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慣れない一日
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途中、寒さで目覚めるなどと言うことはなく、目覚ましで目が覚めた。あまりに暖かくて、しかも布団から出ても寒くないので冬だとは到底思えない。
ベッドから降りるとふかふかのカーペットで、足裏が気持ちいい。どこかの貴族にでもなった気分だ。
さっさと着替えて部屋の外に出ると、ちょっと怖い階段を降りて一階へ。
キッチンにかけてあったエプロンを借りて、冷蔵庫の中を漁る。二人は朝から仕事みたいなので、それなりにしっかりとした食事がいいだろうが、ひとまずは昨日考えたメニューで問題ないだろう。
フライパンを火にかけて少量の油を引き、期限が迫ってきているベーコンを並べる。焼けるまでの間にパンをオーブンに入れて、同時に焼いておく。僕の前の家にはこれがなかったから本当に不便だった。
ベーコンをカリカリになるまで焼いたら、一枚だけ取り出してパンに乗せる。これは僕の分。
残った二枚には卵を一個ずつ割り落として卵が良い感じに焼けたらできあがり。これもパンの上に乗せる。
「やあ、遊沙くんおはよう。良い匂いだね」
朝から爽やかな冴木さんは笑顔でパンを受け取って食卓につく。ちょっと遅れて有栖もやってきて、同じようにパンを受け取った。僕も自分の分を持って彼らに続く。
「おはよう有栖、冴木さん」
「……ああ。おはよう」
「おはよう遊沙くん」
有栖は僕のパンをじっと見て、
「卵、足りなかったか?」
と聞いてきた。確かに一人だけ乗ってないと違和感あるよな。
「アレルギーじゃないんだけど、生卵とかそれに近いものは体が受け付けないから食べられないんだ。気遣ってくれてありがとう」
「あ、そうか。悪い」
有栖は気まずそうに言った。別に見ただけで何が食べられないか分かるとかいうエスパー使いではないんだから、謝る必要ないんだけどな。
二人はパパッと食べて荷物をまとめると慌ただしく出て行く。
「行ってきます」
「じゃあね、遊沙くんも大学頑張って!」
「あ、い、いってらっしゃい……」
今まで「いってらっしゃい」って言う機会がほとんどなかったから、なんか変な感じだった。最後に言ったのは、両親が事故に遭う前か。
またこうやって誰かと一緒に住むなんて考えもしなかった。まだ現実感がない。
……っと、こうしてはいられない。僕も大学に行かなくちゃ。持ってきておいた鞄を肩にかけて、財布とスマホと、この家の鍵(なんとカードキーだ)を持って部屋を出る。オートロックではないので一回カードを通して鍵を閉めて、家を後にする。
エレベーターに乗って一階まで行って、ガラスの回転扉から外に出る。…………これ、慣れるまでかなり時間がかかりそうだ。
前の家よりも大学に近いので、交通費が安くなった。このちょっとの出費が積み重なると大きくなるので、大変助かる。今日の授業は朝一からのやつが二つなので、それが終わってから帰って洗濯とかすれば良いだろう。バイトは夕方からにしておいたし、夕飯もバイト終わりに作ろう。二人が帰ってくるのは10時頃だし、何とかなるかな。
「あ、遊沙! おはよ」
「おはよ、御園」
「あのさ、LINEした遊ぶ日のことだけど、予定空きそう?」
「あーごめん、無理かもしれない。ちょっと色々予定が入っちゃって」
「そっか。じゃ、また暇になったら教えろよ?」
「うん」
昨日色々あったので正直忘れていたが、とりあえずこの生活に慣れるまでは遊びは無理そうだ。御園たちには悪いけど、少し我慢してもらおう。
講義終わり、御園が一緒に帰ろうと言ってくれたが、丁重に断った。どちらにしろ降りる駅が違って別れるのだけど、今日は急いで帰らないといけないから一人でさっと帰ることにしたのだ。御園に理由を聞かれて、とっさにバイトを早く入れすぎたと言ってしまった。ああもう、誤魔化してばっかりで申し訳ない。いつか御園にも有栖のこと話さなきゃいけないけど、言い出しにくいなあ。
家に着くと、出た時と逆ルートで部屋に入る。二人の洗濯物はバスルームの横にある洗濯機前のカゴに入っているので、それと僕の服をぽんぽんと放り込んで洗剤を入れて、あとはスイッチを押すだけ。一緒に洗われるのが嫌だという人も世間にはいるみたいなので、本当は聞いた方が良いのだけど、それは明日で良いか。
