依頼を任せたくないと青年は思った。
「でも、そんなことも知らないなんて君、どこの出身?」
こんなこと子供でも知ってる常識だよ?とでも言いたげに少女が言った。
「ずっとここからずっと南の方の山の奥で暮らしてたから、あまり仕組みとか制度とかわからなくて・・・」
「へぇ~、そんな遠くから来たんだねー。でもなんでわざわざこんなところまで?まさか家でとか~?」
少女は青年の顔を覗き込みながら冗談っぽくそう言った。
「はは、そんなもんかな?一緒に住んでた人達と盛大に喧嘩しちゃって・・・」
「君、優しそうな顔してやるときはやるんだねぇ~。一緒に住んでた人達って家族とかじゃないの?」
一緒に住んでた人達という言い方が少しばかり気になったのか少女は青年に訪ねた。
「うん、先生って呼んでた人と同い年くらいの先生の娘さんと3人で暮らしてたんだ。小さい頃の記憶が無くってさ、気が付いたら先生に拾われて一緒に生活するようになったんだ。だから本当の家族のことは何もわからないんだ。」
「そっか・・・、ごめんね」
軽く話すつもりが、踏み込んではいけない領域に入ってしまったと思い、少女は気まずそうに謝った。青年は少女のそんな気持ちを払拭しようと気にすることはないと言ったが長い沈黙が続いた。しばらく少女は考え込むような表情をしていたが、何かを決断したのか不意に顔を上げた。
「君、もし行くところの当てもないんだったら私のギルドに来てみない?」
少女からのそんな提案に、このまま少女に甘えてばかりでいいんだろうか、本当についてしまっていっていいんだろうかと青年は少しの間悩んだ。すると少女が続けた。
「そんなに大きなギルドじゃないけど、お姉ちゃんがマスターをやってるんだ!だから話せば大丈夫だよ!そうすれば仕事も見つかるだろうし、ね?」
青年は少女にまた気を使わせてしまったかな、と後悔したがこのままいても行き詰まった現状を変えられないと思い、立ち上がって是非、と返事をした。
「私メルト!君は?」
満面の笑顔で聞いてくるメルトに青年はウィルと自分の名前を言った後に歩き始める彼女の横に並んで、その向かう先「ギルド~シャムロック~」までついて行くことにした。
「お腹すいた・・・」
思わず本音が漏れてしまったその青年は年齢にして20歳前後、平均よりもやや高い背丈で一見細身に見えるがしっかりと鍛え抜かれており、吸い込まれるような漆黒の髪を目にかからないように横に流しているためなかなかの好青年という印象である。機能よりも見た目に重きをおいた羅紗を主原料する簡素な服装は貴族のものとはどこか違うが上品さという意味では通じるものがある。そのような出で立ちから街を行き交う人々は「こんなところには珍しいどこぞの貴族のご子息か?」と一瞬興味を持つが、腹を空かせてだらしなく木箱にもたれかかっているその姿を見ると「なんだ、ただの変わり者か」とすぐに通り過ぎて行った。
今青年がいるこの街はヴィオラと呼ばれる緑豊かなグラス大陸の中央付近に位置する街で、この地を治めるブルメリア王国の首都の隣に位置する。首都への玄関口として機能するこの街は人々の行き交いが多く貿易が盛んであり、そこに集まる品物や情報を目当てとした人達により数多くのコミュニティが形成されている。このコミュニティはギルドとも呼ばれ、交易、傭兵活動、研究など目的を同じとする人々が集まって形成される。特に法律などで体系だっているわけではなく、目的や規模も様々で無数のギルドがこのヴィオラの街には存在するが、主に人気があり取り分け目立つ分野がいくつかある。
1つは貿易ギルド。この街の活気の根幹を成すものであり、その目的は他の王国や街などから入手した珍しい品物などをブルメリア王国で販売することと、その逆でブルメリア王国の特産品を他の王国や街に売り込むことであり、これらの活動によって収益を上げている。品物以外にも情報なども売買の対象である。
