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誘いの理由Ⅱ(有栖視点)
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「有栖君、なんか雰囲気柔らかくなったよね」
「今日の笑顔良いね!」
「何か良いことあったの?」
最近、こんな風に言われることが多くなった。前も良かったけど、今の方がいいと。冴木にさえも、「イライラしなくなったね」と言われる始末。俺としては、何かを変えたつもりは全くない。心当たりがないわけでもないが。
そう言われると、確かに苛つく頻度は格段に減った。渋滞にはまっても、合同撮影の相手が遅刻しても、何故だか心には余裕があった。
カルシウムが充足しているのだろうか。冴木が作ってくれた魚料理のおかげかとも考えたが、あれを作ってくれたのは四,五ヶ月くらい前だ。それからは冴木も忙しいから無理はさせられなくて、作ってもらったとしても簡単な物が多かった。だから、魚料理はあまり関係ないかもしれない。
では、何が原因だ? 何が俺を変えたのか?
…………答えは一つしか浮かばない。あの青年だ。
彼は変わった人だ。俺に興味がない……というとナルシストみたいで嫌だが、俺に興味を持たない人というのは初めてだった。誰かしら必ず何かの感情は抱くものだ。今までずっとそうだった。正の感情であれ負の感情であれ、俺に対して何かしらの感情を向けてくる。
なのに、彼は違った。何を考えているか分からない目と、何を考えているか分からない顔。声にも態度にも感情が乗らなくて、でもどこか人間味があって暖かくて、俺のことを普通の一人間みたいに、まるでモデルじゃないかのように接してくれる。それが何て言うんだろう、とてもほっとするというか、安心するというか……。「モデルの白沢有栖」ではなく「ただの白沢有栖」でいられることが、とにかく楽だった。自分で好きなことを好きなときに出来る、誰の気も遣わなくていい時間。
顔が知られている人に普通に接するのは、誰もが出来そうで出来ないことだ。どれだけ普通に接しようとしても、相手が有名人であるという潜在意識があれば、それが多少なりとも出てしまうから。
だから、俺のことを知った上で態度を一つも変えないということは初めてのことだった。
それがこの心の安らぎに繋がっているとすれば。
そうすれば、納得出来る。「雰囲気が良い」と言われ始めたのもあの休日以降だし。
ああ、本当に俺らしくない。
あの子に、遊沙に、もう一度会いたい。会って話がしたい。あの子が話してくれた、俺が嫌いな虫の話をもう一度聞きたい。代わりに、俺が遭遇した出来事も、たくさん聞いてもらいたい。
変だよな。そう、変なんだ。俺はおかしくなってしまったんだ。冴木以外の人間を信用したことなんて、ましてや会いたいだなんて、こんなこと思ったことなかったのに。
街を歩けば群がってくる”蛾”たちのことを、綺麗だ、なんて、思ったことなかったのに。”蛾”たちのことを見る度に、遊沙の少し悲しそうな横顔が脳裏をよぎって――。
『蛾だって、生きているんだから』
そんな言葉が、チクリと胸を刺す。
そうして俺は彼ら彼女らを邪険に出来なくなって、心なしか少し仕事も増えて。俺がプレイボーイだとかいう根も葉もない噂も減って。
…………彼にそんな意図、ないだろうけど。結果として全てが良い風に回り始めた気がする。たまたまスーパーで会って、たまたま俺が暴力から助けて、たまたま冴木が気に入って休日に呼んだ。もうここまで偶然が重なると、彼との出会いは必然だったんじゃないかって思えてくる。
遊沙は確か、信じられないくらいボロいアパートに住んでいたよな。飯ももやしばっかで、金がないことは一目瞭然だ。あの様子だと、親の仕送りも十分ではないんだろう。あんなの、金を払ってまで住むような家じゃない。もはや家と呼ぶのも違和感があるくらいだ。この寒い時期にあそこで暮らすなんて苦行にも等しい。
あんなところに彼を住まわせておくのは、どうしてだか嫌だった。いつも嫌っているはずの他人のことなのに。あそこに住んでいるのが彼であるという一点が、俺の心に影を落としていた。
