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第一章、〘運命の歯車〙
ギア7、殺された悲鳴の鳴る方へ
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「前回、ナルヤのストーカーであるマイが登場した、その次、ナグラとナオタはナルヤの高校に入る。そしてその次、お昼の時間に美術室へ行くとそこにはジャアクヒゲジロハサミムシがいた。そんなこんなあって三人は変身し、戦闘を始めた。というのが前回の流れです。さて、どうやってあの二人はこの高校へと行けたのか。分かりますか?…それは私が手続きを済ませたからです。はい。そういうことです。あ、そろそろ時間ですね。…では始まります。どうぞ。」
「ハァ!」
マイナス達はジャアクヒゲジロハサミムシと交戦し、ハサミに注意しつつ連携をとる。
「どうした?もう少し楽しませろ。」
「ちょ…ダヌア悪っぽい!正義のヒーローなんだからもっと明るく...」
「別に良いだろ?俺はそういう性格だ。」
「だからって、もっと正義は明るくした方が良いでしょ⁉」
「ふん、分かってないな?俺はこれが良いんだ。これが俺だ。」
「いやだとしても...あ」
その時三人が見たのは、ジャアクヒゲジロハサミムシが逃げ出す光景であった。エヴォだけでは流石に捕らえることは出来ず、そのまま逃げられてしまう。
「あ、おい!...逃げられたなぁ...正体分かんねぇし…ってか何よそ見してんのお前ら⁉」
「すまない、黄色いこいつのせいだ。」
「ごめんなさい、この黒い人のせいです。」
「どっちもだわバカ!」
三人は変身を解き、この後どうするか頭を抱える。するとそこにマイが走ってきた。その疲れきった顔からは、ナルヤでも見たことないような目をしていた。まるで、本当のことを教えてほしいような目を。
「ねぇ...!...皆って....何者なの...?」
「ちょ…マイ!あそこに居ろって言っただろ!」
「お願い...私は、貴方達に言いたいことが...」
「いえ、僕たちは何も知りませんよ!大丈夫ですから!また教室で!」
三人は本当のことを教えず授業に戻ろうとする。が、マイは諦めない。
「待って!お願い!私も力になりたい!」
「...何を言いたいかは後で聞く。とにかく、速く弁当食って勉強でもしてろ。俺達は先に戻ってるからな。」
そして、そそくさとマイを置いて教室へ戻る三人だった。
「...というか、さっき聞きましたけど、あの人って本当にストーカーなんですか⁉」
「ん?おう。そうだよ。」
「あれがストーカーか...人は見かけによらないな。あんな乙女がストーカーか...」
[廊下]
戻る途中、三人は美術室前を通過するが、あまりにも悲惨な光景であり、生徒や先生が数人ほど集まっていた。
「あーこれは大事になるな...」
「一応言っておきますけど、僕たちの正体バラしたら...」
「敵に特定されてこっちが不利になる可能性があるって言いたいんだろ?何となく分かる。」
そんな会話をしていたが、ふと目を前に向けると、影の薄そうな眼鏡の女子がいた。三人はその悲しそうな目線につられてもう一度美術室を見ると、割られた壺の作品が目に入った。
「...おい女、この壺の作者か?」
「ひッ...⁉」
ナグラの威圧的なオーラにビビる眼鏡女子は涙目で後退りする。
「おいナグラ顔顔!あとポッケに手!そしてその目!どうしたらそんな威圧的なオーラ出せんだよ⁉もうちょっと下がってろ...!」
「なんのことだ...?別に俺は...あぁ....」
