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第三章 こんにちは恋心
第十話
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藤沢駅まで、と一言告げて、タクシーはゆっくりと走り出す。
社長代理と並ぶ後部座席。車窓から外を眺める横顔が、あまりにも綺麗でつい見入ってしまう。
「あの、ありがとうございました」
小さな声でお礼を言うと、社長代理は目線だけをこちらへ向けて呆れたように苦笑した。
「次は自分で断りなよ」
やっぱり。
この人はきっと、私の本音を察した上で、わざわざ助けてくれたんだ。
申し訳なさといたたまれなさと、それを遥かにしのぐ喜びにじわりと頬が熱くなる。ああ好き。本当に好き。何もかも見透かして、呆れた顔して、それでも助けてくれるあなたが好き。
「人事異動から一か月も経つのに、未だに異動した奴に頼ろうとするなんて、営業課にも困ったものだな」
「あの、私も悪いんです。今まではその、かなり率先してお酒の席に出ていたので」
「馬鹿だね、本当。誰彼構わず助けてやったところで、こっちに利益を返してくれる奴なんてほんの一握りだろうに」
世の中は所詮ギブアンドテイクってこと? 見返りを期待できる相手だけ見極めて助けろということかしら。
ずいぶん冷めた発想に聞こえるけど、その主張に反論するほど私は若くもピュアでもない。確かにあの先輩、飲み会の度に私を呼んで利用していたけれど、彼から何かをしてもらった経験はなかったような気がする。
(利益、か)
私は今、社長代理に助けていただいた。
つまり今の社長代理にとって、私は利益を返す見込みがある人間だということだ。
(私は社長代理に何を返せるだろう。この間の夜も、シンガポールでも、私はこの人から貰ってばかりだ)
もし私が見返りのない人間だと判断されたなら、社長代理は私になんて目もくれなくなってしまうのだろうか。恐ろしい想像にぶるっと身震い。このままじゃだめだと気合を入れる。
「ところで社長代理、藤沢でのご用事とは……」
「ネイルサロンの抜き打ちチェック。うちのグループのサロンの中で、藤沢店だけが図抜けて評判悪いんだよ。だから視察……という名目で」
そこで言葉を切り、社長代理はくしゃっと笑う。
「本当はちょっと、あの部屋から出たかったんだよね。あそこはどうも息が詰まるから」
仕事中は怜悧な社長代理の、予想外の本音の言葉。
まさか聞かせてもらえるとは思っていなくて、私は思わず目を丸くしてしまう。それはもちろん好意的というか、私に本音を教えてくれて嬉しいですという驚きだったのだけど、社長代理は少し恥ずかしそうに「誰にも言わないでよ」と言い添えた。
言うわけないじゃない、こんな話。内緒にするに決まってる。
私が胸にしまっておけば、今の言葉は二人だけの秘密にできるんだから。
「そういや、仕事とか溜まってた? 何も聞かずに連れ出しちゃったけど」
「そこまでではないので大丈夫です」
「そう? じゃあいいけど。変な残業になりそうなら言って。なんなら今から高階だけ戻ってもいいし」
「いいえ!」
思わず声を上げた私に、今度は社長代理のほうがきょとんと目を丸くする。
うわ、いけない。大声になりすぎた。慌てて言い訳を考えて、でも、結局何も思いつかなくて、私は両手を膝に置いたままもごもごと口ごもる。
「私も、ええと……あの部屋から、出たかったので」
あなたと一緒にいられるのなら、そこが私のいたい場所。
当然そんなこと言えるはずないから、あまりにも稚拙な嘘を並べるしかなかったのだけど。
社長代理はうつむく私を大きな瞳でじっと見つめ、それから少し口元を緩めると、
「なら、よかった」
と言って、窓の外へと穏やかな視線を投げかけた。
「しゃ、社長代理!?」
