ギアヒーローズ

オルタナ(並能シウキ)

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第一章、〘運命の歯車〙

ギア3、武器の達人は獣の化身

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「前回、未来から来た息子である真大(ナオタ)改めエヌは、ギアヒーロークイップに変身した。主人公である成也(ナルヤ)に、ギアヒーローというのは何かというのを見せつけるため、彼は自分の戦いを見せることとなる。....何故主人公より、相棒枠が活躍しているのでしょうか?まぁ良いでしょう。....さて、ここで皆様に問題です。ギアヒーロークイップには、ある能力が使えます。その能力とはいかに?フフ、ではお待たせしました。今日も楽しんでください。...まぁ、今回の主人公は前回同様何もしませんが。おっと、これは失敬。では、ギア3、武器の達人は獣の化身、どうぞ。」

「皆さーん!安心してください!僕達、デスブレイド討伐隊に任せてくださいね!こういう悪い奴は、このギアヒーロークイップが!倒して見せますよ!」
転げ落ちているカメラを拾い上げ、クイップはジャアクカルマに指を指して宣言する。
「ギアヒーロークイップ?へっ、随分と変わった名前だな。」
「あ、う~んいや、別に否定しないけどさ...変わった名前の何処が悪いのッ!」
クイップは犬のジャアクカルマに突っ込んでいく。そして、ジャアクカルマに目掛けてブローを入れる。だがジャアクカルマは、それに反応する。
「馬鹿が!見え見えだ!」
「どうかな!」
「何⁉」
しかし、クイップの一撃は怪物の反応速度を上回り、ガードをすり抜けて胸に攻撃を喰らわせる。そしてその一撃は一度では止まらない。怪物が付け入る隙を与えず一方的に攻撃を当てていく。
「すげぇ...あれがギアヒーロー!バカ速ぇ!」
「フッ、驚くのはまだ早い。」
「え?それってどういう...?」
「まぁ見ていろ。」
穴闇(ナグラ)は成也に、ワクワクさせる言葉を言う。成也も、この言葉に興奮せざるを得なかった。実際、この言葉はロマンに溢れていたから。クイップはその後も、高速ブローを怪物に叩き込む。
「ぐぅ⁉あぁぁ!イライラする!てめぇ、マジでぶっ潰すぞ...!」
「君の姿...あ、その姿ボクサー犬のギアでしょ?かっこいい!でも、ボクサー犬って本当はもっと落ち着いてるけどなぁ...まいっか!そうだなぁ、君の名前、僕のネーミングセンスで決めるなら、さしずめジャアクボクサーってとこかな?」
「あぁぁ!うるせぇ!変な名前付けんじゃねぇ!やっぱマジでぶっ潰す!」
ジャアクボクサーはその時、右腕の手首についていたバックルのジャアクボクサーギアを回す。
[ジャアク!ボクサーノヴァ!]
禍々しい声と共に、ジャアクボクサーは黒紫色のオーラを纏う。
「行くぞ...!」
「おわっ!」
すると、ジャアクボクサーは目に見えないスピードでクイップを惑わす。
「喰らえぇ!」
「イテッ!」
完全に見失った所を突き、クイップに攻撃を当てる。
「おい⁉あれってやべぇんじゃね⁉」
「待て。」
「おわ⁉」
手をバッと横に突き出し、成也を止める。何で止めるのだとは思ったが、その時の彼の顔は、安心しろと言わんばかりの表情だった。
「...安心しろ。あいつにも、強い手駒がある・・・・・・・。」
「え?」
そして、ジャアクボクサーはクイップにトドメを刺そうとする。
「終わりだぁ!」
「おっとっと。」
「はぁ⁉」
「おりゃ!」
クイップは余裕な身のこなしでカウンターを決める。これにはジャアクボクサーも反応できるんかよと思った。
「グハァ⁉」
「へへ、じゃあ次はこっちの番かな!」
[ハナカマキリ!]
クイップは、新しいギアを取りだし、表面を押して起動する。次に、変身時に立てていた両サイドのレバーを落とす。
[come come weapon!come come weapon!]
そして、右のレバーのくぼみにギアをセットし回転させ、噛み合った音を鳴らす。
[WEWEAPON!ハナカマキリ!WEWEAPON!ハナカマキリ!]
ノリノリな音楽が鳴り響き、クイップは両サイドのレバーを立てる。
[GOOD!WEAPON UP!][ハナカマキリダガー!]