「えっと、ごめんね!えーと...僕たちはね...」
何も悪いことはしてないけどなと思うナグラだった。そしてそこをフォローするようにナオタの優しさの塊オーラで話を聞き出すことに成功する。その眼鏡女子の名は、ナナミという。
「あれは、君の?」
「あれは、私のじゃないです....」
「ふーん?なんで見てたん?」
「実はあの作品、メグミさん...私の作品を壊した人のです...私、メグミさんの作品を壊した人の心当たりがあるんです。」
「あー、なるほどな。」
「まぁ可能性はゼロでは...ナナミさん、その怪しい人が今どこにいるか分かる?」
ナナミはゆっくりうなずく。
「いつも私たちが集まる所にいると思います...お願いします...!セナちゃんを...助けてください...!」
「なるほど。そのセナという者はお前を思ってこんなことをし、ナナミはそれを止めてほしいと。」
「よし!案内してくれ!」
「はい...!」
校舎裏
そこには、一人で誰かを待っているような女子がいた。
「セナちゃん!」
「...⁉ ナナミちゃん⁉その人達は...」
「やっぱ僕たちと面識があるっぽいですね。セナさん!貴方ですよね!メグミさんの作品を壊した犯人は!」
セナはまるで、目の敵を見るように三人を見る。ナナミを守る意志が強いからなのか、それともジャアクギアから来ているのか、どちらにせよ、彼女から溢れ出すとても異常な力に三人は気付く。
「...貴方達は味方するの?あいつの?なんでなの...?なんで⁉」
「もうやめろ!貴様、理解してないのか?」
「え...?」
「貴様が守ろう守ろうと言ってやっていることが、誰も幸せになっていないんだぞ?お前は、そのクズ女と同じだ!自分が楽しいからやる、自分が正しいからやるとな!」
「違う!...私は、聞いたの!あの時、壊されたナナミちゃんの作品達の....殺された悲鳴を!」
その場にいた者達は、その言葉の重みを瞬時に感じた。そして、ナナミは誰よりも感じる。その黒い目が、うるうるする程に。
「セナちゃん...」
「...あいつは!ナナミちゃんの作品を殺した!でも...ただ笑ってた...ゴミの作ったゴミは、ここまで脆いんだから当然だって...だから私は!!!」
[ジャアクヒゲジロハサミムシ!]
「憎いあいつが作った...憎い作品達を殺すの!私の手で....そして、憎いあいつも殺すの!!!」
「あー、これは戦い不可避だな...」
「二人とも!構えてください!」
「...セナちゃん!もう止めて!私たちに戦う意味なんて....!」
だがセナはナナミの言葉を無視し、ジャアクギアをアームバックルにセットし、回転させる。
「うわぁぁぁぁ!!!!」
「キャア!」
「ナナミさん!」
ナナミは吹き飛ばされ、そこをナオタがフォローする。
[JARKGEAR the ヒゲジロハサミムシ!]
「邪魔するお前達は私の敵!あの作品のように!粉々にする!」
目が血走り、聞く耳を持たないその姿は、まるで悪魔に取り憑かれたような復讐の姿。
「...やるしかないな。エヌ!ブラック!やんぞ!」
「はい!」
「セ...セナちゃん...」
「下がってろ女。ここは...俺たちの仕事だ。」
そのセリフを聞き、泣きそうな顔でナナミはゆっくりうなずく。ナグラは自然と笑みを浮かべ、真っ先にギアを起動する。
[ダヌア!]
マイナス達もそれに応え頷き、ギアを起動する。
[エヴォライト!エヴォレフト!][クイップ!]
「「「変身!」」」
[EVO THE HENSHIN.][QUIP THE HENSHIN!][GEAR HERO DANUA!...THE HENSHIN.]
