21 / 26
第21話 嫉妬しちゃうな
しおりを挟む
「さて、どうするかだな」
何だかよく解らないものの礼詞と対決しないことには暁良を取り戻せないらしい。それに対してどうするか。路人は作戦会議を開くことにした。が、会議を始めた途端に佑弥はいなくなってしまった。終わったら連絡しろとだけいい、完全に路人の味方ではないと態度でも示してくれている。
「どう考えてもこの暁良救出事態が怪しいですよ。いいんですか、路人さん」
佑弥を連れて来ておいて何だが、優斗はこの話に乗ること自体に反対だった。もちろん暁良がピンチだということは解っている。実際に礼詞に捕まっているのも確かだろう。しかし、罠に自ら嵌るというのは賛成できるものではない。
「いいも何も、誰が何を考えているのかさっぱり解らないんだよ。俺は単に赤松が色々なことをやっているだけだと思っていた。山名の言い方もそんな感じだったしね。それがどうやら別の動きもあるという。こうなったら、下手に自分たちで動くよりかは敵の話に乗っかるしかないと思う」
路人は面倒だけど佑弥の話に乗るのが手っ取り早いとの結論に至っていた。それに紀章が堂々と研究室の入るビルの前に現れたことも気になっている。どうやらこの暁良誘拐は、ただ自分を連れ戻したい以上の何かがある気がしてならない。
「そうですね。山名先生は色々と忙しいはずです。特に科学技術省の立ち上げには有識者会議の頃から携わっています。そんな方が、連れ戻すのではなく接触してきただけというのは気になりますね」
瑛真も単純な事件ではないことに同意した。そして、紀章に会ったことでまた声が出なくなってしまった翔摩をちらりと見る。心の準備もなく紀章に会うのは、やはり相当な負担なのだ。まだ、翔摩は紀章の待つ大学に戻るのは無理だろう。その翔摩は腕組をしたまま考え事に集中している。パソコンで話しかけてくることもない。
「あの、詳しい事情は解らないんですけど、要するに暁良の居場所は解らないってことでいいんですか?」
色々と難しいなと思った哲彰は、一先ず気になることを質問した。
「そう。暁良の居場所は全く見当がつかない。あの牢屋に入った写真は君たちを煽るためのもので、それ以上ではないはずなんだ。しかし牢屋なんて――まあ、写真用に作った偽物なんだろうけど、それを用意した場所はどこか。そもそも科学技術省をどこに置くのかもまだ発表されていないからな。つまり、こちらからは全く知ることが出来ない状況を相手は利用しているんだ。だからあの少年の話に乗るしかないという結論になってしまうわけさ」
これで理解したかと路人は哲彰を見る。
「なるほど。確かにあの写真を見て俺たちは路人さんに連絡を取ろうってなりましたからね。はあ、俺たちは赤松の手の上ですか」
哲彰は理解したものの嫌になると溜め息だ。これでまた科学者のイメージが悪くなる。
「あの男はどこか変質的なところがあるからなあ。何を考えているのか昔から解らない。どう対抗したものか」
俺だって嫌いだよと路人は遠くを見つめる。が、すぐに視線は机の上に向かった。
「あっ」
「?」
急に閃いたと机を叩いた路人に、四人はどうしたと路人を見る。
「これ、使えるかもね」
路人はそう言うと、この間から開発に勤しんでいた科学者狩り用の罠を持ち上げて笑った。
研究室を出て、佑弥が向かったのはチェーン展開している喫茶店だった。別にゆっくり電話が出来ればどこでもいいのだが、気分を落ち着けたいとコーヒーが飲みたくなったのだ。
「こういうところが、高校生ではないとばれる要因なのかな」
コーヒーを飲みながら、佑弥はあっさりと優斗に高校生でないと見抜かれたことを考えてしまう。年齢的には問題ないし、見た目も老けているわけではない。となると、一般的な高校生よりずれている何かがあるのかと悩んでしまう。
「まあいいか。今後高校生に化けるようなことはないだろう」
それより連絡だと佑弥はスマホを取り出して電話を掛ける。すると相手は待っていたとばかりに出た。
「少し待ってくれ」
しかし何か不都合な状況なのか、しばらく待たされた。そして次に声が聞こえた時には報告を始めてくれと説明はない。
「はい。状況は若干の計画からのずれは生じたものの順調です。一色路人との接触も叶いました。本当は、俺を捕まえてくれれば話が早かったんですけどね。一色がうろうろしていた場所が予測できずに苦労しました」
佑弥がそう苦笑すると、まあ別の成果があったからいいと相手は笑って終わらせた。
「陣内暁良ですか?」
「ああ。彼は使えそうだ。それに路人ならば君だけで接触した場合動かなかったかもしれないからな。今の状況は好ましい」
相手は面白くなったとばかりに笑うが、佑弥としてはスマートなやり方ではないなと思ってしまう。路人をさっさと連れ戻すために科学者狩りを狩らせ、自分が捕まって一計を案じる。それが当初の計画だったのにと不満だ。
「このまま進めてくれ。こちらも新たに動いているよ」
佑弥の不満を感じ取ってか、相手は手短にそれだけ言って電話を切ってしまった。全く、一流の研究者になればなるほど我儘で困る。
「そんなに面白い奴なのかね。陣内って」
それより気になるのは、まだ会ったことのない暁良だ。別に成績が良いわけでもなく、何か突出したものがあるわけでもない。科学知識は一般の高校生より劣っているのではと思うような奴だ。それなのに、路人をはじめとして一流の科学者が暁良の相手をしている。
「気に食わないね」
高校生らしい嫉妬が、佑弥の心に現れていた。
で、知らないところで嫉妬の対象になっている暁良は大変気まずい状況下にいた。
「圧が凄い」
暁良は自分を取り囲むようにして座って作戦会議を始めた面々を見て溜め息を吐く。礼詞と穂浪だけでも面倒なのに、路人の師匠だという紀章までやって来たのだ。おかげで会議室の空気は張り詰めていて息苦しい。
「陣内君といったな」
「はあ」
新たに現れた紀章は強烈な圧を放っている。いやあ、これならば路人が逃げ出したくても仕方ないよなと思ってしまった。子どもの頃つまらないと感じたのも、この厳しそうな感じのせいではと勘繰ってしまう。
「あの路人を思いのまま動かせるとはなかなかだよ。今まで、あいつはこちらに気を許すようなことはなかったからな」
「――はあ」
これって褒められているのか?単に路人が気難しいと言いたいのか。確かにバイトを始める前に翔摩が普通は続かないと言っていたが、意外と簡単だった暁良には解らない。まあ、あの奇天烈ぶりに引かずに自分の意見を押し通せるか。それがポイントだっただろうとは思った。何でも置いておこうとする路人にぶち切れて断捨離を始めたところで仲良くなったなとは思っている。
「それにしても新たな問題だな。こんな子どもを好きになってどうするつもりなのか。こちらが合わせるしかないとすると、陣内君に与えるべきポジションは何だと思う?」
今、色々と語弊のある言い方をしなかったか?暁良は非常にツッコミたいのだが、礼詞も穂浪もくすりとも笑わないので飲み込むしかない。だって、今の言い方だとショタコンみたいだぞ。しかも路人は男なのに。いや、その前提で俺のポジションを考えたら余計に誤解を生むだろともやもやする。
「路人の補佐ということでいいのではないか。今までは城田や桜井に任せていたが、あの二人だって新たなステップに進むべきだろう。それに、科学に関しては今から勉強させればいい」
さらっと言い放つ穂浪に、暁良は自分の成績表を見せてやりたい気分だ。きっと驚くだろう。いや、逆に教育のし甲斐があると燃えるのか。
「それはそうだな。思えば路人は城田に甘いところがある。今回の逃げ出した件も、城田の声が関係しているのは言うまでもないことだ。互いの成長に阻害が出るようならば、この陣内君に補助を頼む方がいい」
礼詞まで暁良に補助させようと頷いてしまう。いや、あんたたち、この国を背負う科学者でしょう。そんな無責任でいいんですかと暁良はまたしてもツッコミたい。
「今の社会は、ここにいるメンバーと路人が作ったんだな」
暁良はそれに気づき、科学者狩りの無意味さを改めて思い知る。大きな流れを作っているのは、もっと遠くにいたのだ。企業や大学で働いている科学者を脅していても何の意味もない。
「はあ」
何だか色々と凄すぎる。そこに自分がいるのが信じられない。そして路人と友達だと言えてしまった自分が、すごく無知に思えてくる。が、そんな無知な奴を全力で利用しようとしているのもこいつらだ。
「ということは、対立するよりも懐柔する。そういう作戦だな」
「――え?」
しばし考え事をしている間に、話が急展開したらしい。暁良が顔を上げると三人がじっと自分を見ていた。
「あの」
「君にはこれから努力してもらわないとな。それと、赤松。あのことは頼むよ。どうせここまで連れて来ないことには話が始まらない」
にやっと笑って言い放つ穂浪に、暁良は何だかヤバいと遠い目をしてしまっていた。
何だかよく解らないものの礼詞と対決しないことには暁良を取り戻せないらしい。それに対してどうするか。路人は作戦会議を開くことにした。が、会議を始めた途端に佑弥はいなくなってしまった。終わったら連絡しろとだけいい、完全に路人の味方ではないと態度でも示してくれている。
「どう考えてもこの暁良救出事態が怪しいですよ。いいんですか、路人さん」
佑弥を連れて来ておいて何だが、優斗はこの話に乗ること自体に反対だった。もちろん暁良がピンチだということは解っている。実際に礼詞に捕まっているのも確かだろう。しかし、罠に自ら嵌るというのは賛成できるものではない。
「いいも何も、誰が何を考えているのかさっぱり解らないんだよ。俺は単に赤松が色々なことをやっているだけだと思っていた。山名の言い方もそんな感じだったしね。それがどうやら別の動きもあるという。こうなったら、下手に自分たちで動くよりかは敵の話に乗っかるしかないと思う」
路人は面倒だけど佑弥の話に乗るのが手っ取り早いとの結論に至っていた。それに紀章が堂々と研究室の入るビルの前に現れたことも気になっている。どうやらこの暁良誘拐は、ただ自分を連れ戻したい以上の何かがある気がしてならない。
「そうですね。山名先生は色々と忙しいはずです。特に科学技術省の立ち上げには有識者会議の頃から携わっています。そんな方が、連れ戻すのではなく接触してきただけというのは気になりますね」
瑛真も単純な事件ではないことに同意した。そして、紀章に会ったことでまた声が出なくなってしまった翔摩をちらりと見る。心の準備もなく紀章に会うのは、やはり相当な負担なのだ。まだ、翔摩は紀章の待つ大学に戻るのは無理だろう。その翔摩は腕組をしたまま考え事に集中している。パソコンで話しかけてくることもない。
「あの、詳しい事情は解らないんですけど、要するに暁良の居場所は解らないってことでいいんですか?」
色々と難しいなと思った哲彰は、一先ず気になることを質問した。
「そう。暁良の居場所は全く見当がつかない。あの牢屋に入った写真は君たちを煽るためのもので、それ以上ではないはずなんだ。しかし牢屋なんて――まあ、写真用に作った偽物なんだろうけど、それを用意した場所はどこか。そもそも科学技術省をどこに置くのかもまだ発表されていないからな。つまり、こちらからは全く知ることが出来ない状況を相手は利用しているんだ。だからあの少年の話に乗るしかないという結論になってしまうわけさ」
これで理解したかと路人は哲彰を見る。
「なるほど。確かにあの写真を見て俺たちは路人さんに連絡を取ろうってなりましたからね。はあ、俺たちは赤松の手の上ですか」
哲彰は理解したものの嫌になると溜め息だ。これでまた科学者のイメージが悪くなる。
「あの男はどこか変質的なところがあるからなあ。何を考えているのか昔から解らない。どう対抗したものか」