そしてもう1つは傭兵ギルド。傭兵ギルドはその名の通り依頼主に雇われて戦う集団のことで、主に貿易ギルドや王国が依頼主になることが多い。貿易ギルドは希少価値の高い品物を扱うため、それを目当てとした盗賊ギルドの標的になることが多い。そうした輩から自分たちの身と品物を護るために傭兵ギルドを雇うことはよくある。また、王国には王国騎士団という独自の軍隊があるが、戦争で人手が足りなくなる時や小規模な治安維持活動のために傭兵ギルドの力を借りることも少なくはない。
最後に紹介するのは冒険ギルド。このギルドは主に未開の地や普通の人々が近寄らないような場所に赴き、そういった場所にある希少価値の高いものを収集することを目的としている。収集する目的はギルドの方針や更に所属する人によってまばらであり、自分が使用するため、貿易ギルドに売り込むためなど様々である。冒険ギルドに属する人々は博学であり、目的の品物や未開の地、ダンジョンと呼ばれる特殊な建造物に対して深い知識を持っている。一方、戦闘を得意とするものはそれほどいないため危険を伴う旅には傭兵ギルドの力を借りることが多い。
この他にも古代魔法と呼ばれる術式の研究をするギルドや武器や防具を鍛える鍛冶ギルド、薬草を調合して販売するギルドなど多様なギルドが存在する。中には盗みや殺人を目的としたギルドもあるが王国はそのようなギルドを認めておらず見つけた際には厳しく罰している。
冒険ギルドが希少価値の高いものを収集することを目的としていることは先ほども述べたが、中でも人気のあるものはオーパーツと呼ばれるものである。オーパーツというのは現代の技術では到底作れない不思議な力を宿し、この力に魅了された人々が血眼になって探している神秘のツールである。オーパーツは特異かつ絶大な力を持つゆえに、それを手にした者には巨万の富や名声が約束される。使い方さえ間違えなければ人々のために活用できる素晴らしいものなのだが、中にはその力に憑りつかれ、あるいはその力を狙った争いに巻き込まれ周囲を不幸にしてしまう者もいる。そのため扱うにはそれなりの知識や資格が必要であり、また王国によって規制されている。しかし、それでもオーパーツに魅了され、それを探し求める人は多い。
この青年もオーパーツに関する情報を収集するため、同じような目的を持った人々が集まるであろうこの街に10日ほど前にやってきた。しかし、貿易ギルドで情報が商品として扱われているようにタダで教えてくれるような奇特な人はいなかった。冒険ギルドに加入することも試みたがどのギルドでも”ギノウケンテイ”というものを要求してくるため”ギノウケンテイ”が何なのかもわからない青年は加入することが叶わなかった。
次第にお金もお腹も余裕を無くしてきた青年はどのようなギルド、仕事でもいいからひとまずお金を稼ごうと思い、手あたり次第ギルドにあたったり街の総合掲示板に貼られていた依頼書を眺めて依頼主に話を伺ったりしたが、全て”ギノウケンテイ”が無いという理由で断られてしまった。そしてどうすればいいかわからずお金が完全に尽きてから2日、今に至るというわけである。
そんなわけで青年はこうして往来の片隅で途方に暮れていた。
「俺、このままだと死ぬかもしれない・・・」
誰かに聞いてほしそうな独り言は虚しく往来の喧噪にかき消された。あまりの空腹に何もする気力も湧かなかったため思考を働かせることさえ放棄してただ虚空を眺めることにした。それから空腹で胃が痛くなるのとそれが収まるのを3回ほど繰り返したところで不意に声をかけられた。
「君、大丈夫?」
青年が見上げると透き通った蒼い空のような色をした綺麗な髪の少女がこちらを見ていた。心配そうに首を傾げる少女のその仕草に、肩の少し上くらいまである短めの髪がその髪と同じ色の瞳を見え隠れさせていた。
「ちょっと仕事が全然見つからなくてね。もう3日間何も食べてないんだ・・・」
青年は少女に気を遣わせてしまうのは申し訳ないと思いつつも空腹に耐えかねて正直に話すことにした。