三人のギアヒーローは悪魔に取り憑かれた彼女に目を向け、それぞれ戦闘体勢をとる。
「うぅぅ!あぁぁぁぁ!!!」
「うぇ⁉なんだぁ⁉」
ジャアクヒゲジロハサミムシは雄叫びをあげると、地面から機械生命体のような一つ目が現れた。黒ベースで体の所々に赤黒いアーマーが付いている。
「ジャク!ジャクジャク!」
「ジャーク!ジャク!」
その機械生命体達はエヴォ達を襲ってくる。
「何か出たぁ!なんだこいつら!」
「ジャアクロイドです!いわゆる....えーと、雑魚敵です!」
「あ、雑魚敵なの?ほーなるほどな...しゃあッ!何か良いね!盛り上がってきたぜ!」
「威勢は良いな。さぁ、やるぞ。」
三人はジャアクロイドを片っ端から潰していく。雑魚敵ということもあり戦力の差は歴然、ほぼ一撃で倒せるレベルであった。戦いは順調であったがしかし、エヴォは敵をなぎ倒しながら辺りを見渡す。
「...う~ん、なーんか足りないというか....大事な目標が二つくらい消えてるというか...あ。ちょ、おい!ナナミとハサミ野郎いねぇぞ⁉」
「何だと...?一体どこへ...」
「なら父さんがぁーおっとっとぉ…てりゃ!」「ジャグッ⁉」
「...追いかけてくださいッ!」
神回避をしつつ敵をなぎ倒し、ナルヤに指を指す。
「いやー追いかけるも何も...どこにいったのか分っかんな...」
「ほら、やるぞ。」
するとダヌアは、エヴォにひとつギアを託す。
「お、ダヌアさんきゅ!んでー、これはなんのギ...ってあぶね⁉こんのてんめぇ...喋ってる最中に攻撃すんなッ!!」
「ジャアッ⁉」
「それはグレイハウンドギアだ。グレイハウンドはいわゆる飼い犬の一種らしい。飼い犬の中では一番速く鼻も良い種類のはずだ。それで匂いを頼りにすれば、行けるだろう。」
ダヌアはジャアクロイドを一撃でどんどん葬りつつ、ギアの解説を難なくする。
「お、おうっす!よーし!やってやるっす!」
[グレイハウンド!]
「…フォームチェンジ!」
[TRANS FROM]
[グーレイド!飼い犬ワンちゃん誰より速い!ハウンドワオーン!追跡犬種!]
[EVO THE HENSHIN.][グレイハウンド!]
エヴォは茶色く小さい耳をした犬を模した姿になる。エヴォは瞬時に二人の匂いを感じとり、大まかな目的地を把握する。
「しゃあ!らしき匂い見っけ!フルスピードで行ったるぜぇ!ハァ!」
エヴォはジャアクロイドの間を掻い潜り、何処かへ行ってしまう。
「...さて、俺達がやるべきことは...」
「こいつらをどうにかすることですね...」
「ジャクジャーク....ジャーク!」
桐崎廃病院
「ここは...?」
グレイハウンドギアの力で二人の匂いを追いかけたエヴォだったが、着いたのは廃病院だった。まだ廃病院としては綺麗な方であったが、謎の異様な雰囲気にエヴォはブルルッと震える。
「うぅ…こえぇ所やっちゃなぁ。どうするかなぁ。ここで戦うにもあぶねぇし、なんだったら、あいつの言ってたこともなぁ...」
エヴォはセナのあの言葉を思い出す。そして、解釈する。
「あいつはあいつの正義...俺達には俺達の正義.....やっぱ、正義っておっそろしいなぁ…ん?」
すると、廃病院の中から声が聞こえた。エヴォはそれに気付きすぐさま急行する。
「声が聞こえた!そっちか…」
エヴォが駆け付けたその時、斬撃のような光が彼を襲う。
「(⁉)なんだッ⁉」
間一髪で攻撃を避け、斬撃が来た方向を視認する。するとそこには、黒いフードを被った小柄な女の子が、双剣を構えて立っていた。
「あ、あいつは...?」
エヴォは、その小柄な女の子が持っている双剣にピンクのギアがセットされていることに気が付く。
「ピンク色の....ギア⁉」
エヴォは目を凝らしてフードの中を覗いてみると、まるで禍々しい一つ目のギアヒーローらしき者がそこにいた。
「まさか、ギアヒーロー⁉」
「...さぁ!可憐な殺戮を楽しんでね!英雄さん!ハハッ☆」
次回ギア8、可憐な華と可憐な悪
おまけ
「ハァァァ!」
[クイップフィニッシュ!]
「ハッ!」
[ダヌアフィニッシュ!]