出来上がるまで暇なので、夕飯の仕込みをしておくことにした。メニューは何にしよう? 昨日がカレーだったので、ああいう系はとりあえず却下。野菜がなかったし、野菜炒めはあった方が良いかな。有栖は肉が好きだから、それと野菜類を炒めれば良いかも。えーっと、それが副菜だから、主菜は……豚の生姜焼きでいいか。僕はあんまり好きじゃないけど、そんなことを言ったら毎日が魚料理になってしまう。このメニューだと仕込めないけど、メニューが決まっているだけでも楽だし、米だけ炊いとくか。あ、汁なら作れるから味噌汁も作っとこ。
鍋に水を入れて、煮干しの腸を取ったものを五つくらい投入して火にかける。出汁を取っている間に米を磨いで、炊飯器にセット。水を入れて炊飯ボタンを押しておく。これで米は放置でいい。
洗濯物が出来上がった音がしたので、洗濯物を干しに行く。全部のシワを伸ばしてハンガーに掛けて、それらは一旦洗濯場の上にある物干し竿に掛けておく。
キッチンに戻って鍋から煮干しを取り出して、そこに豆腐と長ネギとわかめを入れる。それをまた放置して、洗濯物を持って二階へ。バルコニーに出て物干し竿に干す。風が強いので飛んでいかないか心配だが、まあその時はその時だ。また一階へ戻って鍋の火を止める。後は帰ってきて味噌を溶けば出来るから、蓋をしておいておけば大丈夫だ。
さて、バイトに行かなければ。
†―――――――――――――――――――――――――――――――――――――†
…………ああ、めちゃくちゃ疲れた。スーパーのおば様達にも若干心配された。待遇はとても良いけれど、この暮らしは結構ハードかもしれない。学費払わなきゃだからバイトはやめられないし。
とにかく、料理を作らないと。二人も僕以上に疲れているはずだし。
夜まで干していて冷たくなってしまった洗濯物を取り込んで、料理に取りかかる。
出来上がった野菜炒めを取り分けて、生姜焼きを焼いているときに二人が帰ってきた。
「ただいま」
「やあ、遊沙くん、お疲れさま」
「あ、お帰りなさい。もう出来るから、座って待ってて」
生姜焼きはすぐ焼けるので、焼けたものから野菜炒めの横に盛り付ける。僕のは後ででいいや。盛った皿を二人の前に置いて、味噌汁とご飯もついで持っていく。
「ごめん、お風呂沸かしてくるから先食べてていいよ」
お風呂のこと完全に忘れてて、何もしていないので今のうちに沸かしておきたい。二人が何か言いたげにこちらを見てきたが、気付かないふりをした。きっと代わりにやろうかという提案だろうから。
ささっと洗って湯を張るためのボタンを押しておく。前の家は蛇口から熱湯が出てきて、それを水で薄めるタイプだったのでちょっと目を離すと入れすぎたりして大変だった。ここのは楽でいい。
すぐに食卓に戻って、小さい声でいただきますと言って僕も食べ始めた。有栖がこちらを見て、
「美味い」
ぽつりと言ってくれた。その奥で冴木さんはにこにこしている。有栖の顔は若干赤くなっていて、恥ずかしがっているのが分かる。
「ふふ、有栖は人を褒め慣れてないからね、柄にもないことして恥ずかしがっているんだよ」
その理由は冴木さんが教えてくれた。自分の料理を食べてもらうのは初めてだから、褒めてもらえるのは素直に嬉しい。それも普段褒めない人からなら尚更。
こうしてみると、つくづく冴木さんは有栖の親だなあという感じがする。血は繋がってないんだけど、冴木さんが有栖を見る目は親そのものだった。
「あ、二人に聞きたいことがいくつかあって、まず洗濯物、三人のやつ一緒に洗っていい?」
「俺は問題ない」
「うん、私も大丈夫だよ」
「分かった。じゃあ料理の希望ってある? 好きな食べ物とか」
「肉が好きだが、嫌いなものも特にないな」
「私は何でも食べられるよ。毎日同じものでも大歓迎」
「分かった、ありがとう。…………するか分からないけど、もし掃除とかするときは部屋はいっても大丈夫?」
「ああ」
「うん、大丈夫。物が多いから気をつけてね。あと、無理はしないで」
「あ、ありがとうございます」
未だに冴木さんには敬語が抜けないけれど、まあいいか。普通に目上だし。
お風呂は冴木さん達に先に入ってもらって、その間に僕は食器類を片付けた。冴木さんが手伝おうとしてくれたり、有栖が何か言いたそうにそわそわしていたりしたけど、やんわり断った。一応僕の仕事の内だからね。
片付けが終わった頃、お風呂も空いた。有栖は風呂上がりで妖艶さが+10くらいアップしていて、これはファンには見せられないなと思った。卒倒してもおかしくない。