俺だって嫌いだよと路人は遠くを見つめる。が、すぐに視線は机の上に向かった。
「あっ」
「?」
急に閃いたと机を叩いた路人に、四人はどうしたと路人を見る。
「これ、使えるかもね」
路人はそう言うと、この間から開発に勤しんでいた科学者狩り用の罠を持ち上げて笑った。
研究室を出て、佑弥が向かったのはチェーン展開している喫茶店だった。別にゆっくり電話が出来ればどこでもいいのだが、気分を落ち着けたいとコーヒーが飲みたくなったのだ。
「こういうところが、高校生ではないとばれる要因なのかな」
コーヒーを飲みながら、佑弥はあっさりと優斗に高校生でないと見抜かれたことを考えてしまう。年齢的には問題ないし、見た目も老けているわけではない。となると、一般的な高校生よりずれている何かがあるのかと悩んでしまう。
「まあいいか。今後高校生に化けるようなことはないだろう」
それより連絡だと佑弥はスマホを取り出して電話を掛ける。すると相手は待っていたとばかりに出た。
「少し待ってくれ」
しかし何か不都合な状況なのか、しばらく待たされた。そして次に声が聞こえた時には報告を始めてくれと説明はない。
「はい。状況は若干の計画からのずれは生じたものの順調です。一色路人との接触も叶いました。本当は、俺を捕まえてくれれば話が早かったんですけどね。一色がうろうろしていた場所が予測できずに苦労しました」
佑弥がそう苦笑すると、まあ別の成果があったからいいと相手は笑って終わらせた。
「陣内暁良ですか?」
「ああ。彼は使えそうだ。それに路人ならば君だけで接触した場合動かなかったかもしれないからな。今の状況は好ましい」
相手は面白くなったとばかりに笑うが、佑弥としてはスマートなやり方ではないなと思ってしまう。路人をさっさと連れ戻すために科学者狩りを狩らせ、自分が捕まって一計を案じる。それが当初の計画だったのにと不満だ。
「このまま進めてくれ。こちらも新たに動いているよ」
佑弥の不満を感じ取ってか、相手は手短にそれだけ言って電話を切ってしまった。全く、一流の研究者になればなるほど我儘で困る。
「そんなに面白い奴なのかね。陣内って」
それより気になるのは、まだ会ったことのない暁良だ。別に成績が良いわけでもなく、何か突出したものがあるわけでもない。科学知識は一般の高校生より劣っているのではと思うような奴だ。それなのに、路人をはじめとして一流の科学者が暁良の相手をしている。
「気に食わないね」
高校生らしい嫉妬が、佑弥の心に現れていた。
で、知らないところで嫉妬の対象になっている暁良は大変気まずい状況下にいた。
「圧が凄い」
暁良は自分を取り囲むようにして座って作戦会議を始めた面々を見て溜め息を吐く。礼詞と穂浪だけでも面倒なのに、路人の師匠だという紀章までやって来たのだ。おかげで会議室の空気は張り詰めていて息苦しい。
「陣内君といったな」
「はあ」
新たに現れた紀章は強烈な圧を放っている。いやあ、これならば路人が逃げ出したくても仕方ないよなと思ってしまった。子どもの頃つまらないと感じたのも、この厳しそうな感じのせいではと勘繰ってしまう。
「あの路人を思いのまま動かせるとはなかなかだよ。今まで、あいつはこちらに気を許すようなことはなかったからな」
「――はあ」
これって褒められているのか?単に路人が気難しいと言いたいのか。確かにバイトを始める前に翔摩が普通は続かないと言っていたが、意外と簡単だった暁良には解らない。まあ、あの奇天烈ぶりに引かずに自分の意見を押し通せるか。それがポイントだっただろうとは思った。何でも置いておこうとする路人にぶち切れて断捨離を始めたところで仲良くなったなとは思っている。
「それにしても新たな問題だな。こんな子どもを好きになってどうするつもりなのか。こちらが合わせるしかないとすると、陣内君に与えるべきポジションは何だと思う?」
