2 / 5
一幕 蒼空を斬る槍
しおりを挟む土のにおい。草木の揺れる音の中に金属音のような耳障りな音が聞こえた気がして目を醒ます。
背中にあたる砂利が痛い。
身体を起こし自分の身に異常がないか確認するが、特に問題ないようだ。
「――・・・・・・きもちいいな」
間抜けな第一声だとは思ったが、排気ガスもなく化学的な臭いもしない感じたことの無い空気に、とりあえず深呼吸をしてみる。
あれから、どれくらい意識を失っていたのだろう。空腹を感じているので、そこそこの時間は経っているようだ。
自然以外何も無い中で、ただ呆然と座っているわけにもいかない。制服についた土を払いショートブーツの紐を固く結び直した。
「ファンタジー小説の読み過ぎ?」
苦笑しながら、鏡の前であった出来事を思い出す。あの時掴まれていた左腕にはくっきりと跡が付いていた。夢でもなければ、ファンタジー小説でも無さそうだ。これは、紛れもない現実だと言うことを腕に残った圧迫痕と固い土の上に寝ていた身体の痛みで、嫌でも実感する。
「とりあえず誰か人を探そう」
今居るのが何処にしろ、連れてきた『あの人』を探すにしても、腰に提げたポシェット一つの荷物では心許な過ぎる。言葉が通じたという事は国内だろうか。それとも本当にファンタジー小説のように『日本語が通じてしまう異世界』だとか。
ここまで考えて、携帯電話の存在を思い出した。弥子は両手の平サイズのポシェットを開くと、中身を確かめる。
「小銭入れ、ハンカチと、ティッシュは使い切ってる。後はリップに携帯・・・・・・」
小さい鞄だ。すぐに見つかる筈なのだが、目当ての携帯電話がない。すぐに自分が倒れていた周辺を見渡すが、それは落ちていなかった。
「もしかして、あの祠のとこ?」
引っ張られた時に、ポシェットから落ちた可能性は否定出来ない。
あれば位置情報で確認出来たかもしれないのに。
「ひ、ひぃいいいいいっっ!」
劈くような男性の悲鳴に、弥子は身を固くした。
耳を澄ませてみると、割と近いところで何かが起きているようだった。
草木を分け、音をなるべく立てないよう姿勢を低くして道らしい所まで出た。
数十メートル先で如何にも野蛮そうな身なりの盗賊の様な男たちが、腰まで編まれた薄茶色の髪に青い瞳を持った若い美男子を数名で取り囲んでいた。朱色の柄を握り、彼はその体型に似つかわぬ大槍を輩達相手に振りかざす。よく見ると下に二、三人転がっていて。おそらくピクリともしない様子から既に亡くなっているのだろうと推測できた。
「さっきの悲鳴は・・・・・・倒れている人の?」
多勢で一人の男の子に襲いかかる輩達は、彼に圧倒され上手く動けないでいるみたいだ。こう見ていると悪いのは輩達の方だとは思うが、身なりで判断してはいけない。大槍を構える彼を助けるべきか悩んでいると、彼らの近くの茂みが一瞬揺れた。どうやら隠れて機会を伺っていたのだろう仲間らしき男が、彼の背後を取ろうとしていたのだ。
「あぶないっ」
――自分の愚かさにゾッとする。
刀を交えてる大の大人達に、武器もなく突っ込もうとしているのだから。
・・・・・・せめて、弓でもあれば。
静かに走り出したわたしの足元に何かが当たった。既に彼によって倒された男の刀だ。
隙をつこうとジリジリ彼に歩みよる輩は、握った刀を鞘から抜こうとしている。
下品な笑い声が聞こえ前を見やると、一際大柄な輩が薄茶色の髪の青年に話しかけているところだった。
「身なりも良けりゃ腕も良いか。お前が仲間になるってんならそこに転がってる奴らのことは大目に見てやるよ」
「――俺にも主君を己で定める権利がありますので。そろそろ退いていただきたい」
大柄の男はニヤりと口角を上げる。
「そう、か。なら仕方ねぇよなあ?おめェら、好きに暴れてやりな」
・・・・・・前言撤回だ。これは明らかにアイツらが悪い。
あの人を助ける為の武器を探しに行く時間はなさそうだ。足元に転がる刀を素早く手に取って、再び走る。錆びた刀でも無いよりましだろう。
「それにしても、手入れもしてあげてないなんて」
錆刀をしっかりと持ち直し、距離を詰めたところで一度歩みを止める。
なんでこんなにも冷静なのか、自分でも分からなかった。心臓は、ドキドキと高鳴っている。恐怖で動悸がするのでは無いことは明確だった。ぞくぞくと内から湧き出る何かに、抱き始めてしまった感情に気付く。
「――わたし、楽しいの……?」
目の前で起こる斬撃を見て、興奮しているのか。だとしたら最悪だ。最低最悪だけど。
今はとにかく、彼を助けてあげないと。
胸に抱いた感情は一先ず忘れよう。集中しないと、失敗はできない。
自身を囲む輩に気を取られていて、彼はいまだに背後に忍ぶ仲間に気が付かないらしい。男は刃を振り上げる。
その殺気で漸く気が付いたのか、彼は長い三つ編みを翻して其れを受け止めようと大槍を構えた。
「――・・・・・・っ!」
しかし、彼が眼にしたのは振り上げられた刀ではなく、不可思議な衣服を纏った少女の背中だった。
錆刀で受け止めた弥子は、そのまま相手の刃を滑らせ男の懐に入る。
「遅い」そう呟いた通り、輩の太刀筋はスローモーションのように弥子には止まって見える。まるで何かに操られているかの如く、構えた刀身は滑らかに動いた。
「あなたは・・・・・・っ」
背後で囁かれた言葉へ気にも向けず、弥子は一度構えを整える。流された刀は地を向いたまま、次の瞬間には錆刀の切っ先はそれの腹部を貫いていた。
刀はもう使い物にならないだろう。腹から勢いよく引き抜くと、その場に投げ捨てた。
噴き出す血飛沫に、弥子は驚きさえもしなかった。ただただ返り血を浴びた状態で、崩れていく男を黄金色に輝く双眸で見届けている。
その異様な出で立ちに、残っていた輩達は腰を抜かし一様に「まるで物ノ怪だ」と吐き捨て、足を引きずりながらその場を後にした。
それ以上追い掛ける必要も無いと、逃げていく男達を横目で確認する。
血で濡れた手のひらを何も言わず眺めていると、青年がそっと距離を詰めてきた。懐から布を出し、わたしの手を優しく取るとそれを拭った。
赤黒く汚れた布を折り畳み懐へ戻したところで、顔を上げ彼を見上げる。頭半分ほど自分より背の高い青年は、近くで見ると相当美しい顔をしていた。
あまりの近さに一瞬動揺してしまう。半歩程後ろに下がり、改めて青年に目を向けた。
「助かりました」
彼の声掛けに、人助けのためとはいえ人を殺めてしまった事実を突きつけられる。
「貴女が居なければ俺は今頃・・・・・・感謝してもしきれません」
「――そんな、わ、わたしは・・・・・・」
そんなふうに言われては、何も言い返せない。真っ直ぐ見つめられ、その眼差しに耐えられず俯いてしまう。
「場所を移しましょう。近くに水場があったはずです。少々歩きますが大丈夫ですか?」
あの人たちと対峙していた時の鋭い眼差しとはうってかわり、ややつり目気味の美しい瞳は目尻を提げこちらを見る。
もう一度わたしの手を優しく取ると、動揺を隠しきれないこちらに合わせゆっくりと歩き始めた。
「ありがとう、ございます」
「――・・・・・・いえ。あなたは恩人ですから」
膝まで伸びた雑草をはらい避け、彼は地を踏みしめながら弥子が歩きやすいように先を行く。緑の香りに癒されたのか、彼女の表情は落ち着きを取り戻していた。
※※※
十分程歩いただろう。
水の流れる音が微かに聞こえてきた。
「もうすぐですね。足元にお気をつけを」
冷静になったところで、手を引く彼を観察してみる。整った西洋寄りの容姿はとても人を惹きつけるものだ。だが美しい相貌に反して、身体の肉付きはよく、鍛えているのだと服越しでもわかった。
ひとつ、分からないことと言えば・・・・・・纏っている服装だ。一見、和装にも見える装いは、翡翠色の着物に下は普通の絝らしき物を履いている。その上から鎧を胴部に着用しているのだ。そして、私の手を引くもう一方の手には先程振り翳していた大槍。