社長代理が突然来たと聞いて、店長さんは当然だけどひっくり返るほど驚いた。大急ぎで出迎えの準備を整えようと声を張り上げる姿を見て、
「俺、来ない方が良かったね」
と社長代理は眉を下げる。
いい加減な接客。仕事が雑なネイリスト。
口コミに書かれた様々な悪評を思い出しながら店を見回すけど、お店の中はとても華やか、多くのお客さんで賑わっているように見える。
ただ、人手不足なのかな? あっちでもこっちでもネイリストさんが必死の顔で走り回っているし、お店の端々に埃が溜まっていたり、待たされたお客さんがイライラしていたり……そういうところから悪い評価が出てきてしまっているのかもしれない。
社長代理もそんな雰囲気を察したのだろう。焦る店長をそっと呼び止め、
「僕がいても邪魔にしかなりませんし、今日は帰ります。突然ご迷惑をおかけしました」
と、本当に申し訳なさそうに声を潜めて謝罪した。
「いえ、そんなとんでもない! ぜひご覧になってください、みんな誇りを持って仕事をさせていただいているんです」
必死に頭を下げながら、店長さんは泣き出しそうな顔で言う。
「ただ今日は、子どもの発熱で何人かネイリストが帰ってしまったので、ちょっとバタバタしておりまして……」
ああ、と。
私と社長代理は顔を見合わせ、お互い軽く頷きあう。
お茶をお出ししますという店長さんを制し、私たちは足早にお店を出ると、なんともいえない気持ちを吐き出すようにため息を吐いた。
弊社――株式会社シーナコーポレーションは、日本でも有数の女性に優しい大企業だ。
本社の社員も女性が多く、中でも目立つのは働く女性への支援が充実していること。椎名一華社長の意向で、シングルマザーやDV被害者の女性を積極的に雇用し、本人の特性に合わせた様々な資格の取得を勧め、実際に働いてもらっている。
ネイルサロンもその一つ。弊社の事業の中では非常に人気の高い部署であり、多くの女性がネイリストの資格を得てあちこちで活躍しているのだけど。
「目下、うちの会社の一番の悩みだな」
子どもを育てながら働く女性が多いということは、それだけ様々にお休みを取る従業員が多いことにもなる。
不意の発熱や学校行事。もちろんそのための休暇取得は、弊社においては強く奨励されていることだ。共働きで夫が休みを取得してくれる夫婦ならまだしも、弊社で働く女性の多くはパートナーや実家に頼れず、自分一人で家事育児のすべてをこなさなければならない環境にある。
だからきっと、多くの従業員は、休む母親を責めはしない。でも。
「その分、他の従業員に負担が行ってしまうのは事実ですからね」
「ああ。実際、年休の取得率についても、子どものいる職員といない職員でどうしても差が出てしまっている」
シフト通りの体制が整わず、少ない人数で仕事を回すことで、本来ならできるはずの業務が立ち行かなくなってしまう。
だからといって母親を責めることもできず、ストレスは徐々に蓄積されていき、やがていつか小さなほころびから大爆発へと繋がるだろう。
「これは完全に本社の責任だ。早めに対策を考えないと、取り返しのつかないことになる」
ぶつぶつと小声でつぶやきながら、社長代理は真剣な表情で対策を考えているみたい。ちょっとあの部屋から出たかっただけ、なんて言いながら、なんとまあ真面目な人だろう。
(まじめな人)
すべてを店長の責任にして、もっと頑張れと活を入れるのはたやすいこと。
それだけでも別に、上司として仕事をした気分にはなれるだろう。まして彼は社長ではない。あくまでも代理でその席にいるだけだ。
でも今、この人は責任者として、目の前の問題にきちんと向き合おうとしている。
根本的に対策を講じ、行動を起こさなければ、何の解決にもならないだろうことを知っている。
(本当、まじめな人)
まじめだねえ、と声をかけたくなる気持ちをこらえ、私は社長代理の斜め後ろにつく。ワイシャツの背中に滲んだ汗が、ちゃらついた仮面の下に隠された彼の真摯さを物語っているような気がした。
社長代理と並ぶ後部座席。車窓から外を眺める横顔が、あまりにも綺麗でつい見入ってしまう。
「あの、ありがとうございました」
小さな声でお礼を言うと、社長代理は目線だけをこちらへ向けて呆れたように苦笑した。
「次は自分で断りなよ」
やっぱり。
この人はきっと、私の本音を察した上で、わざわざ助けてくれたんだ。
申し訳なさといたたまれなさと、それを遥かにしのぐ喜びにじわりと頬が熱くなる。ああ好き。本当に好き。何もかも見透かして、呆れた顔して、それでも助けてくれるあなたが好き。
「人事異動から一か月も経つのに、未だに異動した奴に頼ろうとするなんて、営業課にも困ったものだな」
「あの、私も悪いんです。今まではその、かなり率先してお酒の席に出ていたので」
「馬鹿だね、本当。誰彼構わず助けてやったところで、こっちに利益を返してくれる奴なんてほんの一握りだろうに」
世の中は所詮ギブアンドテイクってこと? 見返りを期待できる相手だけ見極めて助けろということかしら。
ずいぶん冷めた発想に聞こえるけど、その主張に反論するほど私は若くもピュアでもない。確かにあの先輩、飲み会の度に私を呼んで利用していたけれど、彼から何かをしてもらった経験はなかったような気がする。
(利益、か)
私は今、社長代理に助けていただいた。
つまり今の社長代理にとって、私は利益を返す見込みがある人間だということだ。
(私は社長代理に何を返せるだろう。この間の夜も、シンガポールでも、私はこの人から貰ってばかりだ)
もし私が見返りのない人間だと判断されたなら、社長代理は私になんて目もくれなくなってしまうのだろうか。恐ろしい想像にぶるっと身震い。このままじゃだめだと気合を入れる。
「ところで社長代理、藤沢でのご用事とは……」
「ネイルサロンの抜き打ちチェック。うちのグループのサロンの中で、藤沢店だけが図抜けて評判悪いんだよ。だから視察……という名目で」
そこで言葉を切り、社長代理はくしゃっと笑う。
「本当はちょっと、あの部屋から出たかったんだよね。あそこはどうも息が詰まるから」
仕事中は怜悧な社長代理の、予想外の本音の言葉。
まさか聞かせてもらえるとは思っていなくて、私は思わず目を丸くしてしまう。それはもちろん好意的というか、私に本音を教えてくれて嬉しいですという驚きだったのだけど、社長代理は少し恥ずかしそうに「誰にも言わないでよ」と言い添えた。
言うわけないじゃない、こんな話。内緒にするに決まってる。
私が胸にしまっておけば、今の言葉は二人だけの秘密にできるんだから。
「そういや、仕事とか溜まってた? 何も聞かずに連れ出しちゃったけど」
「そこまでではないので大丈夫です」
「そう? じゃあいいけど。変な残業になりそうなら言って。なんなら今から高階だけ戻ってもいいし」
「いいえ!」
思わず声を上げた私に、今度は社長代理のほうがきょとんと目を丸くする。
うわ、いけない。大声になりすぎた。慌てて言い訳を考えて、でも、結局何も思いつかなくて、私は両手を膝に置いたままもごもごと口ごもる。
「私も、ええと……あの部屋から、出たかったので」
あなたと一緒にいられるのなら、そこが私のいたい場所。
当然そんなこと言えるはずないから、あまりにも稚拙な嘘を並べるしかなかったのだけど。
社長代理はうつむく私を大きな瞳でじっと見つめ、それから少し口元を緩めると、
「なら、よかった」
と言って、窓の外へと穏やかな視線を投げかけた。
「しゃ、社長代理!?」
社長代理が突然来たと聞いて、店長さんは当然だけどひっくり返るほど驚いた。大急ぎで出迎えの準備を整えようと声を張り上げる姿を見て、
「俺、来ない方が良かったね」
と社長代理は眉を下げる。
いい加減な接客。仕事が雑なネイリスト。
口コミに書かれた様々な悪評を思い出しながら店を見回すけど、お店の中はとても華やか、多くのお客さんで賑わっているように見える。
ただ、人手不足なのかな? あっちでもこっちでもネイリストさんが必死の顔で走り回っているし、お店の端々に埃が溜まっていたり、待たされたお客さんがイライラしていたり……そういうところから悪い評価が出てきてしまっているのかもしれない。
社長代理もそんな雰囲気を察したのだろう。焦る店長をそっと呼び止め、
「僕がいても邪魔にしかなりませんし、今日は帰ります。突然ご迷惑をおかけしました」
と、本当に申し訳なさそうに声を潜めて謝罪した。
「いえ、そんなとんでもない! ぜひご覧になってください、みんな誇りを持って仕事をさせていただいているんです」
必死に頭を下げながら、店長さんは泣き出しそうな顔で言う。
「ただ今日は、子どもの発熱で何人かネイリストが帰ってしまったので、ちょっとバタバタしておりまして……」
ああ、と。
私と社長代理は顔を見合わせ、お互い軽く頷きあう。
お茶をお出ししますという店長さんを制し、私たちは足早にお店を出ると、なんともいえない気持ちを吐き出すようにため息を吐いた。
弊社――株式会社シーナコーポレーションは、日本でも有数の女性に優しい大企業だ。
本社の社員も女性が多く、中でも目立つのは働く女性への支援が充実していること。椎名一華社長の意向で、シングルマザーやDV被害者の女性を積極的に雇用し、本人の特性に合わせた様々な資格の取得を勧め、実際に働いてもらっている。
ネイルサロンもその一つ。弊社の事業の中では非常に人気の高い部署であり、多くの女性がネイリストの資格を得てあちこちで活躍しているのだけど。
「目下、うちの会社の一番の悩みだな」
子どもを育てながら働く女性が多いということは、それだけ様々にお休みを取る従業員が多いことにもなる。
不意の発熱や学校行事。もちろんそのための休暇取得は、弊社においては強く奨励されていることだ。共働きで夫が休みを取得してくれる夫婦ならまだしも、弊社で働く女性の多くはパートナーや実家に頼れず、自分一人で家事育児のすべてをこなさなければならない環境にある。
だからきっと、多くの従業員は、休む母親を責めはしない。でも。
「その分、他の従業員に負担が行ってしまうのは事実ですからね」
「ああ。実際、年休の取得率についても、子どものいる職員といない職員でどうしても差が出てしまっている」
シフト通りの体制が整わず、少ない人数で仕事を回すことで、本来ならできるはずの業務が立ち行かなくなってしまう。
だからといって母親を責めることもできず、ストレスは徐々に蓄積されていき、やがていつか小さなほころびから大爆発へと繋がるだろう。
「これは完全に本社の責任だ。早めに対策を考えないと、取り返しのつかないことになる」
ぶつぶつと小声でつぶやきながら、社長代理は真剣な表情で対策を考えているみたい。ちょっとあの部屋から出たかっただけ、なんて言いながら、なんとまあ真面目な人だろう。
(まじめな人)
すべてを店長の責任にして、もっと頑張れと活を入れるのはたやすいこと。
それだけでも別に、上司として仕事をした気分にはなれるだろう。まして彼は社長ではない。あくまでも代理でその席にいるだけだ。
でも今、この人は責任者として、目の前の問題にきちんと向き合おうとしている。
根本的に対策を講じ、行動を起こさなければ、何の解決にもならないだろうことを知っている。
(本当、まじめな人)
まじめだねえ、と声をかけたくなる気持ちをこらえ、私は社長代理の斜め後ろにつく。ワイシャツの背中に滲んだ汗が、ちゃらついた仮面の下に隠された彼の真摯さを物語っているような気がした。
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