正直にそう告げるとそんなことだろうと思ったと言いたげな表情とともに、少女は持っていたリンゴをぽいっとこちらに投げてきた。
「じゃあそれあげるよ!さっき買い物してたらお店のおじちゃんから貰ったんだー!」
そう言って明るい笑顔を向けてくる少女の優しさを青年はありがたく受け取り、あっという間にリンゴを平らげた。久しぶりに胃の中に食べ物を入れたせいか、少しばかり胃が痛んだが、そんな痛みもあっという間に空腹を和らげる満足感に変わった。
笑顔のままじっと青年を見つめていた少女は、青年が食べ終わるのを確認して話しかけてきた。
「でもどうしてこんなところでぼーっとしてたの?」
そう聞いてくる少女に青年は街に来てから今日までの出来事を話した。すると少女はお腹を抑えながら思いっきり笑った。
「あはは!それは仕事が見つかるはずもないよー!」
少女はそういうと、先程散々聞いた技能検定について新設に青年に説明した。少女の話によるとどうやらこのブルメリア王国には個人の技能を認定する制度があり、認定された際に発行される技能証明書を元に依頼元やギルドが雇用するか判断するらしい。技能には、主に傭兵として戦闘をこなすためのマーシナリーや、遺跡などを発掘したり強大な力を持つとされるオーパーツを扱ったりするためのディガー、薬を調合するためのファーマシスト、鍛冶のためのブラックスミスといったメジャーな技能の他にも細かな技能が数多く存在するとのことだった。
技能の検定も受けてない上に、何の証明書も持たない青年には誰も仕事を任せてはくれないと少女は言う。確かに逆の立場だったら技能を持っているか疑わしい浮浪者になんて依頼を任せたくないと青年は思った。
「でも、そんなことも知らないなんて君、どこの出身?」
こんなこと子供でも知ってる常識だよ?とでも言いたげに少女が言った。
「ずっとここからずっと南の方の山の奥で暮らしてたから、あまり仕組みとか制度とかわからなくて・・・」
「へぇ~、そんな遠くから来たんだねー。でもなんでわざわざこんなところまで?まさか家でとか~?」
少女は青年の顔を覗き込みながら冗談っぽくそう言った。
「はは、そんなもんかな?一緒に住んでた人達と盛大に喧嘩しちゃって・・・」
「君、優しそうな顔してやるときはやるんだねぇ~。一緒に住んでた人達って家族とかじゃないの?」
一緒に住んでた人達という言い方が少しばかり気になったのか少女は青年に訪ねた。
「うん、先生って呼んでた人と同い年くらいの先生の娘さんと3人で暮らしてたんだ。小さい頃の記憶が無くってさ、気が付いたら先生に拾われて一緒に生活するようになったんだ。だから本当の家族のことは何もわからないんだ。」
「そっか・・・、ごめんね」
軽く話すつもりが、踏み込んではいけない領域に入ってしまったと思い、少女は気まずそうに謝った。青年は少女のそんな気持ちを払拭しようと気にすることはないと言ったが長い沈黙が続いた。しばらく少女は考え込むような表情をしていたが、何かを決断したのか不意に顔を上げた。
「君、もし行くところの当てもないんだったら私のギルドに来てみない?」
少女からのそんな提案に、このまま少女に甘えてばかりでいいんだろうか、本当についてしまっていっていいんだろうかと青年は少しの間悩んだ。すると少女が続けた。
「そんなに大きなギルドじゃないけど、お姉ちゃんがマスターをやってるんだ!だから話せば大丈夫だよ!そうすれば仕事も見つかるだろうし、ね?」
青年は少女にまた気を使わせてしまったかな、と後悔したがこのままいても行き詰まった現状を変えられないと思い、立ち上がって是非、と返事をした。
「私メルト!君は?」
満面の笑顔で聞いてくるメルトに青年はウィルと自分の名前を言った後に歩き始める彼女の横に並んで、その向かう先「ギルド~シャムロック~」までついて行くことにした。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる