コバナシ

鷹美

文字の大きさ
上 下
130 / 151
第4話 

第4話 19

しおりを挟む

 「ふざけてはいないさ。
他人からの信頼の数字の対価をいただく。

八百屋だろうが、飯屋だろうが全て同じじゃないか。」


普齊は、蓮をトーロに向かって投げる。
そして刀を抜いて藤麻の攻撃を防ぐ。

蓮のように何かを話すわけでもなく、無心に攻撃を連続で振るう姿に心底嬉しそうな表情になる。


「そうそう、わかってるじゃない少年。
戦いは戦い、会話は会話でそのひとつの事に対し集中してこなす。

今度は邪魔者も心配の種もない、思い切りやろうか!」


重たい金属音を響かせて普齊は刀を押し出すように藤麻を遠くに飛ばした後に走って追いかける。
吹き飛ばされた藤麻も視線は普齊から離さず、後ろ向きで飛ばされたまま小太刀を擦って火を起こして刀身に纏わせて近づいてきた普齊に振るう。


普齊も心底たのしそうに声を上げて藤麻の攻撃を受け流し反撃する。
普齊の反撃を攻撃した反対側の小太刀で防ぎ、そのまま突き出すとうに反撃し直した後に藤麻の足が地面につき、そのまま距離をとるように後ろに軽く跳んだ。


「最高だ少年、前の戦いでかなり学習したようだ。
俺の部下達にはなんでこういうのがいないのだろうか。

だけどな、少年…俺が見たいのはそれじゃない。
俺の刀を容易に叩き切ったあの力をもう一度見せてくれ!」


「刃物を振り回して子供に絡む出ない、馬鹿者!」



【暴風】


蓮は体に回転をかけて風を纏わせた両手のトンファーを普齊に叩きつける。
流石に四大の力を込めた重たい攻撃を普齊は受け止めずに、少し下がって避けた。


【朱雀】


少し普齊が宙に浮いた隙を逃さずに蓮は空中で踏ん張って普齊に向かっていく。

一瞬。
その言葉にふさわしい速度で蓮は普齊にむかって翻弄するように攻撃しては移動して他の位置から攻撃を何度も繰り返して行った。


普齊は見切っているのか視線は正確に蓮を追いかけており蓮の攻撃を正確に防いでいく。
蓮の攻撃を防ぎ切った後に、普齊は数歩下がって刀を鞘にしまって中腰になる。


【起(き)】


一言でいうなら、居合切り。
ふぅ…と深く大きく息を吐きだした瞬間に強く前に足を踏み出して刀を抜いて一閃。

連はトンファーでガードしたが、それすらも真っ二つにして蓮を斬り裂いた。
しっかりトンファーに四大を纏わせていたにも関わらず。


「言われなかったか、あんたは早いだけなんだよ。」



普齊は刀を切り返してトドメを指そうとしたが、藤麻にさえぎられる。
蓮と普齊の間に割り込むように攻撃しながら立ち回っていく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。

秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚 13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。 歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。 そしてエリーゼは大人へと成長していく。 ※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。 小説家になろう様にも掲載しています。

悪役令嬢は始祖竜の母となる

葉柚
ファンタジー
にゃんこ大好きな私はいつの間にか乙女ゲームの世界に転生していたようです。 しかも、なんと悪役令嬢として転生してしまったようです。 どうせ転生するのであればモブがよかったです。 この乙女ゲームでは精霊の卵を育てる必要があるんですが・・・。 精霊の卵が孵ったら悪役令嬢役の私は死んでしまうではないですか。 だって、悪役令嬢が育てた卵からは邪竜が孵るんですよ・・・? あれ? そう言えば邪竜が孵ったら、世界の人口が1/3まで減るんでした。 邪竜が生まれてこないようにするにはどうしたらいいんでしょう!?

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。

向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。 それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない! しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。 ……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。 魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。 木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

【完結】見返りは、当然求めますわ

楽歩
恋愛
王太子クリストファーが突然告げた言葉に、緊張が走る王太子の私室。 伝統に従い、10歳の頃から正妃候補として選ばれたエルミーヌとシャルロットは、互いに成長を支え合いながらも、その座を争ってきた。しかし、正妃が正式に決定される半年を前に、二人の努力が無視されるかのようなその言葉に、驚きと戸惑いが広がる。 ※誤字脱字、勉強不足、名前間違い、ご都合主義などなど、どうか温かい目で(o_ _)o))

召喚されたけど不要だと殺され、神様が転生さしてくれたのに女神様に呪われました

桜月雪兎
ファンタジー
召喚に巻き込まれてしまった沢口香織は不要な存在として殺されてしまった。 召喚された先で殺された為、元の世界にも戻れなく、さ迷う魂になってしまったのを不憫に思った神様によって召喚された世界に転生することになった。 転生するために必要な手続きをしていたら、偶然やって来て神様と楽しそうに話している香織を見て嫉妬した女神様に呪いをかけられてしまった。 それでも前向きに頑張り、楽しむ香織のお話。

聖女の妹は無能ですが、幸せなので今更代われと言われても困ります!

ユウ
ファンタジー
侯爵令嬢のサーシャは平凡な令嬢だった。 姉は国一番の美女で、才色兼備で聖女と謡われる存在。 対する妹のサーシャは姉とは月スッポンだった。 能力も乏しく、学問の才能もない無能。 侯爵家の出来損ないで社交界でも馬鹿にされ憐れみの視線を向けられ完璧を望む姉にも叱られる日々だった。 人は皆何の才能もない哀れな令嬢と言われるのだが、領地で自由に育ち優しい婚約者とも仲睦まじく過ごしていた。 姉や他人が勝手に憐れんでいるだけでサーシャは実に自由だった。 そんな折姉のジャネットがサーシャを妬むようになり、聖女を変われと言い出すのだが――。

婚約破棄されたので、契約不履行により、秘密を明かします

tartan321
恋愛
婚約はある種の口止めだった。 だが、その婚約が破棄されてしまった以上、効力はない。しかも、婚約者は、悪役令嬢のスーザンだったのだ。 「へへへ、全部話しちゃいますか!!!」 悪役令嬢っぷりを発揮します!!!

処理中です...