日本どころか現代ですらなさそうだ。
悶々としていると、前を歩く彼が見られていることに気付いたのか振り返った。
「どうかされましたか?」
「あっ、ええっと、その」
ジロジロと見られては気分が悪かっただろう。そう思い、咄嗟に誤魔化す。
「な、名前を聞いても・・・・・・?」
目を少しだけ丸くした彼は「そういえば」と身体もこちらに向け直す。はじめから危険な人だとは思ってはいなかったが、言葉遣いや物腰から育ちが良く、とても誠実な男の人なのだなと改めて思う。
「わたしは清水・・・・・・弥子って言います」
「弥子殿、とても良い名ですね」
顔が美しいのは文字通り美徳だ。
男性とあまり接点のない十八年だった為、こうも美麗な青年に優しく微笑まれると、そういった類に興味のないわたしでさえ勘違いしそうになる。一目惚れ、という言葉の意味がちょっと理解できた気がした。
「俺は趙雲と申します。今は・・・・・・賊退治をしながら荊州を目指していた所でして」
どこかで聞いたことのある響きだった。
――趙雲。趙雲と言うと思い出すのはやはりかの有名な劉備の家臣である。戦では先陣を切り、軍議でもその知性を生かしたという。歴史に疎い自分でも知っている名だ。
日本人でないことは確定したが、同姓同名なんてここの国でも沢山いるだろう。名前についてはあまり気にしないことにした。
「荊州、というと?」
「ここからだと、北西へ凡そ二十五里くらいでしょうか」
わたしの記憶が正しければ二十五里は現代の数値で約百キロメートル先になる。結構な距離を歩かなければならないらしい。見渡す限り……いや、ここには電車もバスもなさそうだ。
もし本当に〝三国志〟の世界だったとしたら、移動手段は馬だろうか。
「どうして荊州に?」
「俺はとあるお方に仕えており――・・・・・・その、主の元を離れ前々から縁のあった劉備様が居られる荊州へ向かっていたんです」
なるほど。本当に三国志の世界のようだ。
あの妙な鏡と誰かのせいで、過去の中国へ所謂タイムスリップしたらしい。
考えれば考える程、頭が痛くなる話だが、目の前にホンモノの趙雲がこうして存在するのだから信じるほかない。今のわたしには、彼しか頼れる相手がいないのだから。話を聞く限り、趙雲が正式な劉備の家臣になる前の時間軸にきたのだろう。
蜀の劉備、呉の孫権、そして魏の曹操が本格的に戦を始める少し前だったはずだ。
「弥子殿は・・・・・・と、ああ、つきましたね」
趙雲に言われ先を見ると、小さいが水場があった。岩の隙間から流れ出た垂水を利用して、人工的に岩を積上げ水が汲めるようになっていた。
「この辺りは、村がありましたから」
過去形で話す趙雲に、今はもう村はないのだと悟る。
話の途中だったが喉も乾いていたので、先に潤そうと手を伸ばす。両手で掬って飲もうと垂水へ翳そうとしたが、彼に止められた。飲水ではないのかと問うと「いいえ、ここの水は美味しいですよ。以前も利用したことがありますので、御安心ください」と言って竹筒を取り出す。それに水を汲んだ彼は、自分よりも先にわたしに渡してきた。
「弥子殿?」
「あっ、いえ、ありがとうございます」
出会ったばかりのわたしに対して、あまりにも紳士的な趙雲へ心臓が高鳴ってしまう。
竹筒を預けた趙雲は、懐に仕舞ったままの布を取り出して窪みで洗い始める。
横目に喉を潤していた弥子は、彼が布を絞り滴って落ちた水が赤に染まっているのを見てしまい、一瞬ヒュッと喉を鳴らす。
「――・・・・・・っ・・・・・・!」
彼が自然に接してくれるから、今し方の出来事を意識から外せていたのに。流れる赤い水が、それを鮮明に思い出させようとする。
ぞわりと背筋が張ると、震えはじめた手から一口程しか飲んでいない竹筒が、水を散らし音を立てて転がった。
驚いた趙雲はひとまず洗った布を岩に引っ掛けると、転がった竹筒を拾って俯いた弥子に寄る。
「大丈夫ですよ、弥子殿。もう賊はいませんから」
怖がらせないようにと反応を確かめながら、落ち着いた声色で趙雲は距離を詰める。近づいても彼女が肩を震わせないのを見て、そっと隣へ歩み寄り背中を擦った。
「違う・・・・・・違うんです、趙雲さん」
布越しの彼の体温に、少し安堵した。人肌を背中に感じ、乱れていた呼吸も落ち着きを取り戻しつつある。
しかし、頃合いを見て紡いだ言葉は自分でもびっくりするほど震えたものだった。
掠れた彼女の声を心配に思いながらも、趙雲は弥子の言葉を待つ。先程の刀を奮う勇ましい少女だとは思えない。涙を溜め、言葉を必死に紡ぐ弥子から、趙雲はなんとも言えない慈しい感情を抱いていた。
「怖かったんです、自分が。刀なんて持ったことがないのに気が付いたら・・・・・・わ、悪い人だとしても殺してしまうなんて」
「――・・・・・・あなたは優しいのですね」
言葉の真意を確かめる為、正面に立った彼を見上げる。眉を顰めているが、どこか悲しげで儚い趙雲の表情に弥子は目を離せなかった。
「あの者達と退治する直前に、とある老夫婦と出会いました。彼らは賊に襲われ村を焼かれたと」
「村を、焼いた?」
「――はい。そしてそこから逃げ延びた老夫婦は俺に助けを求めてこられたんです」
現代なら。村を焼いてしまうなんて非情なこと、滅多に起こらないし聞いた事もないが、趙雲の様子からしてそう珍しい事でもないのだと悟った。
「老夫婦に馬を譲り、なるべく遠くへ逃がした後、彼らに聞いた身なりの賊を探し出し話をしていたところ貴女と出会ったんです」
「また、同じ事を繰り返されてしまうから……ですか」
「はい。けれど彼らにも言い分があるかもしれない。この時世ですから。しかしそれが甘かったのかも知れませんね」
そんなことは無いと思う。
「優しいのは、趙雲さんじゃないですか」
そんなわたしの言葉に、彼は首を横に振った。
「話を聞いただけだと言ったでしょう?俺は別に聞いたからと言って彼ら賊を許し逃がす気なんてなかったんです。槍を構えて突きつけていたんですから」
だから、俺は優しくなんてないんですよ。結局数名逃がしてしまいましたけど。そう言って悲しげに口角を上げた趙雲は、弥子が落とした竹筒を洗い直し水を汲んだ。
「とっくの昔に、人を殺める事に躊躇いはなくなったんです」
武器を取らなければ自分が殺されてしまうかもしれない時代。一瞬の躊躇で生死が決まってしまう世の中。国を良くする為、身を捧げ命を懸けた武将たちのことは、現代に生きていた弥子だからこそ良く知っている。
戦はあってはならない事だけれど、彼らのしてきた事が間違いだとは思えなかった。
「ならどうして、そんな顔をしているんですか」
「はい・・・・・・?」
苦虫を噛み潰したような、苦しみを堪える彼の表情に想いが口から零れていく。
「戸惑いがないなんて嘘。本当に心を閉ざした人はそんな泣きそうな顔しません」
蒼い瞳が揺れる。長い睫毛が震えているのがわかった。
続けようとした弥子は、そこで自分の発言が失礼だったのではないかと我に帰った。戦のいの字も知らぬ女が、口を出していい事ではないと。彼女はすぐさま趙雲に謝った。
「失礼、だなんて思ってませんよ。寧ろ嬉しいなどと感じてしまっております」
喜ぶところなんてあっただろうか。不思議に思い首を傾げつつ彼を見上げる。そこには先程とはうってかわり、柔らかく微笑んだ彼がいた。
「戦最中、自分の顔は見れませんから。――・・・・・・俺はまだ、人の心を持ち合わせているようですね」
「そんな」
「・・・・・・ありがとうございます弥子殿。慰めるつもりが慰められてしまいました」
慰めようとして言ったのではなかったのだが、結果的に彼と話すことによって弥子自身も胸のつかえが少しだが解消したので、それ以上この話を掘り返すのはやめることにした。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説


だいたい全部、聖女のせい。
荒瀬ヤヒロ
恋愛
「どうして、こんなことに……」
異世界よりやってきた聖女と出会い、王太子は変わってしまった。
いや、王太子の側近の令息達まで、変わってしまったのだ。
すでに彼らには、婚約者である令嬢達の声も届かない。
これはとある王国に降り立った聖女との出会いで見る影もなく変わってしまった男達に苦しめられる少女達の、嘆きの物語。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

愛のゆくえ【完結】
春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした
ですが、告白した私にあなたは言いました
「妹にしか思えない」
私は幼馴染みと婚約しました
それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか?
☆12時30分より1時間更新
(6月1日0時30分 完結)
こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね?
……違う?
とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。
他社でも公開

選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ
暖夢 由
恋愛
【5月20日 90話完結】
5歳の時、母が亡くなった。
原因も治療法も不明の病と言われ、発症1年という早さで亡くなった。
そしてまだ5歳の私には母が必要ということで通例に習わず、1年の喪に服すことなく新しい母が連れて来られた。彼女の隣には不思議なことに父によく似た女の子が立っていた。私とあまり変わらないくらいの歳の彼女は私の2つ年上だという。
これからは姉と呼ぶようにと言われた。
そして、私が14歳の時、突然謎の病を発症した。
母と同じ原因も治療法も不明の病。母と同じ症状が出始めた時に、この病は遺伝だったのかもしれないと言われた。それは私が社交界デビューするはずの年だった。
私は社交界デビューすることは叶わず、そのまま治療することになった。
たまに調子がいい日もあるが、社交界に出席する予定の日には決まって体調を崩した。医者は緊張して体調を崩してしまうのだろうといった。
でも最近はグレン様が会いに来ると約束してくれた日にも必ず体調を崩すようになってしまった。それでも以前はグレン様が心配して、私の部屋で1時間ほど話をしてくれていたのに、最近はグレン様を姉が玄関で出迎え、2人で私の部屋に来て、挨拶だけして、2人でお茶をするからと消えていくようになった。
でもそれも私の体調のせい。私が体調さえ崩さなければ……
今では月の半分はベットで過ごさなければいけないほどになってしまった。
でもある日婚約者の裏切りに気づいてしまう。
私は耐えられなかった。
もうすべてに………
病が治る見込みだってないのに。
なんて滑稽なのだろう。
もういや……
誰からも愛されないのも
誰からも必要とされないのも
治らない病の為にずっとベッドで寝ていなければいけないのも。
気付けば私は家の外に出ていた。
元々病で外に出る事がない私には専属侍女などついていない。
特に今日は症状が重たく、朝からずっと吐いていた為、父も義母も私が部屋を出るなど夢にも思っていないのだろう。
私は死ぬ場所を探していたのかもしれない。家よりも少しでも幸せを感じて死にたいと。
これから出会う人がこれまでの生活を変えてくれるとも知らずに。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる