今日は映画でもどうですか?

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地獄の中に見える光 SHE SAID/その名を暴け

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映画館にて鑑賞。実はドリームホースが観たかったんですが、時間が微妙で急遽本作を選びました。
ふんわりとあの話なのね、位で前情報は一切入れてなかったのですが、きついと思ってた。そしてやっぱりきつい…以下ネタバレします。
















ネタバレも何もあまりにも有名な話ですよね。ワインスタインの性暴力報道からの、全世界に広がった#metoo運動は記憶にも新しいかと思います。
その告発記事を書いた記者二人を中心にした物語である本作。直接的なシーンはなく、被害女性達や関係者の口から記者に語られるスタイル。
直接的シーンはなくとも匂わせるシーンはあるのよ。それが恐ろしいし嫌悪感でぞわぞわする。
何より語るスタイルだからこそ、語る人達からひしひしと伝わる怒り・悲しみ・恐怖・戸惑いが伝わってくる。精神状態がいい時じゃないと観られないなと思いました。私は近々RRRドルビーというめちゃくちゃ楽しみな予定があるので観られましたけど、それがなかったら結構きつかったかも…
個人的きついポイントがやっぱり本人ボイスの電話シーンと物語終盤のミーガン対四人のあのシーン…リアルで地獄…
ミーガンとジョディの奮闘ぶりと彼女達が抱える問題(というより現実か)もリアルなもので非常に胸が苦しい。ただ苦しいだけじゃない。告発記事を出すにあたりチーム一丸で挑む感じとか最高だし、二人のパートナーも最高でした。かなり苦しい内容なので、主人公周りに不快なストレスがなくていいです。(それこそ無理解な上司とか、パートナーとかね)上司がめちゃめちゃ頼りになるの最高。うらやましい。
本作はなぜこんな男がハリウッドで絶大な権力を持っていたのか。一体何がこの男をいつまでも放置したのか。その問いの答えが明確でとてもいい。ここまでしなければ変わらなかった世界に絶望を覚えるけれど、それでも世界は少しでも変わる。希望で輝いていた少女が人生で不必要な経験をし、地獄を見、絶望したその先にまた希望を見いだせて本当によかった。彼女の涙に私も泣いた。
皆きっと生きていて何かしらの性被害は受けていると思う。私もそうです。だからこそ本作みたいな語り口は正直プロミシングヤングウーマンやラストナイトインソーホーよりも精神にくるものがあります。
記憶に新しいからこその痛みや、告発した女性達への誹謗中傷があった事を忘れてはいけないですね。バーのシーンはいらない様に見えるかもしれないけどあれこそ大事なシーンですよ。まだまだ世界は変わらないし、そこら中にワインスタインはいる。残念ですがこれが現実。
そんな中アシュレイ・ジャットが本人役で出演している事に驚きました。そこにある彼女の強い思いを感じました。その上で自分がどう生きるのか、改めて見つめなおす事ができる、本当にいい映画だと思います。
もう一度観たいかと言われるとしばらくは距離を置きたいですが…



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