…………ああそうだ。いいことを思いついた。いっそのこと、彼を俺の家に住ませてしまったらどうだろうか。俺の家はそれなりに広いし、空き部屋だってある。一緒に住めば話だって出来るし、毎日嫌というほど会える。我ながら良い考えではないか? 彼は不審がるだろうけど、家事をやってもらうということにすれば良い。ちょうど手料理に困っていたところだし。大学行きながらは大変だろうが、家賃等々の問題はなくなるのでバイトをやめれば問題ないだろう。まあ、そこは彼に無理強いできないし、色々好きにしてもらうか。
考えはまとまった。問題は連絡手段だ。今はスマホという文明の利器があるが、正直滅多に使わないので使い方がイマイチ分かっていない。LINEに至っては冴木からの連絡を俺がただ受け取っているだけに過ぎない。ここから彼に接触を図るのはかなり無理があった。
さて、どうしたものか。俺はこの問題に悩み始めてから一向に解決策を見つけられずにいた。何故か寝付きが良くなってしまい、考えすぎで寝付きが良くなってどうすると自問自答する。俺、機械系ダメかもしれない。
それからかなり経ってから、冴木に聞けば良いと言うことに気が付いた。なぜ今まで気が付かなかったのだろう。休日に遊沙を呼んだのは冴木なのだから、当然連絡先を知っているはずなのに。
「なあ、冴木」
「ん? なんだい?」
「…………」
ただ、いざ聞こうとするとかなり恥ずかしい。冴木にこう言ったお願いをするのは滅多にないし、内容が内容だから余計言い出しづらい。
「その、れ、連絡先…………を」
「え?」
「だから、その、ゆ、あの子の……連絡先……」
「ごめん、もうちょっと大きな声で。車のエンジン音で聞こえづらくて」
「遊沙の! 連絡先! 知らないか!」
「? …………ああ!」
俺の顔は羞恥で火を噴きそうな程真っ赤になっていて、冴木はくっくっと笑いやがった。
「知ってる知ってる! そっか、有栖も連絡したくなったんだね」
にまにまと嬉しそうに笑って、赤信号で止まったときにパパッと連絡先を送ってくれた。くそ、こんな簡単なことに俺は…………。
「で、急にどうしたんだい? 何か聞きたくなったかい?」
冴木はなおも嬉しそうなまま、質問してきた。俺は少し迷って、彼を家に住まわせたいということを話した。理由は家がボロいからとか飯を作って欲しいからとか言って、一緒に話したいとか会いたいとかいう恥ずかしい方の理由は言わなかった。嘘は吐いてないからいいだろう。
「あー、なるほどね。うん、いいんじゃない? 私は家が賑やかな方が嬉しいし、遊沙くんに問題がなければ悪い話じゃないんじゃないかな」
「…………分かった」
俺は早速LINEを打って、彼の気持ちを聞いてみることにした。家についてから返信があって、「どうしたの」と聞いてきた。「どうしたの」か。どうしたんだろうな、俺は。全く、妙なことになってしまったものだ。
俺はため息を吐きつつ、暖房の有無を聞く。これで持ってなかったら今日迎えに行こう。明日は予報では大寒波が来るそうだ。あんな家じゃあ凍死しても不思議ではない。雨漏りもするって言ってたしな。
答えは持っていないということだったので、冴木を急かして遊沙を連れてきた。無理矢理過ぎたかもしれないが、それでも文句も言わない遊沙はとても出来た人間だ。やはり連れてきて良かった。
このマンションの奥の部屋は、全て二階建てになっている。つまり他の場所では12階建てのところ、ここだけ2×6階建てというわけだ。マンションのくせに。
遊沙の部屋は二階の奥の空き部屋だ。一応さっと掃除して、必要そうなものを置いたり敷いたりしておいた。困ることはないだろう。
「今日の笑顔良いね!」
「何か良いことあったの?」
最近、こんな風に言われることが多くなった。前も良かったけど、今の方がいいと。冴木にさえも、「イライラしなくなったね」と言われる始末。俺としては、何かを変えたつもりは全くない。心当たりがないわけでもないが。
そう言われると、確かに苛つく頻度は格段に減った。渋滞にはまっても、合同撮影の相手が遅刻しても、何故だか心には余裕があった。
カルシウムが充足しているのだろうか。冴木が作ってくれた魚料理のおかげかとも考えたが、あれを作ってくれたのは四,五ヶ月くらい前だ。それからは冴木も忙しいから無理はさせられなくて、作ってもらったとしても簡単な物が多かった。だから、魚料理はあまり関係ないかもしれない。
では、何が原因だ? 何が俺を変えたのか?
…………答えは一つしか浮かばない。あの青年だ。
彼は変わった人だ。俺に興味がない……というとナルシストみたいで嫌だが、俺に興味を持たない人というのは初めてだった。誰かしら必ず何かの感情は抱くものだ。今までずっとそうだった。正の感情であれ負の感情であれ、俺に対して何かしらの感情を向けてくる。
なのに、彼は違った。何を考えているか分からない目と、何を考えているか分からない顔。声にも態度にも感情が乗らなくて、でもどこか人間味があって暖かくて、俺のことを普通の一人間みたいに、まるでモデルじゃないかのように接してくれる。それが何て言うんだろう、とてもほっとするというか、安心するというか……。「モデルの白沢有栖」ではなく「ただの白沢有栖」でいられることが、とにかく楽だった。自分で好きなことを好きなときに出来る、誰の気も遣わなくていい時間。
顔が知られている人に普通に接するのは、誰もが出来そうで出来ないことだ。どれだけ普通に接しようとしても、相手が有名人であるという潜在意識があれば、それが多少なりとも出てしまうから。
だから、俺のことを知った上で態度を一つも変えないということは初めてのことだった。
それがこの心の安らぎに繋がっているとすれば。
そうすれば、納得出来る。「雰囲気が良い」と言われ始めたのもあの休日以降だし。
ああ、本当に俺らしくない。
あの子に、遊沙に、もう一度会いたい。会って話がしたい。あの子が話してくれた、俺が嫌いな虫の話をもう一度聞きたい。代わりに、俺が遭遇した出来事も、たくさん聞いてもらいたい。
変だよな。そう、変なんだ。俺はおかしくなってしまったんだ。冴木以外の人間を信用したことなんて、ましてや会いたいだなんて、こんなこと思ったことなかったのに。
街を歩けば群がってくる”蛾”たちのことを、綺麗だ、なんて、思ったことなかったのに。”蛾”たちのことを見る度に、遊沙の少し悲しそうな横顔が脳裏をよぎって――。
『蛾だって、生きているんだから』
そんな言葉が、チクリと胸を刺す。
そうして俺は彼ら彼女らを邪険に出来なくなって、心なしか少し仕事も増えて。俺がプレイボーイだとかいう根も葉もない噂も減って。
…………彼にそんな意図、ないだろうけど。結果として全てが良い風に回り始めた気がする。たまたまスーパーで会って、たまたま俺が暴力から助けて、たまたま冴木が気に入って休日に呼んだ。もうここまで偶然が重なると、彼との出会いは必然だったんじゃないかって思えてくる。
遊沙は確か、信じられないくらいボロいアパートに住んでいたよな。飯ももやしばっかで、金がないことは一目瞭然だ。あの様子だと、親の仕送りも十分ではないんだろう。あんなの、金を払ってまで住むような家じゃない。もはや家と呼ぶのも違和感があるくらいだ。この寒い時期にあそこで暮らすなんて苦行にも等しい。
あんなところに彼を住まわせておくのは、どうしてだか嫌だった。いつも嫌っているはずの他人のことなのに。あそこに住んでいるのが彼であるという一点が、俺の心に影を落としていた。
…………ああそうだ。いいことを思いついた。いっそのこと、彼を俺の家に住ませてしまったらどうだろうか。俺の家はそれなりに広いし、空き部屋だってある。一緒に住めば話だって出来るし、毎日嫌というほど会える。我ながら良い考えではないか? 彼は不審がるだろうけど、家事をやってもらうということにすれば良い。ちょうど手料理に困っていたところだし。大学行きながらは大変だろうが、家賃等々の問題はなくなるのでバイトをやめれば問題ないだろう。まあ、そこは彼に無理強いできないし、色々好きにしてもらうか。
