今日は映画でもどうですか?

AK

文字の大きさ
上 下
68 / 148

アダちゃんに幸あれ LAMB

しおりを挟む
動物が辛い目にあうのが苦手な人は絶対におすすめできない作品です。
何かホラー的扱いですが、個人的にはダークファンタジーだと思いました。
以下バレますのでね!



















考えれば考える程むずぅ…となる本作ですが、お話はとてもシンプルです。
子供を亡くした羊飼いの夫婦がいつもの様に羊の出産を手伝っていたら、人間の体をした(一部羊です)羊頭の子供が生まれる。
夫婦は失った子供と同じ名前をつけ、自分達で育てる事にする。
さてその夫婦の結末は…というのが本作のあらすじです。
アイスランドの美しい景色に目が喜びます。本当に綺麗です。でも綺麗なものは不穏ですよね。美しい風景には似つかわしくない音楽。自然の持つ力を感じる事ができます。心が洗われますね、その後すぐ汚れますけど。
とにかくアダちゃんが可愛い!最初に全身が出てきた時はぎょっとするし、何だかいけないものを見ている様な気分になります。でも段々可愛くなっていくの~!!歩き方とかほてほてしてて可愛い。癒し…
夫婦とアダちゃんの暮らしは夫の弟の出現と、アダちゃんの母羊の鳴き声によって少しづつ軋んでいきます。
子供へ執着のあまりに母羊を手にかける割に、そんなにアダちゃんに愛情をもっているようには感じない妻マリア。おまけに夫の弟とかつて関係があった様子。
夫に抱かれたその日に弟に迫られたりと、とにかく人間関係がせまい所でぐにゃぐにゃしている…
マリアの”アダ”への執着に何も言えない夫イングヴァル。罪悪感からか、しかしアダちゃんには深い愛情を注ぐ。
アダちゃんは羊として育てるべきだと主張するも、可愛さにあっさり絆されるペートゥル。憎めない奴ですね。
兄弟はかなりマメにアダちゃんの面倒を見るんだけど、マリアは違う。彼女はアダちゃんの後ろに亡き”アダ”を見ているので、アダちゃんには興味がない。
イングヴァルは気が付いているのかわからないけど、マリアと向き合う事をせず、ただ無責任にアダちゃんに愛情を注ぐ。逃げているだけの様でも、彼の愛情を誰よりも感じていたのはアダちゃんだったと思うから…
だからこそアダちゃんはあんなにすがったんだよね、可哀相に…涙
アダちゃん年齢はどうなんだろうね、羊の年の取り方を考えたら多分三才位なのかな?(羊の年齢を調べました)だからこそ水面に映る自分の顔が両親と違う事に悩んだり、犬が自分に少しも慣れてくれない事をさみしく思ったり。猫が膝で喉を鳴らしてくれる事にドヤ顔してみてり。でも三才にしちゃ賢過ぎる気もするし…
パパにママが作ってくれてた朝ごはんを運んであげて、パパの寂しさを軽減させてあげようとしたり。突然現れた叔父さんに人見知りしちゃうけど、めっちゃ仲良くなったり。頭部が羊だからおしゃべりはできないけど、行動やしぐさがとてもお喋り。可愛い。
でもふとした瞬間とても不穏は雰囲気をかもしだす。犬の背後に立つ時や、眼差しが怪しい。
動物達の視線の先にぞわぞわします。母羊や、アダちゃんの瞳の向こう側は本当にゾッとするものがあります。
猫まで犠牲になったら精神崩壊していた…
ラスト、マリアの表情に何を見るかで自分の精神状態がわかるような気がします。
自分の精神状態を知る事ができる癒し映画(にしちゃ動物が可哀想だけど)です。
そして気持ちを抉る憂鬱映画でもあります。
あなたにはこの映画が、マリアがどんな風に見えますか?













しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

毎月一本投稿で、9ヶ月累計30000pt収益について

ちゃぼ茶
エッセイ・ノンフィクション
9ヶ月で毎月一本の投稿にて累計ポイントが30000pt突破した作品が出来ました! ぜひより多くの方に読んでいただけた事についてお話しできたらと思います!

女性は知らない男子トイレの話

黒いテレキャス
エッセイ・ノンフィクション
男子トイレの変な人の話

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

私が体験したスピリチュアルを日記にしました

”kataware片割れ”×2
エッセイ・ノンフィクション
小さい頃から生きづらさを感じて彷徨い続けたわたし もがけばもがくほど どん底に落ちていった 本当に本当に苦しくて、もうダメだ、と思ったとき 密教の呪術を駆使して多くの人を救っていた和尚に出会った 目の前で繰り広げられる密教の加持祈祷。護摩壇に燃える聖なる炎、唱える真言、結ばれる印。私の中の何かが目覚め、やがて私を取り巻く宇宙を動かし始めた。多くの人が救われたように、私もそのパワーによって救われた それからの私は、和尚のもとに通い詰めた。そのたびにいろいろなことを教わった。見えない世界で起きている本当のこと、この世界のすぐ上にある幽界や霊界のこと、人の生き死にや輪廻転生、前世やカルマについて、などなど。数えあげたらきりがない。 そしてまた、人生の第二幕ともいうべき遭遇。。。目の前に現れた光の存在 このときの私は光側ではなく闇側の世界を探求していた。そして自分の能力を超えて奥深くまで入りすぎてしまったため大きな憑依を受けてしまったのだ。いつもなら和尚に助けてもらうのだが、和尚はインドで修行中だった、それも半年も・・・、私は死にかけた。3か月で9㎏も痩せた。最後には水も飲めなくなった。それでも毎晩のように襲ってくる、何か、はまったく容赦してくれなかった。 もうダメだ、もう限界かもしれない そう思ったとき今度は目の前に救世主が降りてきた 「あなたさあー  さすがに今回はマズいでしょ  このままじゃ死んじゃうわよ」 まぶしいほどの光に包まれて降りてきたのは「シュアクリーナ」という美しい女性だった。彼女は私の魂の片割れ、光のツインレイでもあるそうだ 突然の出来事に私の頭は混乱したが、そんな私をよそ目に 「あなたは3000年前のインドにいたときも同じような状態になり死にかけたのよ。そのときも私があなたを助けたのだけど......覚えて......ない......よね」 3000年前のインドって? なんですかそれ!!! こんな体験が繰り返された私の物語をお伝えしたくなりました。 ーーーーーーーーーー 私は自分自身に起きた嘘のような本当の話を日記に書きとめてきました。その日記を紐解きながら、改めて整理してまとめてみました。これも何かのご縁だと思います。読んでくださるあなたの人生に少しでも役立つことを願っています。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

処理中です...