「ジャクァァ⁉」
「...終わりましたね。」
「あぁ、そんなことより、マイナスを追うぞ。片っ端から探すんだ...」
「...何か、異様な気配が... (⁉)誰だ!」
「あらら、バレちゃった?」
「貴様は...!」
「まぁいいわ、行きなさい!豚ども達!」
「ハァ!」
マイナス達はジャアクヒゲジロハサミムシと交戦し、ハサミに注意しつつ連携をとる。
「どうした?もう少し楽しませろ。」
「ちょ…ダヌア悪っぽい!正義のヒーローなんだからもっと明るく...」
「別に良いだろ?俺はそういう性格だ。」
「だからって、もっと正義は明るくした方が良いでしょ⁉」
「ふん、分かってないな?俺はこれが良いんだ。これが俺だ。」
「いやだとしても...あ」
その時三人が見たのは、ジャアクヒゲジロハサミムシが逃げ出す光景であった。エヴォだけでは流石に捕らえることは出来ず、そのまま逃げられてしまう。
「あ、おい!...逃げられたなぁ...正体分かんねぇし…ってか何よそ見してんのお前ら⁉」
「すまない、黄色いこいつのせいだ。」
「ごめんなさい、この黒い人のせいです。」
「どっちもだわバカ!」
三人は変身を解き、この後どうするか頭を抱える。するとそこにマイが走ってきた。その疲れきった顔からは、ナルヤでも見たことないような目をしていた。まるで、本当のことを教えてほしいような目を。
「ねぇ...!...皆って....何者なの...?」
「ちょ…マイ!あそこに居ろって言っただろ!」
「お願い...私は、貴方達に言いたいことが...」
「いえ、僕たちは何も知りませんよ!大丈夫ですから!また教室で!」
三人は本当のことを教えず授業に戻ろうとする。が、マイは諦めない。
「待って!お願い!私も力になりたい!」
「...何を言いたいかは後で聞く。とにかく、速く弁当食って勉強でもしてろ。俺達は先に戻ってるからな。」
そして、そそくさとマイを置いて教室へ戻る三人だった。
「...というか、さっき聞きましたけど、あの人って本当にストーカーなんですか⁉」
「ん?おう。そうだよ。」
「あれがストーカーか...人は見かけによらないな。あんな乙女がストーカーか...」
[廊下]
戻る途中、三人は美術室前を通過するが、あまりにも悲惨な光景であり、生徒や先生が数人ほど集まっていた。
「あーこれは大事になるな...」
「一応言っておきますけど、僕たちの正体バラしたら...」
「敵に特定されてこっちが不利になる可能性があるって言いたいんだろ?何となく分かる。」
そんな会話をしていたが、ふと目を前に向けると、影の薄そうな眼鏡の女子がいた。三人はその悲しそうな目線につられてもう一度美術室を見ると、割られた壺の作品が目に入った。
「...おい女、この壺の作者か?」
「ひッ...⁉」
ナグラの威圧的なオーラにビビる眼鏡女子は涙目で後退りする。
「おいナグラ顔顔!あとポッケに手!そしてその目!どうしたらそんな威圧的なオーラ出せんだよ⁉もうちょっと下がってろ...!」
「なんのことだ...?別に俺は...あぁ....」
「えっと、ごめんね!えーと...僕たちはね...」
何も悪いことはしてないけどなと思うナグラだった。そしてそこをフォローするようにナオタの優しさの塊オーラで話を聞き出すことに成功する。その眼鏡女子の名は、ナナミという。
「あれは、君の?」