考えはまとまった。問題は連絡手段だ。今はスマホという文明の利器があるが、正直滅多に使わないので使い方がイマイチ分かっていない。LINEに至っては冴木からの連絡を俺がただ受け取っているだけに過ぎない。ここから彼に接触を図るのはかなり無理があった。
さて、どうしたものか。俺はこの問題に悩み始めてから一向に解決策を見つけられずにいた。何故か寝付きが良くなってしまい、考えすぎで寝付きが良くなってどうすると自問自答する。俺、機械系ダメかもしれない。
それからかなり経ってから、冴木に聞けば良いと言うことに気が付いた。なぜ今まで気が付かなかったのだろう。休日に遊沙を呼んだのは冴木なのだから、当然連絡先を知っているはずなのに。
「なあ、冴木」
「ん? なんだい?」
「…………」
ただ、いざ聞こうとするとかなり恥ずかしい。冴木にこう言ったお願いをするのは滅多にないし、内容が内容だから余計言い出しづらい。
「その、れ、連絡先…………を」
「え?」
「だから、その、ゆ、あの子の……連絡先……」
「ごめん、もうちょっと大きな声で。車のエンジン音で聞こえづらくて」
「遊沙の! 連絡先! 知らないか!」
「? …………ああ!」
俺の顔は羞恥で火を噴きそうな程真っ赤になっていて、冴木はくっくっと笑いやがった。
「知ってる知ってる! そっか、有栖も連絡したくなったんだね」
にまにまと嬉しそうに笑って、赤信号で止まったときにパパッと連絡先を送ってくれた。くそ、こんな簡単なことに俺は…………。
「で、急にどうしたんだい? 何か聞きたくなったかい?」
冴木はなおも嬉しそうなまま、質問してきた。俺は少し迷って、彼を家に住まわせたいということを話した。理由は家がボロいからとか飯を作って欲しいからとか言って、一緒に話したいとか会いたいとかいう恥ずかしい方の理由は言わなかった。嘘は吐いてないからいいだろう。
「あー、なるほどね。うん、いいんじゃない? 私は家が賑やかな方が嬉しいし、遊沙くんに問題がなければ悪い話じゃないんじゃないかな」
「…………分かった」
俺は早速LINEを打って、彼の気持ちを聞いてみることにした。家についてから返信があって、「どうしたの」と聞いてきた。「どうしたの」か。どうしたんだろうな、俺は。全く、妙なことになってしまったものだ。
俺はため息を吐きつつ、暖房の有無を聞く。これで持ってなかったら今日迎えに行こう。明日は予報では大寒波が来るそうだ。あんな家じゃあ凍死しても不思議ではない。雨漏りもするって言ってたしな。
答えは持っていないということだったので、冴木を急かして遊沙を連れてきた。無理矢理過ぎたかもしれないが、それでも文句も言わない遊沙はとても出来た人間だ。やはり連れてきて良かった。
このマンションの奥の部屋は、全て二階建てになっている。つまり他の場所では12階建てのところ、ここだけ2×6階建てというわけだ。マンションのくせに。
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