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第三章 森の薬師編
59 不吉な夢3
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帝国の兵団が、少女の手から全てを奪った。仲の良い友人も、気の良い隣人も、家も、畑も、何もかも全て。少女は理性を失い、故郷を蹂躙する破壊者共を憎い、殺したいと、心の底から噴出するどす黒い感情をどうする事も出来なかった。
「テスラ、戦って」
少女が首から下げていたネックレスのカシミールサファイアが凄まじい輝きを放ち、それを目にした破壊者達の足が止まった。
少女が抱いていた青いドレスのフェアリーの雰囲気が刹那的に変貌し、翅を広げて上昇する。先程まで怖がっていた小さな存在が、今は少女と同じ憎悪の表情と感情を持って浮かんでいた。
青く透き通る翅に群青の炎が宿り、ゆらりと燃え上がる。テスラと呼ばれたフェアリーが両手を前にかざすと、そこから少女を覆い隠す程の大きさの漆黒の魔法陣が広がる。
黒き兵団、帝国の破壊者達は、本能的な恐怖に襲われた。そして、逃げる間もなく兵団の約半数が、黒い魔法陣から噴出した群青色の炎のうねりに飲み込まれた。炎に触れた者は一瞬で灰になり、苦しむ間もなかった。巻き込まれずに間近で熱波を喰らった者が悲惨だった。火達磨になって転げまわる者、体の大部分が焼け爛れて苦しみもがく者、難を逃れた者共は阿鼻叫喚の地獄絵図に慄然とせざるを得なかった。生き残っていた村人たちまで呆然としていた。
「化け物……」
一人の騎士が言った。
「化け物があぁーーーーーっ!!!」
村人たちを殺戮し、狂気に駆られていた黒騎士たちが、少女とフェアリーに向かって殺到した。そこに巨大な群青の火球が落ちて、襲撃者たちは燃え尽きた。後に残された人の形をした灰が砂のように崩れていく。そこからは恐怖しかなかった。総崩れとなった騎士達は逃げ出すが、青きフェアリーに狙われた者は誰も逃れる事は出来なかった。空から人智を越える素早さで追い詰められ、一人ずつ焼き殺されていった。
やがて、フェアリーに魔力を与え過ぎた少女は、淡い光を体から放出しながら、がくりと膝を付いた。胸が苦しくてたまらなかった。正気に戻った少女は辺りの惨状を見て涙を流した。
「ごめんね、テスラ、こんな酷い事させて……わたし、マスター失格だね……」
少女に向かって、体を引きずりながら近づいてくる者があった。少女がその存在に気付いた時、半身焼け爛れた帝国騎士に見下ろされていた。
「この……化け物っ!!」
騎士は最後の力を振り絞って剣を振り上げた。少女がそれを受け入れるように両手を広げた。
「フェアリーの犯した罪は、マスターの罪。斬って下さい」
「さらばだ、妖精使いよ」
息も絶え絶えの騎士が、最後に凄まじい怒号を飛ばして剣を振り下ろした。刃が華奢な左肩から入り、右の脾腹まで斜めに切り裂いた。少女は仰向けに倒れ、騎士も斬った勢いのまま倒れて動かなくなった。
少女の身体に通った焼かれる様な痛みが次第に鈍くなって、喉の奥から上がってきた鮮血が口から溢れた。薄れゆく意識の中で、少女は上空から降下してくるフェアリーの姿を見つめていた。
青きフェアリーが少女に可愛らしい顔を近づけて泣いていた。
「やだ、死なないで!!」
――ごめんね、テスラ。
もう、声は出なかった。
「リリーシャぁーーーっ!!!」
愛するフェアリーの悲愴な叫び、それが少女が最後に聞いた声だった。
夜中に起き上がったマナは、まだ胸が痛むように思えて体を縮めた。
――夢なんかじゃない。
これは記憶だ。マナは自分の中で押し殺してきた知覚を認めたくはなかった。でも、もうこれ以上、自分の中に閉じ込めて置く事はできなかった。あまりにも恐ろしく辛い記憶、どこの誰のものかも分からない記憶、マナにはとても受け止めきれない。
マナの瞳から涙が滂沱として溢れ、体の震えも止まらなかった。隣で寝ていたニイナがすぐに気付いて起き上がった。
「どうした?」
「ニイナさん、わたし……人をたくさん、殺したかもしれない……」
暗闇の中でニイナは瞠目した。
「何を言ってるんだお前は、そんな事があるわけないだろう。怖い夢でも見たんだな」
「違うの、あれは夢じゃない。怖いよ……ニイナさん」
ニイナがマナの頭を抱き込んで、マナは母のように思える温かい胸の中で、時間をかけて少しずつ落ち着きを取り戻していった。
ニイナは眠れなくなったマナに温かいミルクを出してくれた。メラメラはマナの頭の上に乗ったと思ったら、大きな欠伸をして眠り始める。
