相方に冒険者パーティー解消したいと言ったらブチ切れられた

人生1919回血迷った人

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第一話

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 僕は嫌われてるんだろうか?
 そして、そんな不安を抱えて、一体どのくらいの時間が経ったんだろう?

「ああ、やだな。こんなことで悩むのが嫌だ」

 ウィードは、ボーッと前を見ながら歩いていた。
 視線の先には悩みの種であるハルサックと、そんな彼と腕を組んで歩いている十七歳の少年。名前をロットという。




 ウィードを含めたこの三人は、冒険者という仕事をしている。

 冒険者とは、魔物という人を害する生物と戦い、人々の命や暮らしを守る仕事。それ故、とても危険が多い。
 一般の人々が、自分達では太刀打ち出来ないからとわざわざ冒険者に依頼してくる訳であって、それだけ戦う能力が求められる仕事だ。

 だからこそ冒険者は、複数人でチームを作り、連携して魔物と戦う。そのチームのことを冒険者はパーティーと呼ぶ。



 ウィードもそんな冒険者パーティーに入っている。パーティーメンバーはウィードとハルサックの二人であり、ウィードが依頼を受けたいなら基本的にはハルサックと行くことになる。

 しかし、ここ二ヶ月ハルサックと一緒に依頼を受けたのは、たったの五回。
 なぜだかハルサックがウィードのことを避け、他の人と依頼を受けるようになったから。

 つまり、ウィードはずっとハルサックにほったらかしにされているのである。




「ウィード! 今日はこいつと依頼受けてくるわ」

 視線の先を歩いていたハルサックが振り返った。
 こいつと彼が指さしたのは、隣を歩いていたロット。

 ロットは、そんなハルサックの足を踏んだ。

「まだ、良いとか言ってないんだけど!」

 彼は地団駄を踏みながら、絡みつくハルサックの腕を振りほどいた。
 そんな二人を見て、ウィードは足を止め、下を向いた。

「仲……良いんだな」

 ボソリと呟いた。

「ウィード? どうした? なんか言ったか?」

 はっと我に返る。
 停めていた足を無理矢理動かした。

 何言ってるんだろう?
 仲が良いことは良いことじゃないか。

「ううん、何でもない。二人で依頼受けてくるの? いってらっしゃい」

 無理矢理笑う。
 寂しいなんて思っていない。

 ただ――――

 僕とはもう一緒に居たくないのかな?

 そう思ってしまっただけだ。
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