君の涙の雫には

Nori

文字の大きさ
上 下
4 / 4

第三射 早撃ち

しおりを挟む
 俺は、持ち前の足でターゲットの場所まで走った。
ターゲットは相変わらずしゃがみこんでいた。

 俺は、ターゲットの目が気になって目を見ようと近くに行くと。ターゲットはまた俺の目を見たそれは、レンズ越しと同じ涙を含んだ瞳だった。

 俺は、彼女に話しかけた。
「君は、なんでないてるんだ?」

 世界に鼓動の音が響いた気がした。それは全力で走って波打つ心臓が本気で打った鼓動なのかそれとも彼女に気を使えなかったことによる絶望感の焦りかそれを考えていると。

「ここに私の居場所が無い」と彼女は言った。

 それはどう言う意味なのかわからなかったが。
俺は、少し嬉しい気持ちが頭をよぎった。
彼女は、『居場所がないなら、俺の所に来てくれるかもしれない。』

 今までこれほどまでに合理性の無い思考をしたのは初めてだった。

「居場所がないなら。俺の所に来るか?」
俺は、口が勝手に動いていた。

「何言ってんだ!気が狂ったか!」と片耳に付けたイヤホン型の通信機から耳が痛くなるほどの大声で信二の声が聞こえた。

「お前、今どう言う状況かわかってんのか!?。依頼を受けたのはお前だけじゃない。今でも20人ほどに見られてるんだぞ!?しかも、それを依頼主に報告しようと
無線が何本も飛んでいる。今は、俺が全部妨害してるが……、?………!?!」

 うるさいからイヤホンを外した。
 信二は、基本的にどんな状況になったとしても自動運転を使った交通事故などでどんな事でもできるから任せておけば何とかなる。

 俺には、今は彼女のこと以外が無意味になっていた。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

体内内蔵スマホ

廣瀬純一
SF
体に内蔵されたスマホのチップのバグで男女の体が入れ替わる話

日本昔話村

たらこ飴
SF
 オカルトマニアの唐沢傑は、ある日偶然元クラスメイトの権田幻之介と再会する。権田に家まで送ってくれと頼まれた唐沢は嫌々承諾するが、持ち前の方向音痴が炸裂し道に迷ってしまう。二人が迷い込んだところは、地図にはない場所ーーまるで日本昔話に出てくるような寂れた農村だった。  両親が若い頃に体験したことを元にして書いた話です。

高校生とUFO

廣瀬純一
SF
UFOと遭遇した高校生の男女の体が入れ替わる話

ゴースト

ニタマゴ
SF
ある人は言った「人類に共通の敵ができた時、人類今までにない奇跡を作り上げるでしょう」 そして、それは事実となった。 2027ユーラシア大陸、シベリア北部、後にゴーストと呼ばれるようになった化け物が襲ってきた。 そこから人類が下した決断、人類史上最大で最悪の戦争『ゴーストWar』幕を開けた。

クトゥルフの神々VS人類の神々

puni2fox
SF
神話を調べている時にふと思いついたので、暇つぶしにChatGPTで遊んでみたものです。

超古代のテクノロジーは正直僕の身に余る

ほぼダルマ
SF
3/10 作り直しました。あまりにひどかったので。まあ今もひどいですけどね! ただただ普通の人生を送っていた主人公は偶発的に起きた超古代文明のテクノロジーに巻き込まれて死にかけ、そのテクノロジーによって生還した――望まない力を身に宿すことで。 それまでの普通とはなんだったのかというほど人生の波は急転直下。様々なトラブルに見舞われ、それぞれの国家の企みにも翻弄される。 身の丈に合う普通の人生を望むが、降りかかる災難から身を守る為に時には身の丈に合ってないと思っている力も振りかざさなくてはならなかった。 ※この物語はフィクションです。 登場する個人・団体とは一切何の関係もないったらないんです。 似たような国名は似てるだけです。何の含みもないので邪推してはいけません。 あとなろうにも投稿しています

未来から来た美女の俺

廣瀬純一
SF
未来から来た美女が未来の自分だった男の話

アポカリプスV

うなぎ太郎
SF
2024年、突如世界を新型ウイルス「アポカリプスV」が襲った。 80億人いた世界人口はたったの100万人にまで減少。 しかし、疫病の惨禍を生き延びた者たちには、余剰状態となった地球の資源を利用し、自然と共生した豊かな生活が送れる楽園が待っていた_______? ※人類が衰退した様子が描かれますが、筆者は人類または特定の国の衰退を望んでいる訳ではおらず、また政体の変更もフィクションであり、特定の政治信条・思想を肯定または卑下するために執筆したものではございません。

処理中です...