「あれは、私のじゃないです....」
「ふーん?なんで見てたん?」
「実はあの作品、メグミさん...私の作品を壊した人のです...私、メグミさんの作品を壊した人の心当たりがあるんです。」
「あー、なるほどな。」
「まぁ可能性はゼロでは...ナナミさん、その怪しい人が今どこにいるか分かる?」
ナナミはゆっくりうなずく。
「いつも私たちが集まる所にいると思います...お願いします...!セナちゃんを...助けてください...!」
「なるほど。そのセナという者はお前を思ってこんなことをし、ナナミはそれを止めてほしいと。」
「よし!案内してくれ!」
「はい...!」
校舎裏
そこには、一人で誰かを待っているような女子がいた。
「セナちゃん!」
「...⁉ ナナミちゃん⁉その人達は...」
「やっぱ僕たちと面識があるっぽいですね。セナさん!貴方ですよね!メグミさんの作品を壊した犯人は!」
セナはまるで、目の敵を見るように三人を見る。ナナミを守る意志が強いからなのか、それともジャアクギアから来ているのか、どちらにせよ、彼女から溢れ出すとても異常な力に三人は気付く。
「...貴方達は味方するの?あいつの?なんでなの...?なんで⁉」
「もうやめろ!貴様、理解してないのか?」
「え...?」
「貴様が守ろう守ろうと言ってやっていることが、誰も幸せになっていないんだぞ?お前は、そのクズ女と同じだ!自分が楽しいからやる、自分が正しいからやるとな!」
「違う!...私は、聞いたの!あの時、壊されたナナミちゃんの作品達の....殺された悲鳴を!」
その場にいた者達は、その言葉の重みを瞬時に感じた。そして、ナナミは誰よりも感じる。その黒い目が、うるうるする程に。
「セナちゃん...」
「...あいつは!ナナミちゃんの作品を殺した!でも...ただ笑ってた...ゴミの作ったゴミは、ここまで脆いんだから当然だって...だから私は!!!」
[ジャアクヒゲジロハサミムシ!]
「憎いあいつが作った...憎い作品達を殺すの!私の手で....そして、憎いあいつも殺すの!!!」
「あー、これは戦い不可避だな...」
「二人とも!構えてください!」
「...セナちゃん!もう止めて!私たちに戦う意味なんて....!」
だがセナはナナミの言葉を無視し、ジャアクギアをアームバックルにセットし、回転させる。
「うわぁぁぁぁ!!!!」
「キャア!」
「ナナミさん!」
ナナミは吹き飛ばされ、そこをナオタがフォローする。
[JARKGEAR the ヒゲジロハサミムシ!]
「邪魔するお前達は私の敵!あの作品のように!粉々にする!」
目が血走り、聞く耳を持たないその姿は、まるで悪魔に取り憑かれたような復讐の姿。
「...やるしかないな。エヌ!ブラック!やんぞ!」
「はい!」
「セ...セナちゃん...」
「下がってろ女。ここは...俺たちの仕事だ。」
そのセリフを聞き、泣きそうな顔でナナミはゆっくりうなずく。ナグラは自然と笑みを浮かべ、真っ先にギアを起動する。
[ダヌア!]
マイナス達もそれに応え頷き、ギアを起動する。
[エヴォライト!エヴォレフト!][クイップ!]
「「「変身!」」」
[EVO THE HENSHIN.][QUIP THE HENSHIN!][GEAR HERO DANUA!...THE HENSHIN.]
