裏切られた勇者はゴブリンの手に堕ちる

うえおあい

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快楽の檻

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 ……
 
 このゴブリン洞窟にちてから、どのくらいの時間がったのだろう――。

  あの日から、勇者はゴブリンたちにとらわれ、じょうな日々をいられていた。
 暗いろうごくで、たいの知れない食べ物を無理やり食べさせられ、ときおりゴブリンたちによってなぐさみ者にされる。まるで獣のように飼いならされていた。
 
 最初は逃げるてを考え、何度も脱出を試みた。しかし、それはすぐに察知され、より一層厳しい責め苦を受けるになる。
 今日もまた、動物のように後ろから責められ、何度許しをうてもイかされ続けた。ゴブリンたちにわるわる犯され、精液が出なくなる頃にようやく開放されたのだ。
 
 「ん…げほ…げほ」

 疲労で体がきしみ、わらの床に打ち捨てられたように寝そべる。長時間あえぎ、のどは枯れている。
 
 (絶対に…絶対に抜け出してやる…)
 
 尻からはゴブリンの精液がれ続け、しゅうくつじょくに顔をゆがめる。
 回数を重ねるごとにこの不快感に慣れてしまいそうな自分が許せない。わらを握りしめ、悔しげに目を閉じた。
 
 そこへ、聞き慣れた足音が再び近づいてきた。
 勇者は反射的に身を固くするが、もう抵抗する力は残っていない。足音の主はろうを開け、荒い息のまま横たわる勇者の体に触れた。

 「……やめろ……もう、無理だ」

 かすれた声で訴える。しかし目の前のゴブリンは当然のように勇者のあしを開かせた。
 一番初めに彼に触れた小柄なゴブリンで、他の個体よりも彼の体にしゅうちゃくしているようだった。

 「あ、ああっ……」
 
 すっかりやわらかくなった勇者の尻に、ゴブリンの太く大きな肉棒が簡単に沈んでいく。
 全て入り切ると、ゴブリンは満足そうに口をゆがめた。疲れ切っていたはずの勇者だが、条件反射のように快感が全身に広がっていくのを感じる。

 (あ……また……)

 ゴブリンたちに何度ももてあそばれるうちに、勇者の体は敏感になっていった。そしてときおり、奇妙な感覚を覚えるようになった。
 射精する直前のものに近い、しかし、それよりももっと深くて重たい快感…。

 (もどかしい……もっと、もっと強く……)

 そう思い、ハッと我に返る。
 ゴブリンの与える快楽を無意識に求めてしまうところだった。勇者はそのことを恥じ、口を引きむすんで耐える。しかしその様子を見たゴブリンが不満そうにのどを鳴らした。

 「な、なにをする」

 勇者は尻を高く持ち上げられ、膝が顔の横につきそうなほど体を曲げられた。赤くれそぼったけつごうが見え、羞恥で思わず両手で顔を覆った。ゴブリンが再び強く突き出す。

 「あんっ、あ、いや、いやだ、あ」

 ゴブリンの体重がかかり、先程より深く刺さる。熱い棒が中をゴリゴリとかきみだし、その衝撃しょうげきが体をらす。

 (あ、あ、また……)

 絶頂感がせまる。けれど射精できない。もどかしい。焦らされているのに心地よい。
 無意識に性器に手が伸びるが、ゴブリンの手によってはばまれる。両手を掴まれ、さらに激しく責め立てられる。
 
 「あ、ま…って、なんか…来るっ…待って、くれ」

 うわ言のような喘ぎを漏らす勇者を無視し、ゴブリンは必死に腰を振る。

 「待って、ほんとに、い、ーーーっ」

 声が途切れ、勇者の体が激しくけいれんする。
 今までに経験したことのない、射精よりずっと強い快感が彼を襲う。
 けれどゴブリンの動きは止まらない。
 
 「あ゛、お゛ーー」

 うまく声が出せない。快感の波がとめどなく続く。目の前がチカチカと光り、意識があんてんしては覚醒するのをり返す。
 勇者の性器は射精時のように震え、先から透明な液がだらしなくあふれ続けた。

 「あ゛、む、無理、きもぢ、い」
 
 暴力のような快感が、彼を逃れられない喜びのうずに引きずり込む。体が自らの意思とは関係なく快楽をむさぼる。
 いつのまにか、獣のような声に引き寄せられて集まったゴブリンたちが再び彼をもてあそび始めていた。
 
 「お、ん゛ん、すご、いいっ」

 勇者の心は壊れていく。ゴブリンの与える全てに喜んで身を任せるようになっていく。

 「……もっと、欲しい…もっと…」


 そして勇者はあらがうことをやめた。
 誇りや意志は、すでに彼の心の中から消え失せてしまった。

 自分を守る理由も、守るべきものも何もない。ただ彼を求めるゴブリンたちのぬくもりだけが、彼の唯一のどころとなっていた。
 自分を求め、とめどない快楽を与えてくれる彼らが、今ではとても愛おしい存在にさえ思える。
 そんな勇者の様子に、ゴブリンたちは満足げに笑い、彼をさらに深く抱いた。

 その目にはかつての光はない。
 裏切った仲間たちを思い出すことはもうないだろう。

 勇者は自ら進んでゴブリンのがんとなり、喜んでその運命を受け入れたのだった。


 
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