僕は広いお風呂で十分のんびりして、それから寝る支度をして布団に入る。これから毎日こんな感じの生活が続くのだから、早いところ慣れないとなあ。家の構造は大体覚えたけど。
さて、明日のご飯は何にしようか。
ベッドから降りるとふかふかのカーペットで、足裏が気持ちいい。どこかの貴族にでもなった気分だ。
さっさと着替えて部屋の外に出ると、ちょっと怖い階段を降りて一階へ。
キッチンにかけてあったエプロンを借りて、冷蔵庫の中を漁る。二人は朝から仕事みたいなので、それなりにしっかりとした食事がいいだろうが、ひとまずは昨日考えたメニューで問題ないだろう。
フライパンを火にかけて少量の油を引き、期限が迫ってきているベーコンを並べる。焼けるまでの間にパンをオーブンに入れて、同時に焼いておく。僕の前の家にはこれがなかったから本当に不便だった。
ベーコンをカリカリになるまで焼いたら、一枚だけ取り出してパンに乗せる。これは僕の分。
残った二枚には卵を一個ずつ割り落として卵が良い感じに焼けたらできあがり。これもパンの上に乗せる。
「やあ、遊沙くんおはよう。良い匂いだね」
朝から爽やかな冴木さんは笑顔でパンを受け取って食卓につく。ちょっと遅れて有栖もやってきて、同じようにパンを受け取った。僕も自分の分を持って彼らに続く。
「おはよう有栖、冴木さん」
「……ああ。おはよう」
「おはよう遊沙くん」
有栖は僕のパンをじっと見て、
「卵、足りなかったか?」
と聞いてきた。確かに一人だけ乗ってないと違和感あるよな。
「アレルギーじゃないんだけど、生卵とかそれに近いものは体が受け付けないから食べられないんだ。気遣ってくれてありがとう」
「あ、そうか。悪い」
有栖は気まずそうに言った。別に見ただけで何が食べられないか分かるとかいうエスパー使いではないんだから、謝る必要ないんだけどな。
二人はパパッと食べて荷物をまとめると慌ただしく出て行く。
「行ってきます」
「じゃあね、遊沙くんも大学頑張って!」
「あ、い、いってらっしゃい……」
今まで「いってらっしゃい」って言う機会がほとんどなかったから、なんか変な感じだった。最後に言ったのは、両親が事故に遭う前か。
またこうやって誰かと一緒に住むなんて考えもしなかった。まだ現実感がない。
……っと、こうしてはいられない。僕も大学に行かなくちゃ。持ってきておいた鞄を肩にかけて、財布とスマホと、この家の鍵(なんとカードキーだ)を持って部屋を出る。オートロックではないので一回カードを通して鍵を閉めて、家を後にする。
エレベーターに乗って一階まで行って、ガラスの回転扉から外に出る。…………これ、慣れるまでかなり時間がかかりそうだ。
前の家よりも大学に近いので、交通費が安くなった。このちょっとの出費が積み重なると大きくなるので、大変助かる。今日の授業は朝一からのやつが二つなので、それが終わってから帰って洗濯とかすれば良いだろう。バイトは夕方からにしておいたし、夕飯もバイト終わりに作ろう。二人が帰ってくるのは10時頃だし、何とかなるかな。
「あ、遊沙! おはよ」
「おはよ、御園」
「あのさ、LINEした遊ぶ日のことだけど、予定空きそう?」
「あーごめん、無理かもしれない。ちょっと色々予定が入っちゃって」
「そっか。じゃ、また暇になったら教えろよ?」
「うん」
昨日色々あったので正直忘れていたが、とりあえずこの生活に慣れるまでは遊びは無理そうだ。御園たちには悪いけど、少し我慢してもらおう。
講義終わり、御園が一緒に帰ろうと言ってくれたが、丁重に断った。どちらにしろ降りる駅が違って別れるのだけど、今日は急いで帰らないといけないから一人でさっと帰ることにしたのだ。御園に理由を聞かれて、とっさにバイトを早く入れすぎたと言ってしまった。ああもう、誤魔化してばっかりで申し訳ない。いつか御園にも有栖のこと話さなきゃいけないけど、言い出しにくいなあ。
家に着くと、出た時と逆ルートで部屋に入る。二人の洗濯物はバスルームの横にある洗濯機前のカゴに入っているので、それと僕の服をぽんぽんと放り込んで洗剤を入れて、あとはスイッチを押すだけ。一緒に洗われるのが嫌だという人も世間にはいるみたいなので、本当は聞いた方が良いのだけど、それは明日で良いか。
出来上がるまで暇なので、夕飯の仕込みをしておくことにした。メニューは何にしよう? 昨日がカレーだったので、ああいう系はとりあえず却下。野菜がなかったし、野菜炒めはあった方が良いかな。有栖は肉が好きだから、それと野菜類を炒めれば良いかも。えーっと、それが副菜だから、主菜は……豚の生姜焼きでいいか。僕はあんまり好きじゃないけど、そんなことを言ったら毎日が魚料理になってしまう。このメニューだと仕込めないけど、メニューが決まっているだけでも楽だし、米だけ炊いとくか。あ、汁なら作れるから味噌汁も作っとこ。