三人のギアヒーローは悪魔に取り憑かれた彼女に目を向け、それぞれ戦闘体勢をとる。
「うぅぅ!あぁぁぁぁ!!!」
「うぇ⁉なんだぁ⁉」
ジャアクヒゲジロハサミムシは雄叫びをあげると、地面から機械生命体のような一つ目が現れた。黒ベースで体の所々に赤黒いアーマーが付いている。
「ジャク!ジャクジャク!」
「ジャーク!ジャク!」
その機械生命体達はエヴォ達を襲ってくる。
「何か出たぁ!なんだこいつら!」
「ジャアクロイドです!いわゆる....えーと、雑魚敵です!」
「あ、雑魚敵なの?ほーなるほどな...しゃあッ!何か良いね!盛り上がってきたぜ!」
「威勢は良いな。さぁ、やるぞ。」
三人はジャアクロイドを片っ端から潰していく。雑魚敵ということもあり戦力の差は歴然、ほぼ一撃で倒せるレベルであった。戦いは順調であったがしかし、エヴォは敵をなぎ倒しながら辺りを見渡す。
「...う~ん、なーんか足りないというか....大事な目標が二つくらい消えてるというか...あ。ちょ、おい!ナナミとハサミ野郎いねぇぞ⁉」
「何だと...?一体どこへ...」
「なら父さんがぁーおっとっとぉ…てりゃ!」「ジャグッ⁉」
「...追いかけてくださいッ!」
神回避をしつつ敵をなぎ倒し、ナルヤに指を指す。
「いやー追いかけるも何も...どこにいったのか分っかんな...」
「ほら、やるぞ。」
するとダヌアは、エヴォにひとつギアを託す。
「お、ダヌアさんきゅ!んでー、これはなんのギ...ってあぶね⁉こんのてんめぇ...喋ってる最中に攻撃すんなッ!!」
「ジャアッ⁉」
「それはグレイハウンドギアだ。グレイハウンドはいわゆる飼い犬の一種らしい。飼い犬の中では一番速く鼻も良い種類のはずだ。それで匂いを頼りにすれば、行けるだろう。」
ダヌアはジャアクロイドを一撃でどんどん葬りつつ、ギアの解説を難なくする。
「お、おうっす!よーし!やってやるっす!」
[グレイハウンド!]
「…フォームチェンジ!」
[TRANS FROM]
[グーレイド!飼い犬ワンちゃん誰より速い!ハウンドワオーン!追跡犬種!]
[EVO THE HENSHIN.][グレイハウンド!]
エヴォは茶色く小さい耳をした犬を模した姿になる。エヴォは瞬時に二人の匂いを感じとり、大まかな目的地を把握する。
「しゃあ!らしき匂い見っけ!フルスピードで行ったるぜぇ!ハァ!」
エヴォはジャアクロイドの間を掻い潜り、何処かへ行ってしまう。
「...さて、俺達がやるべきことは...」
「こいつらをどうにかすることですね...」
「ジャクジャーク....ジャーク!」
桐崎廃病院
「ここは...?」
グレイハウンドギアの力で二人の匂いを追いかけたエヴォだったが、着いたのは廃病院だった。まだ廃病院としては綺麗な方であったが、謎の異様な雰囲気にエヴォはブルルッと震える。
「うぅ…こえぇ所やっちゃなぁ。どうするかなぁ。ここで戦うにもあぶねぇし、なんだったら、あいつの言ってたこともなぁ...」
エヴォはセナのあの言葉を思い出す。そして、解釈する。
「あいつはあいつの正義...俺達には俺達の正義.....やっぱ、正義っておっそろしいなぁ…ん?」
すると、廃病院の中から声が聞こえた。エヴォはそれに気付きすぐさま急行する。
「声が聞こえた!そっちか…」
エヴォが駆け付けたその時、斬撃のような光が彼を襲う。
「(⁉)なんだッ⁉」
間一髪で攻撃を避け、斬撃が来た方向を視認する。するとそこには、黒いフードを被った小柄な女の子が、双剣を構えて立っていた。
「あ、あいつは...?」
エヴォは、その小柄な女の子が持っている双剣にピンクのギアがセットされていることに気が付く。
「ピンク色の....ギア⁉」
エヴォは目を凝らしてフードの中を覗いてみると、まるで禍々しい一つ目のギアヒーローらしき者がそこにいた。
「まさか、ギアヒーロー⁉」
「...さぁ!可憐な殺戮を楽しんでね!英雄さん!ハハッ☆」
次回ギア8、可憐な華と可憐な悪
おまけ
「ハァァァ!」
[クイップフィニッシュ!]
「ハッ!」
[ダヌアフィニッシュ!]
「ジャクァァ⁉」
「...終わりましたね。」
「あぁ、そんなことより、マイナスを追うぞ。片っ端から探すんだ...」
「...何か、異様な気配が... (⁉)誰だ!」
「あらら、バレちゃった?」
「貴様は...!」
「まぁいいわ、行きなさい!豚ども達!」
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