28 / 108
第28話 魔界もパソコンが必要な時代!?
しおりを挟む
勤勉な悪魔たちは本当にパソコンを導入しようとしていた。人間界から調達してきたというパソコンは二年前の型だったが、十分に使えるものだ。
今のところサタンとベルゼビュートの執務室にしかないと言うので、一先ずサタンの部屋で教えることになる。
しかも執務室、県知事なんかの執務室と変わらなかった。
「すげえな。どこから持ってきたんだ?」
高そうな椅子に座り、奏汰はパソコンの初期設定をしてあげながら思わず確認。
「失礼な。ちゃんとヤ○ダ電機で買った」
「普通に大手電気店で買ってる!?」
サタンが腕を組んで言う言葉に、奏汰はビックリした。しかし、よくよく考えればルシファーも一万円に換金していたことだし、そういうルートがあるのか。
「あるぞ。未だ古式ゆかしく悪魔信仰をしている人々がいる。彼らと通じで悪魔の物品と現金に交換してもらうんだ。基本はユーロだが、日本円にしてくれって頼めば円で用意してくれる」
「マジか」
ということは、これ、正真正銘の新品かあ。ってここ、Wi-Fi繋がっているんだ。サクサクと進む初期設定に、奏汰はやはりビックリ。
「Wi-Fiはどうしてるんだ?」
「それも悪魔信仰の連中の事務所を介している。世界征服のため、我らもホームページを作るのだと言ったら、あっさり了承したぞ」
「へえ。で、ホームページは作るのか?」
「作らん。ってか、そいつらが勝手に作ってる」
「・・・・・・その人たち、サタンの言葉は何でも鵜呑みにしちゃうんだな」
「ああ。支配しやすい連中だ」
そこでにやっと笑う様は、さすが悪魔の王という顔だった。横にいるルシファーは呆れていたが。
「じゃあ、インターネットの設定もしておくな。言語は英語でいいのか?」
「ああ。というか、奏汰。英語を普通に使えるんだな。日本人は苦手だと聞いたぞ」
サタン、なぜかそんなところをツッコんでくる。確かに日本人は苦手だね、英語。
「もともと好きだったから勉強してたんだよ。喋るのは苦手だけど、リーディングは問題ない」
「へえ」
そういうものなのかと、今度は悪魔三人が揃って感心した様子だ。
何なんだ、この状況。
「ほい。これでウイ○ドウズは問題なく動くよ。エクセルはこれだな」
「ほうほう」
画面を開いてあげると、悪魔三人は大喜びで覗き込んでくる。
ああ、なんか新鮮。こっちが驚かされてばかりだけど、普通にこいつらも喜んだり驚いたりするんだ。
「それで、どういう計算をしたいんだ」
「これ」
サタンはいそいそとファイルを渡してくる。中をパラパラと確認すると、先ほど話題になった納税関係のようだ。
「ううん。これ、経理ソフトを入れた方が早いんじゃないか?」
「経理ソフト? そういうのがあるのか」
「うん。俺も詳しいわけじゃないけど、ちょっと待って」
奏汰は先ほど繋いだインターネットを早速駆使し、これとネット通販のサイトを開く。
「ふむふむ。これがあると支出の計算が簡単なんだな。凄いなあ、人間界は。いつも驚かされる」
「本当ですね」
サタンとベルゼビュートが嬉しそうにしている様子に、
「本当にこの人たち悪魔なの?」
奏汰は思わずルシファーに確認しちゃうのだった。
今のところサタンとベルゼビュートの執務室にしかないと言うので、一先ずサタンの部屋で教えることになる。
しかも執務室、県知事なんかの執務室と変わらなかった。
「すげえな。どこから持ってきたんだ?」
高そうな椅子に座り、奏汰はパソコンの初期設定をしてあげながら思わず確認。
「失礼な。ちゃんとヤ○ダ電機で買った」
「普通に大手電気店で買ってる!?」
サタンが腕を組んで言う言葉に、奏汰はビックリした。しかし、よくよく考えればルシファーも一万円に換金していたことだし、そういうルートがあるのか。
「あるぞ。未だ古式ゆかしく悪魔信仰をしている人々がいる。彼らと通じで悪魔の物品と現金に交換してもらうんだ。基本はユーロだが、日本円にしてくれって頼めば円で用意してくれる」
「マジか」
ということは、これ、正真正銘の新品かあ。ってここ、Wi-Fi繋がっているんだ。サクサクと進む初期設定に、奏汰はやはりビックリ。
「Wi-Fiはどうしてるんだ?」
「それも悪魔信仰の連中の事務所を介している。世界征服のため、我らもホームページを作るのだと言ったら、あっさり了承したぞ」
「へえ。で、ホームページは作るのか?」
「作らん。ってか、そいつらが勝手に作ってる」
「・・・・・・その人たち、サタンの言葉は何でも鵜呑みにしちゃうんだな」
「ああ。支配しやすい連中だ」
そこでにやっと笑う様は、さすが悪魔の王という顔だった。横にいるルシファーは呆れていたが。
「じゃあ、インターネットの設定もしておくな。言語は英語でいいのか?」
「ああ。というか、奏汰。英語を普通に使えるんだな。日本人は苦手だと聞いたぞ」
サタン、なぜかそんなところをツッコんでくる。確かに日本人は苦手だね、英語。
「もともと好きだったから勉強してたんだよ。喋るのは苦手だけど、リーディングは問題ない」
「へえ」
そういうものなのかと、今度は悪魔三人が揃って感心した様子だ。
何なんだ、この状況。
「ほい。これでウイ○ドウズは問題なく動くよ。エクセルはこれだな」
「ほうほう」
画面を開いてあげると、悪魔三人は大喜びで覗き込んでくる。
ああ、なんか新鮮。こっちが驚かされてばかりだけど、普通にこいつらも喜んだり驚いたりするんだ。
「それで、どういう計算をしたいんだ」
「これ」
サタンはいそいそとファイルを渡してくる。中をパラパラと確認すると、先ほど話題になった納税関係のようだ。
「ううん。これ、経理ソフトを入れた方が早いんじゃないか?」
「経理ソフト? そういうのがあるのか」
「うん。俺も詳しいわけじゃないけど、ちょっと待って」
奏汰は先ほど繋いだインターネットを早速駆使し、これとネット通販のサイトを開く。
「ふむふむ。これがあると支出の計算が簡単なんだな。凄いなあ、人間界は。いつも驚かされる」
「本当ですね」
サタンとベルゼビュートが嬉しそうにしている様子に、
「本当にこの人たち悪魔なの?」
奏汰は思わずルシファーに確認しちゃうのだった。
1
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
吸血鬼にとって俺はどうやら最高級に美味しいものらしい。
音無野ウサギ
BL
「吸血鬼に血を吸われるってこんなに気持ちよくっていいのかよ?」
超絶美貌の吸血鬼に恐怖よりも魅せられてしまった山田空。
ハロウィンまでの期間限定ならとその身を差し出してしまったが・・・・
7話完結
ハロウィン用に頑張りました🎃
ムーンライトノベルズさんでも掲載しています
失恋して崖から落ちたら、山の主の熊さんの嫁になった
無月陸兎
BL
ホタル祭で夜にホタルを見ながら友達に告白しようと企んでいた俺は、浮かれてムードの欠片もない山道で告白してフラれた。更には足を踏み外して崖から落ちてしまった。
そこで出会った山の主の熊さんと会い俺は熊さんの嫁になった──。
チョロくてちょっぴりおつむが弱い主人公が、ひたすら自分の旦那になった熊さん好き好きしてます。
突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています
ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた
魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。
そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。
だがその騎士にも秘密があった―――。
その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。
なんか金髪超絶美形の御曹司を抱くことになったんだが
なずとず
BL
タイトル通りの軽いノリの話です
酔った勢いで知らないハーフと将来を約束してしまった勇気君視点のお話になります
攻
井之上 勇気
まだまだ若手のサラリーマン
元ヤンの過去を隠しているが、酒が入ると本性が出てしまうらしい
でも翌朝には完全に記憶がない
受
牧野・ハロルド・エリス
天才・イケメン・天然ボケなカタコトハーフの御曹司
金髪ロング、勇気より背が高い
勇気にベタ惚れの仔犬ちゃん
ユウキにオヨメサンにしてもらいたい
同作者作品の「一夜の関係」の登場人物も絡んできます
【完結】帝王様は、表でも裏でも有名な飼い猫を溺愛する
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
BL
離地暦201年――人類は地球を離れ、宇宙で新たな生活を始め200年近くが経過した。貧困の差が広がる地球を捨て、裕福な人々は宇宙へ進出していく。
狙撃手として裏で名を馳せたルーイは、地球での狙撃の帰りに公安に拘束された。逃走経路を疎かにした結果だ。表では一流モデルとして有名な青年が裏路地で保護される、滅多にない事態に公安は彼を疑うが……。
表も裏もひっくるめてルーイの『飼い主』である権力者リューアは公安からの問い合わせに対し、彼の保護と称した強制連行を指示する。
権力者一族の争いに巻き込まれるルーイと、ひたすらに彼に甘いリューアの愛の行方は?
【重複投稿】エブリスタ、アルファポリス、小説家になろう
【注意】※印は性的表現有ります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる