土下座令嬢――婚約破棄された腹いせに魔王と契約して、最強の力を手にしたまでは良いですが、今までの行いが悪だと知ったので、謝罪します

 イザベラ・ド・クロジング。

 性格は最悪のワガママ令嬢で、貴族であることを傘に、横暴な態度を振り回す、まさしく悪役令嬢。

 そんな彼女は当然のように人を殺めかけたため、当然のように婚約破棄が決まってしまった。

 その腹いせに、イザベラは復讐を決行すべく、裏ダンジョンと呼ばれる立ち入り禁止指定されているダンジョンの奥地へと向かってしまう。

 裏ダンジョン。その奥地には魔王の魂が封じられており、手にした者は、比類なき力を手に入れる――その伝承を信じたイザベラは魔王の魂に触れる。

 しかし、そうは上手くはいかなかった。魔王の魂はイザベラの肉体を乗っ取り、復活を目論む。

 身体をあわや乗っ取られた――そう思っていたイザベラだったが、目を覚ました時に身体に違和感はなく、むしろ蘇るのは、人質誘拐や、殺人未遂などの山のような前科に対する罪悪感のみ。

 最強の力こそ手に入れたものの、後ろめたさばかりが強くなり――彼女は様々な人に謝罪を繰り返すのであった。

「わたくし、ドゲザして謝罪いたしますわ!!!」
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