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一昨年の夏
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私達はまだ、中学三年生だった。
あの頃はいつも一緒にいた四人でよく遊びに行っていて、夏休みなんかは朝から晩まで一緒だったんじゃないかというくらいだった。
「私、健斗のこと、好き、かもしれない」
そう告げたのは、いつもの四人のうちの一人で私以外の唯一の女の子である実咲だった。
当時、私は恋愛には興味があったけれど、自分がするとなると実感が湧かず、好きな人といったような人はいなかった。
それでも私は、実咲の恋を応援しようと思った。
実咲は親友だったし、なにより勇気を出して言い出してくれたことが嬉しかった。
私は実咲が健斗を好きだということを、同じグループだったもう一人の男の子、拓哉にも言ってはどうかという提案をした。
しかし実咲が、言わないで、と言ったので言わなかった。
こうして、私は実咲を応援する日々が始まったのだが、私は恋を知らなかった。
特定の一人を愛しいと思うことはあまりなかったから、実咲の気持ちに共感することができなかった。
だからどうすればいいのかわからず、とりあえず実咲と健斗との距離を近づけようとした。それも、物理的に。
そんなことをしているうちに、拓哉に勘づかれるようになった。
「お前さ、なにやってんの?」
なんの含みもないような笑顔で聞いてきた拓哉は、こちらもこちらでひどい勘違いをしていたようだ。
「健斗が嫌いなのか?なにかあったなら、言ってみろよ。俺で良ければ話聞くぞ?」
そんな風に見えてた?私、健斗のこと嫌いなんかじゃなくて、寧ろ…。
「そ、そんなんじゃないよー。私にはしなきゃいけないことがあるだけ!大丈夫」
「なら、いいんだけどさ。まあなんかあれば言えよ?どうせ、いつも一緒にいるんだしな」
拓哉の言葉は、もう聞こえなかった。
私は今、寧ろなんだと思った?
好き?いや、私は実咲を応援しているわけだから、好きとは違うんじゃないか。
でも…好きって言ったら、私も実咲みたいになる?恋してるってことになる?それは、実咲を裏切ることになる…?
この時、恋の端の、ほんの僅かな部分を見つけたのだろう。
私は確か、この後…なにをしたんだったかな。
あの頃はいつも一緒にいた四人でよく遊びに行っていて、夏休みなんかは朝から晩まで一緒だったんじゃないかというくらいだった。
「私、健斗のこと、好き、かもしれない」
そう告げたのは、いつもの四人のうちの一人で私以外の唯一の女の子である実咲だった。
当時、私は恋愛には興味があったけれど、自分がするとなると実感が湧かず、好きな人といったような人はいなかった。
それでも私は、実咲の恋を応援しようと思った。
実咲は親友だったし、なにより勇気を出して言い出してくれたことが嬉しかった。
私は実咲が健斗を好きだということを、同じグループだったもう一人の男の子、拓哉にも言ってはどうかという提案をした。
しかし実咲が、言わないで、と言ったので言わなかった。
こうして、私は実咲を応援する日々が始まったのだが、私は恋を知らなかった。
特定の一人を愛しいと思うことはあまりなかったから、実咲の気持ちに共感することができなかった。
だからどうすればいいのかわからず、とりあえず実咲と健斗との距離を近づけようとした。それも、物理的に。
そんなことをしているうちに、拓哉に勘づかれるようになった。
「お前さ、なにやってんの?」
なんの含みもないような笑顔で聞いてきた拓哉は、こちらもこちらでひどい勘違いをしていたようだ。
「健斗が嫌いなのか?なにかあったなら、言ってみろよ。俺で良ければ話聞くぞ?」
そんな風に見えてた?私、健斗のこと嫌いなんかじゃなくて、寧ろ…。
「そ、そんなんじゃないよー。私にはしなきゃいけないことがあるだけ!大丈夫」
「なら、いいんだけどさ。まあなんかあれば言えよ?どうせ、いつも一緒にいるんだしな」
拓哉の言葉は、もう聞こえなかった。
私は今、寧ろなんだと思った?
好き?いや、私は実咲を応援しているわけだから、好きとは違うんじゃないか。
でも…好きって言ったら、私も実咲みたいになる?恋してるってことになる?それは、実咲を裏切ることになる…?
この時、恋の端の、ほんの僅かな部分を見つけたのだろう。
私は確か、この後…なにをしたんだったかな。
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