すると、クイップの手元に花柄のギザギザナイフが二つ現れる。
「あれは⁉」
「ギアヒーロークイップは、ギアに書いてある生物を元に武器を作れる。あれはハナカマキリをモチーフにした二刀流ナイフだな。」
「....あれ?カマ・・キリだから、鎌じゃねぇの?」
「...ん?何故ナイフなのだ?」
「いや俺が知るわけないだろ。当たり前のように質問を返すな。」
彼の純粋な疑問に思わず質問を返してしまった穴闇だったが、そんな中でも、クイップはジャアクボクサーに向けてナイフを向ける。
「何だよそれ...随分と可愛い花柄デザインだな?そんなんで俺に勝てると...?」
「へへ、いっせーの、」
「せ」を言う瞬間、ジャアクボクサーに無数の傷が付き、クイップの姿が消える。
「(なッ⁉一体何が⁉俺は何故傷付いている⁉)」
「後ろだよ!」
「何⁉」
クイップは驚異の速さでバックアタックを決める。
「がぁッ⁉(こいつは何故、ボクサーの力を持った俺の後ろにいる⁉俺の動体視力は、ピカイチのはずだぞ...⁉)」
穴闇は成也にクイップの豆知識を言う。
「クイップは、武器を扱うことを前提としているからな。元のスペックが高いのだ。」
「へぇ...いや急だな。」
「誰かが説明を求めていたような気がしてな。」
クイップはジャアクボクサーを少しずつ圧倒していく。
「せいやぁ!」
「グゥ....!貴様ぁ!」
「よし!これで終わりだ!」
クイップは、中心にセットしてあるクイップギアを回転させる。回転したギアは、噛み合った音と共に回転が止まる。
[Are you ready?]
[warning!トドメ!warning!トドメ!warning!トドメ!]
ノリノリな音楽が鳴り響き、クイップは両サイドのレバーを落とす。
[必殺!]
そして、両サイドのレバーを立てる。
[カルマ!]
[Great![ハナカマキリ!]クイップフィニッシュ!]
「そいや!」
「グッ⁉」
クイップは、ハナカマキリダガーを投げ、ジャアクボクサーの両肩に刺す。その瞬間、ジャアクボクサーはまるで、カマキリに捕まったかのように動けなくなる。
「ハァァ....!テリャァァァァ!」
クイップは飛び上がり、ジャアクボクサーに向かって飛び蹴りを放つ。捕まえた獲物を逃がさまいと、二つのダガーの間を狙い、喰らうかのごとくキックが命中する。
「グァァ...⁉」
するとジャアクボクサーは、キックによって吹き飛ばされ人間の姿へ戻り、ジャアクギアにはヒビが入り割れてしまった。
「...すげぇ。あれがギアヒーロー!」
「どうだ?なりたいだろ?」
「お、おっす!なりたいっす!...ん?」
「言ったな?なら、世界を救ってもらおうか。ハハハ。」
「あ」
クイップはベルトを外し、真大の姿を現す。
「...さてと、ジャアクボクサーの変身者さん?もう悪いことしないでね。」
「クッ....!」
「...さてと。」
真大は、成也と穴闇に視線を向ける。そこには、焦る自分の父さんと、笑う自分の相棒がいた。
「いや、今のはいわゆる油断してて!ご飯食べたことある?息を吸ったことある?変身する?みたいな流れで言っただけであって!」
「安心しろ。俺達の能力はそれぞれ変わるからな。変身してからのお楽しみだ。」
「そういうことじゃな....え、マジで⁉全員違うの⁉それはマジで興奮するなぁ!一体、俺はどういう能力なんだろーなーってちがぁぁぁう!」
真大は、この光景に笑みを浮かべた。そしてネストに合図をする。ネストはそれを見てうなずき、パソコンのエンターキーを押し、成也の家へ瞬間移動した。

次回ギア4、あいつの失態ふざけた失敗?

おまけ
「俺は...力が欲しかった....でも、誰も協力してくれない...お前には無理だ...お前なんかが出来るか...俺はただ、あいつらに認めて欲しかった....陸上部でバカにしてきたあいつらを、見返したかった...だから俺はデスブレイドに声をかけられて嬉しかった....だから躊躇いもなくやったんだ。それが俺の過去だ......だが、これだけは言っておく。俺はいつか奴を....」
「あ、もう時間だ。はーいでは帰ってくださーい。」
「何だと⁉まて!俺はまだ話し足りない!」
「では、ギアヒーローズ、また見ろよ。」
「うわぁぁぁぁ!」
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