今、色々と語弊のある言い方をしなかったか?暁良は非常にツッコミたいのだが、礼詞も穂浪もくすりとも笑わないので飲み込むしかない。だって、今の言い方だとショタコンみたいだぞ。しかも路人は男なのに。いや、その前提で俺のポジションを考えたら余計に誤解を生むだろともやもやする。
「路人の補佐ということでいいのではないか。今までは城田や桜井に任せていたが、あの二人だって新たなステップに進むべきだろう。それに、科学に関しては今から勉強させればいい」
さらっと言い放つ穂浪に、暁良は自分の成績表を見せてやりたい気分だ。きっと驚くだろう。いや、逆に教育のし甲斐があると燃えるのか。
「それはそうだな。思えば路人は城田に甘いところがある。今回の逃げ出した件も、城田の声が関係しているのは言うまでもないことだ。互いの成長に阻害が出るようならば、この陣内君に補助を頼む方がいい」
礼詞まで暁良に補助させようと頷いてしまう。いや、あんたたち、この国を背負う科学者でしょう。そんな無責任でいいんですかと暁良はまたしてもツッコミたい。
「今の社会は、ここにいるメンバーと路人が作ったんだな」
暁良はそれに気づき、科学者狩りの無意味さを改めて思い知る。大きな流れを作っているのは、もっと遠くにいたのだ。企業や大学で働いている科学者を脅していても何の意味もない。
「はあ」
何だか色々と凄すぎる。そこに自分がいるのが信じられない。そして路人と友達だと言えてしまった自分が、すごく無知に思えてくる。が、そんな無知な奴を全力で利用しようとしているのもこいつらだ。
「ということは、対立するよりも懐柔する。そういう作戦だな」
「――え?」
しばし考え事をしている間に、話が急展開したらしい。暁良が顔を上げると三人がじっと自分を見ていた。
「あの」
「君にはこれから努力してもらわないとな。それと、赤松。あのことは頼むよ。どうせここまで連れて来ないことには話が始まらない」
にやっと笑って言い放つ穂浪に、暁良は何だかヤバいと遠い目をしてしまっていた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】竜人が番と出会ったのに、誰も幸せにならなかった
凛蓮月
恋愛
【感想をお寄せ頂きありがとうございました(*^^*)】
竜人のスオウと、酒場の看板娘のリーゼは仲睦まじい恋人同士だった。
竜人には一生かけて出会えるか分からないとされる番がいるが、二人は番では無かった。
だがそんな事関係無いくらいに誰から見ても愛し合う二人だったのだ。
──ある日、スオウに番が現れるまでは。
全8話。
※他サイトで同時公開しています。
※カクヨム版より若干加筆修正し、ラストを変更しています。
せっかくですもの、特別な一日を過ごしましょう。いっそ愛を失ってしまえば、女性は誰よりも優しくなれるのですよ。ご存知ありませんでしたか、閣下?
石河 翠
恋愛
夫と折り合いが悪く、嫁ぎ先で冷遇されたあげく離婚することになったイヴ。
彼女はせっかくだからと、屋敷で夫と過ごす最後の日を特別な一日にすることに決める。何かにつけてぶつかりあっていたが、最後くらいは夫の望み通りに振る舞ってみることにしたのだ。
夫の愛人のことを軽蔑していたが、男の操縦方法については学ぶところがあったのだと気がつく彼女。
一方、突然彼女を好ましく感じ始めた夫は、離婚届の提出を取り止めるよう提案するが……。
愛することを止めたがゆえに、夫のわがままにも優しく接することができるようになった妻と、そんな妻の気持ちを最後まで理解できなかった愚かな夫のお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID25290252)をお借りしております。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる