144 / 148
お家に帰ろう コンクリートユートピア
しおりを挟む
レンタルにて鑑賞。イ・ビョンホンがこんな役やるのかってちょっと感慨深いですよね。さて以下はバレますのでご注意を!
イ・ビョンホンがこんなさえないおじさんを演じる日が来るなんて誰が想像したろうか。少なくとも私は考えた事もなかったから、これはキャスティングの勝利ですよね。新しい一面を見る事ができました。
さて本作のあらすじをざっくりと。ある日、大災害に見舞われ、唯一無傷で残ったマンションの住民と、それ以外の人達の間に起こる分断、迫害、暴力、人間とは何かを描いた作品です。
マンションの火事を食い止めるべく懸命に動くヨンタクをリーダーとし、マンションの住民達は団結し、自分達のユートピアを築いていくのですが、ヨンタクの部屋の隣人が家に帰ってきた事をきっかけに物語は一気に動き始めます。
とはいえヨンタクの秘密はわりと最初に予想はつく演出ではあるので、問題はそこじゃないのよね。マンション外の人間に対してどんどん過激になっていくマンションの住民達に、彼の正体がいつ住民達にばれるのかをドキドキしながら観るのがいいんだと思います。
さて、ヨンタクの事ばかり言っていますが、本作の主人公はミンソンとミョンファの夫婦です。
気が弱くて優しいミンソンがどんどんおかしくなっていく様子が本当にあるあるな感じであぁ、人間…となります。
でも住民全員がそうではないところもまた人間なんですよね。
人に手を差し伸べる事ができれば、その手を振り払う人もいる。極限状態であればあるほど人はすさんでいくけれど、それでも優しさを忘れなかったラストは胸にしみます。
本作を観ていると本当に人間って嫌になるなと思わせてくれますが、それって自分ならどうするかを考えてしまうからでもあるでしょうね。
私ならミョンファの様にあんなにすんなり、困っているとはいえ他人を家に入れる事はできるだろうか。あの住民会議で声を上げる事はできるだろうか。凍え死ぬ事はわかっているのに、追い出す事ができるだろうか。
私は家に入れるのはためらうだろうし、かと言って自分のせいで人が死ぬのは耐えられない。でも声をあげる事で自分が逆に殺されてしまうのではないだろうか?きっと延々と悩んで何もできない気がする。死にたくないし、殺されたくないし、でも殺したくない。きっと多くの人がそう思うんじゃないだろうか。
きっと本作の誰かに自身の嫌な部分を写されるようで、微妙に嫌な気持ちになるんだと思います。
ミョンファの言う通り、皆普通の人達だったんですよね。
何より悲しいのはミョンファがミンソンに指摘していた通りで、彼が最初から壊れてしまっていた事に彼女が気が付けなかった事…
あの出来事を聞いていたら、ミョンファはあのままマンションにとどまっただろうか。しばらくはいたかもしれないけど、早い段階で出て行った気がする。まぁ言えないよね、ミンソン…
本作では人にした行いがそのまま自分に返ってくる人がほとんどなのですが、決してスカっとはしません。むしろなるべくしてなったね。という淡々とした気持ちになります。
唯一あまりにもかわいそうなのがジフなんですよね…ほんとあの子が何したっていうんだよ…
自分の闇を見つめる事ができる本作、気になる方ぜひ一度。
その後楽しみを用意しておくことだけ忘れないように…
イ・ビョンホンがこんなさえないおじさんを演じる日が来るなんて誰が想像したろうか。少なくとも私は考えた事もなかったから、これはキャスティングの勝利ですよね。新しい一面を見る事ができました。
さて本作のあらすじをざっくりと。ある日、大災害に見舞われ、唯一無傷で残ったマンションの住民と、それ以外の人達の間に起こる分断、迫害、暴力、人間とは何かを描いた作品です。
マンションの火事を食い止めるべく懸命に動くヨンタクをリーダーとし、マンションの住民達は団結し、自分達のユートピアを築いていくのですが、ヨンタクの部屋の隣人が家に帰ってきた事をきっかけに物語は一気に動き始めます。
とはいえヨンタクの秘密はわりと最初に予想はつく演出ではあるので、問題はそこじゃないのよね。マンション外の人間に対してどんどん過激になっていくマンションの住民達に、彼の正体がいつ住民達にばれるのかをドキドキしながら観るのがいいんだと思います。
さて、ヨンタクの事ばかり言っていますが、本作の主人公はミンソンとミョンファの夫婦です。
気が弱くて優しいミンソンがどんどんおかしくなっていく様子が本当にあるあるな感じであぁ、人間…となります。
でも住民全員がそうではないところもまた人間なんですよね。
人に手を差し伸べる事ができれば、その手を振り払う人もいる。極限状態であればあるほど人はすさんでいくけれど、それでも優しさを忘れなかったラストは胸にしみます。
本作を観ていると本当に人間って嫌になるなと思わせてくれますが、それって自分ならどうするかを考えてしまうからでもあるでしょうね。
私ならミョンファの様にあんなにすんなり、困っているとはいえ他人を家に入れる事はできるだろうか。あの住民会議で声を上げる事はできるだろうか。凍え死ぬ事はわかっているのに、追い出す事ができるだろうか。
私は家に入れるのはためらうだろうし、かと言って自分のせいで人が死ぬのは耐えられない。でも声をあげる事で自分が逆に殺されてしまうのではないだろうか?きっと延々と悩んで何もできない気がする。死にたくないし、殺されたくないし、でも殺したくない。きっと多くの人がそう思うんじゃないだろうか。
きっと本作の誰かに自身の嫌な部分を写されるようで、微妙に嫌な気持ちになるんだと思います。
ミョンファの言う通り、皆普通の人達だったんですよね。
何より悲しいのはミョンファがミンソンに指摘していた通りで、彼が最初から壊れてしまっていた事に彼女が気が付けなかった事…
あの出来事を聞いていたら、ミョンファはあのままマンションにとどまっただろうか。しばらくはいたかもしれないけど、早い段階で出て行った気がする。まぁ言えないよね、ミンソン…
本作では人にした行いがそのまま自分に返ってくる人がほとんどなのですが、決してスカっとはしません。むしろなるべくしてなったね。という淡々とした気持ちになります。
唯一あまりにもかわいそうなのがジフなんですよね…ほんとあの子が何したっていうんだよ…
自分の闇を見つめる事ができる本作、気になる方ぜひ一度。
その後楽しみを用意しておくことだけ忘れないように…
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
中高年がジムに通ってもムキムキになれない理由
まみ夜
エッセイ・ノンフィクション
※ムキムキ:「原始時代対応脳」が許す「最適(これ以上増やしたら消費が大きすぎるけど、この程度はないと狩とか敵から逃げるのに失敗して死ぬ)」筋肉量よりも筋肉が多い状態と定義
※「どうして筋トレなどしても思ったように筋肉を増やせないか」を主軸に掲載していく予定です。ではどう対処すれば良いかには、個人差が大きいため、あまり触れず、原因からお考えください的になる予定です
※ジムに通って1-2ケ月は「扱える重量」が増えたのに、その後は増えない方、体型も変わらない方にお勧め
※体脂肪率の高い方は、筋肉を増やした後、その筋肉を維持したまま体脂肪率を下げるのはテクニックが必要となるため、先に「筋力も体力もない小太り用ダイエット(【係数】逆算法)」をお読みの上、体脂肪率を下げるのをお勧めします
※エビデンスに関しては、掲載しない予定です。そもそも、ほぼエビデンスと呼べるものは少なく。例えば「筋トレをしてタンパク質を摂れは筋肉は増える」が(より詳細な条件を加えなければ)正しくないからこそ、こんな文章を読んでいると思います
※ちなみに、「超回復論」を否定しています
表紙イラストはsilhouetteACより「バランスボール」を使用させていただいております。
最新版「ダイエット・筋トレで体型が変わらない理由と対策」は
https://note.com/mamiyamikagami/m/m26e026a06cae
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
「声劇台本置き場」
きとまるまる
エッセイ・ノンフィクション
きとまるまるが書いた「声劇台本」が投稿されている場所です。
ーーー利用規約↓↓ーーー
・ここに置いてある台本は自由に使っていただいて構いません。どこで使っていただいても構いません。
・使用する際の許可は必要ありません。報告していただけたら、時間があれば聴きに行きます。
・録画や録音を残していただいても構いませんが、どこかにアップロードする場合はお手数ですが一言ください。
・使用する場合、「台本名」「作者名」をどこかしらに記載してください。広めてください。
・「自作発言」とか「過度な改変」などはしないでください。
・舞台やドラマCD等で台本を使用する場合は、一度ご相談ください。(有料公演やイベント販売等、利用後に利益が発生する場合は、台本使用料をいただく場合がございます。あらかじめご了承ください。
※投げ銭で利益が発生するアプリなどで使用する場合は、利用規約を守っていただけるのであればご相談なく使用していただいてかまいません。台本使用料も、今のところいただく予定はありません。
・男性キャラを女性が演じるなど、違う性別で演じることはOKです。ただし、必ずキャラクターの性別で演じ切ってください。キャラの性別転換はNGです。(不問キャラは性別転換OK)
・「アドリブ」に関しては、使用してる台本の世界観が壊れない程度のものでお願いします。過度にやられると自分の作品をぶち壊されてる感じがして聞いてて悲しくなります。
・連絡は、作者のTwitterのDMまでよろしくお願いします(@kitomarumaru)
ーーーーー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる