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水族館デートⅡ
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鰯のトルネードを見た後は、一旦昼食休憩を取ることにした。
この水族館はかなり大きいところなのでレストランも完備されているのだけど、メニューに魚たちが使われている辺り人間の闇を感じる。
肉料理も一応あって、僕は鶏肉が使われたソテー的なものを食べた。魚を眺めながら魚を食べるというサイコパスな行動を合法で出来るわけだし、実際そうしている人はたくさんいたけれど、それはなんとなく嫌だったのでやめた。
僕みたいな動物好きからしたら動物の肉を食べるのも少々憚られるので、僕が肉より魚貝類を好きなのは海洋恐怖症だからかもしれない。
有栖はダイエット中だとか言ってカルパッチョとかサラダチキンみたいなやつを食べていた。…………僕から見たら凄く痩せててスタイル良いのに。これでダイエット中とかモデルって大変なんだな。
ご飯の後は水中トンネルと深海エリアに向かった。水中トンネルくらい広い場所だと水に囲まれていても平気だった。エイとかサメとかが悠々と泳いでいて、それを下から眺められるので楽しかった。エイとかサメは下から見ると顔文字みたいで可愛いので、ずっと見ていられる。
深海エリアはタカアシガニとかマトウダイとかが展示されている。深海生物は捕まえて陸に揚げたときに死んでしまうことが多いので、生きて展示されているものは少なかった。
代わりに深海に潜る用の装備みたいなやつとか、リュウグウノツカイの3Dモデルとか、潜水艇とかが展示してあった。ホルマリン漬けや標本もいくつか。
変わった生き物が多いし、エリア全体が暗い照明になっているので若干不気味だったけど、僕的には面白い展示だった。
有栖はちょっと気持ち悪がっていた。僕はナガヅエエソとか結構好きなのだけど、少し虫っぽいから有栖はダメだったのかも。ホウライエソは顔怖いし。
そのうちにサメの餌やりショーの時間になったので、サメたちが泳ぐ大水槽に向かった。種類豊富なサメたちの元に、魚の切り身などが投下されていく。サメたちと同じ水槽にいる魚たちにはとても複雑な状況だろうけど、きっと自分が食べられるよりはいいと思っているだろう。
サメにも性格があるので、我先にと食べようとするものや、どんくさくて全く食べられないものなどが混在していた。
僕のお気に入りはトラフザメ。彼らは大人しいけれどどんくさくもなく、静かに食事にありついていた。
「有栖はどのサメが好き?」
「…………んー……。ネコザメ……かな」
好きなサメを聞かれるとは思わなかったらしく、困ったように悩んだ結果、単純に可愛いものにしたらしい。
「ああ、僕も好きだよ」
「………………」
「……なに?」
「別に。サメが羨ましいなと思っただけだ」
「?」
自由そうでいいなということだろうか。閉じ込められてはいるけれど、何もしなくてもご飯貰えるし。
しばらくしてショーは終わって、客はまばらになりサメたちもいつもの生活に戻る。
僕はその後もトラフザメを眺めて、有栖はそんな僕を待っていてくれた。
この水族館はかなり大きいところなのでレストランも完備されているのだけど、メニューに魚たちが使われている辺り人間の闇を感じる。
肉料理も一応あって、僕は鶏肉が使われたソテー的なものを食べた。魚を眺めながら魚を食べるというサイコパスな行動を合法で出来るわけだし、実際そうしている人はたくさんいたけれど、それはなんとなく嫌だったのでやめた。
僕みたいな動物好きからしたら動物の肉を食べるのも少々憚られるので、僕が肉より魚貝類を好きなのは海洋恐怖症だからかもしれない。
有栖はダイエット中だとか言ってカルパッチョとかサラダチキンみたいなやつを食べていた。…………僕から見たら凄く痩せててスタイル良いのに。これでダイエット中とかモデルって大変なんだな。
ご飯の後は水中トンネルと深海エリアに向かった。水中トンネルくらい広い場所だと水に囲まれていても平気だった。エイとかサメとかが悠々と泳いでいて、それを下から眺められるので楽しかった。エイとかサメは下から見ると顔文字みたいで可愛いので、ずっと見ていられる。
深海エリアはタカアシガニとかマトウダイとかが展示されている。深海生物は捕まえて陸に揚げたときに死んでしまうことが多いので、生きて展示されているものは少なかった。
代わりに深海に潜る用の装備みたいなやつとか、リュウグウノツカイの3Dモデルとか、潜水艇とかが展示してあった。ホルマリン漬けや標本もいくつか。
変わった生き物が多いし、エリア全体が暗い照明になっているので若干不気味だったけど、僕的には面白い展示だった。
有栖はちょっと気持ち悪がっていた。僕はナガヅエエソとか結構好きなのだけど、少し虫っぽいから有栖はダメだったのかも。ホウライエソは顔怖いし。
そのうちにサメの餌やりショーの時間になったので、サメたちが泳ぐ大水槽に向かった。種類豊富なサメたちの元に、魚の切り身などが投下されていく。サメたちと同じ水槽にいる魚たちにはとても複雑な状況だろうけど、きっと自分が食べられるよりはいいと思っているだろう。
サメにも性格があるので、我先にと食べようとするものや、どんくさくて全く食べられないものなどが混在していた。
僕のお気に入りはトラフザメ。彼らは大人しいけれどどんくさくもなく、静かに食事にありついていた。
「有栖はどのサメが好き?」
「…………んー……。ネコザメ……かな」
好きなサメを聞かれるとは思わなかったらしく、困ったように悩んだ結果、単純に可愛いものにしたらしい。
「ああ、僕も好きだよ」
「………………」
「……なに?」
「別に。サメが羨ましいなと思っただけだ」
「?」
自由そうでいいなということだろうか。閉じ込められてはいるけれど、何もしなくてもご飯貰えるし。
しばらくしてショーは終わって、客はまばらになりサメたちもいつもの生活に戻る。
僕はその後もトラフザメを眺めて、有栖はそんな僕を待っていてくれた。
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