鍋に水を入れて、煮干しの腸を取ったものを五つくらい投入して火にかける。出汁を取っている間に米を磨いで、炊飯器にセット。水を入れて炊飯ボタンを押しておく。これで米は放置でいい。
洗濯物が出来上がった音がしたので、洗濯物を干しに行く。全部のシワを伸ばしてハンガーに掛けて、それらは一旦洗濯場の上にある物干し竿に掛けておく。
キッチンに戻って鍋から煮干しを取り出して、そこに豆腐と長ネギとわかめを入れる。それをまた放置して、洗濯物を持って二階へ。バルコニーに出て物干し竿に干す。風が強いので飛んでいかないか心配だが、まあその時はその時だ。また一階へ戻って鍋の火を止める。後は帰ってきて味噌を溶けば出来るから、蓋をしておいておけば大丈夫だ。
さて、バイトに行かなければ。
†―――――――――――――――――――――――――――――――――――――†
…………ああ、めちゃくちゃ疲れた。スーパーのおば様達にも若干心配された。待遇はとても良いけれど、この暮らしは結構ハードかもしれない。学費払わなきゃだからバイトはやめられないし。
とにかく、料理を作らないと。二人も僕以上に疲れているはずだし。
夜まで干していて冷たくなってしまった洗濯物を取り込んで、料理に取りかかる。
出来上がった野菜炒めを取り分けて、生姜焼きを焼いているときに二人が帰ってきた。
「ただいま」
「やあ、遊沙くん、お疲れさま」
「あ、お帰りなさい。もう出来るから、座って待ってて」
生姜焼きはすぐ焼けるので、焼けたものから野菜炒めの横に盛り付ける。僕のは後ででいいや。盛った皿を二人の前に置いて、味噌汁とご飯もついで持っていく。
「ごめん、お風呂沸かしてくるから先食べてていいよ」
お風呂のこと完全に忘れてて、何もしていないので今のうちに沸かしておきたい。二人が何か言いたげにこちらを見てきたが、気付かないふりをした。きっと代わりにやろうかという提案だろうから。
ささっと洗って湯を張るためのボタンを押しておく。前の家は蛇口から熱湯が出てきて、それを水で薄めるタイプだったのでちょっと目を離すと入れすぎたりして大変だった。ここのは楽でいい。
すぐに食卓に戻って、小さい声でいただきますと言って僕も食べ始めた。有栖がこちらを見て、
「美味い」
ぽつりと言ってくれた。その奥で冴木さんはにこにこしている。有栖の顔は若干赤くなっていて、恥ずかしがっているのが分かる。
「ふふ、有栖は人を褒め慣れてないからね、柄にもないことして恥ずかしがっているんだよ」
その理由は冴木さんが教えてくれた。自分の料理を食べてもらうのは初めてだから、褒めてもらえるのは素直に嬉しい。それも普段褒めない人からなら尚更。
こうしてみると、つくづく冴木さんは有栖の親だなあという感じがする。血は繋がってないんだけど、冴木さんが有栖を見る目は親そのものだった。
「あ、二人に聞きたいことがいくつかあって、まず洗濯物、三人のやつ一緒に洗っていい?」
「俺は問題ない」
「うん、私も大丈夫だよ」
「分かった。じゃあ料理の希望ってある? 好きな食べ物とか」
「肉が好きだが、嫌いなものも特にないな」
「私は何でも食べられるよ。毎日同じものでも大歓迎」
「分かった、ありがとう。…………するか分からないけど、もし掃除とかするときは部屋はいっても大丈夫?」
「ああ」
「うん、大丈夫。物が多いから気をつけてね。あと、無理はしないで」
「あ、ありがとうございます」
未だに冴木さんには敬語が抜けないけれど、まあいいか。普通に目上だし。
お風呂は冴木さん達に先に入ってもらって、その間に僕は食器類を片付けた。冴木さんが手伝おうとしてくれたり、有栖が何か言いたそうにそわそわしていたりしたけど、やんわり断った。一応僕の仕事の内だからね。
片付けが終わった頃、お風呂も空いた。有栖は風呂上がりで妖艶さが+10くらいアップしていて、これはファンには見せられないなと思った。卒倒してもおかしくない。
僕は広いお風呂で十分のんびりして、それから寝る支度をして布団に入る。これから毎日こんな感じの生活が続くのだから、早いところ慣れないとなあ。家の構造は大体覚えたけど。
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