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第17話 ルシファーとサタン
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「人間って難しいです」
「凄く今更な呟きだな」
むすっと膨れるルシファーに答えるのは、面白いことになっているとベルゼビュートから報告を受けたサタンだ。屋敷に突撃し、一人でワインを飲んでいたルシファーを捕まえると、根掘り葉掘りこれまでのことを聞き出していた。
「だって、この俺様の伴侶ですよ。サタン王ほどではないとはいえ、何もかも思いのまま。普通は喜んでくれてもいいと思うんですけど」
どんっとテーブルを叩いて訴えるルシファーはかなり酔っている。しかも面倒な酔っ払いだ。しかし、サタンはそれを楽しむ度量があった。
「お前の伴侶という言葉そのものにハードルがあるんだろ? それはどうするつもりなんだ?」
「それです。めっちゃ困ってます。ベルゼビュートは時間が掛かるって言ってました」
「まあ、掛かるよな」
「そんなっ!?」
サタンは否定してくれるのでは。そう思っていたルシファーはショックを受ける。そしてぱたんとソファに寝転んだ。さらにいやいやと首を振る。
「お前は可愛いなあ」
「ぐう」
からかわれている。ルシファーはぐっと拳を握るが、サタンはにやにや。
「そうだな。奏汰の気持ちを知ってみるってのはどうだ?」
そしてあろうことか、そんなことを言い出す。が、ルシファーはウエルカムだった。
「あ、俺様、どっちも可です。むしろサタン様の胤が飲めるなら、積極的に脱ぎます!」
「意味のねえ奴だな。お前がそういう調子だから奏汰を怒らせるわけだろ。お前さ、奏汰もそうやって自分と同じくウエルカムと足を開いてくれると思ってるだろ」
「ぐぐぅ」
図星を指されてルシファーは再びソファに沈んだ。
まさにそのとおり。告白すれば総て上手くいくと思っていました。魔界に呼んじゃえば諦めてくれると思ってました。
「せめて錬金術師でも呼んで、奏汰のご機嫌を取るんだな」
「ええっ!? あんな奴らを?」
「お前は魔法を否定する気か?」
「しませんけど。なんか嫌」
「くくっ。呼んでもいないのに焼き餅か。まあ、奏汰は大学で化学を学ぶ者だ。お前には解らないことで盛り上がるだろうな。そして楽しそうに笑うんだろうなあ」
サタン、にやにやと笑ってルシファーの心を抉る。抉られたルシファーはぐはっと悶える。
「そんな。俺様を差し置いて盛り上がるだと」
「そもそも、そんな奏汰を見ているのが嫌で、大学まで付いて行ったんだろ。そして悪魔の影響を周囲にふんだんに受けさせた。普通、悪魔と取り引きをしていない人間が、あそこまで嫌悪感を抱かれることはないからな」
「ぐふぅ」
「独占したいってか。ルシファーらしいが、その余裕のなさは嫌われる元だぞ」
「・・・・・・」
すでに今日、五時間放置されました。
ルシファーは唇を尖らせると、ワインをボトルから直接呷っていたのだった。
「凄く今更な呟きだな」
むすっと膨れるルシファーに答えるのは、面白いことになっているとベルゼビュートから報告を受けたサタンだ。屋敷に突撃し、一人でワインを飲んでいたルシファーを捕まえると、根掘り葉掘りこれまでのことを聞き出していた。
「だって、この俺様の伴侶ですよ。サタン王ほどではないとはいえ、何もかも思いのまま。普通は喜んでくれてもいいと思うんですけど」
どんっとテーブルを叩いて訴えるルシファーはかなり酔っている。しかも面倒な酔っ払いだ。しかし、サタンはそれを楽しむ度量があった。
「お前の伴侶という言葉そのものにハードルがあるんだろ? それはどうするつもりなんだ?」
「それです。めっちゃ困ってます。ベルゼビュートは時間が掛かるって言ってました」
「まあ、掛かるよな」
「そんなっ!?」
サタンは否定してくれるのでは。そう思っていたルシファーはショックを受ける。そしてぱたんとソファに寝転んだ。さらにいやいやと首を振る。
「お前は可愛いなあ」
「ぐう」
からかわれている。ルシファーはぐっと拳を握るが、サタンはにやにや。
「そうだな。奏汰の気持ちを知ってみるってのはどうだ?」
そしてあろうことか、そんなことを言い出す。が、ルシファーはウエルカムだった。
「あ、俺様、どっちも可です。むしろサタン様の胤が飲めるなら、積極的に脱ぎます!」
「意味のねえ奴だな。お前がそういう調子だから奏汰を怒らせるわけだろ。お前さ、奏汰もそうやって自分と同じくウエルカムと足を開いてくれると思ってるだろ」
「ぐぐぅ」
図星を指されてルシファーは再びソファに沈んだ。
まさにそのとおり。告白すれば総て上手くいくと思っていました。魔界に呼んじゃえば諦めてくれると思ってました。
「せめて錬金術師でも呼んで、奏汰のご機嫌を取るんだな」
「ええっ!? あんな奴らを?」
「お前は魔法を否定する気か?」
「しませんけど。なんか嫌」
「くくっ。呼んでもいないのに焼き餅か。まあ、奏汰は大学で化学を学ぶ者だ。お前には解らないことで盛り上がるだろうな。そして楽しそうに笑うんだろうなあ」
サタン、にやにやと笑ってルシファーの心を抉る。抉られたルシファーはぐはっと悶える。
「そんな。俺様を差し置いて盛り上がるだと」
「そもそも、そんな奏汰を見ているのが嫌で、大学まで付いて行ったんだろ。そして悪魔の影響を周囲にふんだんに受けさせた。普通、悪魔と取り引きをしていない人間が、あそこまで嫌悪感を抱かれることはないからな」
「ぐふぅ」
「独占したいってか。ルシファーらしいが、その余裕のなさは嫌われる元だぞ」
「・・・・・・」
すでに今日、五時間放置されました。
ルシファーは唇を尖らせると、ワインをボトルから直接呷っていたのだった。
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