「お前の様子は普通じゃないぞ。夢じゃないとか言っていたが、だったら何を見たんだ?」
「……多分、誰かの記憶なんです。わたしの中に知らない記憶があるんです」
「知らない誰かの記憶か。だが、その記憶はお前と無関係ではないはずだ。この世界には人の心を研究する学問がある。前世の記憶を保持している人間がいる事は、良く知られている」
「やっぱり、そうなんでしょうか……」
「そう考えるのが論理的だな」
「わたしが、わたしとして生まれる前の記憶……」
「その記憶は、ずっと前からあったのか?」
「いえ、この世界に来てから急に現れたんです」
「もしかして、フェアスティアに因果のある記憶なのか? 内容を話せるか?」
マナは時々言葉に迷いながら、ゆっくりと全てを詳らかにしていった。話が進むごとにニイナの表情が曇っていき、最後には聞くに堪えないというように首を振った。
「可哀そうに……何でマナみたいに良い子に、そんな酷い記憶が宿るんだ」
「わたしどうしたら……」
「どうもしない。その記憶は、マナ・シーリングとして生きた15年かそこらの人生の外にあるものだ。今のお前とは関係ない、深く考えるな」
「でも、知らない記憶の中のフェアリーがメラメラと重なるんです。偶然とは思えなくて……」
「その記憶が前世のものと仮定すると、お前は妖精使いだったって事だな。そこには何らかの因果があるのかもしれない。だが、あくまでマナではない他の誰かの記憶だ。前世と今世を混同するなよ、もっと客観的に捉えるんだ」
「はい、頑張ってみます」
「それでいい。明日の仕事は大丈夫か? 休んだ方がいいんじゃないのか?」
ニイナにそう言われた時には、マナはずいぶん過保護だなと思いながらも、母親に心配されてるみたいで嬉しかった。
「大丈夫です。とても辛い記憶ですけど、これも前に進めば変わるような気がするんです」
「よし、その意気だ。明日は早いし、すぐに寝るんだ。朝食はわたしが作ってやるからな」
それを聞いたマナは、変に作り笑いを浮かべてしまった。
「い、いえ、大丈夫です。ちゃんと起きて、わたしが朝食作りますから」
「そんな、遠慮するな」
「本当に大丈夫ですから。実は、毎朝ご飯作るの楽しみなんです、料理が好きなんです」
ちょっと苦しい文言だが、ニイナに朝食を作らせるわけにはいかなかった。マナは悪いとは思いながらも、朝食のせいでさらに気分が落ち込むのを回避したのだった。
「テスラ、戦って」
少女が首から下げていたネックレスのカシミールサファイアが凄まじい輝きを放ち、それを目にした破壊者達の足が止まった。
少女が抱いていた青いドレスのフェアリーの雰囲気が刹那的に変貌し、翅を広げて上昇する。先程まで怖がっていた小さな存在が、今は少女と同じ憎悪の表情と感情を持って浮かんでいた。
青く透き通る翅に群青の炎が宿り、ゆらりと燃え上がる。テスラと呼ばれたフェアリーが両手を前にかざすと、そこから少女を覆い隠す程の大きさの漆黒の魔法陣が広がる。
黒き兵団、帝国の破壊者達は、本能的な恐怖に襲われた。そして、逃げる間もなく兵団の約半数が、黒い魔法陣から噴出した群青色の炎のうねりに飲み込まれた。炎に触れた者は一瞬で灰になり、苦しむ間もなかった。巻き込まれずに間近で熱波を喰らった者が悲惨だった。火達磨になって転げまわる者、体の大部分が焼け爛れて苦しみもがく者、難を逃れた者共は阿鼻叫喚の地獄絵図に慄然とせざるを得なかった。生き残っていた村人たちまで呆然としていた。
「化け物……」
一人の騎士が言った。
「化け物があぁーーーーーっ!!!」
村人たちを殺戮し、狂気に駆られていた黒騎士たちが、少女とフェアリーに向かって殺到した。そこに巨大な群青の火球が落ちて、襲撃者たちは燃え尽きた。後に残された人の形をした灰が砂のように崩れていく。そこからは恐怖しかなかった。総崩れとなった騎士達は逃げ出すが、青きフェアリーに狙われた者は誰も逃れる事は出来なかった。空から人智を越える素早さで追い詰められ、一人ずつ焼き殺されていった。
やがて、フェアリーに魔力を与え過ぎた少女は、淡い光を体から放出しながら、がくりと膝を付いた。胸が苦しくてたまらなかった。正気に戻った少女は辺りの惨状を見て涙を流した。
「ごめんね、テスラ、こんな酷い事させて……わたし、マスター失格だね……」
少女に向かって、体を引きずりながら近づいてくる者があった。少女がその存在に気付いた時、半身焼け爛れた帝国騎士に見下ろされていた。
「この……化け物っ!!」
騎士は最後の力を振り絞って剣を振り上げた。少女がそれを受け入れるように両手を広げた。
「フェアリーの犯した罪は、マスターの罪。斬って下さい」
「さらばだ、妖精使いよ」
息も絶え絶えの騎士が、最後に凄まじい怒号を飛ばして剣を振り下ろした。刃が華奢な左肩から入り、右の脾腹まで斜めに切り裂いた。少女は仰向けに倒れ、騎士も斬った勢いのまま倒れて動かなくなった。
少女の身体に通った焼かれる様な痛みが次第に鈍くなって、喉の奥から上がってきた鮮血が口から溢れた。薄れゆく意識の中で、少女は上空から降下してくるフェアリーの姿を見つめていた。
青きフェアリーが少女に可愛らしい顔を近づけて泣いていた。
「やだ、死なないで!!」
――ごめんね、テスラ。
もう、声は出なかった。
「リリーシャぁーーーっ!!!」
愛するフェアリーの悲愴な叫び、それが少女が最後に聞いた声だった。
夜中に起き上がったマナは、まだ胸が痛むように思えて体を縮めた。
――夢なんかじゃない。
これは記憶だ。マナは自分の中で押し殺してきた知覚を認めたくはなかった。でも、もうこれ以上、自分の中に閉じ込めて置く事はできなかった。あまりにも恐ろしく辛い記憶、どこの誰のものかも分からない記憶、マナにはとても受け止めきれない。
マナの瞳から涙が滂沱として溢れ、体の震えも止まらなかった。隣で寝ていたニイナがすぐに気付いて起き上がった。
「どうした?」
「ニイナさん、わたし……人をたくさん、殺したかもしれない……」
暗闇の中でニイナは瞠目した。
「何を言ってるんだお前は、そんな事があるわけないだろう。怖い夢でも見たんだな」
「違うの、あれは夢じゃない。怖いよ……ニイナさん」
ニイナがマナの頭を抱き込んで、マナは母のように思える温かい胸の中で、時間をかけて少しずつ落ち着きを取り戻していった。
ニイナは眠れなくなったマナに温かいミルクを出してくれた。メラメラはマナの頭の上に乗ったと思ったら、大きな欠伸をして眠り始める。
「お前の様子は普通じゃないぞ。夢じゃないとか言っていたが、だったら何を見たんだ?」
「……多分、誰かの記憶なんです。わたしの中に知らない記憶があるんです」
「知らない誰かの記憶か。だが、その記憶はお前と無関係ではないはずだ。この世界には人の心を研究する学問がある。前世の記憶を保持している人間がいる事は、良く知られている」
「やっぱり、そうなんでしょうか……」
「そう考えるのが論理的だな」
「わたしが、わたしとして生まれる前の記憶……」
「その記憶は、ずっと前からあったのか?」
「いえ、この世界に来てから急に現れたんです」
「もしかして、フェアスティアに因果のある記憶なのか? 内容を話せるか?」
マナは時々言葉に迷いながら、ゆっくりと全てを詳らかにしていった。話が進むごとにニイナの表情が曇っていき、最後には聞くに堪えないというように首を振った。
「可哀そうに……何でマナみたいに良い子に、そんな酷い記憶が宿るんだ」
「わたしどうしたら……」
「どうもしない。その記憶は、マナ・シーリングとして生きた15年かそこらの人生の外にあるものだ。今のお前とは関係ない、深く考えるな」
「でも、知らない記憶の中のフェアリーがメラメラと重なるんです。偶然とは思えなくて……」
「その記憶が前世のものと仮定すると、お前は妖精使いだったって事だな。そこには何らかの因果があるのかもしれない。だが、あくまでマナではない他の誰かの記憶だ。前世と今世を混同するなよ、もっと客観的に捉えるんだ」
「はい、頑張ってみます」
「それでいい。明日の仕事は大丈夫か? 休んだ方がいいんじゃないのか?」
ニイナにそう言われた時には、マナはずいぶん過保護だなと思いながらも、母親に心配されてるみたいで嬉しかった。
「大丈夫です。とても辛い記憶ですけど、これも前に進めば変わるような気がするんです」
「よし、その意気だ。明日は早いし、すぐに寝るんだ。朝食はわたしが作ってやるからな」
それを聞いたマナは、変に作り笑いを浮かべてしまった。
「い、いえ、大丈夫です。ちゃんと起きて、わたしが朝食作りますから」
「そんな、遠慮するな」
「本当に大丈夫ですから。実は、毎朝ご飯作るの楽しみなんです、料理が好きなんです」
ちょっと苦しい文言だが、ニイナに朝食を作らせるわけにはいかなかった。マナは悪いとは思いながらも、朝食のせいでさらに気分が落ち込むのを回避したのだった。
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