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第一章、〘運命の歯車〙

ギア5、俺は遅れてやってくる

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「前回、イチゲンのうっかりによってギアヒーローに変身出来なかった一応主人公の成也ナルヤ穴闇ナグラはその場しのぎをするためギアヒーローダヌアへと変身し、時間を稼ぐことになる。まぁ、私とエヌ様でイチゲンをぶっ飛ば....粛清をし、マイナス様にギアを届けられましたので、一安心です。...ん?マイナス様の能力が知りたい?ならば、その目で確認してください。やっとのこっさあの方の活躍が見れますよ...では、始まります。両目の眼に焼き付けて行きましょう。」

「ハァッ!」
「ギィィィ!」
ダヌアとジャアクサシバは未だに交戦を続けている。だがその実力差は歴然であり、ダヌアが圧倒しているように見える。
「グギャァァァ⁉」
「フン、つまらんな。貴様と戦うくらいなら、ホチキスの無駄使いをした方が楽しい。」
「オ前ノ例エ分カリニクイ....!」
「知るか!」
謎の口論を展開させながらダヌアは一撃を叩き込む。蜘蛛の脚をうまく利用し敵の攻撃を未然に防ぐ。
「おーい!ブラックー!俺、変身出来るようになったよー!」
「...やっとか、さて、俺は下がらせてもらおう。」
「ナンダ貴様...!戦イヲ放棄スル気カ!ソンナコトサセルカァァ!」
「フン。」
[必殺ノ刻。]
その時、ダヌアは左サイドのスイッチを押し、次に両サイドの持ち手を内側に押し込む。
[ドープノンパレイルアタック。ハイタカ!コガネグモ!キョクトウサソリ!ダーク・ネス・フィニッシュ!]
「そこで黙って見ていろ!」
ハイタカの羽がまるで追尾弾のように飛び交い、その羽が通った道筋に蜘蛛の糸が生成される。それに捕まったジャアクサシバは、巻きつかれた後にハイタカの羽が首に刺さり、少量のマヒ毒が注入され体を循環する。
「グ、グガァァァ....⁉ウゴケナ...イ....」
「1分程度動けなくしてやった。これなら...マイナス!見せられるだろ、お前の変身を!」
マイナスはそれに応える。
「あぁ!見せてやるぜ!」
マイナスは、トランスギアを腰に巻く。そして、二つの緑色のギアを起動する。
[エヴォライト!][エヴォレフト!]
そしてそれぞれをベルトの両サイドにあるくぼみにセットし、両サイドのトリガーを押す。するとギアは回転し、片方の歯車同士で噛み合う。[エヴォライトギア]は右にセットされ、[エヴォレフトギア]は左にセットされる。
[GO GO EVO!GO GO EVO!]
近未来的な音楽が鳴り響く。そして、ベルトの画面から二つの大きな歯車が飛び出し、マイナスを挟むように左右側へと移動する。
「...変身!」
マイナスは両サイドの持ち手をグググッと押し込む。すると、セットした二つのギアは押し込みと連動し回転する。完全に押し込むと、その時にギアは回転を止め、持ち手はダヌアのベルトとは違い、そのまま固定される。
[TRANS FROM.]
[Let's Go!Ready Go!SEIGINO HERO!GEAR・HERO!]
マイナスは灰色の機械へと姿を変える。
[EVO THE HENSHIN!]
マイナスを挟んだ二つの歯車は、マイナスをくぐらせるように逆サイドへと移動する。くぐった灰色のボディは緑色へと変わる。ダヌアやクイップのような様々な装飾品は無く、ただただシンプルな姿。しかし、その姿こそマイナスのギアヒーロー。そう、今ここに、ギアヒーローエヴォが誕生した。
「凄い...力がみなぎる...これがギアヒーロー....」
「エヴォ!」
「え?」
「それは、ギアヒーローエヴォ!イチゲン博士が父さんの為に設計した、いわゆるニュータイプです!」
エヴォはニュータイプという言葉に興奮しゾクッとする。今の自分の姿は見えないが、ダヌアとクイップとは全く別のヒーローになれたことは確か。それがマイナスの心に火をつける。
「...ハァ....ったく、最初はあんだけ嫌だったのに....もう興奮してよく分かんなくなったわ!」
「(!)マイナス!避けろ!」
「うお⁉」
ダヌアの声に合わせてエヴォは攻撃を避ける。ジャアクサシバは、ジャアクノヴァを解放したまま攻撃を続ける。
「俺ノ邪魔スルヤツ殺す殺す殺すコロス!」
「おわわ!あぶねっ!」
「シネシネシネシネs((」
「うるせぇぇ!」
ジャアクサシバはエヴォにハイキックを御見舞いさせられる。
「大体ッ!使うッ!言葉がッ!不謹慎ッ!過ぎてッ!何か怒られそうだろうがぁあああ!」
エヴォにラッシュを喰らわされながら説教され、ジャアクサシバはよく分からなくなる。
「グガァ⁉グハァ⁉ゴホォ⁉グギェ⁉ギエァ⁉ゴゲエァァァァ⁉(ナンデオレハオコラレテルノダ...?)」
「よし!」
「父さん!」
「はーい!」
「これ使ってください!」
「んあ?おっととと...」
エヴォはエヌにカルマギアを投げられる。そしてそれを上手くキャッチし、表面を確認する。
「カワラバッタ?」
「それをエヴォライトギアと交換してください!」
「あ、おう!」
[カワラバッタ!]
エヴォは、エヴォライトギアを外し、カワラバッタギアをセットする。
[カワラバッタ!GO GO!カワラバッタ!GO GO!]
両サイドの持ち手を押し込む。
「フォームチェンジ!」
[TRANS FROM.]
[カワラバッター跳んでったー!そいつは飛ばずに跳んでいく!]
[EVO THE HENSHIN.[カワラバッタ!]]
エヴォの姿は灰色に変色し、石のような模様になる。
「ん?んー...おぉ、スゲー。色変わった...」
「マイナス!よそ見するな!」
「グガァァァ!」
「お?おっおっおあぁ⁉」
その時、ジャアクサシバの滑空攻撃に対抗しようとしたエヴォは高く空を跳ぶ。
「グゥ?何処行ッタ?」
「おわぁぁぁあ⁉」
「ナンダト⁉」
そしてマイナスは、上からジャアクサシバを踏みつけ、カワラバッタの脚力を活かしキックを放つ。
「グゥゥ⁉」
「え?おぉ!当たった!でも手応えは中途半端で火力不足。どうすっか...」
「マイナス!」
「んお?ホゲッ⁉」
ダヌアは空を飛びながらエヴォにギアを投げる。そしてそれは眉間に当たり、エヴォは思わず変な声が出る。
「イッテェ...なぐ...ブラック!お前何すんだ!」
「すまない、ハイタカのパワーが有り余った。」
「なんじゃそら...んーと、ヒガシゴリラ...ヒガシゴリラ⁉」
エヴォは、ダヌアに肩を持たれ持ち上げられた状態でギアを確認する。
「ヒガシゴリラでは不満か?」
「いや、でもこれは鳥相手にしてはオーバーキルなギア...まいっか。」
ダヌアは、エヴォが目を合わせて頷いた瞬間に手を離す。
[ヒガシゴリラ!]
そしてエヴォは、エヴォレフトギアをヒガシゴリラギアに交換する。
「フォームチェンジ!」
[TRANS FROM.]
[ゴリラのドラミング!カワラバッタのジャンピング!腕と足のファイティング!]
[EVO THE HENSHIN.[ヒガシカワラゴリバッタ!]]
今度のエヴォは、筋肉質な体型の石模様をしたデザインに変わる。
「うわぁ、なんかパワーが無駄にみなぎる...」
「ミツケタゾ...コンドコソトドメヲサス!」
ジャアクサシバはエヴォを視認すると、猛スピードで突撃を繰り出そうとする。
「ん~...パンチング!」
「グォォ⁉」
攻撃は当たらなかった。が、その際に起きた風圧にジャアクサシバは吹っ飛ばされる。
「隙が出来た!マイナス!トドメだ!」
「お、マジで⁉よっしゃ行くぜ!確かこうやんだよな!おりゃッ!」
マイナスは両サイドのギアをトリガーを押して回転させる。
[必殺!]
近未来風な音楽が鳴り響く。そして、マイナスは両サイドの持ち手を押し込む。
[カルマ!]
[ヒガシカワラゴリバッタ!エヴォストライクフィニッシュ!]
「ハァァァ!」
エヴォのキックはジャアクサシバの胸にめり込む。
「グゥゥゥ...⁉オレガ...マケル....⁉」
「...お前に教えてやる....」
「ナン...ダト...?」
「氏ねとか、56すとか、言っちゃ駄目よ。」
「シルカァァ⁉」
エヴォはまるでバネの如し筋肉質の脚で悪を貫き、勢いを落としつつ着地する。瞬間、息絶えたかのようにジャアクサシバのギアは粉々になり、それによるものなのか、ジャアクサシバは大爆発する。
「ガァァァァ⁉」
「初戦闘...勝ち取ったり!」
数分後。
「うぅぅ...俺はただ、力が欲しかっただけなのにぃぃ...悔しいよぉぉ!」
「そういうのは、口に出しても意味がないぞ。」
「ですね。僕たちに言われても。」
「まぁなんつーか、哀れ...だな。」
ジャアクサシバは大泣きしながら文句を垂れ流す。そして、三人はそれを見て少し呆れる。
「皆様、そろそろ帰りましょう。」
「ん?あぁ。そうすっか。」
「父さんも、次の戦いまでに決め台詞を考えた方が良いですよ!」
「あぁ、一つや二つ、考えておけ。」
「いやなんでだよ....まぁ、嫌だって言ったら嘘だけどな...」
明るい会話は三人が疲れるまでずっと続いた。成也ナルヤは今日から、一人のギアヒーローとして戦うことを静かに誓った。

次回ギア6、学校への道のり

おまけ
「エヴォの豆知識だ!俺はギアを二つ使える!組み合わせられる!多彩!凄い!...え?中途半端だって?分かってないな!それがいい!ダヌアのようにデメリットを背負う訳でもなし!クイップのように武器を使わずとも本領発揮!ダヌアほどギアの潜在能力を扱える訳じゃないし、クイップほど元のスペックが高い訳でもないけど、俺には俺にしかできないことがある!だから俺は強い!ギアヒーローエヴォ!俺は強い!これからもよろしくな!....これでいい?というか、俺ってこういうキャラじゃないんだけど...もっとぽい台詞はなかったん?」
「父さん!カメラまだ回ってます!」
「え?嘘でしょ⁉えっと、あ、あ...あぁぁ!ギアヒーローズ!また見てねッ!!」
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